- 英
- methicillin-resistant Staphylococcus aureus methicillin resistant Staphylococcus aureus MRSA
- 関
- 黄色ブドウ球菌。VRSA、LRSA
耐性獲得機序
- 多種がもつβ-ラクタムに親和性の低いペニシリン結合蛋白を発現するようになったため
- 細胞壁合成酵素(penicillin-binding protein: PBP) PBP 2'の産生。このペニシリン結合タンパクはmecAにコードされている。
- βラクタム薬の投与により発現が誘導される、らしい。
抗菌薬
- QB.H-178
臨床関連
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/30 15:35:34」(JST)
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(メチシリンたいせいおうしょくブドウきゅうきん、Methicillin-resistant Staphylococcus aureus、MRSA)とは、抗生物質メチシリンに対する薬剤耐性を獲得した黄色ブドウ球菌の意味であるが、実際は多くの抗生物質に耐性を示す多剤耐性菌である。なお、生物種としてはあくまで黄色ブドウ球菌であるので、生物学的な詳細は同記事を参照のこと。
目次
- 1 特徴
- 2 耐性機構
- 3 細菌叢調査
- 4 注釈
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
特徴[編集]
MRSA は黄色ブドウ球菌が耐性化した病原菌であり、黄色ブドウ球菌と同様に常在菌のひとつと考えられ、健康な人の鼻腔、咽頭、皮膚などから検出されることがある。
そもそも薬剤耐性菌であるため薬剤の使用が多い病院で見られることが多く(耐性菌は抗生物質の乱用により出現すると言われている)、入院中の患者に発症する院内感染の起炎菌としてとらえられている。しかし病原性は黄色ブドウ球菌と同等で、健康な人にも皮膚・軟部組織感染症などを起こしうる。病院外での発症が最初に確認されたのは1960年代にさかのぼるが、近年では健康な人のごく一般的な感染症の起炎菌として見つかることもあり、本菌が病院から街中へと広がっていることが示唆されている。community-acquired MRSA (CA-MRSA) は、1999年に米国で死亡例がみられてからは、外来診療でも留意すべき菌種のひとつとなった。CA-MRSAは、院内感染でのMRSAとは異なり、ミノサイクリンやST合剤、クリンダマイシンが有効であることが多い。
本菌が免疫力が低下した患者に感染すると、通常では本菌が起こすことはないような日和見感染を起こすこともある。一旦発症するとほとんどの抗生物質が効かないため治療は困難である。特に、術後の創部感染、骨感染(骨髄炎)、感染性心内膜炎(IE)、臓器膿瘍は難治性化し、適切な治療を受けられないと後遺症ばかりか死の転帰をたどる事になる。
院内で感染者が判明した場合、感染者の治療も重要であるが、感染を広げないことも重要であり、標準予防策に基づく適切な感染管理が必要となる。MRSA の場合、接触感染予防策が適用である。
代表的な治療薬はバンコマイシン、テイコプラニン、アルベカシンである。2006年4月、リネゾリドが新薬として承認された。菌種(クローン)によっては、ミノサイクリンやレボフロキサシン、クリンダマイシン、ST合剤(スルファメトキサゾールおよびトリメトプリムの合剤)などが、有効か中等度有効であることがある。「抗菌薬使用のガイドライン」ではバンコマイシン、アルベカシンを第一選択薬とし、効果が得られなかった場合などにテイコプラニン、リネゾリドを使用するよう推奨されている。また、国内では適応がとれていないが、欧米ではキヌプリスチン・ダルホプリスチン(商品名シナシッド)も有効であることが証明され、使用が認可されている。80%エタノールが消毒薬として有効である(エタノール消毒は芽胞を持たない細菌に有効)。
バンコマイシンは耐性菌の出現が少ない抗菌薬として MRSA の治療に汎用されていた。1996年のバンコマイシン低度耐性黄色ブドウ球菌(VISA)やバンコマイシンヘテロ耐性黄色ブドウ球菌(ヘテロVISA)の発見を始め、2005年現在、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)のバンコマイシン耐性遺伝子(vanA)を獲得したバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)の出現が報告されていることから、その使用には十分な注意が必要とされている。さらに、β-ラクタム系抗生物質との併用によってバンコマイシン耐性が発現する MRSA も出現している。これはbeta-lactam antibiotic induced vancomycin-resistant MRSA(BIVR)と呼ばれており、併用には注意が必要である。
