- 62歳の女性。失見当のため来院した。7日前から歯痛があり食欲不振となり、3日前から頭痛が出現した。今朝、自宅にいるのにコンビニの中と勘違いし、携帯電話をまんじゅうと思いかじりついたため、心配した家族に伴われて受診した。意識レベルはJCS Ⅰ-3。身長 156cm、体重 45kg。体温 38.2℃。脈拍76/分、整。血圧 108/60mmHg。呼吸数 18/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。場所と時間の見当識障害がある。言語理解と物品呼称が障害されている。項部硬直を軽度に認める。脳神経、運動系および感覚系の異常を認めない。手に持ったものは何でも口に入れようとする。血液所見:赤血球 410万、Hb 13.1g/dL、Ht 40%、白血球 6,600、血小板 31万。血糖 96mg/dL。CRP 0.2mg/dL。脳脊髄液所見:初圧 230mmH2O(基準 70~170)、外観は無色透明、細胞数 74/mm3(基準 0~2)(単核球 96%、多形核球 4%)、蛋白 62mg/dL(基準 15~45)、糖 60mg/dL(基準 50~75)。頭部MRIの拡散強調冠状断像(別冊No. 3)を別に示す。
- 原因として考えられる病原体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A021]←[国試_110]→[110A023]
★リンクテーブル★
[★]
- 65歳の女性。健忘を主訴に家族に連れられて来院した。3か月前から家に引きこもりがちになり、倦怠感と不安とを訴えて外出しようとしなくなった。2週前からぼんやりして物忘れが目立つようになり、動作も緩慢になった。昨夜、誰もいないのに誰かを激しく叱っているところを家族が目撃した。意識レベルはJCSⅠ-1。活動性の低下を認める。身長 154cm、体重 67kg。体温 35.4℃。脈拍 52/分、整。血圧 94/48mmHg。呼吸数 12/分。顔面と両側の下腿とに浮腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは18点(30点満点)、Mini-Mental State Examination(MMSE)は20点(30点満点)である。四肢の近位部に徒手筋力テストで4の筋力低下を認め、大腿四頭筋を叩打すると筋腹の膨隆が生じる。腱反射は打腱後の筋弛緩遅延を認め、Babinski徴候は陰性である。
- 原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A020]←[国試_110]→[110A022]
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- 75歳の男性。発熱を主訴に来院した。糖尿病腎症による腎不全のため10年前から血液透析療法を受けている。1か月前、内シャントが閉塞し透析を行うためカテーテルを2週間留置した。2週前から食欲不振と微熱が出現し、昨日、血液透析後から悪寒と戦慄とを伴う38℃台の発熱が出てきたため救急外来を受診した。脈拍 100/分、不整。血圧 100/60mmHg。今までに認められなかった心尖部を最強点とするⅢ/Ⅵの収縮期雑音を聴取する。血液所見:赤血球 320万、Hb 9.0g/dL、Ht 28%、白血球 10,500、血小板 9.8万。血液生化学所見:AST 34IU/L、ALT 9IU/L、LD 231IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 35mg/dL、クレアチニン 5.0mg/dL。CRP 14mg/dL。血液培養の検体を提出した。
- 次に行う検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A022]←[国試_110]→[110A024]
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