出血性黄疸
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レプトスピラ症 |
分類及び外部参照情報 |
病原性レプトスピラの電子顕微鏡写真
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ICD-10 |
A27. |
OMIM |
607948 |
DiseasesDB |
7403 |
MedlinePlus |
001376 |
eMedicine |
med/1283 emerg/856 ped/1298 |
MeSH |
C01.252.400.511 |
レプトスピラ症(Leptospirosis)は、病原性レプトスピラの感染による人獣共通感染症。
古来より秋疫(あきやみ)、用水病、七日熱(なぬかやみ)等の名前で呼ばれたが、大まかには黄疸出血性レプトスピラ(ワイル病)、秋季レプトスピラ、イヌ型レプトスピラなどに分けられる。感染症法の四類感染症であり、家畜伝染病予防法の届出伝染病にも指定されている。と畜場法においては全頭廃棄の対象となる。
ワイル病の名は、1886年にドイツの医学者アドルフ・ヴァイル(Adolf Weil)により始めて報告されたことによる。
目次
- 1 原因
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 診断
- 5 治療
- 6 予防
- 7 関連項目
- 8 外部リンク
- 9 引用
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原因
スピロヘータ目レプトスピラ科レプトスピラ属に属するグラム陰性菌のレプトスピラ(Leptospira )、レプトネマ(Leptonema )、ツルネリア(Truneria )の病原株が原因となる。、好気的環境を好み生育し、中性から弱アルカリ性の淡水中、湿った土壌中で数カ月は生存するとされている。ネズミなどの野生動物を自然宿主として、ヒトだけでなくイヌ、ウシ、ブタなどほとんどの哺乳類に感染。腎臓尿細管などで増殖し、排泄物を経由して汚染された水や土壌から経口・経皮的に感染する。ヒトからヒトへの感染は起こらない。
疫学
中南米、東南アジアなどの熱帯、亜熱帯地域での流行があり、東南アジアの流行は7 - 10月に集中している。特に被害が深刻なのはタイであり、年間数千人規模の流行がみられる。日本では1970年代前半までは年間50名以上の死亡が報告されていたが、近年では患者数、死亡者数とも激減し、各地で散発的に認められる程度となっており、集団感染の例としては1999年に沖縄県八重山諸島で確認されている。下水道工事関係者や畜産関係者などの患者が多く職業病の一つである。近年の海外渡航者の増加に伴い、流行地からの輸入感染例が報告されている。また、海外からの家畜や伴侶動物などの輸入を介して国内にレプトスピラが持ち込まれる可能性が指摘されている。海外ではトライアスロンなどのウォータースポーツによる集団発生も報告されている。
災害に伴う発生例
- 2009年10月、フィリピンは台風16号、台風17号の接近を受け、集中豪雨により、マニラ首都圏の大部分が冠水するなどの被害を受けた。この豪雨災害に伴い被災地ではレプトスピラ症が蔓延。89人が死亡した[1]。
症状
- 潜伏期間は3日から14日程度で、悪寒、発熱、頭痛、全身の倦怠感、眼球結膜の充血、筋肉痛、腰痛など急性熱性疾患の症状を示すとされる。軽症型の場合は風邪と似た症状でやがて回復するが、ワイル病の別名でも呼ばれる重症型では、5〜8日後から黄疸、出血、肝臓・腎臓障害などの症状が見られ、エボラ出血熱と同レベルの全身出血を伴ったり、播種性血管内凝固症候群を引き起こす場合もある。重症型の死亡率は5〜50%とされる。しかし、初期の把握痛や結膜充血及び進行して発現するとされる黄疸、点状出血、肝脾腫など特徴的な症状を示さない場合もある。
- 急性の場合、出血、発熱、嘔吐、血便、口腔粘膜の潰瘍、黄疸、腎炎、出血傾向などの症状を示し、2〜4日で死亡する。
- 発熱、溶血性貧血、黄疸、流産・死産、生殖障害、間欠性眼炎、虹彩毛様体炎など、種によって様々な症状を示す。
