- 英
- tyramine
- 同
- p-ヒドロキシフェニルエチルアミン p-hydroxyphenylethylamine
- 関
- MAO inhibitor
特徴
- ノルアドレナリンの放出を促進する→レセルピンで処理されると作用が消失
- チーズ、赤ワイン、ビール、にしん、鶏肝、チョコレートに多く含まれる
薬理作用
- シナプス前膜からノルアドレナリンの分泌を促すことによる
適応
- →β受容体作動薬に取って代わられる
- →α受容体作動薬に取って代わられる
- ※ 鼻粘膜にはα受容体しかない
- 脊髄・硬膜外麻酔の低血圧に対する対処
- ナルコプシー
- 夜尿症
注意
- タキヒラキシス tachyphylaxisを起こしやすい
- コカイン、三環系抗うつ薬(imipramine, desipramine)がuptake1を抑制
- MAO阻害薬を使用している場合、チラミンが投与されると神経終末中のノルアドレナリンの分解が押さえられてシナプス小胞内の貯蔵量がまし、チラミンにより大量のノルアドレナリンが放出される→高血圧発作(クリーゼ)を起こす。
WordNet
- amino acid derived from tyrosine; has a sympathomimetic action; found in chocolate and cola drinks and ripe cheese and beer; "patients taking MAOIs should avoid foods containing tyramine"
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/11/24 05:57:03」(JST)
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チラミン |
|
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
51-67-2 |
KEGG |
C00483 |
|
特性 |
化学式 |
C8H11NO |
モル質量 |
137.179 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
チラミン(Tyramine;4-hydroxy phenylethylamine,C8H11NO)は生体内で、芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼの作用によりチロシン(Tyr)から産生されるアミンで、フェネチルアミン誘導体の一つ。チラミンは、モノアミン神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミン、アセチルコリンなど)と構造が良く似ている。 ある種の食物に含有されていることから高血圧発作の誘因となる化合物である。
目次
- 1 含有する食品
- 2 作用機序
- 3 相互作用
- 4 脚注
- 5 関連項目
含有する食品
チラミンは、動物及び植物に広く分布し、生体内の酵素により産生されるモノアミンである。モノアミンオキシダーゼ(Monoamine Oxidase,MAO)により代謝されて不活化する。また、食物中のタンパク質が微生物により分解を受けることにより生じる腐敗アミンとしても産生される。チラミンを含む食品は、赤ワイン、熟成チーズ、チョコレート・ココアなどのカカオ製品、漬け物類、発酵食品、薫製魚、トリの肝臓、イチジク、豆の一部など[1]、加えて柑橘類である[2]。
作用機序
チラミンは交感神経細胞の神経終末からのノルアドレナリンの遊離を促進する。このノルアドレナリンはアドレナリン受容体のα1サブタイプに作用するため、血管収縮作用(収縮作用消失から拡張への反転)があり、血圧を上昇させ、片頭痛発作の誘因となりえる。心拍数の上昇の作用もある。ただ、短時間内に反復投与すると、チラミンの連続投与に対してノルアドレナリンの生合成が追いつかなくなり、神経終末から遊離できるノルアドレナリン分子が枯渇し作用が減弱する(このような作用の減弱化をタキフィキラシーと呼ぶ)。ココアには、血管収縮作用を有するチラミンが含まれているので、多量または濃厚のココアを飲んでから数時間後にチラミンの血管収縮作用が消える際に血管が拡張する反動の影響として頭痛を引き起こすことがある[2]。
さらに、チラミンに対して直接結合可能なGタンパク質共役受容体であるTA1受容体も同定されている。TA1受容体は脳や末梢組織に広く分布しており、主に神経伝達物質の機能調節に働いている。
相互作用
モノアミン酸化酵素阻害薬は抗パーキンソン薬の分類の1つで、モノアミン酸化酵素(MAO)の働きを阻害することによって、脳内のドーパミンなどの物質を増やす作用をする薬剤の総称である。MAO阻害剤と呼ばれる。昔はうつ病の治療薬として使われていたが、その激しい副作用と扱いの難しさから、現在ではパーキンソン病の治療にのみ使われている。従来のモノアミン酸化酵素阻害薬では、モノアミン酸化酵素であるMAO-Aの受容体が阻害されることで、チラミンを摂取したとき、チラミンの分解が阻害され、致命的な高血圧が生じたり、肝障害があらわれていた。改良型の可逆的MAO-A阻害剤であるRIMAでは副作用が緩和されているものの依然としてチラミンの大量摂取には気をつけねばならない。
脚注
- ^ Kantor, D (2006年11月21日). “MedlinePlus Medical Encyclopedia: Migraine”. 2008年4月4日閲覧。
- ^ a b http://www.eisai.jp/medical/products/maxalt/guidance/patient.html
