- 英
- tulobuterol
- 化
- ツロブテロール塩酸塩 塩酸ツロブテロール tulobuterol hydrochloride
- 商
- セキナリン、ツロブテン、ツロブニスト、ベラチン、ホクナリン
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/06 21:01:02」(JST)
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ツロブテロール
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
(RS)-2-(tert-butylamino)-1-(2-chlorophenyl)ethanol |
臨床データ |
AHFS/Drugs.com |
International Drug Names |
法的規制 |
?
|
投与方法 |
Inhaled, oral |
識別 |
CAS番号 |
41570-61-0 |
ATCコード |
R03AC11 |
PubChem |
CID 5606 |
ChemSpider |
5404 |
UNII |
591I9SU0F7 |
KEGG |
D02151 |
ChEMBL |
CHEMBL1159717 |
化学的データ |
化学式 |
C12H18ClNO |
分子量 |
227.730 g/mol |
|
InChI
-
InChI=1S/C12H18ClNO/c1-12(2,3)14-8-11(15)9-6-4-5-7-10(9)13/h4-7,11,14-15H,8H2,1-3H3
Key:YREYLAVBNPACJM-UHFFFAOYSA-N
|
ツロブテロール(Tulobuterol、商品名:ホクナリン、ベラチン)は、喘息、気管支炎、肺気腫等の治療に用いられる交感神経β2受容体作動薬の一つである。経口投与剤の他、貼付剤が販売されている。
目次
- 1 効能・効果
- 2 薬物動態
- 3 副作用
- 4 貼付剤の特徴
- 5 参考資料
- 6 外部リンク
効能・効果
内服薬(錠剤、ドライシロップ)は気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、喘息性気管支炎、肺気腫、珪肺症、塵肺症に用いる事が出来る[1]。
貼付剤は上記の内、気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫に用いられる[2]。
薬物動態
成人に2mgを経口投与した場合のtmax=3時間、t1/2=3.19時間であった。又、小児に0.02mg/kg投与した場合のtmax=1時間、t1/2=3.56時間であった。
貼付剤の場合、成人(2mg)のtmax=11.8時間、t1/2=5.9時間で、小児(1〜2mg)ではtmax=14.0時間、t1/2>24時間であった。
副作用
添付文書に記載されている重大な副作用は、アナフィラキシー様症状と重篤な血清カリウム値低下である。
貼付剤の特徴
先発品の貼付剤の膏体中には、膏体中に飽和したツロブテロールとツロブテロール微結晶が共存しており、ツロブテロールが皮膚に移行するとその分結晶が溶解し、膏体中濃度が長時間一定に保たれる。これは「結晶レジボアシステム」と呼ばれている[3][4]。この剤形には特許権が有り、後発品は同システムを用いる事が出来ない。医師からは、後発品に変更後喘息症状が増悪したとの報告が複数有る[5][6][7]。日本ジェネリック医薬品学会は、「差が有るとは言えない」「患者の個体差の方が製剤差より大きい」と主張している[8]が、臨床試験や製造販売後調査は実施されておらず、効果は検証されていない。
後発品の品質が劣り、特に角質剥離皮膚モデル(アトピー性皮膚炎の状態)で徐放性が消失する事は、『喘息予防・管理ガイドライン2015』でも注意喚起されている。「貼付薬は後発品が使用可能であるが、薬物貯留システムの違いから皮膚の状況によっては先発品とは経皮吸収速度が異なるため、注意が必要である」[9]。
参考資料
- ^ “ホクナリン錠1mg/ホクナリンドライシロップ0.1%小児用” (2010年3月). 2015年1月27日閲覧。
- ^ “ホクナリンテープ0.5mg/ホクナリンテープ1mg/ホクナリンテープ2mg” (2015年3月). 2015年9月28日閲覧。
- ^ “拡散制御(徐放化)技術”. 日東電工. 2015年1月27日閲覧。
- ^ “TCS® 経皮時間制御送達システム”. アボット. 2015年1月27日閲覧。
- ^ “ホクナリンテープの後発品で喘息が増悪?”. 日経メディカル (2008年9月8日). 2015年2月26日閲覧。
- ^ “ホクナリンテープとジェネリックを比較”. 2015年2月26日閲覧。
- ^ “後発品ツロブテロールテープへの変更により症状の悪化をみた気管支喘息の2例”. 日本アレルギー学会 (2008年6月). 2015年2月26日閲覧。
- ^ “ジェネリック医薬品の生物学的同等性試験データ情報集”. p. 172‒214 (2009年). 2015年2月26日閲覧。
- ^ “アトピー患児はホクナリンテープの後発品に注意” (2015年9月24日). 2015年9月28日閲覧。
外部リンク
ホクナリンテープ情報サイト
Japanese Journal
- P/O-065 喘息患者におけるツロブテロール貼付薬とサルメテロール吸入薬の末梢気道病変, QOL改善効果の比較(成人喘息(治療・管理)3,一般演題,第25回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 井上 英樹,新実 彰男,松本 久子,伊藤 功朗,小熊 毅,大塚 浩二郎,竹田 知史,中治 仁志,田尻 智子,岩田 敏之,長崎 忠雄,三嶋 理晃