キツネ、スカンク、オポッサムのほか、家鼠をはじめとする各種囓歯類では不顕性感染(症状が表れない)で保有体となって感染源になる。ただしハムスターは例外的に激しい症状を示して1 - 2週間で死亡する。また、ブタやウシも感染源となっている可能性が示唆されている。
診断
- 病原体の分離、コルトフ培地というレプトスピラ菌専用の特殊な検査培地による病原体の培養。
- 血清診断法、顕微鏡下凝集試験法(MAT)による。
- PCR法 による検出、レプトスピラ遺伝子のPCR法による検出。
治療
主に抗生物質が使用される。軽症型にはβラクタム系やアミノグリコシド系、テトラサイクリン系、重症型ではストレプトマイシンやペニシリン系の抗生剤が使用される事が多い。ただし投与後に、体内の細菌が一斉に崩壊して毒素が短時間で血液中に放出され、発熱・低血圧などのショック症状(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応 Jarisch Herxheimer)を起こす場合がある。
予防
- 血清型が合致する菌に対しては6年程度免疫が有効とされるが、初回は一週間間隔で2回接種し、1年後にもう1回接種する必要がある。なお、確認されている血清型は250以上あるが、現在のワクチンではその中の5つの型にしか対応していない。
- 50℃10分の熱で死滅するほか、乾燥やpH6.8以下の酸に弱い為、次亜塩素酸ナトリウム、ヨード、逆性石鹸で消毒出来る。一方で低温には強い。
- 軽症型での治療にも使われるドキシサイクリンなどのテトラサイクリン系抗生剤は予防に効果があるが、長期間の服用は奨められないとされる。
- 流行地域では不用意に水に入らない事。特に洪水の後は感染の危険性が高まる。
- イヌの輸入の際はレプトスピラに感染していないことを証明する必要がある。
関連項目
- 検疫
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
- 家畜伝染病予防法
- 食品衛生法
- と畜場法
- アンディ・ホームズ(Andy Holmes):イギリスのボート選手。2010年にワイル病により死去。
外部リンク
- げっ歯類を感染源とする人畜共通感染症 レプトスピラ病
- レプトスピラ症
- 病原微生物検出情報月報2008年1月号
- レプトスピラ症 IASR Vol.29
引用
- ^ 台風16号、台風17号による死者(2009年10月19日 AFP News)
家畜伝染病
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言葉 |
家畜/家禽 - 牧畜/酪農/養豚/養鶏/養蜂 - 畜産/畜産業
病原体 - 感染 - 感染経路 - 伝染病/感染症 - 海外悪性伝染病 - 人獣共通感染症 - 公衆衛生 - アウトブレイク/パンデミック - ワクチン - 屠殺 - 殺処分 - 検疫
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組織・施設等 |
国際獣疫事務局(OIE) - 国際連合食糧農業機関(FAO) - 農林水産省/農業・食品産業技術総合研究機構/動物衛生研究所 - 検疫所/家畜防疫官 - 家畜保健衛生所/家畜防疫員/獣医師 - 日本家畜商協会/家畜商 - 屠畜場/化製場 - 保健所 - 農業共済組合/農業災害補償制度
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協定・法律等 |
SPS協定(世界貿易機関) - OIEコード(国際獣疫事務局) - 家畜伝染病予防法(農水省) - 狂犬病予防法(厚労省) - 口蹄疫対策特別措置法 -Category:畜産関連法規
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国際獣疫事務局 リスト疾病 |
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複数種 |
炭疽症 - オーエスキー病 - ブルータング - ブルセラ症 - クリミア・コンゴ出血熱 - エキノコックス症 - 口蹄疫 - 心水病 - 日本脳炎 - レプトスピラ症 - 新世界ラセンウジバエ - 旧世界ラセンウジバエ - ヨーネ病 - Q熱 - 狂犬病 - リフトバレー熱 - 牛疫 - 旋毛虫症 - 野兎病 - 水胞性口炎 - 西ナイル熱
