- 日
- はちみじおうがん
- 関
- 八味丸
- 和漢診療学 第2版.293
生薬
病態
- 太陰病期、虚証。腎虚 (医学辞書)
- 太陰病期・水滞型、虚証(和漢診療学 第2版.293)
目標
- 八味地黄丸
- 中年以降特に高齢者に頻用され、腰部及び下肢の脱力感・冷え・しびれ等があり、排尿の異常(特に夜間の頻尿)を訴える場合に用いる
- 1)上腹部に比べて下腹部が軟弱無力の場合
- 2)多尿、頻尿、乏尿、排尿痛等を伴う場合
- 3)疲労倦怠感、腰痛、口渇等を伴う場合
適応
- 慢性腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧、浮腫、更年期障害、老人性湿疹、高齢者のかすみ目、五十肩、肩こり
- 疲労、倦怠感激しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互に冷感のあるものの次の諸症:腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧(和漢診療学 第2版.293)
鑑別
慎重投与
- 1. 体力の充実している患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]
- 2. 暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の患者[心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心等があらわれることがある。]
- 3. 著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘等があらわれることがある。]
- 4. 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
注意
高齢者
妊婦、産婦、授乳婦
- 妊娠または妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい
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八味地黄丸(はちみじおうがん)とは、漢方薬の一つ。出典は『金匱要略』。別名、八味丸、腎気丸、八味腎気丸ともいう[1]。
目次
- 1 効果・効能
- 2 組成
- 3 慎重投与
- 4 副作用
- 5 薬効薬理
- 6 八味地黄丸の変方と家康
- 7 脚注
- 8 関連項目
効果・効能
腎(生殖器をも含む)の機能の衰えを目標とする。つまり、下半身の疲労脱力、多尿、頻尿、尿利減少、腰痛、手足の煩熱または厥冷、口喝などを目標とし、膀胱炎、前立腺肥大、腎炎、高血圧症、糖尿病、陰萎などに応用する[2]。この他、腰部脊柱管狭窄症においても効果が得られている。
保険適用エキス剤の効能・効果
疲労、倦怠感著しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの次の諸症:腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧[3]
組成
地黄(ジオウ)6.0g、山茱萸(サンシュユ)3.0g、山薬(サンヤク)3.0g、沢瀉(タクシャ)3.0g、茯苓(ブクリョウ)3.0g、牡丹皮(ボタンピ)2.5g、桂皮(ケイヒ)1.0g、附子末(ブシ末)0.5g
処方名
八味とは、本方が地黄、山茱萸、山薬(薯蕷)、沢潟、茯苓、牡丹皮、桂枝、附子の8味で構成されるからであるが、『金匱要略』(『傷寒雑病論』の雑病部分)では「八味地黄丸」という名称は用いられておらず、血痺虚労病篇第6に「八味腎気丸」の名で、疲飲款漱病篇第12、消渇小便利淋病篇第13、婦人雑病篇第22に「腎気丸」の名で記載されている。腎気とは腎の臓の正気のことである。中国伝統医学では腎に生殖器も含み、「腎気丸」は腎の精気を補うことを意味する。五行で水、腎に配当される黒色の生薬である主薬の地黄の名称が後世に配され「八味地黄丸」となったものと考えられている[1]。
慎重投与
- 体力の充実している患者
- 暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の患者
- 著しく胃腸の虚弱な患者
- 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者