耐性機構[編集]
ペニシリン系抗生物質をはじめとするβ-ラクタム系抗生物質は、細菌の細胞壁を構成するペプチドグリカンの合成を阻害することで作用する。これに対して、従来のペニシリン耐性ブドウ球菌はペニシリン分解酵素を産生することで薬剤耐性を獲得した。そこでこれらの細菌に対しても有効な、ペニシリン分解酵素によって分解されない薬剤が開発された。これがメチシリンであり、ペニシリン耐性菌の治療に効力を発揮した。
しかしながら MRSA は、従来のペニシリン耐性菌とは別の戦略を採ることでメチシリン耐性の獲得に成功した。MRSA は従来のブドウ球菌とは異なり、β-ラクタム剤が結合できないペプチドグリカン合成酵素(PBP2')を作ることでβ-ラクタム剤の作用を回避する。この PBP2' というタンパク質はmecAという遺伝子にコードされているが、この遺伝子はDNAカセット染色体と呼ばれる部分に、他の薬剤耐性遺伝子とともに集まっており、ある菌から他の菌へ種を超えて伝達されることが解明された。
一般に薬剤耐性を獲得した細菌は、薬剤感受性の細菌に比べて増殖が遅い傾向があり[1]、MRSAもペニシリン感受性の黄色ブドウ球菌に比べると増殖が遅い[2]。
細菌叢調査[編集]
- 各細菌叢調査報告詳細に関しては、記載論文・抄録を参考にされたい。
- 伊藤重彦、吉永恵、大江宣春 他:救命センターにおけるMRSA感染(保菌)状況,日本臨床救急医学会雑誌第2巻1号,p.152,1999.
- 錦利佳、黒岩みゆき、小高香珠代 他:MRSA感染防止に対する看護婦の認識と行動の実態調査,医療第55巻増刊3,p.508,2001.
- 伊藤重彦、大江宣春、草場恵子 他:病院職員のMRSA鼻腔内保菌率調査とムピロシンによる除菌,日本環境感染学会 環境感染,第17巻3号,p.285-288,2002.
- 吉谷須磨子:MRSA感染患者に対する感染看護の評価,感染防止第14巻5号,p.27-29,2004.
- 馬笑雪、伊藤輝代、WalterPedreira 他:ウルグアイにおける市中獲得MRSAのoutbreak調査,日本細菌学会雑誌第59巻1号,p.214,2004.
- FujimuraShigeru、KatoSeiichi、HashimotoMotoya et al:Survey of methicillin-resistant Staphylococcus aureus from neonates and the environment in the NICU,Journal of Infection and Chemotherapy第10巻2号,p.131-132,2004.
- 久保真利子、名護博:老人ホームのMRSA保菌者状況,瀬戸内短期大学紀要第35号,p.31-37,2004.
- 上條篤、横尾英子、高橋吾郎 他:医療従事者の鼻前庭部MRSA保菌者における鼻疾患の有無についての検討,日本鼻科学会会誌第44巻2号,p.127-130,2005.
- 久保裕義、千葉直彦、横山宏 他:療養型病院における入院患者のMRSA保菌のリスクと医療従事者の意識についての調査,山梨医学第33巻,p.84-87,2005.
- 高橋尚人、崔信明、矢田ゆかり 他:新生児集中治療室におけるMRSA保菌に関する全国調査,日本小児科学会雑誌第109巻8号,p.1009-1014,2005.
- 小森由美子、二改俊章:市中におけるメチシリン耐性ブドウ球菌の鼻腔内保菌者に関する調査,日本環境感染学会 環境感染第20巻3号,p.164-170,2005.
- 平林円、川又攻、宮城伸浩 他:周産期病棟におけるMRSA感染,大阪市勤務医師会研究年報第32号,p.49-50,2005.
- 甘庶志帆乃、北元憲利、加藤陽二 他:一病院の患者および医療従事者におけるMRSA分子疫学調査,感染症学雑誌第79巻臨増,p.134,2005.
- 江藤由紀、田澤悠、花井美幸:MRSA伝播予防に関する意識と行動変容,東京医科大学病院看護研究集録第25回,p.84-89,2005.
- 柴田弘子、池野貴子、出口由美 他:看護学生の感染症の履歴認識およびMRSA保菌状況に関する調査,日本環境感染学会 環境感染第20巻Suppl,p.123,2005.