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ウシ |
アナプラズマ病 - バベシア症 - 牛疫 - 牛海綿状脳症 - 結核 - 牛ウイルス性下痢 - 牛肺疫 - 牛白血病 - 出血性敗血症 - 牛伝染性鼻気管炎 - 皮膚病 - 悪性カタル熱 - タイレリア症 - トリコモナス病 - ナガナ病
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ヒツジ、ヤギ |
山羊関節炎・脳脊髄炎 - 伝染性無乳症 - 山羊伝染性胸膜肺炎 - 流行性羊流産 - 羊慢性進行性肺炎 - ナイロビ羊病 - 緬羊ブルセラオビス - 小反芻獣疫 - サルモネラ症 - スクレイピー - 羊痘/山羊痘
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ウマ |
アフリカ馬疫 - 馬伝染性子宮炎 - 媾疫 - 東部馬脳炎 - 西部馬脳炎 - 馬伝染性貧血 - 馬インフルエンザ - 馬ピロプラズマ病 - 馬鼻肺炎 - 馬ウイルス性動脈炎 - 鼻疽 - スーラ病 - ベネズエラ馬脳脊髄炎
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ブタ |
アフリカ豚コレラ - 豚コレラ - ニパウイルス感染症 - エキノコックス症 - 豚繁殖・呼吸障害症候群 - 豚水胞病 - 伝染性胃腸炎
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トリ |
クラミジア - 鶏伝染性気管支炎 - 鶏伝染性喉頭気管炎 - 鶏マイコプラズマ病 - あひる肝炎 - 家禽コレラ - 家禽チフス - 鳥インフルエンザ - 伝染性ファブリキウス囊病 - マレック病 - ニューカッスル病 - ひな白痢 - 七面鳥鼻気管炎
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ウサギ |
兎粘液腫 - ウサギ出血病
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ハチ |
アカリンダニ症 - アメリカ腐蛆病 - ヨーロッパ腐蛆病 - スモール・ハイブ・ビートル症 - ミツバチトゲダニ症 - バロア病
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魚類 |
伝染性造血器壊死症 - 伝染性造血器壊死症 - コイ春ウイルス病 - ウイルス性出血性敗血症 - 伝染性膵臓壊死症 - 伝染性サケ貧血 - 流行性潰瘍症候群 - 細菌性腎臓病 - ギロダクチルス症 - マダイイリドウイルス病
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軟体動物 |
Bonamia ostreae感染症 - Bonamia exitiosus感染症 - Marteilia refringens感染症 - Mikrocytos roughleyi感染症 - Perkinsus marinus感染症 - Perkinsus olseni感染症 - Xenohaliotis californiensis感染症
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甲殻類 |
タウラ症候群 - 白点病 - イエローヘッド病 - バキュロウイルス・ペナエイによる感染症 - モノドン型バキュロウイルスによる感染症 - 伝染性皮下造血器壊死症 - ザリガニ病
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その他 |
ラクダ痘 - リーシュマニア症
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家畜伝染病予防法上の監視伝染病 |
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法定伝染病 |
