赤血球沈降速度
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/03 18:13:46」(JST)
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赤血球沈降速度(赤沈、血沈、英: erythrocyte sedimentation rate; ESR、独: Blutsenkungsgeschwindigkeit; BSG)は、赤血球が試薬内を沈んでいく速度。及び、速度を測る試験。
結核をはじめ、種々の疾患の診断に用いられる。
正常値は、一時間値が、男性で10mm以下、女性で15mm以下。二時間値が、男性25mm以下、女性で40mm以下。 赤血球沈降速度が正常値を超える原因には、赤血球やアルブミンの減少、ガンマグロブリンやフィブリノゲンの増加などがある。 DICの際にはフィブリノーゲンが減少するため、炎症を反映しない。
この試験は1897年にポーランド人の医師Edmund Biernackiによって発明された。 1918年にスウェーデンの科学者ファレウス (Fahraeus) も同様の発表を行った。ファレウスは第一人者でないことを認めているが、赤血球沈降速度試験の発明者として広く知られている。
目次
- 1 疾患・病態による変動
- 2 参考文献
- 3 関連項目
- 4 外部リンク
疾患・病態による変動
亢進
- 貧血
- 結核などの感染症
- 心筋梗塞
- リウマチ・膠原病などの慢性炎症疾患
- 白血病
- 悪性腫瘍
- 潰瘍性大腸炎
- 肝硬変などの肝疾患
- ネフローゼ症候群・*慢性腎炎などの腎疾患
- 多発性骨髄腫
- 高グロブリン血症
- 高フィブリン血症
- 外傷
- 手術
生理的変動
減少
- 播種性(汎発性)血管内凝固症候群 (DIC)
- 赤血球増加症
- 無フィブリン血症
参考文献
関連項目
外部リンク
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Japanese Journal
- 18F-fluorodeoxyglucose-positron emission tomography (FDG-PET) 検査が早期診断と治療効果の判定に有用であった側頭動脈炎の1例
- 鮫島 謙一,中谷 公彦,塩山 実章,木下 浩二,楠 進,斎藤 能彦,船内 正憲
- 日本臨床免疫学会会誌 33(6), 324-328, 2010
- … に当科に紹介された.入院時,意識は清明で,左側頭部に圧痛を認めたが,同部位に怒脹や発赤は認めなかった.入院時の血液検査では白血球数と血小板数の増加(WBC 9,700/μl, Plt 59.4万/μl)を認めた.また,血沈の亢進(88 mm/h)と炎症反応の上昇(CRP 10.9 mg/dl)を認めた.不明熱の精査のために施行したガリウムシンチグラフィでは左側頭部に極軽度の集積が認められるのみであった.第20病日に施行したFDG-PET検査では …
- NAID 130000431647
- フィロソフィア・メディカ--複雑系科学入門(4)ボルツマンと大気圏
Related Links
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- renal cell carcinoma RCC
- 同
- Grawiz腫瘍 グラヴィッツ腫瘍 Grawitz tumor
- 関
- 腎癌、腎臓、腫瘍
疫学
- 腎腫瘍の85%を占める (EPT.221)
- 転移のある人が3割
- 40-70歳代に多発 50-60歳(SURO.237)
- 男女比=2-3:1 (YN.E-84)
病因
- 遺伝子異常:VHL遺伝子の変異
- 癌原物質:タバコ、砒素、石綿、カドミウム、殺虫剤、真菌毒素
リスクファクターと相対危険度
- VHL病:100 ← VHL病の40%の症例で腎細胞癌を見る
- 透析患者:32 ← 長期透析患者では後天性嚢胞性腎疾患が見られ、これに合併しやすい