関連項目
- チョコレート
- チョコレートアレルギー
- 神経伝達物質
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- カゼイン主体飼料へのコレスチラミン添加および濃縮大豆タンパク質主体飼料への大豆のサポニンとイソフラボンの添加がニジマスの肝臓組織に及ぼす影響
- 固相抽出-エキシマー蛍光誘導体化HPLC法による食品中不揮発性アミン類の分析
- 坂本 智徳,赤木 浩一,樋脇 弘
- 食品衛生学雑誌 51(3), 115-121, 2010
- … 固相抽出およびエキシマー誘導体化を用いた食品中不揮発性アミン類(プトレシン,カダベリン,ヒスタミン,チラミンおよびスペルミジン)の分析法を検討した.固体試料は3%トリクロロ酢酸を用いて,液体試料は水を用いて抽出した.抽出液をポリマー系強カチオン交換ミニカラムに負荷し,25 mmol/Lリン酸緩衝液(pH 6.8)および水で洗浄したのち100 mmol/L炭酸カリウム溶液で溶出した.溶出液を 6 mmol/L 1-ピレンブチリルク …
- NAID 130000308208
- チラミン投与によりラット心筋中に産生するヒドロキシルラジカルのマイクロダイアリシス法による検出
- 小畑 俊男
- 分析化学 57(4), 279-283, 2008-04-05
- The present study was examined the effect of tyramine-induced hydroxyl radical (・OH) generation. A flexibly mounted microdialysis technique was used to detect the generation of ・OH in in vivo rat hear …
- NAID 110006656124
Related Links
[display]http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3
- チラミン - Wikipedia
- チラミン(Tyramine;4-hydroxy phenylethylamine,C8H11NO)は生体内で、芳香族L- アミノ酸デカルボキシラーゼの作用によりチロシン(Tyr)から産生されるアミンで、 フェネチルアミン誘導体の一つ。 ある種の食物に含有されていることから高血圧発作の 誘因と ...
[display]http://genki1616.co.jp/genkikun/modules/kusuritosyokuhin/index.php?content_id=2
- かちどき薬品 げんき君 チラミンを多く含む食品
- 体内にチラミンが蓄積して、チラミンの神経刺激作用により、発汗、動悸、頭痛、血圧 上昇、吐き気などの症状があらわれる可能性が ... イスコチン、エフピー、 ネオイスコチンを服用されている方はチラミンを多く含む食品を控えるようにして ください。 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
販売名
クエストラン粉末44.4%
組成
有効成分
添加物
- アラビアゴム末、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、無水クエン酸、香料、黄色5号、精製白糖
効能または効果
- 高コレステロール血症
- レフルノミドの活性代謝物の体内からの除去
高コレステロール血症
- 通常成人にはコレスチラミン無水物として1回4gを水約100mLに懸濁し、1日2?3回服用する。
レフルノミドの活性代謝物の体内からの除去
- 通常成人にはコレスチラミン無水物として1回4gを水約100mLに懸濁し、1日3回服用する。レフルノミド製剤投与による重篤な副作用発現時にはコレスチラミン無水物として1回8gを水約200mLに懸濁し、1日3回服用する。
レフルノミドの活性代謝物の体内からの除去の場合
- 通常、本剤1回9g(コレスチラミン無水物として4g)を1日3回服用する場合、服用期間は17日間を目安とする。
レフルノミド製剤投与による重篤な副作用発現時には、本剤1回18g(コレスチラミン無水物として8g)を1日3回服用し、服用期間は11日間を目安とすること。
なお、患者の臨床症状及び検査所見の推移により服用期間を調節すること。
- レフルノミド製剤投与中止後に妊娠を希望する女性には、本剤による薬物除去法施行後少なくとも2回、血漿中レフルノミドの活性代謝物であるA771726濃度を測定し、2回の測定値が胎児へのリスクが極めて低いと考えられる0.02μg/mL未満であることを確認する。血漿中A771726濃度の測定間隔は14日以上とする。血漿中A771726濃度が0.02μg/mL以上であった場合、本剤の投与を継続すること。
慎重投与
- 便秘を起こしやすい患者又は痔疾患の患者[症状を増悪させるおそれがある。]
- 消化管潰瘍又はその既往歴のある患者[物理的な刺激により症状を増悪させるおそれがある。]
- 出血傾向のある患者[ビタミンKの吸収を阻害するおそれがある。]
- 肝疾患・肝機能障害又はその既往歴のある患者[AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等の肝機能検査値異常の発現頻度が高くなるおそれがある。]
- 高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
腸閉塞
頻度不明
- 腸閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
血中コレステロール低下作用9?15)