副作用
発疹、発赤、掻痒、肝機能障害、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢、便秘、心悸亢進、のぼせ、舌のしびれなど[3]。
薬効薬理
示唆される作用機序[3]
- ラットレンズのアルドースレダクターゼ活性を阻害した(in vitro)[4]。
- 経口投与により睾丸組織中のテストステロン濃度が増加した(ラット)[5]。
薬効を裏付ける試験成績[3]
- 実験的糖尿病抑制作用:経口投与により、ストレプトゾトシンによる血糖値上昇、摂水量増加、尿量増加、摂餌量増加、膵島B細胞減少が抑制された(ラット)[6]。
- 循環器系に対する作用
- 高コレステロールモデル(ウサギ)に混餌投与したところ、血管弾性率の低下が抑制された[7]。
- 高コレステロールモデル(マウス)に飲水投与したところ、大動脈中のカルシウム含量、コラーゲン含量の上昇が抑制された[8]。
- 骨代謝に対する作用
- 経口投与により、卵巣摘出ラットの脛骨のカルシウム含量低下が抑制された[9]。
- GnRH作動薬による低エストロゲンモデルラットに経口投与したところ、大腿骨の骨量低下が抑制され、脛骨の骨形成率が上昇した[10]。
- 造精機能に対する作用
- 幼若ラット、成熟去勢ラットに経口投与したところ、前立腺のチミジンキナーゼ活性が増加した[11]。
- 経口投与により、アドリアマイシンによる造精機能障害が改善された(マウス)[12]。
- 利尿作用:飲水投与により、老齢ラットの尿量、尿中ナトリウム排泄量が増加した[13]。
- 血圧降下作用
- 高血圧モデル(ラット)の血圧上昇期に飲水投与したところ、血圧上昇が抑制された[14]。
- 食塩感受性モデル(ラット)に混餌投与したところ、血圧の上昇が抑制された[15]。
- 腎臓に対する作用:食塩感受性モデル(ラット)に混餌投与したところ、糸球体濾過量の低下が抑制され、糸球体、腎血管の組織障害が改善された[15]。
八味地黄丸の変方と家康
江戸幕府初代将軍の徳川家康は体に気を使っていたため医薬品に強い興味を持ち、薬も自ら調合していた。静岡県にある久能山東照宮には、家康が使った薬箱や薬研がある。家康は、八味地黄丸の変方で和剤局方に掲載されている処方「無比山薬丸」(地黄、山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、五味子、ニクジュヨウ、杜仲、牛膝、巴戟(天)、免絲子などで構成。太字が八味地黄丸と重複)に、松前慶広から慶長15年(1610年)と慶長17年(1612年)の二回にわたり献上された[16]海狗腎(カイクジン:オットセイのペニス)を加えた処方を愛用し[17][18][19]、専用の薬箱の8段目に保管していたといわれる[17]。これはこの漢方が俗に「八の字」と呼ばれていたことから、この頭文字になぞらえて、わかりやすい8段目にいれていたようである[20][21] [22]。
脚注
- ^ a b 小曽戸洋「漢方一話:処方名のいわれ6:八味地黄丸(八味腎気丸)」、『漢方診療』第13巻第5号、1994年、 p37、 ISSN 0288-3643。
- ^ 大塚敬節 『漢方医学』 創元社〈創元医学新書〉、1990年2月1日(原著1956年7月25日)、第3版、p139。ISBN 4-422-41110-1。
- ^ a b c d 株式会社ツムラ『医薬品インタビューフォーム:ツムラ八味地黄丸エキス顆粒(医療用)』、2006年11月改訂版
- ^ 会田薫ほか『ホルモンと臨床』第33巻第12号、1985年、 p163、 ISSN 0045-7167。
- ^ 臼杵悊「漢方製剤の testicular steroidogenesis に及ぼす影響」、『和漢医薬学会誌』第3巻第3号、1986年、 p.p.362-363、 ISSN 0289-730X。
- ^ Luo,W.,Q., Kanno,T. et al. (1998). "AN EXPERIMENTAL ANALYSIS OF THERAPEUTIC EFFECTS OF A CHINESE HERBAL PRESCRIPTION IN STREPTOZOCIN-TREATED RATS". Biomed. Res. 19 (2): p.p.127–133. ISSN 0388-6107.
