- 英
- rifampicin, RFP, RIF
- 商
- Rifampin、リファジン、リマクタン、アプテシン
- 関
- 抗結核薬、結核、抗菌薬
分類
特徴
- 濃度依存性 ← アミノグリコシドlike
- 血漿濃度より組織内の方が高濃度に分布し、マクロファージに潜伏する結核菌に有効に作用。
薬理作用
作用機序
- 結核菌のDNA依存RNAポリメラーゼに作用し、RNA合成初期段階を阻害(参考2)
注意
副作用
- 他の抗結核菌薬と比べて特異的なものはない。
- 参考1
- 胃腸症状(悪心、嘔吐、下痢)、中枢神経系(頭痛、発熱)、皮膚(皮疹、掻痒、発赤)、血液系の異常(血小板減少症、急性溶血性貧血)
- イソニアジドなどの肝毒性を有する薬剤との同時投与により肝炎を来しやすい。
- 掻痒症も来すことがある。観血的に高用量を用いた患者にインフルエンザ様症状出現の報告がある。
- 体液(汗、唾液、涙)がオレンジ~橙赤色になる。
参考
- 1. [charged] Rifampin and other rifamycins - uptodate
- 2. リファジンカプセル150mg - 添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6164001M1216_1_03/6164001M1216_1_03
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リファンピシン
|
IUPAC命名法による物質名 |
5,6,9,17,19,21-ヘキサヒドロキシ-23-メトキシ-2,4,12,16,18,20,22-ヘプタメチル-8-[N-(4-メチル-1-ピペラジニル)ホルムイミドイル]-2,7-(エポキシペンタデカ[1,11,13]トリエンイミノ)-ナフト[2,1-b]フラン-1,11(2H)-ジオン-21-酢酸
|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- AU: Prescription Only (S4)
- UK: 処方箋のみ (POM)
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
90 - 95% |
代謝 |
肝臓と腸壁 |
半減期 |
6 - 7 時間 |
排泄 |
15 - 30% 腎臓
60% 糞 |
識別 |
CAS番号 |
13292-46-1 |
ATCコード |
J04AB02 |
PubChem |
CID: 5360416 |
DrugBank |
APRD00207 |
KEGG |
D00211 |
化学的データ |
化学式 |
C43H58N4O12 |
分子量 |
822.94 g/mol |
リファンピシン (rifampicin) は抗生物質の一種。
分子式C43H58N4O12、分子量822.95の有機化合物。リファンピン (rifampin) ともいう。製品名はリファジン®カプセル150mg(第一三共製造販売)。
放線菌の一種 Streptomyces mediterranei が生産するリファマイシンから半合成される。
目次
- 1 作用機序
- 2 効能・効果
- 3 臨床応用
- 4 分子生物学での利用
- 5 参考文献
- 6 脚注
作用機序
細菌のRNAポリメラーゼに直接作用してRNA合成の開始反応を阻害することにより抗菌力を発揮する。また、リファンピシンは薬物代謝酵素であるCYP3A4の誘導を行うため、薬物相互作用に対して注意を要する。(この酵素によって代謝される薬物の血中濃度を低下させるため、この酵素で代謝される薬が効きにくくなる。)
効能・効果
適応菌種
適応症
- 肺結核及びその他の結核症
- マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症(NTM)
- ハンセン病
臨床応用
結核やハンセン病の治療に用いられることがある。副作用としては肝機能障害などが挙げられる。
多剤耐性緑膿菌や多剤耐性アシネトバクター・バウマニの感染症に対してコリスチンとの併用療法に用いられることがある(この場合、保険適用外使用となるため健康保険が効かない)。コリスチンとリファンピシンの併用療法はin vitro及びin vivoで相乗効果があることが確認されている[1][2][3]。
CYP3A4で代謝される薬は薬物相互作用に気をつけなければならない。特にHIVプロテアーゼ阻害薬、デラルビシン、ボリコナゾール、プラジカンテルは併用禁忌となっている。
日本では第一製薬(現第一三共)、科研製薬、日本チバガイギー(現サンド)などから販売されており、1996年に厚生大臣より希少疾病用医薬品の指定を受けた[4]。
分子生物学での利用
リファンピシンは他の抗生物質に比べ自然耐性をもたれやすい。そのため、大腸菌の可逆的リファンピシン耐性変異株を利用することで、in vivoにおけるRNA合成を開始段階で同調させることができる。また、RNAの伸長反応は阻害しないので、オペロンの構造分析にも利用できる。
参考文献
- 『生化学辞典 第4版』東京化学同人、2007年 ISBN 978-4-8079-0670-3
脚注
- ^ Giamarellos-Bourboulis EJ, Sambatakou H, Galani I, Giamarellou H. (2003). "In vitro interaction of colistin and rifampin on multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa". J Chemother 15: 235–38.