牛疫 - 牛肺疫 - 口蹄疫 - 日本脳炎 - 狂犬病 - 水胞性口炎 - リフトバレー熱 - 炭疽症 - 出血性敗血症 - ブルセラ症 - 結核病 - ヨーネ病 - ピロプラズマ症 - アナプラズマ病 - 牛海綿状脳症 - 鼻疽 - 馬伝染性貧血 - アフリカ馬疫 - 豚コレラ - アフリカ豚コレラ - 豚水胞病 - 家きんコレラ - 高病原性鳥インフルエンザ - ニューカッスル病 - 家きんサルモネラ感染症 - 腐蛆病
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届出伝染病 |
ブルータング - アカバネ病 - 悪性カタル熱 - チュウザン病 - ランピースキン病 - 牛ウイルス性下痢・粘膜病 - 牛伝染性鼻気管炎 - 牛白血病 - アイノウイルス感染症 - イバラキ病 - 牛丘疹性口炎 - 牛流行熱 - 類鼻疽 - 破傷風 - 気腫疽 - レプトスピラ症 - サルモネラ症 - 牛カンピロバクター症 - トリパノソーマ病 - トリコモナス病 - ネオスポラ症 - 牛バエ幼虫症 - ニパウイルス感染症 - 馬インフルエンザ - 馬ウイルス性動脈炎 - 馬鼻肺炎 - 馬モルビリウイルス肺炎 - 馬痘 - 野兎病 - 馬伝染性子宮炎 - 馬パラチフス - 仮性皮疽 - 小反芻獣疫 - 伝染性膿疱性皮膚炎 - ナイロビ羊病 - 羊痘 - マエディ・ビスナ - 伝染性無乳症 - 流行性羊流産 - トキソプラズマ病 - 疥癬 - 山羊痘 - 山羊関節炎・脳脊髄炎 - 山羊伝染性胸膜肺炎 - オーエスキー病 - 伝染性胃腸炎 - 豚エンテロウイルス性脳脊髄炎 - 豚繁殖・呼吸障害症候群 - 豚水疱疹 - 豚流行性下痢 - 萎縮性鼻炎 - 豚丹毒 - 豚赤痢 - 鳥インフルエンザ - 鶏痘 - マレック病 - 伝染性気管支炎 - 伝染性喉頭気管炎 - 伝染性ファブリキウス嚢病 - 鶏白血病 - 鶏結核病 - 鶏マイコプラズマ病 - ロイコチトゾーン病 - あひる肝炎 - あひるウイルス性腸炎 - 兎ウイルス性出血病 - 兎粘液腫 - バロア病 - チョーク病 - アカリンダニ症 - ノゼマ病
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- レプトスピラ症 (特集 人獣共通感染症の克服に向けて)
- 急性呼吸不全, 急性腎不全を合併した Weil 病の1例
- 伊藤 正仁,伊藤 佳壽子,岡本 岳史 [他],小松 昌道,岡 晶子,上田 晃弘,柳 秀高,小澤 秀樹,高木 敦司
- 日本内科学会雑誌 98(7), 1715-1717, 2009-07-10
- Weil病はレプトスピラによる感染症で黄疸,腎機能障害,出血傾向を特徴とする.症例は50代男性.黄疸,腎機能障害,発熱を認め,症状,曝露歴から本疾患を積極的に疑い,診断した.急性呼吸不全,急性腎不全を呈したが,集中治療を行い,救命し得た.本疾患は海外での感染例の報告が多いが,近年国内の都市部での感染例も報告されている.一般医家も遭遇する可能性があり,症状,曝露歴から積極的に疑うことが必要である.
- NAID 10025193084
- 発黄せぬ黄疸出血性レプトスピラ症の経験,特に病初における糖尿について
Related Links
- デジタル大辞泉 黄疸出血性レプトスピラ病の用語解説 - レプトスピラ病の一。ドブネズミ の病原体を含む排泄物(はいせつぶつ)の混入した水から皮膚に感染して起こることが 多く、高熱・頭痛・筋肉痛・嘔吐(おうと)や目の充血がみられ、黄疸や鼻・歯肉・皮下の ...
- レプトスピラ症(Leptospirosis)は、病原性レプトスピラの感染による人獣共通感染症。 古来より秋疫(あきやみ)、用水病、七日熱(なぬかやみ)等の名前で呼ばれたが、 大まかには黄疸出血性レプトスピラ(ワイル病)、秋季レプトスピラ、イヌ型レプトスピラ などに ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- bacterium,(pl.) bacteria
- 同
- バクテリア
- 関
- 特殊な細菌 、細菌の鑑別、細菌の同定?、細菌の分類?
