エンテロバクター属 Enterobacter エシェリキア属 Escherichia クレブシエラ属 Klebsiella プロテウス属 Proteus サルモネラ属 Salmonella セラチア属 Serratia シゲラ属 Shigella エルシニア属 Yersinia
属 | 菌種 | 日和見 感染菌 |
感染症 |
Citrobacter | Citrobacter freundii | 尿路感染、骨髄炎、下痢 | |
Edwardsiella | Edwardsiella tarda | ○ | 腸管外感染症 |
Enterobacter | Enterobacter aerogenes | ○ | 肺炎、尿路感染 |
Enterobacter cloacae | |||
Enterobacter gergoviae | |||
Enterobacter sakazakii | 新生児敗血症、髄膜炎 | ||
Escherichia | Escherichia coli | 下痢、腸炎、腸管外感染症(尿路感染症、骨髄炎) | |
Hafnia | Hafnia alvei | 腸管外感染症 | |
Klebsiella | Klebsiella oxytoca | 下痢 | |
Klebsiella pneumoniae | ○ | 肺炎、尿路感染 | |
Kluyvera | Kluyvera ascorbata | ○ | |
Kluyvera cryocrescens | |||
Morganella | Morganella morganii | 尿路感染症 | |
Proteus | Proteus mirabilis | ○ | 尿路感染症 |
Proteus vulgaris | |||
Providencia | Providencia alcalifaciens | 尿路感染症、下痢 | |
Providencia rettgeri | 尿路感染症、下痢 | ||
Providencia stuartii | 尿路感染症 | ||
Salmonella | Salmonella enterica | 腸チフス、急性胃腸炎(食中毒) | |
Serratia | Serratia liquefaciens | ○ | |
Serratia marcescens | |||
Shigella | Shigella boydii | 細菌性赤痢 | |
Shigella dysenteriae | |||
Shigella flexneri | |||
Shigella sonnei | |||
Yersinia | Yersinia enterocolitica | 急性胃腸炎(食中毒)、回腸末端炎、結節性紅斑 | |
Yersinia pestis | ペスト | ||
Yersinia pseudotuberculosis | 腸間膜リンパ節炎、関節炎 |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/23 16:21:57」(JST)
腸内細菌科 | |||||||||||||||
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Salmonella enterica
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分類 | |||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||
Enterobacteriaceae Rahn 1937 |
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属 | |||||||||||||||
本文参照 |
腸内細菌科(ちょうないさいきんか、エンテロバクター科)とは、真正細菌の分類上の一グループ。グラム陰性の桿菌であり、通性嫌気性でブドウ糖を発酵して酸とガスを産生する。しばしば腸内細菌(動物の腸内に生育する細菌群)と混同されるが両者は別物である。腸内細菌科に属する細菌には、大腸菌や赤痢菌、サルモネラなど、ヒトや動物の腸内に生息したり(=腸内細菌の一種である)、腸管感染症の原因になるものが多いが、ペスト菌のように消化管ではなくリンパ節や肺に感染するものも含まれている。ヒトの腸内細菌のうち腸内細菌科は1%未満である。