- 小笠原康雄、大野公一、播野俊江 他:MRSA保菌患者への対応に関する意識調査とその問題点 自施設と病診連携のある施設へのアンケート調査の結果,INFECTION CONTROL(メディカ出版)第14巻4号,p.382-386,2005.
- 渡辺朱理、佐藤法仁、苔口進、福井一博:歯科医療従事者および歯学部学生におけるメチシリン耐性ブドウ球菌の保菌状況調査,日本環境感染学会 環境感染第21巻Suppl, p.212,2006.
- 阿部哲士、市川日出勝、竹中信之 他:整形外科病棟における院内感染対策としてのMRSAサーベイランスの現状,日本骨・関節感染症研究会雑誌第19巻,p.22-25,2006.
- 渡辺朱理、佐藤法仁、苔口進、福井一博:感染防止と歯科医療受診行動III~歯科学生、歯科衛生士学生、非医療系大学生における歯科医院選択におけるMRSAに対する意識調査~.医学と生物学 150(9),p.336-343,2006.
注釈[編集]
- ^ Andersson DI, Levin BR. (1999). “The biological cost of antibiotic resistance.”. Curr Opin Microbiol. 2 (5): 489-93.
- ^ Miriam Ender, Nadine McCallum, Rajan Adhikari, and Brigitte Berger-Bächi (2004). “Fitness Cost of SCCmec and Methicillin Resistance Levels in Staphylococcus aureus”. Antimicrobial Agents and Chemotherapy 48 (6): 2295-7.
関連項目[編集]
- ブドウ球菌
- 黄色ブドウ球菌
- 薬剤耐性菌
- 抗生物質
- 院内感染
- 院内感染対策チーム(感染制御チーム・感染対策チーム)(ICT)
- 院内感染対策委員会(感染制御委員会・感染対策委員会)(ICC)
外部リンク[編集]
- 2002年第18週号 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 国立感染症研究所細菌第二部] - 国立感染症研究所 感染症情報センター
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (methicillin-resistant Staphylococcus aureus ;MRSA) 感染症の滅菌・消毒 - 横浜市衛生研究所 感染症・疫学情報課
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) (特集 小児感染症2015 : 小児感染症のマネージメント) -- (小児で注意すべき耐性菌)
- 伝染性膿痂疹,ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群,丹毒・蜂巣炎 (特集 見てわかる小児の皮膚疾患) -- (感染性皮膚疾患)
- 臨床経験 人工関節術前鼻腔MRSAスクリーニング検査
- 肝切除術および膵切除術におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 : 手術部位感染の現況と対策および問題点
Related Links
- 2002年第18週号(2002年4月29日~5月5日)掲載 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 黄色ブドウ球菌は、ヒトや動物の皮膚、消化管内などの体表面に常在するグラム陽性球菌である。通常は無害であるが、皮膚の切創や刺創などに伴う ...
- 47 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症について紹介しています。 ... 検査方法 検査材料 分離・同定による黄色ブドウ球菌の検出、かつオキサシリンのMIC値が4μg/ml以上、又はオキサシリンの感受性ディスク(KB)の阻止円の直径が ...
- 知恵蔵2015 - メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の用語解説 - ペニシリンの一種であるメチシリンが効かなくなった黄色ブドウ球菌。薬剤耐性菌の代表格。多くの抗生物質に抵抗性を示し、感染症は治療が困難。MRSAは、抗生物質を長期に ...