- ^ 雨谷栄、梅田雅臣ほか「漢方処方の解析:第29報:実験的動脈硬化に及ぼす漢方方剤の効果」、『和漢医薬学会誌』第3巻第3号、1986年、 p.p.338-339、 ISSN 0289-730X。
- ^ 原中瑠璃子、長谷川律子ほか「八味地黄丸、柴胡加竜骨牡蛎湯、大柴胡湯、黄連解毒湯エキスの動脈硬化に及ぼす影響に関する実験研究」、『和漢医薬学会誌』第3巻第1号、1986年、 p.p.51-57、 ISSN 0289-730X。
- ^ 左雨秀治、張洪ほか、「去勢メスラットの老化モデルに対する八味地黄丸(TJ-7)の効果検討」、『産婦人科漢方研究のあゆみ:No.10』診断と治療社、1993年、p.p.46-53
- ^ 金子均ほか「GnRH agonist によるラットの骨量減少に対する八味地黄丸の抑制効果」、『日本更年期医学会雑誌』第3巻第2号、1995年、 p225、 ISSN 0919-5033。
- ^ 熊井昭彦、岡本良平ほか、「雄ラット性腺系へ与える八味地黄丸の影響」『産婦人科漢方研究のあゆみ:No.4』診断と治療社、1987年、p.p.98-103
- ^ 須藤和彦ほか『東邦医学会雑誌』第38巻第4号、1991年、 p476、 ISSN 0040-8670。
- ^ 原中瑠璃子ほか『Proc. Symp. WAKAN-YAKU』1982年、15巻、15号
- ^ 丁宗鐵、荒川和男ほか「実験的高血圧成立過程に及ぼす各種漢方薬の影響:新高血圧ラットMHR:その12」、『和漢医薬学会誌』第6巻第3号、1989年、 p.p.416-417、 ISSN 0289-730X。
- ^ a b 上原譽志夫ほか「食塩感受性高血圧モデルラット(DAHL)における八味地黄丸の血圧ならびに心腎血管系および糸球体障害の保護作用について」、『Prog. Med.』第14巻第6号、1994年、 p.p.1761-1776、 ISSN 0287-3648。
- ^ 宮本義己「徳川家康公と医学」(『大日光』66号、1995年)
- ^ a b 宗田一「徳川家康と『八之字薬』」、『和漢薬』第400号1986年、 p.p.121-124、 ISSN 0913-1183。
- ^ 難波恒雄「なぜ富山に売薬業がおこったのか:反魂丹の謎」、『薬史学雑誌』第31巻第2号、1996年、 p.p.155-156、 ISSN 0285-2314。
- ^ 原敬二郎「丸剤の歴史と当院における丸薬の治療について」、『漢方の臨床』第45巻第4号、1998年、 p479、 ISSN 0451-307X。
- ^ 宮本義己『戦国武将の健康法』(新人物往来社、1982年)ISBN 9784404011169
- ^ 宮本義己「徳川家康公と医学」(『大日光』66号、1995年)
- ^ 篠田達明『戦国武将の死生観』(新潮社、2008年)ISBN 978-4-10-603626-2
関連項目
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Japanese Journal
- 臨床報告 八味地黄丸が有効であった多系統萎縮症の一例
- 21世紀の漢方医学 : —生活習慣病予防治療の新しい可能性を求めて—
- 佐藤 祐造
- 日本東洋医学雑誌 62(1), 1-16, 2011
- … 糖尿病は「金匱要略」での“消渇”に相当し,八味地黄丸が有効処方とされている。 …
- NAID 130000880548
- うつ病不完全寛解例に対する六味丸,八味地黄丸の効果 (特集 軽症うつと漢方)
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- 八味地黄丸とは?効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番: 薬事典版)
- 八味地黄丸. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内, 検索. 八 味地黄丸(はちみじおうがん)とは、漢方薬の一つ。出典は『金匱要略』。別名、八味丸、 腎気丸、八味腎気丸ともいう。 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
八味地黄丸料エキス顆粒T
組成
