- 英
- sunitinib
- 化
- sunitinib malate サニチニブマレート スニチニブマレート リンゴ酸スニチニブ
- 商
- スーテント
- 別名
- SU11248
- 関
- マブダチ。血管新生阻害薬
[show details]
-
効能又は効果
- イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍
- 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4291018M1029_2_01/4291018M1029_2_01?view=body
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Japanese Journal
- スニチニブが奏効した進行性Sarcomatoid renal cell carcinoma の1例
- 土山 克樹,伊藤 秀明,石田 泰一,伊藤 浩史,横山 修
- 泌尿器科紀要 57(11), 615-618, 2011-11
- We report a case of advanced sarcomatoid renal cell carcinoma (RCC) effectively treated with sunitinib. A 77-year-old female who had gross hematuria and left lower abdominal pain was found to have a l …
- NAID 120003573916
- PP-742 腎癌転移巣のスニチニブ効果判定におけるRECIST ver1.1とChoi Criteriaの3D評価比較(発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- PP-419 スニチニブ術前補助療法を行った進行性腎細胞癌の1例(一般演題ポスター発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- 望月 康平,藤田 哲夫,哲夫 正嗣,杉田 敦,前山 良太,山田 泰史,土橋 正人,吉田 一成,馬場 志郎
- 日本泌尿器科學會雜誌 102(2), 473, 2011-03-20
- NAID 110008612792
Related Links
- スニチニブ(スーテント)は、2008年4月に承認された消化管間質腫瘍(GIST)と腎臓がんを対象とした抗がん剤で、血管新生に関与するVEGF(血管内皮細胞増殖因子)受容体と、腫瘍増殖に関与するPDGF(血小板由来増殖因子)受容体 ...
- 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービスのウェブサイトです ... 公的会議で取り上げられた国内未承認薬の情報【専門家向け】 厚生労働省の未承認薬使用問題検討会議/医療上の必要性の高い未承認薬 ...
- スーテントとは?スニチニブの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 成分(一般名) : スニチニブ リンゴ酸塩 製品例 : スーテントカプセル12.5mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価 区分
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
スーテントカプセル12.5mg
組成
1カプセル中:
有効成分
- スニチニブリンゴ酸塩16.7mg(スニチニブとして12.5mg)
添加物
- D-マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム
(カプセル本体)ラウリル硫酸ナトリウム、三二酸化鉄、酸化チタン
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
- イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
- 本剤の術前及び術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない。
- イマチニブに忍容性のない消化管間質腫瘍患者に本剤を使用する際には慎重に経過観察を行い、副作用発現に注意すること。[「慎重投与」の項参照]
- 通常、成人にはスニチニブとして1日1回50mgを4週間連日経口投与し、その後2週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
- サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
- 本剤はCYP3A4によって代謝されるため、併用するCYP3A4阻害剤あるいは誘導剤については可能な限り他の類薬に変更する、又は当該薬剤を休薬する等を考慮し、CYP3A4に影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けること。[「相互作用」及び「薬物動態」の項参照]
- CYP3A4阻害剤との併用において、本剤の血漿中濃度が上昇することが報告されている。やむを得ずCYP3A4阻害剤を併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。[「相互作用」及び「薬物動態」の項参照]
- CYP3A4誘導剤との併用において、本剤の血漿中濃度が低下することが報告されているため、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。[「相互作用」及び「薬物動態」の項参照]