分類学において、腸内細菌科(Family Enterobacteriaceae)は、Phylum(門) Proteobacteria、Class(綱) Gammaproteobacteria、Order(目) Enterobacterialesの下位に属する分類群である。
腸内細菌科に属する細菌は、以下のような形態的、生化学的な特徴を有する。
腸内細菌科は以下の属(Genus)に分類される。菌種については特に代表的なものだけを記載した。
模式属は大腸菌属(Escherichia Castellani and Chalmers 1919)であり、エンテロバクター属(Enterobacter Hormaeche and Edwards 1960)ではない。本来であれば腸内細菌科の学名はEscherichiaceaeとなるはずだが、国際細菌命名規約の例外規定としてエンテロバクター科 (Enterobacteriaceae Rahn 1937) が定められている。
腸内細菌科に属する多くの菌種は、その生育環境や病原性の点で、ヒトや動物の腸管と深い関わりを持つ。多くの菌種は、動物の腸管内に生息する腸内細菌として宿主に寄生する。ただし、ヒトや動物の腸内細菌の大部分は、腸内細菌科以外の偏性嫌気性細菌によって構成されており、腸内細菌科に属する菌数が占める割合は1%にも満たない。ヒトの糞便には1グラムあたり、1010-1011個の細菌が存在するが、このうち106-108が腸内細菌科の細菌である。これ以外のほとんどはバクテロイデス Bacteroides属やユーバクテリウム Eubacterium属などの偏性嫌気性菌で占められている。
それにも関わらず「腸内細菌」科(enterobacteriaceae: entero- 消化管の、bacteria 細菌、-ceae 科を表す接尾語)と名付けられた理由は、かつての培養技術では酸素が存在すると死んでしまう偏性嫌気性菌が培養不能であったため、これらの存在が知られておらず、旧来の培養条件でも容易に生育する腸内細菌科の細菌だけが発育したことから、腸内細菌の代表的菌種であると思われていたことに由来する。
なお、生後すぐの乳幼児の腸内は例外的に腸内細菌科が優勢である。大腸菌などが出生直後に腸内に進出し、最初の腸内細菌叢で最優位に立つ。数日経つと嫌気性菌が優勢になり、腸内細菌科は徐々に減衰する。
腸内細菌科の細菌の大部分のものは非病原性であるが、一部のものは病原性であり、しばしば下痢などの症状を伴う腸管感染症の原因になる。このような例として、下痢原性大腸菌(毒素原性大腸菌、腸管出血性大腸菌など)、赤痢菌、食中毒性サルモネラなどがあげられる。また、サルモネラの一種であるチフス菌は腸管に侵入した後、全身感染を起こす。
ただし、腸管細菌科の細菌が関与する疾患は腸管感染症には限らない。ペスト菌のようにリンパ節や肺に感染するものや、肺炎桿菌のように肺に感染するもの、セラチア菌のように日和見感染の原因になるもの、大腸菌による尿路感染症や菌血症など、腸管以外の部位でさまざまな感染症を起こすものが存在する。
腸内細菌科による疾患には、細菌性赤痢や腸チフスなど、歴史的に広範囲での流行が頻発したものが含まれており、このため真正細菌の中でも、比較的よく研究が進んだものに当たる。中でも、最も研究が進んでいるのは大腸菌であり、最も初期にゲノムの解読が終了した、代表的なモデル生物である。また大腸菌に、作りたいタンパク質をコードする遺伝子を導入して大量に発現させる、タンパク質の大量発現系など、産業的にも応用が行われている。
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科 | 属 | 種 | 法律 | 特徴 | 季節性 | 感染 | 毒素 | 症状 | 原因食品 | 潜伏期間 | 経過 | 治療 | 予防 | ||
感染型 | グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | サルモネラ属 | 再興感染症 | 新生児・乳児での接触感染 | 菌体内毒素 | 下痢(粘液、水様で緑色)、嘔吐、腹痛、急激な発熱(38-40℃) | レバー刺身、生肉、焼き鳥、生卵、ハム、ソーセージ、魚肉練り製品、乳製品、あん | 6-48時間(平均12時間) | 1-3日 | 対症療法 | 加熱、二次感染の予防(ネズミ、ゴキブリの駆除) | |||
