腸球菌属
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腸球菌(ちょうきゅうきん)とは、主にヒトを含む哺乳類の腸管内に存在する常在菌のうち、球菌の形態をとるものを指す。
外界で増殖しにくく、人畜の糞尿で汚染されていない限り、環境中の水や土壌にはほとんど分布していない。また、大腸菌よりも加熱や冷凍に対する耐性が強く、大腸菌群同様に汚染指標として、食品衛生法の清涼飲料水(ミネラルウォーター)基準などに用いられている。
目次
- 1 概要
- 2 病原性
- 3 関連項目
- 4 外部リンク
概要
特定の細菌種ではなく「ランスフィールドによる分類のD群」に属する約20種の総称で、医学・衛生学的な分類。
健康な人間の腸内から一般的に検出され、通性嫌気性でグラム陽性の連鎖球菌であって、グルコース、マルトース、ラクトース、スクロースを分解し、60℃の加熱に30分間耐える菌が該当する。 また、カタラーゼ非生産でエスクリンの加水分解能を持ち、これを検出試験に利用する。
主な種としてEnterococcus属のE. faecalis、E. faecium、E. avium、E. casseliflavus、E. gallinarum、E. flavescensなどがある。
病原性
病原性は弱く、通常であれば害はない。ただし、免疫不全など細菌感染に対する抵抗力が低下した患者に対する日和見感染の例が知られ、場合によっては敗血症などを引き起こすおそれがある。
ここで問題となるのは、畜産で多用された抗生物質による耐性菌の存在であり、バンコマイシン耐性腸球菌:VREとして知られている。
関連項目
外部リンク
- en:Rebecca_Lancefield 英語版:ランスフィールド
UpToDate Contents
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- 1. 腸球菌感染症の治療 treatment of enterococcal infections
- 2. 腸球菌の微生物学 microbiology of enterococci
- 3. 腸球菌における抗菌薬耐性の機構 mechanisms of antibiotic resistance in enterococci
- 4. 固有弁心内膜炎の抗菌療法 antimicrobial therapy of native valve endocarditis
- 5. 黄色肉芽腫性腎盂腎炎 xanthogranulomatous pyelonephritis
Japanese Journal
- 富田 治芳,Tomita Haruyoshi
- The Kitakanto medical journal 62(1), 71-72, 2012-02-01
- NAID 120003850426
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- 次の文を読み、53~55の問いに答えよ。
- 81歳の男性。発熱を主訴に来院した。
- 現病歴:5日前から37℃台の発熱が出現し、3日前から腰痛が出現した。腰痛は鈍痛で、運動時と安静時ともに自覚していた。自宅で様子をみていたが改善しないため受診した。
- 既往歴:61歳から糖尿病のため内服加療中。
- 家族歴:父親が胃癌。母親が大腸癌。
- 生活歴:妻との2人暮らし。海外渡航歴はない。
- 現症:意識は清明。身長165cm、体重57kg。体温38.2℃。脈拍96/分、整。血圧 138/80mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腰部正中に叩打痛を認める。足背動脈の触知は良好で左右差を認めない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体1+、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 476万、Hb 12.9g/dL、Ht 40%、白血球 13,300(桿状核好中球 32%、分葉核好中球 54%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 2%、リンパ球 10%)、血小板 43万。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、直接ビリルビン 0.3mg/dL、AST 30IU/L、ALT 28IU/L、LD 170IU/L(基準 176~353)、ALP 402IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 49IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 121IU/L(基準 37~160)、CK 58IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 19mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、尿酸 7.1mg/dL、血糖 148mg/dL、HbA1c 8.5%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 199mg/dL、トリグリセリド 180mg/dL、Na 130mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 98mEq/L。