ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
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Japanese Journal
- MS6-7 ゲフィチニフによる薬疹との鑑別に苦慮したSchonlein-Henoch紫斑病の一例(MS6 アレルギー性疾患に関する症例報告等(救急医療も含む)2,ミニシンポジウム6,第21回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 太田 恭子,森島 祐子,古田 淳一,藤田 純一,林 士元,小川 良子,川口 未央,栗島 浩一,石井 幸雄,坂本 透,檜澤 伸之
- アレルギー 58(3・4), 368, 2009-04-30
- NAID 110007455251
- 急性腹症にて発症した Schonlein-Henoch 紫斑病の2例
- 小山 明男,宮田 完志,三宅 秀夫,湯浅 典博,竹内 英司,小林 陽一郎
- 日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 70(3), 751-755, 2009-03-25
- NAID 10024956090
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- 佐藤博之ら.シェーンライン・ヘノッホ紫斑病(Schonlein-Henoch紫斑病).Frontiers in Gastroenterology, 15(3) : 239-243, 2010. 3. 浅井康一ら.腹部症状が先行し診断に苦慮したHenoch-schonlein紫斑病の小児2例.アレル ギー, 58(3/4 ...
- IgA vasuculitisは、2012年に改定された名称で、元々は ・アレルギー性紫斑病 ・Henoch-Schonlein 紫斑病(HSP) ・Schonlein-Henoch 紫斑病 ・血管性紫斑病 ・アナフィラクトイド紫斑病 という名称で言われていました。 このページは、主 ...
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- 2歳の男児。発熱と左膝痛とを主訴に母親に連れられて来院した。2週間前から弛張熱、跛行および下腿の皮疹がみられるようになった。1週間前から左膝を痛がるようになった。抗菌薬を内服しても解熱しないため受診した。身長 84.2cm、体重 10.3kg。体温 38.5℃。脈拍 168/分、整。血圧 126/62mmHg。皮膚は両側の下腿に2cm大の淡紅色の紅斑を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内にアフタを認めない。咽頭に発赤はなく、扁桃に腫大を認めない。両側の頸部に径1.5cmのリンパ節を3個ずつ触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を右季肋下に2cm、脾を左季肋下に3cm触知する。左膝関節の腫脹と圧痛とを認めるが、可動域制限はない。赤沈 90mm/1時間。血液所見:赤血球 390万、Hb 9.8g/dL、Ht 32%、白血球 10,400(桿状核好中球 1%、分葉核好中球 77%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 8%、リンパ球 12%)、血小板 38万、PT-INR 1.2(基準 0.9~1.1)、血漿フィブリノゲン 469mg/dL(基準 185~370)、フィブリン分解産物 9.2μg/mL(基準5未満)。血液生化学所見:総蛋白 5.8g/dL、アルブミン 3.0g/dL、AST 33U/L、ALT6U/L、LD 374U/L(基準 397~734)、CK 57U/L(基準 30~140)、尿素窒素 6mg/dL、クレアチニン 0.2mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 100mEq/L。免疫血清学所見:CRP 3.2mg/dL、matrix metalloproteinase-3 (MMP-3) 196ng/mL(基準 37~121)、リウマトイド因子(RF) 3IU/mL(基準 15未満)、抗核抗体陰性。両膝の造影MRI水平断像(別冊No. 18)を別に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D038]←[国試_112]→[112D040]
[★]
- 72歳の男性。 1週前から続く両下肢の冷感と痛みとを主訴に来院した。 1か月前に不安定狭心症に対する冠動脈ステント留置術を受けた。 15年前から糖尿病と高血圧症とで治療中である。喫煙は15本/日を50年間。体温36.6℃。脈拍84/分、整。血圧140/88mmHg。呼吸数18/分。両下腿に網状皮斑を認める。足趾にチアノーゼを認める。尿所見:蛋白(-)、潜血(±)。血液所見:赤血球380万、Hb11.8g/dl、 Ht35%、白血球6,600(桿状核好中球5%、分葉核好中球60%、好酸球15%、単球5%、リンパ球15%)、血小板26万。血液生化学所見:アルブミン4.0g/dl、尿素窒素42mg/dl、クレアチニン3.0mg/dl(冠動脈ステント留置術前: 1.2mg/dl)。免疫学所見: CRP1.5mg/dl。リウマトイド因子(RF)陰性、抗核抗体陰性。 CH50 19U/mL(基準30-40)。下腿の皮膚生検のH-E染色標本(別冊No. 13)を別に示す。
- 診断として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D039]←[国試_106]→[106D041]
[★]
- 21歳の女性。繰り返す腹痛と皮疹とを主訴に来院した。2週前に感冒様症状が出現し、軽快した後から軽度の腹痛を自覚していた。2、3日前から両下腿に隆起性の皮疹を多数認めていた。意識は清明。体温36.6℃。血圧110/66mmHg。腹部は平坦、軟で、圧痛や抵抗を認めない。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血1+。血液所見:赤血球425万、Hb12.4g/dl、白血球8,300(桿状核好中球1%、分葉核好中球42%、好酸球30%、好塩基球1%、単球8%、リンパ球18%)、血小板31万。下腿の写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102E047]←[国試_102]→[102E049]
[★]
- 1歳の女児。発熱と血便とを主訴に入院した。2日前から発熱と頻回の下痢便とがあり、本日、血便がみられた。顔面は蒼白で、皮膚に軽度の黄疸と点状出血とを認める。眼瞼と四肢とに浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血3+。血液所見:赤血球270万、Hb 7.0g/dl、白血球12,300、血小板2.2万。血液生化学所見:尿素窒素30mg/dl、クレアチニン1.3mg/dl、総ビリルビン2.5mg/dl、AST 40IU/l、ALT 32IU/l、LD <LDH> 2,860IU/l(基準260~530)。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A030]←[国試_103]→[103A032]
[★]
- 疾患と皮膚所見の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I030]←[国試_102]→[102I032]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108I012]←[国試_108]→[108I014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103I024]←[国試_103]→[103I026]
[★]
- 検査器具の写真(別冊No.2)を別に示す。
- この検査器具が診断に有用なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D002]←[国試_104]→[104D004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105I001]←[国試_105]→[105I003]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095B039]←[国試_095]→[095B041]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107D009]←[国試_107]→[107D011]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [114C020]←[国試_114]→[114C022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110E019]←[国試_110]→[110E021]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096H064]←[国試_096]→[096H066]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 英
- hematemesis, vomiting of blood, hematoemesis
- 関
- ヘマチン
喀血と吐血
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喀血
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吐血