- 肥満:3.6
- 喫煙:2.3
- 高血圧:1.4
- ドライクリーニング:1.4
- 利尿薬常用者:1.3
- フェナセチン中毒:1.1
由来
分類
- 悪性-腎細胞癌 renal cell carcinoma
- 1. 淡明細胞癌 clear cell carcinoma ← RCCの3/4を占める(APT.260)
- 2. 顆粒細胞癌 granular cell carcinoma
- 3. 嫌色素細胞癌 chromophobe cell carcinoma
- 4. 紡錘細胞癌 spindle cell carcinoma ← 予後不良
- 5. 嚢胞随伴性腎細胞癌 cyst-associated renal cell carcinoma
- 6. 乳頭状腎細胞癌 papillary renal cell carcinoma ← 予後は比較的良好
病理
- 組織由来は近位尿細管上皮であり、一部に髄質集合管由来の物がある(YN.E-84)
- 異型性は軽度。
- 肉眼的所見は黄色、分葉、出血、偽膜、血管に富む、脂肪分に富む
- 血管性間質に被胞される→血行性転移しやすい
- 腫瘍細胞の細胞質は明るくぬける→脂肪と糖原が多いから
- 腎静脈内を発育し、下大静脈、右心房まで伸展する腫瘍塞栓を見ることがある。
症状
- 3主徴がそろうのは5%以下。実質に腫瘍ができるため、初期には症状がほとんど無い。
- 無症状で健康診断・人間ドックで見つかることが3割弱、他疾患治療中に見つかるのが5割弱。 → ほとんど気づかれない
- 血尿:40-50% (無症候性肉眼的血尿)
- 疼痛:10-40%
- 腹部腫瘤:20-40%
- 精索静脈瘤、発熱(10-20%)、全身倦怠感、体重減少、貧血(15-40%)、高血圧(15-40%)、転移症状
検査
診断
画像診断
- 最初にエコー、次にCT
- 腎の変形、腫瘍輪郭の不整、中心部エコー像の変形、可動性の制限、静脈腫瘍血栓像
- 診断上最も重要
- 造影CTでは腫瘍は造影早期に造影され、内部が不均一に造影される。 ← 腎臓より弱く造影される
- 腫瘍の有無と病気診断(静脈内腫瘍塞栓の有無、後腹膜リンパ節、隣接臓器への浸潤、多臓器への転移の有無)
[show details]
- 腫瘍血栓の進展の高さを診断するのに有用
- 腎細胞癌は下大静脈、腎静脈に腫瘍血栓を作る
臨床病気分類
- (腎癌取扱い規約 第3版 日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会/編 1999年金原出版(株) 東京)
- TX 原発腫瘍の評価が不可能
- T0 原発腫瘍を認めない
- T1 最大径が7.0cm以下で、腎に限局する腫瘍
- T1a 最大径が4.0cm以下で、腎に限局する腫瘍
- T1b 最大径が4.0cmを越えるが7.0cm以下で、腎に限局する腫瘍
- T2 最大径が7.0cmを越え、腎に限局する腫瘍
- T3 腫瘍は主静脈内に進展、または副腎に浸潤、または腎周囲脂肪組織に浸潤するが、Gerota筋膜を越えない
- T3a 腫瘍は副腎または腎周囲脂肪組織または腎洞脂肪組織に浸潤するが、Gerota筋膜を越えない
- T3b 腫瘍は腎静脈または横隔膜下までの下大静脈内に進展する
- T3c 腫瘍は横隔膜を越える下大静脈内に進展する
-
- NX 所属リンパ節の評価が不可能
- N0 所属リンパ節転移なし
- N1 1個の所属リンパ節転移
- N2 2個以上の所属リンパ節転移
-
- MX 遠隔転移があるかどうか評価不能
- M0 遠隔転移なし
- M1 遠隔転移あり
転移臓器
- 腎癌の剖検時の転移臓器と頻度
- 肺:50-60%
- 骨:30-40%
- リンパ節:30-55%
- 肝臓:20-40%
- 脳:5-8%
- 副腎:20-25%
- 対側腎:10-20%
治療
- 診断は画像診断のみ
- 組織診をしない→禁忌:転移したら有効な治療方法がないから(薬物療法はほとんど効かない)
- 既存の悪性腫瘍薬や放射線に抵抗性!!
