- 50歳の女性。ぼーっとした様子になったことを心配した家族に連れられて来院した。もともと明るい性格で、家事やパートタイムの仕事を活発にこなしていたが、1か月前に長男が大学受験に失敗した頃から「ゆううつだ、元気が出ない」と訴え始めた。家族によると、2週前に自宅近くの診療所を受診し抗うつ薬と睡眠薬とを処方されたが改善せず、数日前からぼーっとした様子になったという。家事の手際が普段よりはるかに悪く、時間がかかっている。5年前に人間ドックで慢性甲状腺炎を指摘されていた。診察時、抑うつ気分、意欲の低下および注意機能の低下がみられた。頭部MRIで異常を認めない。脳波検査では基礎波として広汎な8~9Hzのα波がみられた。
- この患者にみられる精神障害として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I068]←[国試_110]→[110I070]
★リンクテーブル★
[★]
- 20歳の女性。発熱、関節痛および筋肉痛を主訴に来院した。1か月前に咽頭痛と頸部のリンパ節腫脹が出現した。自宅近くの診療所で総合感冒薬を処方されたがその後も、発熱、関節痛および筋肉痛が続くため受診した。体温は毎日39~40℃に上昇し、その後解熱し平熱になる。発熱時には上腕に紅色の皮疹が出現し、解熱すると消退する。来院時、体温38.5℃。上腕部に淡い紅斑を認める。咽頭の発赤を認める。両側の頸部に圧痛を伴う径1~2cmのリンパ節を数個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 402万、Hb 10.5g/dL、白血球 16,500(桿状核好中球 20%、分葉核好中球 63%、好酸球3%、好塩基球0%、単球2%、リンパ球 12%)、血小板 28万。血液生化学所見:IgG 1,760mg/dL(基準 960~1,960)、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 128IU/L、ALT 152IU/L、γ-GTP 82IU/L(基準8~50)、フェリチン 3,100ng/mL(基準 20~120)。可溶性IL-2受容体 512U/mL(基準 550以下)。免疫血清学所見:CRP 11mg/dL、リウマトイド因子(RF)陰性、抗核抗体陰性。CH50 52U/mL(基準 30~40)。血液培養は2セット採取し、ともに陰性である。胸部エックス線写真で異常を認めない。骨髄血塗抹染色標本で異常を認めない。
- この患者で最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I069]←[国試_110]→[110I071]
[★]
- 18歳の女子。繰り返す授業中の居眠りを主訴に来院した。17歳ころから夜間十分に眠っても日中に強い眠気を感じるようになり、次第に日中の居眠りが増えてきた。半年前から寝つく際に意識はあるのに力が入らず体を動かすことができないという体験が出現するようになった。日中に大笑いすると膝の力が突然に抜けることがある。診察時、意識は清明で神経学的所見に異常を認めない。
- この疾患について正しいのはどれか。
- a 肥満者に多い。
- b 入眠時幻覚が出現する。
- c カタレプシーが出現する。
- d 精神的なストレスにより生じる。
- e 夜間の睡眠時間延長で症状は改善する。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I067]←[国試_110]→[110I069]
[★]