- ^ Hogg GM, Barr JG, Webb CH. (1998). "In-vitro activity of the combination of colistin and rifampicin against multidrug-resistant strains of Acinetobacter baumannii". J Antimicrob Chemother 41: 494–95.
- ^ Petrosillo N, Chinello P, Proietti MF, et al. (2005). "Combined colistin and rifampicin therapy for carbapenem-resistant Acinetobacter baumannii infections: clinical outcome and adverse events". Clin Microbiol Infect 11: 682–83.
- ^ 希少疾病用医薬品及び希少疾病用医療用具の厚生大臣指定(96年3月)
抗DNAウイルス薬(ATCコード:J05、S01AD、D06BB) |
|
Baltimore I |
ヘルペスウイルス
|
DNA合成
阻害剤
|
TK活性型
|
プリン誘導体
|
グアニン(アシクロビル#/バラシクロビル、ガンシクロビル/バルガンシクロビル、ペンシクロビル/ファムシクロビル)
アデニン(ビダラビン、シタラビン)
|
|
ピリミジン誘導体
|
ウリジン(イドクスウリジン、トリフルリジン、エドクスウジン)
チミン(ブリブジン)
|
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TK不活性型
|
ホスカルネット
|
|
|
その他
|
ドコサノール · 初期タンパク質(ホミビルセン) · トロマンタジン
|
|
|
HPV/MC
|
イミキモド/レシキモド · ポドフィロトキシン
|
|
ワクシニア
|
会合阻害: リファンピシン
|
|
ポックスウイルス
|
メチサゾン
|
|
|
B型肝炎 (VII) |
ヌクレオシド誘導体/NARTI: エンテカビル · ラミブジン · テルビブジン · クレブジン
ヌクレオシド誘導体/NtRTI: アデホビル · テノホビル
|
|
Multiple/general |
核酸阻害剤
|
シドホビル
|
|
インターフェロン
|
インターフェロンα-2b · ペグインターフェロンα-2a
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複合/不明
|
リバビリン#/タリバビン†
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ErbB2/PI3K経路
|
NOV-205§ · NOV-002†
|
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#WHO-EM. ‡市場から撤退。治験: †第III相。§第II相以下 |
|
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Japanese Journal
- 肺Mycobacterium szulgai感染症の1例
- 鈴木 洋祐,笹岡 彰一,澤田 格,林 右
- 2010-10-31
- … szulgai が同定され、RFP(リファンピシン)、EB(エタンブトール)、CAM(クラリスロマイシン)の3剤による治療に変更した。 …
- NAID 120003057448
Related Links
- リファンピシン ( rifampicin ) は抗生物質の一種。 分子式C43H58N4O12、分子量 822.95の有機化合物。リファンピン ( rifampin )ともいう。 放線菌の一種Streptomyces mediterraneiが生産するリファマイシンから半合成される。 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
販売名
リファンピシンカプセル150mg「サンド」
組成
有効成分
含量(1カプセル中)
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、カルメロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム
カプセル本体にゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム、赤色3号、黄色5号、酸化チタン含有
効能または効果
<適応菌種
<適応症
- 肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症、ハンセン病
