Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/11/22 07:37:26」(JST)
[Wiki ja表示]
カルバペネム系抗生物質(カルバペネムけいこうせいぶっしつ)とは、β-ラクタム系抗生物質に通常存在する硫黄が炭素に置換された骨格をもつ抗生物質である。β-ラクタム系抗生物質と同様に細胞壁構築阻害作用があり殺菌的に働くとされている。その特徴は多くの細菌に対して効果があり、広域であるという点である。カルバペネム骨格はペネム骨格に比べさらに化学的に不安定なため、臨床的には必ずしも細菌作用が強く表れない。また広域であるが細胞壁構築阻害である以上、細胞壁のないマイコプラズマや、ペプチドグリカンを持たないクラミジアには効果はなく、腸球菌にも静菌的に働く。
イミペネムやメロペネムといった抗生物質が代表的である。Enterococcus faecium、フラボバクテリア、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、Clostridium difficile、MRSA、マイコプラズマ、コリネバクテリア、クラミジア、Stenotrophmonas multophilia、マイコプラズマ、Burkholdenia cepacia、レジオネラなどを狙ってもちいることは考えにくい。
経口剤も存在するが、点滴のカルバペネム系抗生物質とは扱い方が異なる。
参考文献
- 岩田健太郎・宮入烈 共著『抗菌薬の考え方、使い方』中外医学社、2004、ISBN 4-498-01758-7
関連項目
外部リンク
|
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 野口 周作,望月 徹,吉田 奈央,上野 ひろむ
- 日本環境感染学会誌 28(2), 79-85, 2013
- … ,2010年より積極的に症例に関わる方法としてICT抗菌薬ラウンド導入に至るまで段階的に強化策を行った.その効果判定の指標として,カルバペネム系抗菌薬の使用量,投与日数,緑膿菌の感性率及び多剤耐性緑膿菌(MDRP)の年間検出件数を調査した.カルバペネム系抗菌薬の使用量は,1277バイアル(V)(2004年11月)から327V(2010年6月)に,平均投与日数は8.40日(2006年)から5.97日(2010年)に減少し,緑膿菌のmerope …
- NAID 130003371161
- 当センターにおける基質拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌の検出率および薬剤感性率状況
- 中家 歩美,西 春香,原 幹也,井戸向 昌哉,池田 紀男,宮木 康夫
- 日本赤十字社和歌山医療センター医学雑誌 = Medical Journal of Japanese Red Cross Society Wakayama Medical Center 30, 57-62, 2012-12-00
- … pneumoniaeの検出率と,薬剤感性率を調査した.その結果,ESBL産生E.coliは3.9%から10.8%,ESBL産生K.pneumoniaeは2.3%から15.3%と,ともに増加しており,外来由来株での増加も両菌種で認められた.両菌種において,カルバペネム系薬であるimipenemに対する耐性は認めなかったが,ニューキノロン系薬のlevofloxacinは約25%のみが感性株であった.以上より,入院外来に関わらずESBL産生菌の可能性を考慮し,抗菌薬の適正使用を行うとともに, …
- NAID 120005294738
- カルバペネム系薬の使い方 (特集 肺炎診療の新しい潮流)
- 関 雅文,朝野 和典
- 成人病と生活習慣病 : 日本成人病(生活習慣病)学会準機関誌 42(11), 1309-1314, 2012-11-00
- NAID 40019507667
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、 26、 27の問いに答えよ。
- 72歳の女性。予診票に「熱がある」と記載されている。医師が待合室に向かって診察室への入室を促した。医師「 27番の患者さん、こちらの診察室にお入り下さい」患者「はい」医師「おはようございます。医師のサトウタロウと申します」患者「よろしくお願いします」
- 現病歴: 5日前から咳が出るようになった。 2日前から咳をすると胸の痛みを感じるようになった。今朝から 38.2℃の発熱を認めたため受診した。
- 既往歴:特記すべきことはない。アレルギー歴はない。
- 生活歴:喫煙歴はない。
- 現症:意識は清明。身長 152 cm、体重 48 kg。体温 38.4℃。脈拍 84/分、整。血圧 136/82 mmHg。呼吸数 24/分。 SpO2 94%(room air)。心音に異常を認めない。右背部に coarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見:尿所見:蛋白 (-)、糖 (-)、ケトン体 (-)、潜血 (-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 410万、 Hb 13.1 g/dl、Ht 38%、白血球10,700(桿状核好中球 33%、分葉核好中球 45%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 5%、リンパ球 15% )、血小板 20万。血液生化学所見:尿素窒素 15 mg/dl、クレアチニン 0.8 mg/dl、尿酸 3.8 mg/dl、血糖 108 mg/dl、Na 140 mEq/l、K 3.7mEq/l、Cl 105 mEq/l。CRP 9.0 mg/dl。胸部エックス線写真で心胸郭比 48%、右の中肺野と肺門部に浸潤影を認める。喀痰の Gram染色標本 (別冊 No. 4)を別に示す。
- 抗菌薬として第一選択となるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108C026]←[国試_108]→[108C028]
[★]
- 23歳の男性。陰茎の潰瘍を主訴に来院した。
- 現病歴:1週間前に陰茎に潰瘍が出現し、次第に拡大するため受診した。潰瘍部に疼痛はない。頻尿や排尿時痛もない。
- 既往歴:14歳時に肺炎球菌性肺炎。アンピシリン/スルバクタム投与後に血圧低下と全身の皮疹を認めた。
- 生活歴:喫煙は20本/日を3年間。飲酒は機会飲酒。不特定多数の相手と性交渉がある。
- 現症:意識は清明。身長 170cm。体重 74kg。体温 36.3℃。脈拍 80/分、整。血圧 128/68mmHg。呼吸数 12/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察に異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。陰茎に潰瘍を認める。