- コレステロール高含有飼料を給与したラット、ニワトリ、ウサギ、ブタにおいて血中コレステロールを著明に低下させ、また食中脂質により誘発させたニワトリのアテローム性動脈硬化に対する治療効果が、その血中コレステロール低下作用と相関して認められた。
作用機序9?15)
- 腸管内において胆汁酸と結合してその糞中排泄量を増大させることにより、外因性のコレステロールの吸収が阻害される。また、排泄量の増大による胆汁酸の減少を補償するために、肝においてはコレステロールから胆汁酸への異化が亢進する。これらの作用により血中コレステロールを低下させると考えられている。
またコレスチラミンが、胆汁中に排泄されたレフルノミドの活性代謝物を吸着することにより消化管からの再吸収を抑制し、レフルノミドの活性代謝物の体外排泄を促進させると考えられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- Polystyrene benzyltrimethylammonium chloride
分子式
分子量
性 状
なにおいがあり、味はない。本品は水、エタノール(95)、クロロホルム又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- adrenergic receptor
- 同
- アドレナリン作動性受容体 adrenoreceptor
- 関
- アセチルコリン受容体、交感神経作動薬一覧、交感神経拮抗薬一覧
- α受容体、β受容体、受容体
平滑筋臓器における傾向
受容体
|
反応
|
例外
|
α受容体
|
興奮
|
小腸運動:抑制
|
β受容体
|
抑制
|
心臓 :興奮
|
アドレナリン受容体
- SP.412改変
- 体のどの部位にどんな受容体があるかはGOO.143-144を参照せよ
- epinehrine relaxes the detrusor muscle of the bladder as a result of activation of β receptors and contracts the trigone and shincter muscles owing to its α agonist activity. This can result in hesitancy in trination and may contribute to retention of urine in the bladder. Activation of smooth muscle contractino in the prostate promotes urinary retention.(GOO.246)
- 排尿筋弛緩→β受容体。括約筋弛緩→α受容体
- 膀胱頚部から尿道にはα受容体が分布しており、尿道平滑筋の収縮に関与 (SP.818) (cf.プラゾシン)
シグナル伝達の経路 (GOO.238)
- α1:Gq:Gq-PCL-IP3
- α2:多様(アデニル酸シクラーゼの抑制、K+チャネルとの開口、Ca2+チャネルの閉鎖)
- β1, β2, β3:Gs
[★]
- 英
- monoamine oxidase, MAO
- 同
- モノアミン酸化酵素
- 関
- COMT
- 同
- MAO
- 神経細胞内のミトコンドリア外膜に局在 (SPC.67)
- カテコラミンを酸化的脱アミノ化する (SPC.67)
- 2つのisoformが存在 (SPC.67)
- 基質特異性による区分
[★]
- 同
- monoamine oxidase B,MAO-B
- 関
- モノアミンオキシダーゼ
- 神経細胞内のミトコンドリア外膜に局在 (SPC.67)
- カテコラミンを酸化的脱アミノ化する (SPC.67)
- 2つのisoformが存在するが、MAOBは、ドパミン、チラミンを特異的な基質とする (SPC.67)
[★]
- 英
- cholestyramine
- 商
- クエストラン
- 関
-
概念
- 高分子陰イオン交換樹脂。
- 不溶性の4級アンモニウム型陰イオン交換樹脂 → negative chargeを持つ物質、胆汁酸の吸着を目的として用いる。
作用機序
- 「クエストラン粉末44.4% 」より引用
- 腸管内において胆汁酸と結合してその糞中排泄量を増大させることにより、外因性のコレステロールの吸収が阻害される。また、排泄量の増大による胆汁酸の減少を補償するために、肝においてはコレステロールから胆汁酸への異化が亢進する。これらの作用により血中コレステロールを低下させると考えられている。
- またコレスチラミンが、胆汁中に排泄されたレフルノミドの活性代謝物を吸着することにより消化管からの再吸収を抑制し、レフルノミドの活性代謝物の体外排泄を促進させると考えられている。
効能又は効果/用法及び用量
- 「クエストラン粉末44.4% 」より引用
- 高コレステロール血症
- レフルノミドの活性代謝物の体内からの除去
適応
- 1)高コレステロール血症
- 2)レフルノミドの活性代謝物の体内からの除去 保険適用の対象:他の薬剤の用量に比べ大量に投与され、かつ、微粉末の製剤であるため、服用時に患者の肉体的負担が大きいことから、一般に高コレステロール血症の治療薬の選択においては、他の薬剤が優先して使用される。ただし、家族性高コレステロール血症の重症例の治療においては、不可欠な製剤として使用されるものであること(昭和60年7月19日保険発第78号厚生省保険局医療課長通知)
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2189009R1032_1_01/2189009R1032_1_01?view=body
[★]
- 英
- lamin
- 関
- 核ラミン