[肺結核及びその他の結核症]
- 通常成人には、リファンピシンとして1回450mg(力価)を1日1回毎日経口投与する。ただし、感性併用剤のある場合は週2日投与でもよい。原則として朝食前空腹時投与とし、年齢、症状により適宜増減する。また、他の抗結核剤との併用が望ましい。
[MAC症を含む非結核性抗酸菌症]
- 通常成人には、リファンピシンとして1回450mg(力価)を1日1回毎日経口投与する。原則として朝食前空腹時投与とし、年齢、症状、体重により適宜増減するが、1日最大量は600mg(力価)を超えない。
[ハンセン病]
- 通常成人には、リファンピシンとして1回600mg(力価)を1ヵ月に1?2回または1回450mg(力価)を1日1回毎日経口投与する。原則として朝食前空腹時投与とし、年齢、症状により適宜増減する。また、他の抗ハンセン病剤と併用すること。
- 肺結核及びその他の結核症に対する本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
- 本剤をMAC症を含む非結核性抗酸菌症に使用する際には、投与開始時期、投与期間、併用薬等について国内外の各種学会ガイドライン1)?3)等、最新の情報を参考にし、投与すること。
慎重投与
- 過敏症の既往歴のある患者
- 間歇投与又は投与を一時中止し、再投与する場合[このような場合にはアレルギー性の副作用があらわれやすい。]
- 副腎皮質不全のある患者4)[副腎(急性)クリーゼを誘発することがある。]
- 慢性甲状腺炎のある患者[甲状腺機能低下症を増悪又は顕在化させることがある。]
- 肝障害又はその既往歴のある患者[症状が悪化又は再発するおそれがある。]
重大な副作用
- 下記の重大な副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、2)ショック、アナフィラキシー様症状、3)腎不全、間質性腎炎、4)溶血性貧血の副作用についてはアレルギー性と考えられており、特に間歇投与時又は投与を一時中止し再投与する場合に起こりやすいので注意すること。
- 劇症肝炎等の重篤な肝障害(頻度不明)
定期的に肝機能検査を行うこと。
- ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)(初期症状:発熱、悪寒・戦慄、顔面潮紅、呼吸困難、胸内苦悶等)
- 腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群(頻度不明)
- 溶血性貧血(頻度不明)
- 無顆粒球症、血小板減少(頻度不明)
- 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎5),6)(頻度不明)(症状:腹痛、頻回の下痢等)
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、7)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、扁平苔癬型皮疹、天疱瘡様及び類天疱瘡様皮疹、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)
- 間質性肺炎(頻度不明)
薬効薬理
抗菌作用
- 結核菌に対する抗菌力はイソニアジドに匹敵し、18)最小発育阻止濃度はDubos培地で、0.01?0.04μg/mLであった。17)また、他剤との併用により高い菌陰性化率を示す。19)
耐性
- 他の抗結核剤との交叉耐性は認められていない。耐性は試験管内で比較的速く発現するが、エタンブトール、イソニアジド、ストレプトマイシンその他の抗結核抗生剤との併用で遅延される。
作用機序20)
- 結核菌のDNA依存RNAポリメラーゼに作用し、RNA合成初期段階を阻害する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
略号
化学名
- (2S,12Z,14E,16S,17S,18R,19R,20R,21S,22R,23S,24E)-5,6,9,17,19-Pentahydroxy-23-methoxy-2,4,12,16,18,20,22-heptamethyl-8-(4-methylpiperazin-1-yliminomethyl)-1,11-dioxo-1,2-dihydro-2,7-(epoxypentadeca[1,11,13]trienimino)naphtho[2,1-b]furan-21-yl acetate
分子式
分子量
性状
- だいだい赤色?赤褐色の結晶又は結晶性の粉末である。
水、アセトニトリル、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 15歳の男子。通っている学習塾の講師が肺結核と診断されたため、保健所からの結核接触者検診の指示を受けて受診した。