- 副作用により、本剤を休薬、減量、中止する場合には、以下の基準を考慮すること。減量して投与を継続する場合には、副作用の症状、重症度等に応じて、12.5mg(1減量レベル)ずつ減量すること。なお、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項も参照すること。
本剤の副作用が発現した場合の休薬減量基準
副作用:血液系
- グレード2:同一投与量を継続
グレード3:副作用がグレード2以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は休薬前と同一投与量で投与を再開できる。
グレード4:副作用がグレード2以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は休薬前の投与量を1レベル下げて投与を再開する。
副作用:非血液系
(心臓系を除く)
- グレード2:同一投与量を継続
グレード3:副作用がグレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は主治医の判断により休薬前と同一投与量又は投与量を1レベル下げて投与を再開する。
グレード4:副作用がグレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は休薬前の投与量を1レベル下げて投与を再開する。もしくは主治医の判断で投与を中止する。
副作用:心臓系
・左室駆出率低下
・心室性不整脈
- グレード2:副作用がグレード1以下に回復するまで休薬する。回復後は休薬前の投与量を1レベル下げて投与を再開する。
グレード3:副作用がグレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は休薬前の投与量を1レベル下げて投与を再開する。
グレード4:投与を中止する。
- ただし、以下の副作用が発現した場合は、同一用量での投与の継続が可能である。
・グレード3〜4の血清リパーゼ増加又はアミラーゼ増加で、臨床的又は画像診断上確認された膵炎の徴候がない場合。ただし、臨床症状、臨床検査又は画像上のモニタリングを、回復するまで頻度を上げて行う。
・臨床症状を伴わないグレード4の高尿酸血症及びグレード3の低リン血症
・グレード3のリンパ球減少
慎重投与
- イマチニブに忍容性のない消化管間質腫瘍患者[本剤に対する忍容性がないおそれがある。]
- 骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪するおそれがある。]
- 高血圧の患者[高血圧が悪化するおそれがある。]
- 心疾患又はその既往歴のある患者[心疾患が悪化もしくは再発するおそれがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]
- 脳血管障害又はその既往歴のある患者[脳血管障害が悪化もしくは再発するおそれがある。]
- 肺塞栓症又はその既往歴のある患者[肺塞栓症が悪化もしくは再発するおそれがある。]
- 脳転移を有する患者[脳出血又はてんかん様発作があらわれるおそれがある。(「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)]
- 甲状腺機能障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 重度の肝障害(Child-Pugh分類C)のある患者[使用経験がない。(「薬物動態」の項参照)]
重大な副作用
骨髄抑制
- 汎血球減少(0.1%注1))、血小板減少(91.4%)、白血球減少(85.2%)、好中球減少(82.7%)、貧血(58.0%)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
感染症
- 好中球減少の有無にかかわらず重篤な感染症(頻度不明注2))があらわれることがあり、死亡例も報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高血圧(49.4%)
- 高血圧があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は休薬し、適切な処置を行うこと。
出血
- 鼻出血(19.8%)、皮下出血(12.3%)、口腔内出血(4.9%)、性器出血(2.5%)、喀血(2.5%)、結膜出血(1.2%)、腫瘍出血(1.2%注1))、消化管出血(4.9%)、脳出血(頻度不明注2))があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
消化管穿孔
- 腫瘍の急激な壊死・縮小をきたし、消化管穿孔(0.2%注1))又は消化管瘻(頻度不明注2))があらわれることがある。また、消化管穿孔については、腫瘍の急激な壊死・縮小を伴わず発現した例も報告されている。観察を十分行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
QT間隔延長(3.7%)、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)(0.1%注1))
- QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、必要に応じて減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心不全(3.7%)、左室駆出率低下(8.6%)