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前兆
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喉頭の違和感・熱感、 生臭い味がする
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悪心
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色
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鮮紅色が多い
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暗赤色
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性状
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泡沫状、凝固せず
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塊状、凝固する
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出方
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咳による
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嘔吐による
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量
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吐血より少ない
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大量
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pH
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アルカリ性
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酸性
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植物残渣
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なし
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あり
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発熱
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あり
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なし
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糞便
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黒色便無し
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黒色便、タール便
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既往歴
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肺・心疾患
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消化器症状
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所見
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胸部所見有り
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腹部所見有り
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期間
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しばらく続く
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一般に短期間
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病因
- (頻度順)消化性潰瘍、食道静脈瘤、胃癌、出血性胃炎、マロリーワイス症候群。 消化性潰瘍、AGML、胃・食道静脈瘤破裂、悪性腫瘍、マロリーワイス症候群、全身性疾患・血液疾患・血管疾患 (IMD)
吐血・下血をきたす全身疾患 IMD.383
鑑別診断 Differential Diagnosis in Primary Care 4th
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V
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I
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N
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D
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I
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C
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A
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T
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E
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Vascular
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Inflammatory
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Neoplasm
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Degenerative and Deficiency
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Intoxication
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Congenital
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Autoimmune
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Trauma
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Endocrine Allergic
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食道
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食道静脈瘤 大動脈瘤
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逆流性食道炎 潰瘍 クルーズ・トリパノソーマ
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食道と肺の癌
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アルカリ液や他の刺激物 外来異物
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食道裂孔ヘルニア 食道炎
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強皮症
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外来異物 経鼻胃管 マロリーワイス症候群
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胃
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噴門部静脈瘤 破裂動脈瘤
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胃炎 胃潰瘍
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癌
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萎縮性胃炎
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アルコール性胃炎 アスピリンやその他の薬品(ヒ素など)
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hereditary telangiectasis(遺伝性出血性毛細血管拡張症?)