- 現病歴:2週間前から微熱と咳嗽が続いている。痰が絡む咳嗽が1日中持続している。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 予防接種歴:BCG接種歴あり。
- 家族歴:父と母との3人暮らし。家族内に他に咳嗽のある者はいない。
- 現症:意識は清明。身長 166cm、体重 56kg。体温 37.6℃。脈拍 72/分、整。血圧 124/62mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に発赤を認めない。甲状腺と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 472万、Hb 13.5g/dL、Ht 39%、白血球 7,400(①分葉核好中球 56%、好酸球 1%、リンパ球 43%)、血小板 24万。血液生化学所見:総蛋白 7.6g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 0.6mg/dL、AST 26U/L、ALT 13U/L、LD 228U/L(基準 176~353)、γ-GTP 12U/L(基準 8~50)、尿素窒素 11mg/dL、クレアチニン 0.3mg/dL、血糖 96mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 102mEq/L。CRP 0.8mg/dL。②結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法(IGRA)は陽性。③喀痰塗抹Ziehl-Neelsen染色でGaffky 3号。④喀痰結核菌PCR検査は陽性。胸部エックス線写真で異常を認めない。⑤胸部CTで右下肺野に小葉中心性の粒状影を認める。
- 臨床経過と検査所見から肺結核と診断した。
- この患者に対する標準治療として使用しないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112C061]←[国試_112]→[112C063]
[★]
- 58歳の女性。咳と血痰とを主訴に来院した。2年前から咳と痕とが出るようになった。1か月前から咳が強くなり、3日前から血痰が出たため受診した。13歳時に副鼻腔炎で両側を手術した。体温37.2℃。両側の前胸下部に弱いfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球 420万、Hb 11.8g/dl、Ht 40 %、白血球 6,800、血小板 18万。血液生化学所見に異常を認めない。CRP O.8mg/dl。喀痰の抗酸菌塗抹検査が3回連続で陽性となったが、同時に行った結核菌PCR検査は陰性だった。胸部エックス線写真(別冊No.18A)と胸部単純CT(別冊No.18B)とを別に示す。止血剤の投与で血痰は消失したが、咳は増強し、1か月後の画像は増悪していた。抗菌薬を3剤用いて治療を開始することとした。
- リファンピシンとエタンブトールに加えて選択するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D049]←[国試_104]→[104D051]
[★]
- 30歳の男性。会社員。独身。高度の呼吸困難、発熱および乾性咳嗽を主訴に来院した。3か月前から全身倦怠感と乾性咳嗽、2か月前から体動時の息切れ、2週前から発熱がみられ呼吸困難は高度となった。22歳から2年間海外に留学した。意識は清明。身長178cm、体重56kg。体温 38.2℃。呼吸数 30/分。脈拍 112/分、整。血圧 114/60 mmHg。チアノーゼを認める。血液所見:赤血球 452万、Hb 12.8 g/dl、Ht 40%、白血球 8,200(桿状核好中球 16%、分葉核好中球 64%、単球 8%、リンパ球 4%)、血小板 17万。免疫学所見:CRP 18mg/dl、IgG 620 mg/dl (基準 960~1,960)、β-D-グルカン 280pg/ml(基準 20以下)。胸部エックス線写真で両側び慢性に浸潤影を認める。
- 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103D045]←[国試_103]→[103D047]
[★]
- 65歳の男性。 10日前から市中肺炎の治療のため入院中である。肺炎は第三世代セフェム系抗菌薬による治療で軽快し、 3日前に投薬終了となった。 2日前から下痢が出現し、昨日は下痢が10回以上認められた。
- 体温37.2℃。脈拍96/分、整。血圧128/80mmHg。呼吸数16/分。胸部に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。腸雑音の亢進を認める。直腸指診で異常を認めない。下部消化管内視鏡写真(別冊No. 7)を別に示す。
