- 日
- ぶし
- 英
- Japanese aconite daughter root, aconite tuber
- ラ
- Aconiti Tuber
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2018/09/22 10:51:58」(JST)
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この項目では、狂言の演目のひとつである『附子』について説明しています。毒や漢方薬の一種または植物トリカブトの異名である「附子」については「トリカブト」をご覧ください。
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『附子』(ぶす)とは、狂言の曲目の一つ。小名狂言に分類される。
あらすじ
或る家の主が、「附子という猛毒が入っている桶には近づくな」と使用人である太郎冠者(たろうかじゃ)と次郎冠者(じろうかじゃ)に言いおいて外出する。しかし留守番を言い付かった太郎冠者と次郎冠者は、附子のことが気になって仕方がない。主人からは「毒の入った桶から流れてくる空気を浴びただけでも死んでしまう」と言われていた二人は、扇を使って空気をかわしつつ接近を試み、とうとう太郎冠者は、桶の中身を覗いてみることにする。するとどうであろう、毒であるはずの附子なのだが、大変おいしそうに見えるではないか。誘惑に負けて、太郎冠者が附子をなめてみると毒というのは全くの嘘で、主人が附子だと言った物の正体は砂糖であった。二人は奪い合うようにして砂糖を食べつくしてしまった。主人が嘘までついて隠しておいた砂糖を食べてしまった言い訳として、二人が選択した行動とは…
まず、主人が大切にしている茶碗と掛け軸をめちゃめちゃに壊す。見るも無惨になったところで、二人で大泣きした。すると、帰ってきた主人が泣いている二人と、破れた掛け軸、壊れた茶碗を発見し、二人に事情を聞いた。そこで二人は、「掛け軸と茶碗を壊してしまったため、死んで詫びようと毒だという附子を食べたが死ねず、困っている」と言い訳するので、どうしてよいか困った主人が途方に暮れ、最後は「やるまいぞやるまいぞ」と主人が逃げる太郎冠者と次郎冠者を追いかける…。
解説
使用人の太郎冠者と次郎冠者が主人の嘘を見破り、さらに逆手にとる一連の出来事を滑稽に描いている。狂言演目としては、最も一般的に知られているもののひとつである。狂言の各流派に伝承されているが、細かな所作や台詞については違いがある。
砂糖の価値 日本で産業的な製糖が広まったのは江戸時代である[1]。それ以前の日本においては、砂糖は輸入に頼る貴重品であった。一方、狂言は室町時代から江戸時代初期にかけて発展してきた芸能であり、当時の価値観が反映されている。したがって『附子』の中で、主が毒だと嘘をついてまで「砂糖」という貴重品を使用人に見せたくなかったこと、太郎冠者らが争うように食べつくしたこと、どちらも道理である。ちなみに容貌の醜い女性のことを「ブス」というのはアコニチン(トリカブトの有毒成分)中毒では神経が障害を受け、顔の表情筋が不随になっておかしな貌になるからだという。
『附子』の原型 13世紀(鎌倉時代)に纏められた仏教説話集『沙石集』に『附子』の原型がある[2]。登場人物は坊主(僧)と小児である。時代が下って、「一休咄」として伝えられた話の中にも同系統の話がある。この『附子』も古くは登場人物が主人と太郎冠者・次郎冠者ではなく、坊主とふたりの新発意(若い僧侶)であった(『天正狂言本』)。また日本各地にも同系統の民話が伝えられており、『日本昔話事典』ではこれらを「飴は毒」型として分類している。この場合「毒」とする食品も、言い訳に壊す貴重品にも様々な変形が見られる。また朝鮮半島でも『慵齋叢話』に干し柿を毒であるとした似た話が収録されていることから[3]、東アジアに広く伝えられていた話であった可能性がある。
脚注
- ^ 独立行政法人農畜産業振興機構 お砂糖豆知識「砂糖のあれこれ・砂糖の歴史 3」
- ^ 沙石集の部屋「児の飴食ひたること」
- ^ 『日本昔話事典』 稲田浩二、川端豊彦、三原幸久、大島建彦、福田晃、弘文堂、1994年。ISBN 978-4335570490。
参考文献
- 橋本朝生、土井洋一 校注『狂言記』岩波書店〈新日本古典文学大系 58〉、1996年。ISBN 978-4002400587
- 北川忠彦、安田章 校注『狂言集』小学館〈新編 日本古典文学全集 60〉、2000年。ISBN 978-4096580608
- 内田麟太郎『ぶす』長谷川義史 イラスト、ポプラ社〈狂言えほん〉、2007年。ISBN 978-4591098417
- もとしたいづみ『狂言えほん:ぶす』ささめやゆき 絵、講談社〈講談社の創作絵本〉、2007年。ISBN 978-4061323476
外部リンク
- 読書の時間『狂言「附子」』: 日本語を学習する他国人向けに『附子』を書き下ろしてある。
- 茂山千五郎家: 狂言曲目解説で『附子』の一部分の動画を公開。
- 細見美術館: 売店アートキューブショップでオリジナル水飴「附子」を販売している。
- 独立行政法人農畜産業振興機構 - 砂糖の基礎知識 - 2000年12月号 日本人と砂糖の交流史#砂糖の日本小史
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UpToDate Contents
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- 5. 結節性硬化症を合併する成人のリンパ脈管筋腫tuberous sclerosis complex associated lymphangioleiomyomatosis in adults [show details]
Japanese Journal
- 初期の風邪とこじれた咳の出る風邪の診療 (特集 こんなときこそ漢方を!) -- (私のイチオシ処方)
- 巽 浩一郎
- 総合診療 = Journal of generalist medicine : ジェネラルに診ることが求められる時代の臨床誌 28(12), 1623-1629, 2018-12
- NAID 40021743392
- 桃田 幸弘,高野 栄之,東 雅之
- 徳島大学大学開放実践センター紀要 27, 41-47, 2018-03
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- NAID 120006530179