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外科手術による穿孔と裂傷
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ゾリンジャー・エリソン症候群
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十二指腸
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潰瘍
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区域的な回腸炎
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外科手術による穿孔と裂傷
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ゾリンジャー・エリソン症候群
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膵臓
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急性膵炎(出血性)
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血液
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白血病 多血症
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再生不良性貧血 ビタミンK欠乏症
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ワーファリン ヘパリン その他の薬品
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血友病 その他遺伝性の凝固障害疾患
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特発性血栓性紫斑コラーゲン病 その他の血小板減少の原因となる疾患
|
|
診断
[★]
- 英
- IgA vasculitis IgAV
- 同
- アナフィラクトイド紫斑病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病 Henoch-Schönlein purpura, Henoch-Schonlein purpura, HSP, Schonlein-Henoch purpura, Schonlein-Henoch purpura
- ヘノッホ・シェンライン紫斑病、Henoch-Schonlein紫斑病、Henoch-Schonlein紫斑、シェンライン・ヘノッホ紫斑病、シェーンライン・ヘノッホ紫斑病、Schonlein-Henoch紫斑病
- アナフィラキシー様紫斑病 アナフィラクトイド紫斑病 アナフィラクトイド紫斑、anaphylactoid purpura、アレルギー性紫斑病 アレルギー性紫斑 allergic purpura purpura allergica、アレルギー性血管炎 allergic vasculitis、リウマチ性紫斑病 rheumatic purpura purpura rheumatica、ヘノッホ紫斑病
- 関
- IgA腎症。血管性紫斑病、皮膚小血管性血管炎、血管炎、劇症紫斑病、血小板非減少性紫斑病
まとめ
- 先行する上気道感染後に出現する紫斑が特徴的な血管炎である。IgAによる免疫複合体の血管壁への沈着、およびこれに次いで起こるIII型アレルギーが本態と考えられている。症状はG2AP、すなわち消化管症状、糸球体腎炎、関節痛、紫斑である。血液検査では軽度の好中球増多・好酸球増多がみられ、血液中のIgAも上昇するが、血小板、補体、IgG,IgEは変化しない。
定義
- CHCC2012
- IgA1優位の免疫沈着を伴い、小血管(主に毛細血管、細静脈または細動脈)を障害する血管炎。しばしば、皮膚、消化管、そして高頻度に関節炎を来す。IgA腎症と区別できない糸球体腎炎を生ずる。
概念
- 全身性疾患
- 血管炎(血管性紫斑病の一つである) ← 皮膚小血管性血管炎の特殊型
- 二次的にIgAによる免疫複合体がメサンギウムに沈着し糸球体腎炎を引き起こす
病因
- IgA免疫複合体が血管壁に沈着。III型アレルギーの機序により、補体や好中球による組織障害
- 1. 溶連菌感染
- 2. 薬剤(ペニシリン、アスピリン)、食物(牛乳、卵)
疫学
病理
症状 (PED.805, NDE.137)
- 皮膚(purpuric rash)、消化管(abdominal pain)、関節(arthritis)、腎臓(glomerulonephritis)
- HSPの症状は「GA2P」と覚えてみる?
- ほぼ全例
- 両側の下腿や足背を中心に、時には大腿~上肢~腹部にまで、直径数~10mm以内の浸潤をふれる点状出血・紫斑が播種状に生じる。ときに圧痛が見られる。(NDE.138)
- 丘疹状で触知可能(palpable purpura)
[show details]
- http://graphics8.nytimes.com/images/2007/08/01/health/adam/19832.jpg
- http://www.umm.edu/graphics/images/en/19831.jpg
- http://en.wikipedia.org/wiki/Henoch%E2%80%93Sch%C3%B6nlein_purpura
- 1/3の症例
- 一過性の限局性浮腫。東部、顔面、手足、陰嚢
消化管
- 約半数~80%
- 腹部の疝痛様疼痛、悪心や嘔吐、吐血、下血
関節
- 約2/3の症例
- 足、膝、手、肘などの関節炎症状。関節の腫脹、疼痛
腎臓
- 発症から一ヶ月以内人タンパク尿、血尿で始まる腎炎を合併。多くは顕微鏡的血尿。
- 急性腎炎~ネフローゼ
- 組織的にはメサンギウム増殖性腎炎を呈する。
診断
検査
- PED.805
- 血小板:正常~やや増加 ← 血管炎が紫斑の原因であって、血小板減少が原因ではない。
- PED.805
治療
国試
[★]
- 英
- purpura
- 関
- 紫斑病
紫斑
治療
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患
[★]
ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
[★]
- 英
- purpura
- 関
- 紫斑