- 治療のために経口投与するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A028]←[国試_106]→[106A030]
[★]
- 60歳の男性。活動性肺結核の診断で入院した。イソニアジド、リファンピシン及びストレプトマイシンによる治療を開始した。肺機能検査は正常であった。治療開始1か月後、発熱と発疹とを認めた。飲酒は週にビール2, 3本を30年間。血液所見:白血球11,000(好酸球11%)。化学所見GOT60:単位(基準40以下)、GPT112単位(基準35以下)、アルカリホスファターゼ420単位(基準260以下)、γ-GTP90単位(基準8~50)。IgM-HAV抗体陰性、HBs抗原陰性。
- この患者の病態の原因として最も可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095C017]←[国試_095]→[095C019]
[★]
- 80歳の女性。咳嗽を主訴に来院した。2か月前から咳嗽が出現し、増強してきたため受診した。10年前から糖尿病で経口血糖降下薬を服用中である。意識は清明。体温 36.8℃。脈拍 72/分、整。血圧 146/82mmHg。呼吸数 18/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部エックス線写真で左中肺野に結節影を認める。胸部CT(別冊No. 25A)と経気管支肺生検組織のPAS染色標本(別冊No. 25B)とを別に示す。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D051]←[国試_109]→[109D053]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095A098]←[国試_095]→[095A100]
[★]
- 抗結核薬のうち副腎皮質ステロイドの効果を減弱させるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E030]←[国試_111]→[111E032]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G113]←[国試_100]→[100G115]
[★]
- ☆case76 頭痛
- ■glossary
- 傾眠 drowsiness 正常、病的の区別なく眠り込む場合に用いられる
- 意識不鮮明 confusion 周囲に対する認識や理解は低下し、思考の清明さや、記憶の正確さが失われる
- 錯乱 confusion 夢幻様状態より見当識障害と思考の滅裂が見られる状態(PSY.40)
- MA = Master of Arts 文学修士
- The Master of Arts (BrE: MA, UsE: M.A.) is awarded in Arts, Humanities, Theology and Social Sciences (Wikipedia)
- graduate student 大学院生
- rousable adj. 覚醒できる、目を覚ますことができる
- rouse vt. ~の目を覚まさせる、呼び起こす。喚起する、鼓舞する、奮起させる。(感情を)起こさせる、かき立てる
- lateralize vt. (生理)(大脳が)(左右半球に心的機能差がある、左右差がある。(器官・機能・活動などが)大脳の(左右いずれかの)片側優位下にある。(医学)(障害などが)大脳の片半球にあると診断される
- 乳頭浮腫 papilledema 原因を問わず視神経乳頭が腫脹している状態
- うっ血乳頭 choked disc 脳圧亢進による乳頭浮腫
- ■症例
- 24歳、男性 精神学の修士過程を専攻している大学院生
- 主訴:激しい頭痛
- 現病歴:頭部全体に痛みがある。2回嘔吐。傾眠と錯乱が認められるようになった。明るい光を嫌う()he finds bright lights uncomfortable。
- 既往歴:病気の既往はない。アレルギーはない。タバコ1日10本。アルコール24 unit/week(缶ビール(350ml)13.7本/週)。薬は服用してない。
- 家族歴:彼女と同居。3歳と4歳の子供がいる。
- ・診察 examination
- 見た感じ紅潮しており、調子が悪そう。体温:39.2℃。項部硬直あり(he has stiffness on passice flexion of his neck)。皮疹なし。副鼻腔に圧痛なし。鼓膜所見は正常。脈拍:120/分。血圧:98/74 mmHg。心血管系、胸部、腹部に異常所見なし(normal)。意識レベル低下。命令に応じて覚醒する(JCS10?)。局所神経症状認めない。眼底所見正常