- <b>烏頭剤を使用した関節痛・全身倦怠感を伴った</b><b>サルコイドーシス症例</b>
- 坪 敏仁,山口 哲生,三潴 忠道,宇仁田 明奈,古田 大河,鈴木 雅雄,上野 孝治,鈴木 朋子,秋葉 秀一郎,佐橋 佳郎,小宮 ひろみ
- 日本東洋医学雑誌 69(3), 239-245, 2018
- … 最終処方は赤丸料(烏頭24g)と附子粳米湯(烏頭14g)であった。 …
- NAID 130007605209
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
漢方製剤・丸剤 ウチダの八味丸M
組成
効能または効果
- 疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少または多尿で口渇がある次の諸症;下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ。
- 1回2g(20丸)
- 成人1日3回 食前又は食間に経口投与する。
- なお症状により適宜増減する。
慎重投与
- 体力の充実している患者
- 副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。
- 暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の患者
- 心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心等があらわれることがある。
- 著しく胃腸の虚弱な患者
- 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘等があらわれることがある。
- 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者
- これらの症状が悪化するおそれがある。
★リンクテーブル★
[★]
- 同
- 水毒
- 関
- 水
- 水に偏在をきたした病態
- 診断基準として水滞スコアが提案されている。
- 水滞の病型には、全身型(全身の浮腫、下痢、めまい感、尿量減少、夜間頻尿)、皮膚・関節型(顔面浮腫、関節腫脹、身体の一部の腫脹、朝のこわばり)、胸内型(水様の喀痰、胸水、動悸、胸内苦悶感)、心下型(胃部振水音、悪心・嘔吐、下痢、グル音の亢進)がある。
治療方剤
水滞・全身型
水滞・皮膚関節型
水滞・胸内型
[★]
- 日
- はちみじおうがん
- 関
- 八味丸
- 和漢診療学 第2版.293
生薬
病態
- 太陰病期、虚証。腎虚 (医学辞書)
- 太陰病期・水滞型、虚証(和漢診療学 第2版.293)
目標
- 八味地黄丸
- 中年以降特に高齢者に頻用され、腰部及び下肢の脱力感・冷え・しびれ等があり、排尿の異常(特に夜間の頻尿)を訴える場合に用いる
- 1)上腹部に比べて下腹部が軟弱無力の場合
- 2)多尿、頻尿、乏尿、排尿痛等を伴う場合
- 3)疲労倦怠感、腰痛、口渇等を伴う場合
適応
- 慢性腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧、浮腫、更年期障害、老人性湿疹、高齢者のかすみ目、五十肩、肩こり
- 疲労、倦怠感激しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互に冷感のあるものの次の諸症:腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧(和漢診療学 第2版.293)
鑑別
慎重投与
- 1. 体力の充実している患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]
- 2. 暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の患者[心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心等があらわれることがある。]
- 3. 著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘等があらわれることがある。]
- 4. 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
注意
高齢者
妊婦、産婦、授乳婦
- 妊娠または妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい
[★]
- 関
- 肺、五臓
(漢方医学における)肺の機能
- 1. 呼吸により宗気を摂取する
- 2. 水穀の気の一部を赤色化し血を生成し、一部を水に転化する。
- 3. 皮膚の機能を制御し、その防衛力を保持する。
症状
治療
[★]
- 英
- kidney、renal
- 関
- 腎性、腎臓
漢方医学
機能
- 1. 成長、発達、生殖能を維持する
- 2. 骨、歯牙の形成と維持に関与
- 3. 水分代謝を調節する
- 4. 呼吸脳を維持する
- 5. 思考力、判断力、集中力を維持する
失調
- 症状:性欲減退、骨の退行性変化、歯芽の脱落、毛髪の脱落、夜間頻尿、浮腫、口渇、息切れ、精神運動の低下、視力・聴力の低下、不眠、四肢の冷え・ほてり、しびれ、小腹不仁
- 治療方剤
[★]
- 関
- 腎
- 性欲の減退、骨の退行性変化、歯牙の脱落、毛髪の脱落、夜間頻尿、浮腫、口渇、息切れ、精神活動の低下、視力・張力の低下、不眠、四肢の冷え/ほてり、しびれ、小腹不仁など
治療方剤
[★]
- 桂枝加朮附湯:関節痛、神経痛
- 八味地黄丸:疲労、倦怠感に著しく、利尿減少または頻数、口渇し、手足に交互に冷感と熱感のあるものの次の諸症:腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧
- 牛車腎気丸:疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少または多尿で時に口渇がある次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ
- 大防風湯:関節が腫れて痛み、麻痺、強直して屈伸しがたいもの:関節リウマチ、慢性関節炎、痛風
- 真武湯
- 麻黄附子細辛湯
[★]
- 関
- 附子理中湯、漢方製剤
[★]
- 関
- 漢方製剤、麻黄附子細辛湯
[★]
黄附子細辛湯
- 関
- 漢方製剤
[★]
- 英
- child
- 関
- 子供、雑種、小児、小児用