CRP 3.2mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.37、PaCO2 36Torr、PaO2 98Torr、HCO3- 20mEq/L。12誘導心電図で異常を認めない。胸部エックス線写真に異常を認めない。腹部CTに異常を認めない。腰部MRI(別冊No. 7A、B)を別に示す。
- 4時間後、検査室から血液検体でGram陽性球菌が検出されたとの報告があった。
- 原因菌として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B054]←[国試_109]→[109B056]
[★]
- 76歳の男性。発熱を主訴に来院した。10年前から慢性閉塞性肺疾患のため抗コリン薬とβ2刺激薬とを吸入している。喫煙は20本/日を46年間。3日前から発熱、咳嗽および膿性痰が出現したため受診した。意識は清明。体温 38.5℃。脈拍 108/分、整。血圧 102/62mmHg。呼吸数 24/分。両側の胸部に軽度のwheezesを聴取する。白血球 8,200(桿状核好中球4%、分葉核好中球 84%、単球2 %、リンパ球 10%)。CRP 7.3mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 1A)と喀痰のGram染色標本(別冊No. 1B)とを別に示す。原因菌はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D021]←[国試_110]→[110D023]
[★]
- 7歳の男児。発熱と耳痛とを主訴に来院した。昨日から左耳痛を訴えていたが、夕方から39.0℃の発熱を認め、耳痛が増悪したため救急外来を受診した。鼓膜の写真を以下に示す。起因菌として考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A040]←[国試_102]→[102A042]
[★]
- 多臓器不全を併発する劇症型壊死性筋膜炎の起炎菌はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103D018]←[国試_103]→[103D020]
[★]
- 外毒素がショックの原因となるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E034]←[国試_110]→[110E036]
[★]
- 英
- bacterium,(pl.) bacteria
- 同
- バクテリア
- 関
- 特殊な細菌 、細菌の鑑別、細菌の同定?、細菌の分類?
細菌の命名
- ラテン語であり、イタリックで表す。
- 「属名 + 種名」で表現される。
グラム染色性と形状による分類と疾患
[★]
- 英
- infective endocarditis, IE
- 関
- 心内膜炎、細菌性心内膜炎
概念
- 感染性心内膜炎は弁膜や心内膜、大血管内膜に細菌集蔟を含む疣腫(vegetation)(注1)を形成し、菌血症、血管塞栓、心障害など多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患である。感染性心内膜炎はそれほど頻度の多い疾患ではないがいったん発症すれば、的確な診断の下、適切な治療が奏功しないと多くの合併症を引き起こし、ついには死に至る。(ガイドライン.1)
疫学
- 緑色連鎖球菌が感染性心内膜炎の原因として最多である。(YN.C-129)
- 院内発症:Streptococcus viridans > ブドウ球菌 > 腸球菌
- 院外発症:ブドウ球菌(Staphylococcus aureus > CNS ) > Streptococcus viridans
発症のメカニズム
- 非細菌性血栓性心内膜炎(nonbacterial thrombogenic endocarditis, NBTE)は次の2つの影響で生じるとされる;(1)弁膜疾患や先天性心疾患に伴う異常血流、(2)人工弁置換術語例など異物の影響。非細菌性血栓性心内膜炎の存在下で一過性の菌血症(医原性など)すると、NBTEに病原体が付着・増殖し疣腫が形成される。疣腫は僧帽弁の心房側、半月弁の心室など逆流血流がアル部位や、シャント血流や狭窄血流の異常ジェット血流が心内膜面にある所に認められる。(ガイドライン.1改変)
- ジェット血流の存在が発症に関わっているので、軽症の弁膜症の方がジェット血流を来しやすい。従って、心内膜炎も来しやすい。(QB.C-454)
リスクファクター
資料(1)より
- 人工弁置換患者:(感染性心内膜炎による?)手術例の3分の2を占める!