- 検査所見:赤沈 32mm/1時間。血液所見:赤血球 418万、Hb 13.3g/dL、Ht 42%、白血球 9,900(桿状核好中球 14%、分葉核好中球 66%、好酸球 2%、好塩基球 3%、単球 9%、リンパ球 6%)、血小板 20万。血液生化学所見:総蛋白 7.6g/dL、アルブミン 4.2g/dL、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 105mEq/L。免疫血清学所見:CRP 3.2mg/dL、抗HIV抗体スクリーニング検査 陰性、尿中クラミジア抗原 陰性、RPR 32倍(基準倍 1未満)、TPHA 80倍未満(基準 80倍未満)。
- 潰瘍部の写真(別冊No. 2)を別に示す。
- 適切な抗菌薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113E047]←[国試_113]→[113E049]
[★]
- 52歳の男性。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。 3日前から 39.2℃の発熱が出現し、市販の総合感冒薬を内服したが症状が改善しなかった。昨日から咳嗽、喀痰および息切れを自覚するようになり受診した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。ペットは飼育していない。 1週前に温泉に行ったという。意識は清明。体温38.5℃。脈拍 96/分、整。血圧 142/84 mmHg。呼吸数 30/分。 SpO2 93% (リザーバー付マスク 10 l/分酸素投与下 )。心音に異常を認めない。右胸部に fine cracklesと coarse cracklesとを聴取する。血液所見:赤血球 390万、 Hb 13.8 g/dl、Ht 39%、白血球 8,300(桿状核好中球 8%、分葉核好中球 79%、好酸球 1%、単球 2%、リンパ球 10% )、血小板 24万。血液生化学所見:総蛋白 5.6 g/dl、アルブミン 2.8 g/dl、AST 40 IU/l、ALT 38 IU/l、LD 340 IU/l(基準 176~353)、 CK 350 IU/l(基準 30~140)、尿素窒素 27 mg/dl、クレアチニン 0.9 mg/dl、Na 128 mEq/l、K 3.6 mEq/l、Cl102 mEq/l。CRP 35 mg/dl。喀痰のヒメネス〈Gimenez〉染色標本で桿菌を認める。胸部エックス線写真にて右中下肺野に浸潤影を認める。肺野条件の胸部単純 CT(別冊No. 26)を別に示す。
- 抗菌薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D054]←[国試_108]→[108D056]
[★]
- 54歳の女性。咳嗽と発熱とを主訴に来院した。 2日前から38.5℃の発熱と咳嗽とがあり、市販の総合感冒薬で様子をみていたが改善しなかった。高熱が持続し、咳嗽が増強してきたため受診した。喀痰を認めない。
- 既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。 2年前から室内でインコを飼っていたが、 1週前に死んだという。
- 意識は清明。体温38.7℃。脈拍88/分、整。血圧122/76mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。白血球7,300(桿状核好中球20%、分葉核好中球55%、好酸球2%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球17%)。 CRP15mg/dl。胸部エックス線写真(別冊No. 24)を別に示す。
- この疾患に有効な抗菌薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A050]←[国試_106]→[106A052]
[★]
- 28歳の男性。生来健康であったが、1週前から発熱と咳とが続くため来院した。咳は乾性で頑固である。同様の症状を訴えている会社の同僚がいる。体温38.2℃。呼吸数18/分。脈拍80/分、整。胸部聴診では呼吸音の異常は認めない。白血球6,500(桿状核好中球8%、分葉核好中球52%、好酸球2%、単球8%、リンパ球30%)。CRP 8.6mg/dl (基準0.3以下)。胸部エックス線写真で右中肺野に浸潤影を認める。誘発喀痰のGram染色では起因菌は推定できなかった。初期治療として適切な抗菌薬はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096D012]←[国試_096]→[096D014]
[★]
- 23歳の男性。尿道分泌物を主訴に来院した。2週前に異性との性交渉があった。数日前から漿液性の尿道分泌物、ごく軽度の排尿痛および尿道不快感があった。尿所見:蛋白(±)、糖(-)、沈さに赤血球(-)、白血球10~30/1視野。抗菌薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I071]←[国試_102]→[102I073]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109I006]←[国試_109]→[109I008]
[★]
- 適正使用のため感染対策部門が院内の使用を管理すべき抗菌薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110G030]←[国試_110]→[110G032]
[★]
- 英
- resistant bacterium
- 同
- 薬剤耐性菌 drug resistance bacterium drug resistant bacterium
- 関
- 菌交代症、R因子
医療系の雑誌より(日経カデット11月?)
表1抗菌薬投与後に出現する可能性か高い耐性菌
表2主な耐性菌と治療薬
[★]
- 英
- carbapenem antibiotic
- 関
- カルバペネム、カルバペネム系抗生物質
[★]
- 英
- carbapenem
- 関
- カルバペネム、カルバペネム系薬剤
[★]
- 英
- carbapenem
- 関
- カルバペネム、カルバペネム系薬
[★]
- 英
- carbapenem antibiotic
- 関
- カルバペネム系抗菌薬
[★]
- 関
- 一連、菌株、緊張、系統、系列、シリーズ、歪み、連続、システム、体系、体制、方式、筋挫傷
[★]
- 英
- carbapenem
- 関
- カルバペネム系抗菌薬
[★]
- 英
- penem
- 関
- ペネム系抗生物質