- 英
- arbekacin ABK
- 化
- 硫酸アルベカシン アルベカシン硫酸塩 arbekacin sulfate
- 商
- ハベカシン Habekacin
- 関
- ジベカシン、アミカシン、アミノグリコシド系抗菌薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/02 23:37:52」(JST)
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アルベカシン
|
IUPAC命名法による物質名 |
3-Amino-3-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→6)-[2,6-
diamino-2,3,4,6-tetradeoxy-α-D-erythrohexopyranosyl-
(1→4)]-1-N-[(2S)-4-amino-2-hydroxybutanoyl]-2-deoxy-
D-streptamine |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
劇薬、指定医薬品、処方せん医薬品 |
投与方法 |
筋注、点滴静注 |
薬物動態的データ |
代謝 |
ほとんど代謝されない |
排泄 |
腎臓 |
識別 |
CAS登録番号 |
51025-85-5 |
ATCコード |
J01GB12 |
PubChem |
CID 11398765 |
KEGG |
D07462 |
化学的データ |
化学式 |
C22H44N6O10 |
分子量 |
552.62 |
アルベカシン(日局アルベカシン硫酸塩、Arbekacin, ABK)は、アミノグリコシド系抗生物質の一つである。硫酸塩(硫酸アルベカシン)が明治製菓より「ハベカシン®」という商品名で上市されているほか、後発品にデコンタシン®、ブルバトシン®などがある。
目次
- 1 効能・効果
- 2 作用機序
- 3 販売までの経緯
- 4 副作用
- 5 参考文献
|
効能・効果[編集]
アルベカシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) による敗血症、肺炎
作用機序[編集]
細菌のタンパク質合成を阻害することにより抗菌作用を示し、その作用は殺菌的である。
緑膿菌を含むグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して広い抗菌スペクトラムを有する。特に、アミノグリコシド不活性化酵素に高い安定性を示し、MRSAに対する抗菌力が認められている。
販売までの経緯[編集]
梅澤濱夫らは、カナマイシン耐性菌の耐性機構の研究から、カナマイシン耐性菌に有効なジベカシンをベカナマイシン(カナマイシンB)を原料として合成し、さらにジベカシン耐性菌にも有効なアルベカシンをジベカシンから1973年に合成した。 アルベカシンは日本で1990年9月にMRSA感染症の敗血症、肺炎を適応症として成人用に承認され、1998年12月に小児への適応が追加承認された。
副作用[編集]
他のアミノグリコシド系抗生物質と同様に、内耳神経、腎臓に対する毒性を持ち、腎障害、聴力障害等の副作用が生じる恐れがある。副作用の発現は最低血中濃度と相関性があることが知られており、副作用発現防止のため、薬物血中濃度モニタリング(TDM)を必要とする。
参考文献[編集]
- 『ハベカシンR注射液25/75/100/200mg』医薬品インタビューフォーム・改定第4版(明治製菓)
- Kobayashi, Y., Uchida, H., Kawakami, Y. (1995). "Arbekacin" Intl. J. Antimicrobial Agents 5 (4), pp.227-230. doi:10.1016/0924-8579(95)00014-Y
Japanese Journal
- アミノグリコシド系薬のTDM : 多剤耐性菌感染症に対するアミノグリコシド系薬処方例 (こうすれば上手くいく! 抗菌薬TDMガイドラインの実践的活用法) -- (症例からみる投与設計のポイント)
- 三鴨 廣繁,木村 匡男,山岸 由佳
- 月刊薬事 = The pharmaceuticals monthly 55(1), 59-64, 2013-01-00
- NAID 40019548235
- アミノグリコシド系薬のTDM : MRSA感染症に対するアルベカシン処方例 (こうすれば上手くいく! 抗菌薬TDMガイドラインの実践的活用法) -- (症例からみる投与設計のポイント)
- 浜田 幸宏,?倉 俊二
- 月刊薬事 = The pharmaceuticals monthly 55(1), 53-57, 2013-01-00
- NAID 40019548222
Related Links
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Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ブルバトシン注射液25mg
組成
成分・分量(1アンプル中)
- 1アンプル0.5mL中
(日局)アルベカシン硫酸塩…25mg(力価)
添加物
- 亜硫酸水素ナトリウム…0.25mg
pH調節剤、等張化剤
禁忌
- 本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
適応菌種
- アルベカシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
適応症
成人への投与
- 通常、成人にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回150?200mg(力価)を30分?2時間かけて点滴静注する。必要に応じ、1日150?200mg(力価)を2回に分けて点滴静注することもできる。また、静脈内投与が困難な場合、アルベカシン硫酸塩として、1日150?200mg(力価)を1回又は2回に分けて筋肉内注射することもできる。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
小児への投与