- 心内膜炎の既往を有する患者:再発しやすい
- 先天性心疾患:心房中隔欠損症(ASD)(二次口型)を除いてほとんどの先天性心疾患がハイリスク群となる。
- 大動脈二尖弁:0.5-1.0%に存在するとされ、また感染性心内膜炎患者の約20%程度が大動脈二尖弁
- 大動脈弁閉鎖不全症(AR)、僧帽弁閉鎖不全症(MR)、僧帽弁逸脱症(MVP)はリスクとなる
- ASはARよりリスクは小さいとされ、MSについてはハイリスクかは議論が分かれている。
- 閉塞型肥大型心筋症:ハイリスク群とのコンセンサスがある
- 中心静脈カテーテル留置患者
分類
経過
- 急性感染性心内膜炎:ブドウ球菌
- 亜急性感染性心内膜炎:緑色連鎖球菌、腸球菌、心筋
病原体を細菌に限定
宿主の要因
- native valve endocarditis:心内膜炎患者の60-80%を占める
- prosthetic valve endocarditis:Staphylococcus epidermidisが病原体であることが普通
- endocarditis in the setting of intravenous drug abuse:右心系の弁に起こりやすい
検査
臨床経過
- 菌血症が起こってから,症状の発現までの期間は短く、80%以上の例では2週間以内(ガイドライン.1)。
身体所見
- 感染性心内膜炎の身体所見JaRO → ジェーンウェー病変(Janeway斑)、ロス斑(Roth斑)、オスラー結節(Osler結節)
症状
亜急性感染性心内膜炎
- 非特異的な症状(発熱・全身倦怠感、食欲不振、体重減少、関節痛)が徐々に進展。
急性感染性心内膜炎
心臓外の合併症
- ガイドライン.1
- 頻度:27-45%
- 好発時期:発症後2週間
- 検査:CTなど
- 好発部位:中枢神経系(60-70%)、脾臓、腎臓、肺、末梢動脈、冠動脈、肝臓、腸間膜動脈
- 脾臓:脾梗塞、脾膿瘍、脾破裂
- 肺梗塞:IE全体の9-11%の頻度で見られる。右心系の疣腫(三尖弁、肺動脈弁、右室流出路)
- 腎障害
- 原因:疣贅による脳動脈の塞栓
- 頻度20-40%
- 感染性心内膜炎初発症状としての脳合併症:47%
- 種類:脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血、脳動脈流、髄膜炎、脳膿瘍、てんかん発作
- 頻度:1.2-5.6%
- 症状:頭痛、知覚障害、脳神経症状
- 好発部位:中大脳動脈領域(二次分岐部)
診断
- 病歴:先天性心疾患、弁膜症の既往、抜歯・手術後の発熱の遷延
- 血液培養:起炎菌の検出
- 心エコー:疣贅
- 2. Duke criteria(HIM.792)
- ガイドライン.1より抜粋
IE 確診例
Ⅰ.臨床的基準
- 大基準2 つ,または大基準1 つと小基準3 つ,または小基準5 つ
(大基準)
-
- A.2回の血液培養で以下のいずれかが認められた場合
- B.つぎのように定義される持続性のIE に合致する血液培養陽性
- (i) 12 時間以上間隔をあけて採取した血液検体の培養が2 回以上陽性
- (ii)3 回の血液培養すべてあるいは4 回以上の血液培養の大半が陽性(最初と最後の採血間隔が1 時間以上)
- 2.心内膜が侵されている所見でAまたはB の場合(注4)
-
- (i) 弁あるいはその支持組織の上,または逆流ジェット通路,または人工物の上にみられる解剖学的に説明のできない振動性の心臓内腫瘤
- (ii)膿瘍
- (iII) 人工弁の新たな部分的裂開
- B.新規の弁閉鎖不全(既存の雑音の悪化または変化のみでは十分でない)
(小基準)(注5)
- 1.素因:素因となる心疾患または静注薬物常用
- 2.発熱:38.0℃以上
- 3.血管現象:主要血管塞栓,敗血症性梗塞,感染性動脈瘤,頭蓋内出血,眼球結膜出血,Janeway病変
- 4.免疫学的現象:糸球体腎炎,Osler結節,Roth斑,リウマチ因子
- 5.微生物学的所見: 血液培養陽性であるが上記の大基準を満たさない場合,またはIE として矛盾のない活動性炎症の血清学的証拠
Ⅱ.病理学的基準
- 菌: 培養または組織検査により疣腫,塞栓化した疣腫,心内膿瘍において証明,あるいは病変部位における検索:組織
学的に活動性を呈する疣贅や心筋膿瘍を認める
IE 可能性
- 大基準1 つと小基準1 つ,または小基準3 つ(注6)
否定的
- 心内膜炎症状に対する別の確実な診断,または
- 心内膜炎症状が4 日以内の抗菌薬により消退,または
- 4 日以内の抗菌薬投与後の手術時または剖検時にIE の病理学所見なし
- 注1) 本ガイドラインでは菌種の名称についてはすべて英語表記とし通例に従って Streptococcus viridans 以外はイタリック体で表示した.