細菌の命名
- ラテン語であり、イタリックで表す。
- 「属名 + 種名」で表現される。
グラム染色性と形状による分類と疾患
[★]
- 英
- spirochete
- ラ
- Spirochaetales, Spirochaeta
- 関
- スピロヘータ科、スピロヘータ目、スピロヘータ属、Spirochaeta属
- らせん状の形態を呈する一群。スピロヘータ目に含まれるものを指すと思われるが、医学の教科書ではスピリルム属もスピロヘータとして扱っている。
[★]
- 英
- Weil's disease Weil disease
- 関
- レプトスピラ症
三主徴
病原体
-
疫学
- 農業従事者、炭鉱労働者、牧場、下水溝作業者ではレプトスピラに接触しやすい
感染経路
潜伏期
検査
治療
- テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ペニシリンG、セフトリアキソン (YN.H-60)
- ペニシリン、テトラサイクリン、クロロラムフェにコール、エリスロマイシン (参考1)
参考
- 1. [charged]Microbiology, epidemiology, clinical manifestations, and diagnosis of leptospirosis - uptodate [1]
[★]
- 英
- hemorrhagic jaundice
- 同
- レプトスピラ性黄疸 leptospiral jaundice、黄疸出血性レプトスピラ症 leptospirosis icterohemorrhagica、黄疸性レプトスピラ症、ワイル病 Weil disease
- 関
- レプトスピラ属
[★]
- 英
- Weil's disease and akiyami combined vaccine
- 関
- ワイル病 黄疸出血性レプトスピラ症、予防接種
[★]
- 英
- leptospirosis
- 関
- 黄疸出血性レプトスピラ症 出血性黄疸
概念
- 人獣共通感染症である。
- レプトスピラを腎臓に保有したネズミ・イヌ・家畜の尿に暴露して経皮的、経粘膜的、経口的に感染し、最初はインフルエンザ様の症状を示し、重症化により黄疸(肝障害)、腎障害、出血傾向をきたす疾患である。
- 四類感染症
病原体
-
- Leptospira interrogans serovar pyrogenes
- Leptospira interrogans serovar javanica
疫学
- 熱帯・亜熱帯を中心に全世界的に発生が見られる。
- 東南アジアや中南米では大雨とそれに続く洪水の後に大規模なレプトスピラ症の発生が見られている。
- 日本では
- 秋季レプトスピラ症は田園地帯や山間部に広く分布しており、各地で様々な呼称がある;七日熱(なぬかやみ)・八日熱(福岡県)、秋疫・用水熱・天竜疫(静岡県)、波佐見熱*(長崎県)、作州熱(岡山県)、アッケ病(大分県)、伊万里熱(佐賀県)。
- 日本では沖縄での症例が最も多い。
病原体を保持する宿主
- 全ての哺乳類がレプトスピラに感染する。腎臓に保菌され、尿から排出される。自然界ではネズミなどのげっ歯類が自然宿主である。
- 自然界に排出されたレプトスピラは汚染された土壌や水で数週間から数ヶ月生きながらえることができる。
感染経路
- 感染した宿主の尿や生殖器分泌液に直接接触。
- 尿で汚染された水(洪水、河川、小川、下水)とや土壌との接触。
- 尿で汚染された食品や水の摂取
- まれであるが、性交、授乳、感染宿主による咬傷
- 経路:粘膜、結膜、切り傷、すり傷
潜伏期
病型
重症度
- 軽症型 :特別な合併症なし
- 髄膜炎型:髄膜炎を伴う → 秋季レプトスピラ症やイヌ型レプトスピラ症で見られることが多い
- 重症型 :黄疸・出血傾向・急性腎不全 → 黄疸出血性レプトスピラ症 → ワイル病
標的臓器
経過
- 悪寒を伴う発熱(38-40℃)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛などで発症。軽症例では次第に改善傾向となる。
- 重症型(ワイル病)では第5-8病日に黄疸、出血傾向、乏尿などの症状が出現し始め急激に悪化する。
- 出血は皮下出血・粘膜出血といった軽度なものから肺出血と致命的となりうる重篤なものと様々な臓器で起こりうる。
- 解熱後1ヵ月ないし半年位の間に硝子体混濁が出現することがある(あがり目)
検査
治療
- ストレプトマイシンが最も有効で、第4病日までに開始することが望ましい。
予防
- 保菌動物となりうるネズミや野犬の駆除
- 農作業や動物と接触する際にはゴーグル、ゴム手袋、ゴム長靴を着用し、作業中の飲食は控え、作業終了後に手洗いをすること。
参考
- 1. [charged]Microbiology, epidemiology, clinical manifestations, and diagnosis of leptospirosis - uptodate [2]
[★]
- 英
- jaundice (prejndiceと似ている?), choloplania
- ラ
- icterus
- 関
- ビリルビン、新生児黄疸
- 基準値:総ビリルビン(TB) 0.2-1.2 mg/dl
- 総ビリルビンが2.0 mg/dl を超えると肉眼的に黄疸が認められる
黄疸の原因 (内科診断学 第2版)
- 同
- jaundice
- 同
- 付録16
[★]
- ラ
- Leptospira interrogans serovar icterohaemorrhagiae
- 関
- ワイル病レプトスピラ、レプトスピラ・イクテロヘモラジア
[★]
- 英
- hemorrhagic、haemorrhagic、hemophilic、haemophilic
- 関
- 易出血性、血友病
[★]
- 英
- sis, pathy