- 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の水製乾燥エキス〔日局 八味地黄丸(ハチミジオウガン)エキス〕5.0gを含有する。
日局ジオウ 5.0g
日局サンシュユ 3.0g
日局サンヤク 3.0g
日局タクシャ 3.0g
日局ブクリョウ 3.0g
日局ボタンピ 3.0g
日局ケイヒ 1.0g
日局ブシ末 1.0g
添加物として、乳糖水和物、軽質無水ケイ酸、ヒドロキシプロピルセルロースを含有する。
効能または効果
- 疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で時に口渇がある次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ
- 通常、成人1日7.5gを2?3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 体力の充実している患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]
- 暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の患者[心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心等があらわれることがある。]
- 著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘等があらわれることがある。]
- 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- edema
- 関
- 水腫、angioedema、全身性浮腫
分類
- 低アルブミン血症はfast edema と覚えておく
浮腫の原因
- IMD.518
-
- 内分泌性浮腫
- 栄養失調性浮腫・栄養障害性浮腫
- 薬剤性浮腫
- 起立性浮腫
- 特発性浮腫
- 内科診断リファレンス p.4
浮腫を来す疾患
- IMD.519改変
-
- 内科外科マニュアルp.212
- 蜂窩織炎
- 深部静脈血栓症
- 表在静脈瘤(慢性静脈還流不全)
- うっ血性心不全
- ネフローゼ症候群
- 肝硬変
- 甲状腺機能亢進症
- 甲状腺機能低下症
- 薬剤:CCB,ピオグリタゾン,NSAIDs,女性ホルモン,甘草
- 特発性浮腫:女性,夕方増悪する下腿の浮腫:NaCl,炭水化物制限
- 月経前症候群:黄体期に出現し,月経発来と共に消退:当帰芍薬散,加味逍遥散
肝性浮腫と腎性浮腫
- 肝性浮腫は下肢に、腎性浮腫では眼瞼に浮腫が初発する?(出典不明)
-
- 越婢加朮湯
- 五苓散
-
-
- 当帰芍薬散
- 真武湯
-
- 防已黄耆湯
- 八味地黄丸
参考
[★]
- 英
- benign prostatic hyperplasia BPH, benign prostatic hypertrophy, prostatic hyperplasia
- 同
- 前立腺肥大
- 関
- 前立腺
定義
- 加齢に従い、前立腺の内腺が腫大し、尿路を圧迫して排尿障害を呈する疾患。
疫学
- 前立腺の肥大(内腺)は30-40歳代から始まり、50歳代には顕著となり、70歳代以降ではほぼ全例に認められるが、臨床症状を呈するのはこの一部である(10-20%)。
病因
病態
- 肥大した前立腺により尿路を刺激し、さらには閉塞して、ついには完全尿閉に至る。
重症分類
- 前立腺体積が20ml以下では軽症、前立腺体積が20-50ml以下では中等症、前立腺体積が50ml以上では重症
症状
- YN.E-86 SURO.258
- 病期は3つに分けられる:(1)第1病期 刺激期、(2)第2病期 残尿発生期、(3)第3病期 慢性尿閉期
病期
|
病態
|
症状
|
第1病期
|
刺激期
|
腫大した前立腺による後部尿道(膀胱頚部、前立腺尿道)の刺激
|
軽度の排尿困難、夜間頻尿、排尿時不快感
|
第2病期
|
残尿発生期
|
残尿(50-150ml)の発生
|
排尿困難(いきみながらの排尿)。残尿。急性尿閉(飲酒、抗コリン薬、長時間の乗り物の乗車)
|
第3病期
|
慢性尿閉期
|