- ・検査 investigation
- 血液検査
- 白血球:上昇。血清Na:低下。血清尿素:上昇。血清クレアチニン:上昇。血液培養:検査中
- 画像検査
- 胸部X線:異常所見なし。頭部CT:正常
- 心電図:洞性頻脈
- 腰椎穿刺
- 髄液所見:混濁。白血球:増多。蛋白:増多。糖:低下(普通の人の血糖100mg/dLと考える。→ 1g/L → 1/180 mol/L → 5.56 mmol/L。グラム染色:結果待ち
- ■Q
- 診断、鑑別診断、管理
- ■A
- 細菌性髄膜炎、髄膜炎・クモ膜下出血、経験的抗菌薬投与・
- ■解説
- (第1パラグラフ)細菌性髄膜炎
- ・(症状)突然発症。激しい頭痛、嘔吐、錯乱、羞明、項部硬直
- ・低血圧、白血球増多、腎機能低下 → ウイルス性よりむしろ細菌性の感染を示唆する。 ← 重症敗血症~敗血症ショックかな?(私見)
- ・(髄膜炎菌の種類)
- <テーブル挿入 髄膜炎>
- ・(疫学)HIM. 2621 (多分、全患者中(←私見))
- Streptococcus pneumoniae ~50%
- Neisseria meningitidis ~25%、
- group B streptococci ~15%
- Listeria monocytogenes ~10%
- Haemophilus influenzae type B <10%
- ・Neisseria meningitidisは全身性の脈管の皮疹(点状出血、紫斑)が特徴的(generalized vasculitic rash)
- (第2パラグラフ)鑑別診断
- ・激しい頭痛
- ・the most severe headaches are experienced in meningitis, subarachnoid hemorrhage and classic migraine.
- ・meningitis:単回の発作(single episode)。症状は時間単位で出現。
- ・subarachnoid hemorrhage:単回の発作(single episode)。突然発症(突発完成?)。硝子体出血を認めることがある。
- ・classic migraine:繰り返す(数回/年~1回/週。平均月2回。発作は4-72時間継続)
- ・髄膜刺激:急性に発熱をきたした多くの病態でみられる(acute febrile conditions)。特に子供。 ← そうなの?
- ・頚部硬直:頚部や脊椎の局所感染症でも起こる。 ← パーキンソン病などによる筋トーヌスの異常亢進も除外しよう
- ・他の髄膜炎:脳脊髄液所見で鑑別する
- (第3パラグラフ)経験的治療
- ・(細菌性)髄膜炎が疑われたら、確定診断する前に適切な抗菌薬を投与(empirical treatment)。 → 数時間の経過で死亡することがある。
- ・ペニシリンアレルギーがなければ、ceftriaxoneかceftaximeの静脈内投与が一般的な治療法
- (第4パラグラフ)腰椎穿刺
- ・乳頭浮腫がない、あるいは占拠性病変を示唆する片側性の神経徴候(lateralized neurological signs)がある患者では(CTの結果を待たずに)腰椎穿刺をすぐにやるべき(CASES) ← どういう事?
- ・局在性の神経徴候(localized neurological sign)がある場合はまずCTを撮るべき(CASES)。 → the dangers of coning ← 鉤ヘルニアの事?
- (第5パラグラフ)細菌性髄膜炎の管理
- ・診断:CSF検査(グラム染色、髄液培養(確定診断、感受性試験)
- ・管理
- ・意識が低下しているのでそれなりの看護(must be nursed)。アヘン剤による鎮痛。生理食塩水による低ナトリウム血症の補正。低血圧を補正するためにinotrope(a drug with positive inotropic effects, e.g. dobutamine, digitalis, milrinone )も必要かもしれない。(100CASES)
- ・感受性のある抗菌薬の投与(大量静注、髄液移行性の高いもの)、髄液所見の正常化・CRP 陰転後、1週間抗菌薬を投与して治療を終了。対症療法として脳圧亢進には高張脳圧降下薬(マンニトールなど)を投与。(IMD.1042)
- (第6パラグラフ)家族構成を考えた治療
- ・(意訳)誰が3-4歳の世話をしていたのか分からないけど、子供も検査すべき。髄膜炎菌か原因菌が不明だったら、リファンピシンによる予防的治療と髄膜炎球菌に対する予防接種をすべき。 ← 日本ではどうなんでしょうか。