- 心不全、左室駆出率低下があらわれることがあるので、適宜心機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肺塞栓症(0.7%注1))、深部静脈血栓症(0.5%注1))
- 肺塞栓症、深部静脈血栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血栓性微小血管症(頻度不明注2))
- 血栓性微小血管症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
一過性脳虚血発作(頻度不明注2))、脳梗塞(頻度不明注2))
- 一過性脳虚血発作、脳梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明注2))
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
てんかん様発作(0.2%注1))、可逆性後白質脳症症候群(頻度不明注2))
- てんかん様発作、可逆性後白質脳症症候群(RPLS)があらわれることがあるので、てんかん様発作及びRPLSに一致する徴候や症状〔高血圧(伴わない例もある)、頭痛、覚醒低下、精神機能変化、及び皮質盲を含めた視力消失など〕が認められた場合は、本剤の投与を中止し、高血圧管理を含め、適切な処置を行うこと。
急性膵炎(0.7%注1))
- 急性膵炎があらわれることがあるので、定期的に膵酵素を含む検査を行うなど観察を十分に行い、膵炎を示唆する症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
甲状腺機能障害
- 甲状腺機能低下症(16.0%)、甲状腺機能亢進症(1.2%)があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中に甲状腺機能の検査を行うなど十分な観察を行い、適切な処置を行うこと。
肝不全、肝機能障害、黄疸
- 肝不全(1%未満注1))、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP上昇を伴う肝機能障害(63.0%)、血中ビリルビンの増加(29.6%)、黄疸(1.0%注1))があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤を減量、休薬、又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(1.2%)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全(1.2%)
- 急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ネフローゼ症候群(2.5%)
- ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、本剤投与開始前に尿検査を行うことが望ましい。本剤投与中も、尿蛋白等の観察を十分に行い、ネフローゼ症候群が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明注2))、ミオパシー(頻度不明注2))
- 横紋筋融解症、ミオパシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
副腎機能不全(0.1%注1))
- 副腎機能不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腫瘍崩壊症候群(頻度不明注2))
- 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
薬効薬理
抗腫瘍効果21)
- ヒト腫瘍異種移植、マウス同系白血病、トランスジェニックマウス、及び化学発癌の各げっ歯類腫瘍モデルにおいて腫瘍増殖阻害、腫瘍の退縮の効果を示した。
血管新生阻害効果21)
- In vitroにおいて、VEGFによる血管内皮細胞の増殖及び内皮細胞による血管発芽を阻害した。また、ヒト腫瘍異種移植ヌードマウス及びヒト新生児包皮を移植したSCIDマウスにおいて、移植部位における血管新生を阻害した。
作用機序21)
- In vitroの試験において、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-α及びPDGFR-β)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1、VEGFR-2及びVEGFR-3)、幹細胞因子受容体(KIT)、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、コロニー刺激因子-1受容体(CSF-1R)及びグリア細胞由来神経栄養因子受容体(RET)の受容体チロシンキナーゼ活性を阻害した。また、in vivoの腫瘍においてもPDGFR-β、VEGFR-2、KIT及びFLT3のリン酸化を阻害した。
代謝物の薬理作用21)
- In vitroの試験において、無細胞系又は細胞系におけるVEGFR-2、PDGFR-β及びKITのリン酸化に対する本剤及び主要代謝物(N-脱エチル体)のKi値又はIC50値はそれぞれ3〜13nmol/L及び2〜20nmol/L、VEGFR-2、PDGFR-α又はPDGFR-βを発現した細胞の増殖に対するIC50値はそれぞれ4〜69nmol/L及び20〜100nmol/Lであった。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- スニチニブリンゴ酸塩(Sunitinib Malate)