- 注2) Staphylococcus aureus は,改訂版では,i)に含まれるようになった.
- 注3) 本項は改訂版で追加された.
- 注4) 改訂版では,人工弁置換例,臨床的基準でIE可能性となる場合,弁輪部膿瘍などの合併症を伴うIE,については,経食道心エコー図の施行が推奨されている.
- 注5) 改訂版では,“心エコー図所見:IEに一致するが,上記の大基準を満たさない場合”,は小基準から削除されている
- 注6) 改訂版では,“IE可能性”は,このように変更されている
治療
QB.C-454
- 緑色連鎖球菌:ペニシリンG(大量投与)
- 腸球菌:ペニシリン+アミノグリコシド系抗菌薬
- 黄色ブドウ球菌:第1-2世代セフェム系抗菌薬+アミノグリコシド系抗菌薬
外科的治療
- ガイドライン.1
- 以下の病態が観察されるか予想されるときに手術適応を考慮。
- 1. うっ血性心不全
- 2. 抵抗性感染
- 3. 感染性塞栓症
うっ血性心不全
抵抗性感染
感染性塞栓症
感染性心内膜炎の手術適応
- ガイドライン.1
自己弁および人工弁心内膜炎に共通する病態
- 1. 弁機能障害による心不全の発現
- 2. 肺高血圧(左室拡張末期圧や左房圧の上昇)を伴う急性弁逆流
- 3. 真菌や高度耐性菌による感染
- 4. 弁輪膿瘍や仮性大動脈瘤形成および房室伝導障害の出現
- 5. 適切かつ十分な抗生剤投与後も7 ~ 10 日以上持続ないし再発する感染症状
- 1. 可動性のある10 ㎜以上の疣腫の増大傾向
- 2. 塞栓症発症後も可動性のある10 ㎜以上の疣腫が観察される場合
人工弁心内膜炎における病態
- 1. 弁置換後2 ヶ月以内の早期人工弁感染抗菌薬抵抗性のブドウ球菌,グラム陰性菌による感染
- 2.適切かつ充分な抗菌薬投与後も持続する菌血症で他に感染源がない場合
予防
成人における感染性心内膜炎の基礎疾患別リスク
- 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017 年改訂版)
- 生体弁、機械弁による人工弁置換術患者、弁輪リング装着例
- 感染性心内膜炎の既往を有する患者
- 複雑性チアノーゼ性先天性心疾患(単心室、完全大血管転位、ファロー四徴症)
- 体循環系と肺循環系の短絡造設術を実施した患者
- 中等度リスク群(必ずしも重篤とならないが、心内膜炎発症の可能性が高い患者)
- ほとんどの先天性心疾患:単独の心房中隔欠損症(二次孔型)を除く
- 後天性弁膜症:逆流を伴わない僧帽弁狭窄症ではリスクは低い
- 閉塞性肥大型心筋症
- 弁逆流を伴う僧帽弁逸脱
- 人工ペースメーカ、植込み型除細動器などのデバイス植込み患者
- 長期にわたる中心静脈カテーテル留置患者
ガイドライン
- 1. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2003_miyatake_h.pdf
- 2. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017 年改訂版)
- https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2017_nakatani_h.pdf
[★]
- 英
- resistant bacterium
- 同
- 薬剤耐性菌 drug resistance bacterium drug resistant bacterium
- 関
- 菌交代症、R因子
医療系の雑誌より(日経カデット11月?)
表1抗菌薬投与後に出現する可能性か高い耐性菌
表2主な耐性菌と治療薬
[★]
- 英
- macrolide antibiotic macrolide antibiotics, macrolides, MLs
- 同
- マクロライド系抗生物質 ←厳密には違うが、多くの人が間違って使っている
- 関
- 抗菌薬
特徴
- 抗菌スペクトルが広い
- 静菌的に作用
- 大きな環状構造を有する。14員環-16員環
- タンパク質合成阻害薬
- 抗生物質としての作用の他に、抗炎症作用を有するらしい
- 炎症の抑制 ex.びまん性汎細気管支炎
構造
- http://www.sigmaaldrich.com/life-science/life-science-catalog/product-catalog.html?TablePage=14572877
- Macrolide antibiotics contain a many-membered lactone ring (14-membered rings for erythromycin and clarithromycin and a 15-membered ring for azithromycin) to which are attached one or more deoxy sugars. Clarithromycin differs from erythromycin only by methylation of the hydroxyl group at the 6 position, and azithromycin differs by the addition of a methyl-substituted nitrogen atom into the lactone ring. These structural modifications improve acid stability and tissue penetration and broaden the spectrum of activity.(GOO. chapter 46)
作用機序
- inhibit bacterial protein synthesis by reacting with the 50s ribosomal subunit and preventing the release of the uncharged tRNA.