- 1.手術療法、2.動脈塞栓術、3.免疫療法、4.分子標的薬
1.手術療法、
- 開放手術、体腔鏡(腹腔鏡、後腹膜鏡)、体腔鏡補助
- 到達法:経腹的が今のところ一般的:「経腰的」-腰部斜切開で後腹膜に入る、「経腹的」-腹腔を開く、「経胸腹的」-胸腔、腹腔共に開く
術式
- 腎動脈を処置、Georta筋膜ごと腎、周囲脂肪識、副腎をまとめて摘出 ← 経腰的だと腎門までの距離が長く適さない
- 腎部分切除術
- 核出術
- 追加の術式:リンパ節郭清(リンパ節転移が疑われる例に関しては推奨される(参考1))、腫瘍血栓摘除術(下大静脈腫瘍血栓を有する患者で、所属リンパ転移、遠隔転移を認めない例に対して推奨される(参考1))
進行期、病期別
- 参考1
- I期:T1a(腫瘍径4cm以下)であれば腎部分切除術が推奨される。
- I,II期:腹腔鏡下での腎摘除術が推奨される。
- M1:転移巣があっても、PSが良好でインターフェロンが可能な例では腎摘除術が推奨される。また、転移巣を有する患者で、PSが良好かつ転移巣が切除可能であれば、転移巣に対する外科治療が推奨される。
2.動脈塞栓術
3.免疫療法
- マクロファージの貪食作用増強、MHC class I分子発現増強
- 奏効率は10-15%程度
- 副作用:食欲不振、全身倦怠感、発熱、うつ症状
- T細胞の増殖、サイトカイン(IL-1, IL-6, INF-γ)の分泌誘導
- 奏効率は10-15%程度
4.化学療法(分子標的薬)
- いずれも完全寛解には至らない
- スニチニブ:部分寛解が5割弱。
- ソラフェニブ:部分寛解が1割。病状安定率が7割
- 副作用:手足症候群(疱疹など)、脱毛、骨髄抑制、下痢、高血圧、心血管系障害、甲状腺機能障害など
予後
- Robson分類による5年生存率
- Stage1:70-90%
- Stage2:60-70%
- Stage3:30-60%
- Stage4:10-30%
腎への転移 (1983-1985年日本病理解剖統計)
- 原発部位:リンパ系(30.0%)、精巣(28.6%)、骨髄(27.4%)、副腎(25.7%)、後腹膜(22.5%)、皮膚(20.5%)、対側腎(19.3%)、肝臓(19.0%)
参考
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0057/1/0057_G0000158_GL.html
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/renal_cell.html
- 4. 財団法人国際医学情報センター:がん Info / 腎細胞がん
- http://www.imic.or.jp/cancer/c2027.html
国試
[★]
- sedimentation
- 英
- erythrocyte sedimentation rate, ESR
- 同
- 赤沈, 血沈 blood sedimentation rate, BSR
- 関
- [[]]
概念
- 抗凝固剤を加えた全血中の赤血球が自然凝集により沈降する速度。
- 自然凝集は正電荷または負電荷をもつ血漿蛋白質のバランスを反映する。
- 炎症により正電荷をもつ蛋白質が増加し、負電荷をもつ蛋白質が減少するので、炎症のマーカーとして用いられている。
- 大きいほど赤血球同士が凝集して沈降する速度が高まっていることを示す
基準値
- 一時間値で評価
- 全血+クエン酸(臨床検査法提要第32版 p.1790)
- M:2-10 mm
- F:3-15 mm
- 男性で10mm/h以上、女性で15mm/h以上で赤沈促進と判定
赤沈の起こるメカニズム (OLM.138)
- 負に帯電:赤血球、アルブミン → 増加により赤沈↓
- 正に帯電:αグロブリン(α1-グロブリン)、γグロブリン、フィブリノゲン → 増加により赤沈↑
- 赤血球は負に帯電しており、電気的反発力により凝集塊の形成が妨げられている。赤血球数が増加すると、赤血球同士が反発しあうことで赤沈が遅れ、赤沈が減少する。
- アルブミンは負に帯電しており、赤血球同士を反発させることで凝集を妨げる。これにより赤沈が遅れ、赤沈が減少する。
- 正に帯電した物質の存在により赤血球の電荷が打ち消され、赤血球の凝集が促進される。これにより赤沈が増加する。
測定方法 (OLM.137)
- Westergren法
- 3.28%(109mmol/l)クエン酸ナトリウム(Na3C6H5O7・H2O)液と血液を1:4の割合に混合し、内径2.55±0.15mm、前腸300±1.5mmのWestergren肝に吸い上げ、これを正確に垂直に立てて18-25℃に整地し、1時間後に赤沈地を記録する。
赤沈値の解釈 (OLM.138)
赤沈の亢進
- 1. 技術的間違い:ピペットを傾斜させた場合
- 2. 赤血球数の減少
- 血液希釈状態
- 循環血漿量の増加:妊娠
- 貧血
- 3. フィブリノゲン・αグロブリンの増加
- 妊娠
- 炎症性疾患:感染症、膠原病活動期、悪性腫瘍など
- ストレス:大手術、外傷など
赤沈亢進とCRP陰性
- 急性炎症回復期
- 貧血
- ネフローゼ症候群
- 妊娠
- 多発性骨髄腫 → CRPが陰性かどうかは疑わしい。典型例や軽症例、病初期では陰性ということか。成書にはCRPについての記載はない(HIM WCH)。進行期にはCRP陽性となる(参考1,2)。
- 慢性甲状腺炎 → 自己抗体の増加
- 原発性マクログロブリン血症
- 高フィブリノゲン血症
赤沈の遅延
参考
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/myeloma_diagnosis.html
- http://www.med.osaka-cu.ac.jp/labmed/page086.html
[★]
- 関
- erythrocyte sedimentation rate
[★]
- 英
- erythrocyte sedimentation rate、blood sedimentation
- 関
- 血沈、赤血球沈降速度
[★]
- 英
- elevated sedimentation rate