化学名
- N-[2-(Diethylamino)ethyl]-5-[(Z)-(5-fluoro-2-oxo-1,2-dihydro-3H-indol-3-ylidene)methyl]-2,4-dimethyl-1H-pyrrole-3-carboxamide mono[(2S)-2-hydroxysuccinate]
分子式
分子量
性状
- スニチニブリンゴ酸塩は黄色〜だいだい色の粉末である。ジメチルスルホキシドにやや溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けにくく、水又はメタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
分配係数(logD)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- renal cell carcinoma RCC
- 同
- Grawiz腫瘍 グラヴィッツ腫瘍 Grawitz tumor
- 関
- 腎癌、腎臓、腫瘍
疫学
- 腎腫瘍の85%を占める (EPT.221)
- 転移のある人が3割
- 40-70歳代に多発 50-60歳(SURO.237)
- 男女比=2-3:1 (YN.E-84)
病因
- 遺伝子異常:VHL遺伝子の変異
- 癌原物質:タバコ、砒素、石綿、カドミウム、殺虫剤、真菌毒素
リスクファクターと相対危険度
- VHL病:100 ← VHL病の40%の症例で腎細胞癌を見る
- 透析患者:32 ← 長期透析患者では後天性嚢胞性腎疾患が見られ、これに合併しやすい
- 肥満:3.6
- 喫煙:2.3
- 高血圧:1.4
- ドライクリーニング:1.4
- 利尿薬常用者:1.3
- フェナセチン中毒:1.1
由来
分類
- 悪性-腎細胞癌 renal cell carcinoma
- 1. 淡明細胞癌 clear cell carcinoma ← RCCの3/4を占める(APT.260)
- 2. 顆粒細胞癌 granular cell carcinoma
- 3. 嫌色素細胞癌 chromophobe cell carcinoma
- 4. 紡錘細胞癌 spindle cell carcinoma ← 予後不良
- 5. 嚢胞随伴性腎細胞癌 cyst-associated renal cell carcinoma
- 6. 乳頭状腎細胞癌 papillary renal cell carcinoma ← 予後は比較的良好
病理
- 組織由来は近位尿細管上皮であり、一部に髄質集合管由来の物がある(YN.E-84)
- 異型性は軽度。
- 肉眼的所見は黄色、分葉、出血、偽膜、血管に富む、脂肪分に富む
- 血管性間質に被胞される→血行性転移しやすい
- 腫瘍細胞の細胞質は明るくぬける→脂肪と糖原が多いから
- 腎静脈内を発育し、下大静脈、右心房まで伸展する腫瘍塞栓を見ることがある。
症状
- 3主徴がそろうのは5%以下。実質に腫瘍ができるため、初期には症状がほとんど無い。
- 無症状で健康診断・人間ドックで見つかることが3割弱、他疾患治療中に見つかるのが5割弱。 → ほとんど気づかれない
- 血尿:40-50% (無症候性肉眼的血尿)
- 疼痛:10-40%
- 腹部腫瘤:20-40%
- 精索静脈瘤、発熱(10-20%)、全身倦怠感、体重減少、貧血(15-40%)、高血圧(15-40%)、転移症状
検査
診断
画像診断
- 最初にエコー、次にCT
- 腎の変形、腫瘍輪郭の不整、中心部エコー像の変形、可動性の制限、静脈腫瘍血栓像
- 診断上最も重要
- 造影CTでは腫瘍は造影早期に造影され、内部が不均一に造影される。 ← 腎臓より弱く造影される
- 腫瘍の有無と病気診断(静脈内腫瘍塞栓の有無、後腹膜リンパ節、隣接臓器への浸潤、多臓器への転移の有無)
[show details]
- 腫瘍血栓の進展の高さを診断するのに有用
- 腎細胞癌は下大静脈、腎静脈に腫瘍血栓を作る
臨床病気分類
- (腎癌取扱い規約 第3版 日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会/編 1999年金原出版(株) 東京)
- TX 原発腫瘍の評価が不可能
- T0 原発腫瘍を認めない
- T1 最大径が7.0cm以下で、腎に限局する腫瘍
- T1a 最大径が4.0cm以下で、腎に限局する腫瘍
- T1b 最大径が4.0cmを越えるが7.0cm以下で、腎に限局する腫瘍
- T2 最大径が7.0cmを越え、腎に限局する腫瘍
- T3 腫瘍は主静脈内に進展、または副腎に浸潤、または腎周囲脂肪組織に浸潤するが、Gerota筋膜を越えない
- T3a 腫瘍は副腎または腎周囲脂肪組織または腎洞脂肪組織に浸潤するが、Gerota筋膜を越えない
- T3b 腫瘍は腎静脈または横隔膜下までの下大静脈内に進展する
- T3c 腫瘍は横隔膜を越える下大静脈内に進展する
-
- NX 所属リンパ節の評価が不可能
- N0 所属リンパ節転移なし
- N1 1個の所属リンパ節転移
- N2 2個以上の所属リンパ節転移
-
- MX 遠隔転移があるかどうか評価不能
- M0 遠隔転移なし
- M1 遠隔転移あり
転移臓器
- 腎癌の剖検時の転移臓器と頻度
- 肺:50-60%
- 骨:30-40%
- リンパ節:30-55%
- 肝臓:20-40%
- 脳:5-8%
- 副腎:20-25%
- 対側腎:10-20%
治療
- 診断は画像診断のみ
- 組織診をしない→禁忌:転移したら有効な治療方法がないから(薬物療法はほとんど効かない)
- 既存の悪性腫瘍薬や放射線に抵抗性!!