薬理作用
動態
抗菌スペクトル
- ペニシリンより広い抗菌スペクトル
- グラム陽性球菌、グラム陰性球菌、グラム陰性桿菌、スピロヘータ、一部のリケッチア、ウイルス
適応
- マイコプラズマ肺炎、クラミジア感染症、カンピロバクター腸炎、レジオネラ症
- びまん性汎細気管支炎:14員環マクロライドのみ
- URIs, pneumonias, STD
注意
禁忌
副作用
- 悪心、嘔吐、消化器の蠕動を促進
- テオフィリン
- 喘息の治療薬。CYP3A4で代謝される。中毒域と治療域がちかいので注意する
マクロライド系抗菌薬
14員環
15員環
16員環
14員環 (ケトライド系抗菌薬)
有効性 (SMB.147)
- ○:殺菌的、△静菌的
[★]
- 英
- Enterococcus
- 同
- Enterococcus属、エンテロコッカス
- 関
- 腸球菌、腸球菌属、Enterococcus属、エンテロコックス、エンテロコッカス属、エンテロコックス属
概念
腸球菌属
[★]
- 英
- vancomycin-resistant enterococcus vancomycin-resistant Enterococcus VRE
- 関
- バンコマイシン
- 腸球菌はヒト腸管や女性外陰部の常在菌であり、免疫が低下した宿主で心内膜炎、敗血症、複雑性尿路感染症、胆道感染などを引きおこしうる。
- VREとはバンコマイシンに薬剤耐性を獲得した腸球菌のことであり、Enterococcus faecalis, Enterococcus faeciumのいずれにもVREが存在する。
- VREは、1986年フランスでバンコマイシン高度耐性腸球菌として発見され、その後、ヨーロッパ諸国において重症院内感染原因菌として広がった。
- アメリカでは1989年以降、院内感染菌として急激な広がりをみせ、現在最も治療困難な院内感染菌となっている。
- 基本的に、VREとは最小発育阻止濃度(MIC)が16μg/mL以上、或いはディスク法の阻止円径が14mm以下の腸球菌を指すが、vanA, vanBなどの外来性の誘導型VCM高度耐性遺伝子を保有した腸球菌も指す。
耐性遺伝子
|
MIC
|
耐性遺伝子の存在部位
|
耐性の発現
|
菌種
|
VCM
|
TEIC
|
vanA
|
64~1000
|
16~512
|
プラスミド,染色体
|
誘導耐性
|
E. faecalis, E. faecium
|
vanB
|
4~1000
|
0.5~1
|
プラスミド, 染色体
|
誘導耐性
|
E. faecalis, E. faecium
|
vanC
|
2~32
|
0.5~1
|
染色体
|
非調導型
|
E. gallinarum, E. casseliflavus, E. flavescens
|
vanD
|
64~128
|
4~64
|
染色体
|
非誘導型
|
E. faecalis, E. faecium, E. raffinosus
|
vanE
|
8~32
|
0.5
|
染色体
|
誘導耐性
|
E. faecalis
|
vanG
|
16
|
0.5
|
染色体
|
誘導耐性
|
E. faecalis
|
[★]
- 英
- vancomycin-resistant Enterococci infection, VRE infection
- 同
- VRE感染症
- 関
- 腸球菌、腸球菌感染症、バンコマイシン
[★]
- 関
- リネゾリド、腸球菌
[★]
- 英
- enterococcal bacteremia
[★]
- 英
- fungus、fungi、microbial
- 関
- 菌類、真菌、真菌類、微生物
[★]
- 英
- coccus
- 関
- 細菌