さらなる残尿(300ml以上)、膀胱の過伸展(排尿筋だけでは排尿できない)
|
奇異性尿失禁、腎機能低下による尿毒症症状
|
検査
[show details]
診断
- 参考1
- 病歴、理学的検査、尿検査、血清クレアチニン測定、PSA測定、尿流測定、残尿測定、排尿時における排尿筋圧、尿流率同時測定法、内視鏡検査、画像診断(超音波検査法、静脈性腎盂造影法、排尿時膀胱尿道造影法、逆行性尿道造影法など)などにより行う。
- 診断のステップ
- 1. 病歴、理学的検査(直腸診)、尿検査、血清クレアチニン測定、PSA測定 → 排尿障害の症状が前立腺肥大症によるものと考えられるか判断
- 2. 国際前立腺症状スコアの評価:(≦7点)経過観察。(≧8点)尿流測定、残尿測定、PFSを施行 → 尿道閉塞の程度を把握し治療
- 3. (治療する場合)QOLスコアを考慮して治療方法を選択。
- 4. (追加検査)内視鏡検査、画像診断法:ルーチン検査法ではない。外科的治療の準備や合併疾患の疑診例に対して実施する。
治療
- SURO.258 参考1 参考3
-
- α1ブロッカー:プラゾシン(副:起立性低血圧)、タムスロシン(副:血圧を下げないが、射精障害がある) ← 肥大した前立腺の圧迫の他に膀胱頚部、尿道、前立腺の平滑筋(α1受容体)の過剰収縮によっても排尿困難が起きているため、尿道内圧を下げ症状緩和しうる。
- 抗アンドロゲン薬:クロルマジノン、アリルエストレノール。前立腺の縮小作用。(副:性器脳障害、肝機能障害)
- 5α還元酵素阻害薬:前立腺の縮小作用。
- その他:漢方製剤(猪苓湯、八味地黄丸)、花粉製剤、アミノ酸製剤 ← 自覚症状の改善にとどまる
- 加熱療法:ハイパーサーミア(前立腺内加熱温度45℃以下)と高温度療法(前立腺内加熱温度45℃以上)がある。熱源はマイクロ波、RF波、レーザー波などがある。レーザー療法、温熱療法の長期成績は未確立。
- 出典不明
- 第1期:薬物療法:α遮断薬、抗アンドロゲン薬、漢方薬
- 第2期:手術療法:経尿道的前立腺切除術、前立腺被膜下摘出術
参考
- 1. 2001年 前立腺肥大症 ガイドライン
- 2. 日本Endourology・ESWL学会によるBPHガイドライン
- http://jsee.umin.ac.jp/images/guideline.pdf
- 3. [信頼度不明]前立腺肥大症の漢方治療【百花園漢方薬局】
- http://www.est.hi-ho.ne.jp/abes/hyakkaen21/tokusiyu26.htm
国試
[★]
- 英
- kidney、renal
- 関
- 腎性、腎臓
漢方医学
機能
- 1. 成長、発達、生殖能を維持する
- 2. 骨、歯牙の形成と維持に関与
- 3. 水分代謝を調節する
- 4. 呼吸脳を維持する
- 5. 思考力、判断力、集中力を維持する
失調
- 症状:性欲減退、骨の退行性変化、歯芽の脱落、毛髪の脱落、夜間頻尿、浮腫、口渇、息切れ、精神運動の低下、視力・聴力の低下、不眠、四肢の冷え・ほてり、しびれ、小腹不仁
- 治療方剤
[★]
- 関
- 腎
- 性欲の減退、骨の退行性変化、歯牙の脱落、毛髪の脱落、夜間頻尿、浮腫、口渇、息切れ、精神活動の低下、視力・張力の低下、不眠、四肢の冷え/ほてり、しびれ、小腹不仁など
治療方剤
[★]
- 桂枝加朮附湯:関節痛、神経痛
- 八味地黄丸:疲労、倦怠感に著しく、利尿減少または頻数、口渇し、手足に交互に冷感と熱感のあるものの次の諸症:腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧
- 牛車腎気丸:疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少または多尿で時に口渇がある次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ
- 大防風湯:関節が腫れて痛み、麻痺、強直して屈伸しがたいもの:関節リウマチ、慢性関節炎、痛風
- 真武湯
- 麻黄附子細辛湯
[★]
- 関
- 漢方製剤、八味地黄丸料
[★]
- 関
- 八味地黄丸、漢方製剤
[★]
- 英
- rehmannia root
- 関
- 牛車腎気丸