グラム陰性らせん菌 | カンピロバクター属 | Campylobacter jejuni | 初夏(5-6月) | まな板、包丁などによる2次感染 | 菌体内毒素 | 下痢(水樣、腐敗臭)、腹痛、嘔吐、発熱、まれに敗血症 | 肉類、生乳、水(家畜の屎尿による汚染) | 2-5日(まれに10日) | 1-2週間 | 対症療法、エリスロマイシン | 加熱、ペットからの感染予防 | ||||
Campylobacter coli | |||||||||||||||
グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | サルモネラ属 | チフス菌 | ||||||||||||
グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | サルモネラ属 | パラチフス菌 | ||||||||||||
グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | シゲラ属 | 赤痢菌 | ||||||||||||
生体内毒素型 | グラム陰性桿菌 | ビブリオ科 | ビブリオ属 | コレラ菌 | |||||||||||
グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | エシェリキア属 | 腸管出血性大腸菌 | 3種感染症 | 経口感染 | ベロ毒素 | 激しい腹痛を伴う頻回の水樣便、溶血性尿毒症候群や脳症の合併により重症化 | 加熱不足の牛肉の摂食(牛乳、フルーツ、汚染野菜) | 3-4日 | 75℃1分の加熱で菌は死滅する | |||||
グラム陰性桿菌 | ビブリオ科 | ビブリオ属 | 腸炎ビブリオ | 耐熱性毒素、好塩菌、真水、酸に弱い | 夏季 | 生板・包丁などによる二次感染。成年男子に多い | 激しい下痢(水様、粘血便)、上腹部激痛、発熱(-38℃) | 刺身、漬け物 | 10-20時間(平均13時間) | 2-3日 | 対症療法 | 加熱(60℃, 10分)、冷蔵(10℃以下)、水洗い。まな板、包丁の洗浄 | |||
グラム陽性桿菌 | クロストリジウム属 | ウェルシュ菌 | 土壌、水、ヒトおよび動物の腸管に常在、嫌気性菌、芽胞形成 | エンテロトキシン | 下痢、腹痛、吐き気 | 畜肉および魚肉とその加工品、動物性蛋白質を用いて調理後、長期保存されていた食品(カレー、シチューなど) | 8-22時間 | 肉類、魚介類の脹内容物からの汚染防止。長時間保存する場合、加熱調理後冷蔵庫内にて保存。再加熱を十分に行う。 | |||||||
毒素型 | グラム陽性桿菌 | バシラス属 | セレウス菌 | 芽胞形成、芽胞形態で自然に広く存在。食品腐敗変敗細菌 | エンテロトキシン | 嘔吐型: 吐き気、嘔吐 | 米飯、チャーハン、スパゲティ | 1-5時間 | 低温保存、長期保存を避ける | ||||||
下痢型: 下痢 | 食肉製品、スープ、プリン、野菜 | 8-12時間 | |||||||||||||
グラム陽性桿菌 | クロストリジウム属 | ボツリヌス菌 | 嫌気性細菌、致命率が高い。芽胞形成。 | ボツリヌス毒素(80℃, 数分で無毒化) | 悪心、吐き気、めまい、頭痛、腹痛、下痢。眼症状(眼瞼下垂、複視、視力低下、瞳孔散大)、神経・筋症状(言語障害、嚥下障害、呼吸困難) | 缶詰、瓶詰(魚、獣肉、野菜、果実)、いずし、ハム、ソーセージ、からしレンコン) | 12-36時間 | 抗毒素血清治療 | 野菜などの水洗い、魚の内臓による汚染を防ぐ | ||||||
グラム陽性球菌 | スタフィロコッカス属 | 黄色ブドウ球菌 | ヒト常在菌(皮膚、口腔、粘膜、鼻咽頭粘膜)。化膿傷、咽頭炎、ニキビ、風邪の症状時には病巣となる | 耐熱性エンテロトキシン | 激しい吐き気、嘔吐、腹痛、下痢 | おにぎり、柏餅、シュークリーム、生クリーム | 0.5-6時間 | 1-3日 | 化膿巣のある人を調理に従事させない。低温保持(5℃以下) |
起炎菌 | 潜伏期間 | 原因食 | 発熱 | 腹痛 | 嘔気・嘔吐 | 下痢 | その他 | |
感染性食中毒 | 腸炎ビブリオ | 5-24hr 平均10hr |
魚介類(加工品) 6-9月に多い |
++ | +++ | ++ | +++ | ショック 心筋障害 |
サルモネラ | 7-72hr 平均12-24hr |