- アレルギー 62(3・4), 403, 2013-04-10
- NAID 110009627880
- 高齢喘息患者におけるブデソニド/ホルモテロール配合剤の臨床的有効性についての検討 : ブデソニドとツロブテロール貼付薬の併用治療との比較
- 大成 洋二郎,春田 吉則,向田 賢市 [他],近藤 圭一
- アレルギー 61(6), 820-831, 2012-06-30
- 【背景・目的】高齢喘息患者の長期管理には,吸入薬だけでなく経皮吸収型気管支拡張薬(貼付LABA)が使用されることがあるが,本邦に特徴的な薬剤であることもあり,エビデンスが少ない.そこで,高齢喘息患者を対象に,ICS+貼付LABAとlCS/LABA配合剤の治療効果を比較した.【方法】ブデソニド(BUD)400μg/日とツロブテロール貼付薬(Tulo)2mg/日の併用により治療中の70歳以上の喘息患者 …
- NAID 110009470779
- 高齢喘息患者におけるブデソニド/ホルモテロール配合剤の臨床的有効性についての検討 : ブデソニドとツロブテロール貼付薬の併用治療との比較
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ツロブテロールテープ0.5mg「アメル」
組成
有効成分
添加物
- スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂、水素添加ロジングリセリンエステル、その他1成分
禁忌
次の患者には使用しないこと
効能または効果
下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
- 気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫
- 通常、成人にはツロブテロールとして2mg、小児にはツロブテロールとして0.5〜3歳未満には0.5mg、3〜9歳未満には1mg、9歳以上には2mgを1日1回、胸部、背部又は上腕部のいずれかに貼付する。
慎重投与
次の患者には慎重に使用すること
- 甲状腺機能亢進症の患者〔症状が増悪するおそれがある。〕
- 高血圧症の患者〔血圧が上昇することがある。〕
- 心疾患のある患者〔心悸亢進、不整脈等があらわれることがある。〕
- 糖尿病の患者〔糖代謝が亢進し、血中グルコースが増加するおそれがある。〕
- アトピー性皮膚炎の患者〔貼付部位にそう痒感、発赤等があらわれやすい。〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
アナフィラキシー様症状
(頻度不明)
- アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な血清カリウム値の低下
(頻度不明)
- β2刺激薬により重篤な血清カリウム値の低下が報告されている。また、β2刺激薬による血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。更に、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。このような場合には血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
分子式
化学名
- (RS)-2-tert-Butylamino-1-(2-chlorophenyl)ethanol
性状
- 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノールに極めて溶けやすく、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
徐々に昇華する。
本品のエタノール(95)溶液(1→20)は旋光性を示さない。
融点:約92℃
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- short-acting β-agonists, SABA
- 関
- 長時間作用型β2刺激薬 LABA
[show details]
短時間作用型吸入β2刺激薬 : 78 件
短時間作動型吸入β2刺激薬 : 約 3,590 件
短時間作用型β2刺激薬 : 約 8,370 件
短時間作動型β2刺激薬 : 65 件
短時間作用型吸入β刺激薬 : 31 件
短時間作動型吸入β刺激薬 : 1 件
短時間作用型β刺激薬 : 約 71 件
短時間作動型β刺激薬 : 32 件
短時間作用型吸入β2刺激薬 SABA : 42 件
短時間作動型吸入β2刺激薬 SABA : 6 件
短時間作用型β2刺激薬 SABA : 74 件
短時間作動型β2刺激薬 SABA : 19 件
短時間作用型吸入β刺激薬 SABA : 2 件
短時間作動型吸入β刺激薬 SABA : 約 2,130 件
短時間作用型β刺激薬 SABA : 15 件
短時間作動型β刺激薬 SABA : 9 件
- 小発作から大発作の救急対応で反復吸入するkey drug
- 20-30分おきにネブライザーで吸入。脈拍が130/分以下を保つようにする。
[★]
- 英
- bronchodilator
- 関
- 気管支拡張薬
商品
[★]
- 英
- beta2 agonist, β2-receptor stimulant
- 同
- β2刺激薬 β2-stimulant、β2刺激薬、β2作用薬、β2アゴニスト
- 関
- アドレナリン受容体、β2受容体
[★]
ツロブテロール。塩酸ツロブテロール