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- ■莢膜を有し、髄膜炎を起こす細菌 → 莢膜を有することで血液中で補体などを介した貪食を免れ、血行性にクモ膜下腔まで到達しうる。
- ・Streptococcus pneumoniae
- ・Haemophilus influenzae type b
- ・Neisseria meningitidis
- ■敗血症
- ・定義
- 感染症による全身性炎症反応症候群(SIRS)をセプシス(sepsis, 広義の敗血症?)とする
- 感染症の病原体は、一般細菌(グラム陽性菌・陰性菌)、真菌、寄生虫、ウイルスなど
- 皮膚や粘膜の傷とか、種々の臓器にある感染巣から、細菌がリンパ流から血中に入り、全身に播種されて、新たに転移性の感染巣をつくり、重篤な全身症状を引き起こす。
- ・全身性炎症反応症候群の診断基準
- 下記項目のうち2項目以上が当てはまる
- 1. 体温>38℃ or 体温<36℃
- 2. 心拍数>90bpm
- 3. 呼吸数>20回/min or PaCO2<32mmHg
- 4. (白血球数>12,000/ul or 白血球数<4,000/ul) or ( 幼若好中球>10% ) ← ここでいう幼若好中球とは桿状好中球のことである。
- ・敗血症の周辺疾患概念
- 1. 全身性炎症反応症候群 systemic inflammatory response syndrome SIRS
- 発熱や白血球増加などの全身の炎症の徴候によって特徴づけられる病態(SIRSの診断基準に合致する病態)
- 2. 敗血症 sepsis
- SIRSが感染の結果である場合
- 3. 重症敗血症 severe sepsis
- 主要臓器障害を伴う敗血症
- 4. 敗血症性ショック septic shock
- 輸液投与に不応性の低血圧を伴う重症敗血症
- 5. 多臓器機能障害症候群 multiorgan dysfunction syndrome MODS
- 2つ以上の主要臓器の機能異常
- 6. 多臓器不全 multiorgan failure MOF
- 2つ以上の主要臓器の不全状態
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- PSY = 標準精神医学 第3版
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- 英
- resistant bacterium
- 同
- 薬剤耐性菌 drug resistance bacterium drug resistant bacterium
- 関
- 菌交代症、R因子
医療系の雑誌より(日経カデット11月?)
表1抗菌薬投与後に出現する可能性か高い耐性菌
表2主な耐性菌と治療薬
[★]
- 英
- antituberculous, antitubercular agent antituberculous agent antitubercular drug antituberculous drug antituberculosis drugs, antituberculotic
- 同
- 抗結核剤
- 関
- 結核
- first aid step1 2006 p.172
- 覚え方:INH-SM-PZA-INH-RFP-EB → INH-SPIRE(inspire)
- イソニアジドだけは予防薬として用いられる(first aid step1 2006 p.172)
- 2nd line drugとしてcycloserineがある。
作用点
- エタンブトール:アラビノース転位酵素を阻害してarabinogalactanの合成を阻害。静菌的に作用。
- ピラジナミド :ミコール酸合成を阻害(FAS1)
- イソニアジド :ミコール酸合成を阻害(FAS2)。殺菌的に作用。
抗結核薬の副作用
[★]
- 英
- meningococcal infection, meningococcal infections
- 関
- 髄膜炎菌 Neisseria meningitidis
髄膜炎菌感染症
- 髄膜炎菌性脳炎 meningococcal encephalitis
- 髄膜炎とは無関係に敗血症から起こる化膿性・細菌性心膜炎と、抗生物質治療後に発症する無菌性免疫性心膜炎がある。
- 髄膜炎菌性心筋炎 meningococcal myocarditis
- 髄膜炎菌性心内膜炎 meningococcal endocarditis
- 髄膜炎菌性心膜炎 meningococcal pericarditis
病原体
疫学
潜伏期間
感染経路
症状
合併症
経過
治療
髄膜炎
検査
予防
[★]
- 関
- biliary excretion
- 関
- 腎排泄、薬物排泄
- YN. O4改変
- 親油性の薬剤は肝排泄
[★]
- 英
- fan
- 関
- 送風機