- 1.手術療法、2.動脈塞栓術、3.免疫療法、4.分子標的薬
1.手術療法、
- 開放手術、体腔鏡(腹腔鏡、後腹膜鏡)、体腔鏡補助
- 到達法:経腹的が今のところ一般的:「経腰的」-腰部斜切開で後腹膜に入る、「経腹的」-腹腔を開く、「経胸腹的」-胸腔、腹腔共に開く
術式
- 腎動脈を処置、Georta筋膜ごと腎、周囲脂肪識、副腎をまとめて摘出 ← 経腰的だと腎門までの距離が長く適さない
- 腎部分切除術
- 核出術
- 追加の術式:リンパ節郭清(リンパ節転移が疑われる例に関しては推奨される(参考1))、腫瘍血栓摘除術(下大静脈腫瘍血栓を有する患者で、所属リンパ転移、遠隔転移を認めない例に対して推奨される(参考1))
進行期、病期別
- 参考1
- I期:T1a(腫瘍径4cm以下)であれば腎部分切除術が推奨される。
- I,II期:腹腔鏡下での腎摘除術が推奨される。
- M1:転移巣があっても、PSが良好でインターフェロンが可能な例では腎摘除術が推奨される。また、転移巣を有する患者で、PSが良好かつ転移巣が切除可能であれば、転移巣に対する外科治療が推奨される。
2.動脈塞栓術
3.免疫療法
- マクロファージの貪食作用増強、MHC class I分子発現増強
- 奏効率は10-15%程度
- 副作用:食欲不振、全身倦怠感、発熱、うつ症状
- T細胞の増殖、サイトカイン(IL-1, IL-6, INF-γ)の分泌誘導
- 奏効率は10-15%程度
4.化学療法(分子標的薬)
- いずれも完全寛解には至らない
- スニチニブ:部分寛解が5割弱。
- ソラフェニブ:部分寛解が1割。病状安定率が7割
- 副作用:手足症候群(疱疹など)、脱毛、骨髄抑制、下痢、高血圧、心血管系障害、甲状腺機能障害など
予後
- Robson分類による5年生存率
- Stage1:70-90%
- Stage2:60-70%
- Stage3:30-60%
- Stage4:10-30%
腎への転移 (1983-1985年日本病理解剖統計)
- 原発部位:リンパ系(30.0%)、精巣(28.6%)、骨髄(27.4%)、副腎(25.7%)、後腹膜(22.5%)、皮膚(20.5%)、対側腎(19.3%)、肝臓(19.0%)
参考
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0057/1/0057_G0000158_GL.html
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/renal_cell.html
- 4. 財団法人国際医学情報センター:がん Info / 腎細胞がん
- http://www.imic.or.jp/cancer/c2027.html
国試
[★]
- 英
- gastrointestinal stromal tumor GIST ジスト ギスト, gastrointestinal stromal tumors GISTs
- 同
- 平滑筋芽細胞腫 leiomyoblastoma
- 関
- 胃腸間質性腫瘍、粘膜下腫瘍
[show details]
概念
- 食道(ほとんどなし)・胃(60-70%)・小腸(20-30%)・大腸(5%)などの消化管の固有筋層にできる
- カハール介在細胞由来とされる
- 胃の弓隆部から体上部に多い。幽門部ではほとんどなし
疫学
病理
gloss appearance
- 辺縁なだらか(bridging fold)。delle(腫瘍頂部のくぼみ)。
[show details]
免疫組織学的所見
- 異常KIT蛋白の発現(90%異常)
- 異常PDGFRαの発現(5%)
組織型
- BP.625
- 1. 平滑筋に分化する腫瘍
- 2. 神経に分化する腫瘍
- 3. 混合型の腫瘍
- 4. これらの系統へに分化しない腫瘍
進展形式
転移
- 原発巣を切除後20年以上に転移が見られることがある。
|
腫瘍径
|
腫瘍細胞分裂像数*
|
超低リスク
|
<2cm
|
<5/50HPF
|
低リスク
|
2~5cm
|
<5/50HPF
|
中リスク
|
<5cm
|
6~10/50HPF
|
5~10cm
|
<5/50HPF
|
高リスク
|
>5cm
|
>5/50HPF
|
>10cm
|
Any Mitotic Rate
|
Any Size
|
>10/50HPF
|
*:高倍率視野50視野当たりの細胞分裂を示す腫瘍細胞数
|
HPF:High-Power Field(400倍率)
|
Christopher DM et al : Hum Pathol 33 : 459-465, 2002
|
治療
外科治療
外科治療の原則
- 1. 切除可能GISTの治療の第一選択は外科的完全切除。
- 2. 偽被膜を損傷することなく外科的に安全なマージンを確保,肉眼的断端陰性とする。
- 3. 原則として臓器機能温存を考慮した部分切除が推奨される。
- 4. 予防的或いは系統的リンパ節郭清術は不要である。
- 5. 肉眼的断端が陽性の場合,追加切除を考慮すべきである。
- 6. イマチニブの術前使用に当たっては,病理組織学的にGISTであること,1ヵ月前後での早期のイマチニブ有効性の確認が必要である。 (アルゴリズム6.臨床試験段階の治療)
内科治療
参考
- http://www.jsco-cpg.jp/item/03/index.html
- https://gist.jp/
国試
[★]
- 英
- pancreatic neuroendocrine neoplasm PNEN
- 英
- 神経内分泌腫瘍
概念
疫学
- PNENの疫学調査が行われ、2005年と比較して2010年の年間受療者数の増加を認めており、また非機能性PNENの割合が増加してきている。これは、EUS-FNAの普及による組織診断の向上によるものと考えられている。2020年の疫学調査ではPNECはPNEN全体の7.5%程度を占めており、遠隔転移例はPNET G1/G2で12.9%であったのに対し、PNECでは46.3%と高値であった(日本内科学会雑誌 2017年 Vol.106No.3)。
診断、検査