- 通常、小児にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回4?6mg(力価)/kgを30分かけて点滴静注する。必要に応じ、1日4?6mg(力価)/kgを2回に分けて点滴静注することもできる。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
- 本剤の薬効は最高血中濃度と最も相関するとされていることから、1日1回静脈内投与が望ましい。
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
- 本剤の使用にあたっては、腎機能異常及び聴力障害等の副作用に留意し、本剤の投与期間は、原則として14日以内とすること。患者の状態などから判断して、14日以上にわたって本剤を投与する場合には、その理由を常時明確にし、漫然とした継続投与は行わないこと。
慎重投与
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 低出生体重児、新生児(「小児等への投与」の2.、3.の項参照)
- 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
重大な副作用
(頻度不明)
- ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(頻度不明)
- 痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与すること。
(頻度不明)
- 眩暈、耳鳴、耳閉感、また、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与すること。
(頻度不明)
- 急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(頻度不明)
- 汎血球減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- アルベカシン硫酸塩(Arbekacin Sulfate)
化学名
- 3-Amino-3-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→6)-[2,6-diamino-2,3,4,6-tetradeoxy-α-D-erythro-hexopyranosyl-(1→4)]-1-N-[(2S)-4-amino-2-hydroxybutanoyl]-2-deoxy-D-streptamine sulfate
分子式
- C22H44N6O10・xH2SO4(x=2-21/2)
分子量
性状
- アルベカシン硫酸塩は白色の粉末である。
本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- resistant bacterium
- 同
- 薬剤耐性菌 drug resistance bacterium drug resistant bacterium
- 関
- 菌交代症、R因子
医療系の雑誌より(日経カデット11月?)
表1抗菌薬投与後に出現する可能性か高い耐性菌
表2主な耐性菌と治療薬
[★]
- 英
- aminoglycoside antibiotic
- 関
- 抗菌薬、アミノグリコシド系薬、アミノグリコシド
GOO. chapter.45
- タンパク質合成阻害による抗菌薬は静菌的なのもが多いが、アミノグリコシド系抗菌薬は「殺菌的」に作用
構造
- amino sugars linked to an aminocyclitol ring by glycosidic bonds (GOO.1155)
- 名前の通りアミノ基-NH2を多数有しているため正電荷を帯びる
- →経口吸収不良
- →脳脊髄液に移行しにくい。
- →腎排泄されやすい
動態
- 内服不可能→外来患者に使いにくい
- 細胞膜(内膜)の通過は膜電位ポテンシャルに依存している。ここが律速段階となる。 → 細胞内移行性悪
- 阻害、拮抗要素:二価陽イオン、高浸透圧、pHの低下、嫌気的条件
- 膿瘍など嫌気的条件、酸性の高浸透圧尿など細菌の膜電位ポテンシャルが低下する場合に薬効低下
作用機序
- 1. 翻訳開始を阻害
- 2. 翻訳を停止させる
- 3. 誤ったアミノ酸を取り込ませる
- 異常蛋白が細胞膜に挿入され、膜の透過性を変えてさらにアミノグリコシド系抗菌薬の取り込みを促す
薬理作用
- 薬効は迅速。濃度依存的。
- post-antibiotic effectがある。
- 抗菌薬の血漿濃度がminnimum inhibitory concentration以下になっても殺菌活性が残存。殺菌活性の残存時間は濃度依存的
抗菌スペクトル
副作用
- 腎障害:近位尿細管の壊死変性。用量依存的
- 耳毒性:CN VIII障害。内耳の有毛細胞を破壊。用量依存的
- 神経・筋遮断作用:(稀であるが)神経筋遮断作用(およびこれによる無呼吸)を呈する。遮断作用はネオマイシンが一番強く、カナマイシン、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシンがこれに続く。通常、胸腔内、腹腔に大量投与した時に生じるが、静脈内、筋肉内、あるいは経口投与でも起こりうる。大抵の発作(神経筋接合部が遮断される発作)は麻酔薬やその他の神経筋接合部遮断薬の投与で生じる(←どういう意味?)。重症筋無力症の患者はアミノグリコシド系抗菌薬による神経筋接合部遮断作用を受けやすい。(GOO.1164)
アミノグリコシド系抗菌薬
[★]
- 英
- methicillin-resistant Staphylococcus aureus methicillin resistant Staphylococcus aureus MRSA
- 関
- 黄色ブドウ球菌。VRSA、LRSA
耐性獲得機序
- 多種がもつβ-ラクタムに親和性の低いペニシリン結合蛋白を発現するようになったため
- 細胞壁合成酵素(penicillin-binding protein: PBP) PBP 2'の産生。このペニシリン結合タンパクはmecAにコードされている。
- βラクタム薬の投与により発現が誘導される、らしい。
抗菌薬
- QB.H-178
臨床関連
[★]
- 関
- MRSA、抗菌薬
[★]
アルベカシン arbekacin
[★]
- 英
- cathine
- 関
- ノルシュードエフェドリン