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- 72歳の男性。発熱と全身の倦怠感を主訴に来院した。
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- 既往歴:高血圧症と糖尿病で内服治療中。
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- その後の経過:精査のため入院とし、腹部超音波検査で肝膿瘍を認めた。超音波ガイド下膿瘍穿刺吸引検査を行い、採取した穿刺液を培養検査に提出し、抗菌薬の投与を開始した。培養検査ではGram陽性球菌が検出された。
- 原因菌として可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E060]←[国試_110]→[110E062]
[★]
- 74歳の男性。脳梗塞で入院中である。1か月前、四肢麻痺にて緊急入院し、脳幹梗塞と診断された。入院中に肺炎を発症し、抗菌薬にて治療後に回復期リハビリテーション病棟に転棟した。転棟時、意識は清明。不全四肢麻痺のため車椅子への移乗と食事とに介助を要する。体温 36.4℃。血液所見:赤血球 421万、Hb 13.4g/dL、Ht 42%、白血球 6,400、血小板 21万。胸部エックス線写真に異常を認めない。転棟前に実施した喀痰培養でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)陽性が判明した。リハビリテーションは訓練室で実施している。
- この患者への対応で誤っているのはどれか。
- a 院内で情報を共有する。
- b リハビリテーションは継続する。
- c バンコマイシン点滴静注を開始する。
- d 食事介助の際にマスクとガウンを着用する。
- e 使用したティッシュペーパーは感染性廃棄物とする。
[正答]
※国試ナビ4※ [109F016]←[国試_109]→[109F018]
[★]
- 咳、痰および発熱を訴えて入院した感染症患者を診察した医師が、医療スタッフにはN95マスクの着用を指示し、患者にサージカルマスクを着用させて陰圧個室に隔離するよう指示した。
- 原因病原体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101B059]←[国試_101]→[101B061]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [114E024]←[国試_114]→[114E026]
[★]
- 麻疹と同様の感染経路別予防策を行うのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E011]←[国試_103]→[103E013]
[★]
- 英
- resistant bacterium
- 同
- 薬剤耐性菌 drug resistance bacterium drug resistant bacterium
- 関
- 菌交代症、R因子
医療系の雑誌より(日経カデット11月?)
表1抗菌薬投与後に出現する可能性か高い耐性菌
表2主な耐性菌と治療薬
[★]
- 英
- methicillin-resistant Staphylococcus aureus colitis, MRSA enterocolitis
- 関
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 MRSA
概念
- MRSAが原因の腸炎であり、院内感染症である。
- 多い患者背景:術前に第3世代セフェム系抗菌薬を使用した患者。第3世代セフェム系抗菌薬を使用した高齢者。 (SSUR.539)
治療
- 薬剤の中止 (SSUR.539) ← 第3世代セフェム系抗菌薬のこと?
- 補液による脱水の改善 (SSUR.539)
- バンコマイシンの投与 (SSUR.539)
鑑別診断
原因が分からない腸炎に対するバンコマイシンの安易な使用について
- IRE.698を参考にしつつ
- バンコマイシンは最後の切り札として温存すべきである。米国ではバンコマイシン使用は厳重に管理されている。日本の臨床ではどうであろうか。抗菌薬に投資開発のリソースをつぎ込んでいる企業はかつてより少なくなってきている。細菌の進化をなるべく遅くするために、抗菌薬をもっと丁寧に使わなければならない。
- かつては「MRSA腸炎」と疑診しただけでバンコマイシンを使用しており、経験的治療としては正しいかも知れないが、抗菌薬の適正利用とはほど遠い。
国試
(治療・管理)095D056
[★]
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 methicillin resistant Staphylococcus aureus
[★]
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 MRSA
[★]
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 MRSA
[★]
- 英
- community-acquired methicillin-resistant Staphylococcus aureus, community-associated methicillin-resistant Staphylococcus aureus, CA-MRSA
- 関
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌, 黄色ブドウ球菌
[★]
- 英
- methicillin resistant staphylococcus aureus pneumonia, MRSA pneumonia
- 関
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
[★]
- 英
- methicillin-resistant Staphylococcus aureus infection
- 同
- MRSA感染症 MRSA infection
- 関
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- Staphylococcus
- 同
- スタフィロコッカス属、ブドウ球菌属
- 属名なので、ブドウ球菌属(Staphylococcus属)
- グラム陽性球菌
- 通性嫌気性
- カタラーゼ産生 ← 連鎖球菌との判別に利用
- 耐塩性が高い → マンニット食塩培地でコロニーを形成しうる
- 常在細菌
- 皮膚、鼻腔粘膜 (内科診療学)
Staphylococcus属
毒性 (SMB.236)
[★]
- 英
- tolerance
- 関
- 薬物耐性、逆耐性、依存
- 精神作用物質の効果が長期の摂取のために減弱し、初期の効果を得るためにより大量の摂取が必要となった状態(PSY.395)
[★]
- 英
- methicillin
- 同
- ジメトキシフェニルペニシリン dimethoxyphenylpenicillin DMPPC
- 関
[★]
- 英
- fungus、fungi、microbial
- 関
- 菌類、真菌、真菌類、微生物