- 超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA endoscopic ultrasound-guided fine neekle aspiration)
- クロモグラニンA(CgA):診断、治療効果判定マーカー。NET G1/G2で高値、NECで低値との報告がある。機能性腫瘍は非機能性腫瘍と比べて高値となる。また、腫瘍サイズや遠隔転移例で高値となる。
- 病理組織:
- グロモグラニンによる免疫染色:CgAの陽性率はNET G1/G2で高く、NECで低下する。
分類
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Ki-67 index
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mitotic index
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高分化 Well differentiated
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NET G1
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< 3 %
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< 2 /10 HPF
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NET G2
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3-20 %
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2-20 /10 HPF
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NET G3
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>20 %
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>20 /10HPF
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低分化 Poorly differentiated
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NEC G3
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Small cell NEC
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Large cell NEC
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Mixed neuroendocrine non-neuroendocrine neoplasm (MiNEN)
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検査
CT
- uptodate
- 被曝はあるが非侵襲的ですぐに施行できる検査であり、特に造影CTは施行する価値が高い。
- 多くの神経内分泌腫瘍は血管が多いため、CTでは肝臓とほぼ同じ濃度で描出される。造影により動脈相で増強し、門脈層で造影剤が流出した後の像を認める。
- 感度は80%程度で4mmの腫瘤も描出することが可能であるが、直径2cm未満の腫瘤は感度は低下する。
- 症候性の非機能性腫瘍、VIPoma、グルカゴノーマは診断時は3cm以上と大きく、造影CTの感度はほぼ100%である。
治療
- 分子標的薬が出現する前は、肝転移が予後因子として重要であったが、分子標的が使えるようになってからは肝転移を制御することが生命予後に関連していることが明らかとなった。
参考
- 膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン2019年
- http://jnets.umin.jp/pdf/guideline002_2s.pdf
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nib
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- 英
- motesanib
- 開発名
- AMG706
文献
- Efficacy and safety of motesanib, an oral inhibitor of VEGF, PDGF, and Kit receptors, in patients with imatinib-resistant gastrointestinal stromal tumors.
- Cancer Chemother Pharmacol. 2010 Sep 14. [Epub ahead of print]
- Benjamin RS, Schoffski P, Hartmann JT, Van Oosterom A, Bui BN, Duyster J, Schuetze S, Blay JY, Reichardt P, Rosen LS, Skubitz K, McCoy S, Sun YN, Stepan DE, Baker L.
- PMID 20838998
参考
- http://www.mikanbox.com/md-lab/column/imashuku/Column6/column6_25.html
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- 英
- sunitinib malate
- 関
- サニチニブマレート、スニチニブ、リンゴ酸スニチニブ
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- 英
- sunitinib malate
- 関
- サニチニブマレート、スニチニブ、スニチニブマレート