肉、卵、サラダ | +++ | ++ | + | ++ | ショック 敗血症 | |
カンピロバクター | 2-5日 | 鶏肉、牛肉、牛乳 5-7月に多い |
++ | + | ++ | ++ | ||
病原性大腸菌 | 1-3日 平均24hr |
牛肉が多い | ++ | + | ++ | + | ||
毒素性食中毒 | ブドウ球菌 | 0.5-6hr 平均3hr |
乳製品、かまぼこ、氷小豆、 夏季に多い |
± | + | +++ | + | エンテロトキシンによるショック |
ボツリヌス菌 | 2hr-8日 | いずし、キャビア | - | + | + | ± | 神経症状 眼症状 |
系統 | 前投与抗菌薬 | 抗菌薬投与後に高頻度に検出される細菌 | |
自然耐性菌 | 獲得耐性菌 | ||
ペニシリン系 | アンピシリン | Klebsiella pneumoniae | 大腸菌、黄色ブドウ球菌(MSSA、MRSA) |
ピベラシリン | 緑膿菌 | ||
セフエム系(第1・2世代) | セフアゾリン、セフォチアム | 緑膿菌、腸球菌 | 黄色ブドウ球菌(MRSA)、大腸菌 |
セフエム系(第3世代) | セフ卜リアキソン | 腸球菌 | 黄色ブドウ球菌(MRSA)、緑膿菌、大腸菌 |
セフタジジム | |||
セフエビム | |||
カルバペネム系 | メロペネム | Stenotrophomonas maltophilia | 黄色ブドウ球菌(MRSA)、緑膿菌 |
イミペネム | |||
アミノグリコシド系 | アミカシン | 腸球菌、嫌気性菌 | 緑膿菌, Serratia marcescens |
トブラマイシン | レンサ球菌、肺炎球菌 | ||
マクロライド系 | クラリスロマイシン | 腸内細菌科 | 黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、化膿性レンサ球菌 |
アジスロマシン | |||
テトラサイクリン系 | ミノサイクリン | Proteus mirabilis | 黄色ブドウ球菌(MRSA)、Brukholderia cepacia、Acinetobacter baumannii |
Morganella morganii | |||
Providencia rettgeri | |||
キノロン系 | レポフロキサシン | レンサ球菌 | 黄色ブドウ球菌(MRSA、大腸菌、緑膿菌 |
主な耐性菌 | 治療薬 |
緑膿菌 | アズトレオナム+ブラマイシン、シプロフロキサシン(感性株)、(コリスチン) |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) | バンコマイシン、テイコプラ二ン、アルベカシン、リネゾリド、(ST合剤、リファンピシン) |
ESBLs産生大腸菌 | ドリペネム、メロペネム、イミペネム、アミカシン、ST合剤 |
グルコース非発酵性グラム陰性桿菌 | ミノサイクリン、ピベラシリン、アンピシリン+スルバクタム、クロラムフェニコール、ST合剤、(コリスチン) |
バンコマイシン耐性腸球菌 | テイコプラ二ン(VanB型)、リネゾリド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン |
()は多分保険適用かないか、日本では未発売 |
属 | 菌種 | 感染症 |
Edwardsiella | Edwardsiella tarda | 腸管外感染症 |
Enterobacter | Enterobacter aerogenes | 肺炎、尿路感染 |
Enterobacter cloacae | ||
Enterobacter gergoviae | ||
Klebsiella | Klebsiella pneumoniae | 肺炎、尿路感染 |
Kluyvera | Kluyvera ascorbata | |
Kluyvera cryocrescens | ||
Proteus | Proteus mirabilis | 尿路感染症 |
Proteus vulgaris | ||
Serratia | Serratia liquefaciens | |
Serratia marcescens |
-Klebsiella
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