- 45歳の男性。多発関節痛、皮疹および右眼の霧視を主訴に来院した。数年前から口腔内に有痛性の潰瘍が繰り返し出現した。1週前から多発関節痛と両側の下肢の皮疹とが出現した。3日前から右眼の霧視を自覚したため受診した。意識は清明。体温 37.6℃。脈拍 84/分、整。血圧 128/82mmHg。右眼に結膜充血と前房蓄膿とを認める。両側の肩関節と膝関節とに圧痛を認める。陰嚢に潰瘍を認める。血液所見:赤血球 452万、Hb 13.2g/dL、Ht 40%、白血球 10,800(桿状核好中球 12%、分葉核好中球 58%、好酸球5%、好塩基球1%、単球3%、リンパ球 21%)、血小板 21万。CRP 5.8mg/dL。左下肢屈側の写真(別冊No. 27)を別に示す。
- この患者でみられる可能性が高いのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I078]←[国試_110]→[110I080]
★リンクテーブル★
[★]
- 76歳の男性。全身倦怠感と呼吸困難とを主訴に来院した。昨日、引っ越しのために一日中荷物の移動を行った。その後、全身倦怠感を自覚していたが、21時ころに就寝した。午前2時ころ呼吸困難が生じてきたため、しばらく座位で安静にしたという。今朝も全身倦怠感と呼吸困難が改善せず、呼気時の喘鳴も出現してきたため妻とともに受診した。10年前に健康診断で不整脈を指摘されていたが、特に症状がなかったので医療機関を受診していなかった。意識は清明。身長 167cm、体重 66kg。体温 36.2℃。脈拍 84/分、不整。血圧 152/66mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 95%(room air)。胸部の聴診ではⅢ音と心尖部に最強点を有するⅢ/Ⅵの汎(全)収縮期雑音を聴取する。両側の胸部でwheezesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側の脛骨前面に圧痕を残す浮腫を認める。血液所見:赤血球 459万、Hb 14.1g/dL、Ht 42%、白血球 4,900、血小板 19万。血液生化学所見:総蛋白 7.6g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 1.1mg/dL、直接ビリルビン 0.3mg/dL、AST 52IU/L、ALT 49IU/L、LD 420IU/L(基準 176~353)、ALP 358IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 60IU/L(基準8~50)、アミラーゼ 124IU/L(基準 37~160)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)478pg/mL(基準 18.4以下)、尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、Na 141mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 104mEq/L。CRP 1.3mg/dL。心電図(別冊No. 28A)と胸部エックス線写真(別冊No. 28B)とを別に示す。心エコーで左室駆出率 44%であり、高度の僧帽弁逆流と下大静脈の拡大とを認める。
- 初期治療において投与するのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I079]←[国試_110]→[ ]
[★]
- 48歳の女性。手関節と手指の腫れを主訴に来院した。6か月前から両側の手首や手指の関節の痛みを自覚していた。市販の消炎鎮痛薬と貼付剤とで様子をみていたが改善しないため受診した。朝起きてから約1時間は手指を動かしにくい。身長 155 cm、体重 45kg。体温 36.5℃。脈拍 72/分、整。血圧 132/74mmHg。両手関節、両手示指の中手指節関節(MP関節)および近位指節間関節(PIP関節)に腫脹と圧痛とを認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 392万、Hb 12.1g/dL、Ht 36%、白血球 8,800、血小板 45万。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 3.7g/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、Na 140mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 103mEq/L。免疫血清学所見:CRP 2.8mg/dL、リウマトイド因子(RF) 80IU/mL(基準 20未満)、抗CCP抗体 52U/mL(基準 4.5未満)、CH50 55U/mL(基準 30~50)、抗核抗体陰性、抗SS-A抗体陰性。手の単純エックス線写真で異常を認めない。
- この患者の早期の病変評価に有用な検査はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I077]←[国試_110]→[110I079]
[★]