出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/14 10:28:52」(JST)
IUPAC命名法による物質名 | |
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(R)-5-(2-(2-(2-エトキシフェノキシ)エチルアミノ)プロピル)-2-メトキシベンゼンスルホンアミド | |
臨床データ | |
胎児危険度分類 | B2 (Aust) |
法的規制 | Schedule 4 (Aust) POM (UK) |
投与方法 | 経口 |
薬物動態的データ | |
生物学的利用能 | 100% (経口) |
代謝 | 肝臓 |
半減期 | 9–13 時間 |
排泄 | 76% 腎臓 |
識別 | |
CAS登録番号 | 106133-20-4 |
ATCコード | G04CA02 |
PubChem | CID 129211 |
DrugBank | APRD00036 |
KEGG | D08560 |
化学的データ | |
化学式 | C20H28N2O5S |
分子量 | 408.51 |
SMILES
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塩酸タムスロシン(英:Tamsulosin、ハルナール®)は前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療を目的に用いられる医薬品であり、交感神経α受容体遮断薬の一つである。化学式:C20H28N2O5S・HCl。融点:230℃(分解)
タムスロシンはα1A受容体に対して比較的選択的に働く阻害薬であり、前立腺肥大症における排尿障害の治療に用いられる。前立腺は男性特有の臓器で、中年以降の男性はこの前立腺が肥大化することがある。その結果、排尿障害、残尿感、頻尿などといった症状が出てくるため、著しくQOLが低下する。ヒトの前立腺にはα1A受容体が多く発現しており、肥大化した前立腺の筋肉や尿道に作用して尿道を広げることにより排尿障害を改善するのがタムスロシンである。そのα受容体阻害作用は同じくα受容体遮断薬であるプラゾシンやフェントラミンよりも強い。
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タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg「ケミファ」
なお、年齢、症状により適宜増減する。
[症状が悪化するおそれがある。]
[血漿中濃度が上昇するおそれがある。]
[血漿中濃度が上昇するおそれがある。]
(頻度不明)
(頻度不明)
リンク元 | 「その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬」「アドレナリン受容体」「前立腺肥大症」「α受容体遮断薬」「tamsulosin hydrochloride」 |
薬効分類 | 一般名 | 商品名 | 用法 | 作用機序/薬効薬理 | |
過活動膀胱治療剤 | イミダフェナシン | ステーブラ | ウリトス | 1回0.1-0.2mg 1日2回 | 受容体サブタイプM3及びM1受容体に高親和性を示す |
過活動膀胱治療剤 | トルテロジン | デトルシトール | 1回2-4mg 1日1回 | ||
過活動膀胱治療剤 | フェソテロジン | トビエース | 1回4-8mg 1日1回 | ||
過活動膀胱治療剤 | ソリフェナシン | ベシケア | 1回2.5-10mg 1日1回 | 膀胱平滑筋において、ムスカリンM3受容体拮抗作用を示すことにより、膀胱の過緊張状態を抑制し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善する。 | |
選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤 | ビベグロン | ベオーバ | 1回50mg 1日1回 | 本剤は膀胱平滑筋に存在するβ3アドレナリン受容体を選択的に刺激し、膀胱を弛緩させることで蓄尿機能を亢進し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善する。 | |
選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤 | ミラベグロン | ベタニス | 1回25-50mg 1日1回 | 膀胱平滑筋のβ3アドレナリン受容体を刺激し、膀胱を弛緩させることで蓄尿機能を亢進し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善する。 | |
前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤 α1阻害 | ナフトピジル | フリバス | 1回12.5-75 1日1回 | α1受容体遮断作用に基づき前立腺部及び尿道に分布する交感神経の緊張を緩和し、尿道内圧を低下させ、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。 | |
前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤 PDE-5阻害 | タダラフィル | ザルティア | 1回2.5-5mg 1日1回 | タダラフィルはPDE5を阻害することにより、前立腺及び膀胱平滑筋、並びに下部尿路血管の平滑筋内cGMP濃度を上昇させる。タダラフィルによる血管拡張作用を介した血流増加が前立腺肥大症に伴う排尿障害の症状緩和に寄与していると考えられる。また、前立腺及び膀胱における平滑筋弛緩が血管に対する作用を補完している可能性がある。 | |
前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬 α1阻害 | シロドシン | ユリーフ | 1回2-4mg 1日2回朝夕 | 下部尿路組織である前立腺、尿道及び膀胱三角部に分布するα1A-アドレナリン受容体サブタイプを介する交感神経系を遮断することにより、下部尿路組織平滑筋の緊張を緩和し、尿道内圧の上昇を抑制し、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する | |
前立腺肥大症の排尿障害改善剤 α1阻害 | タムスロシン | ハルナール | パルナック | 1回0.1-0.2mg 1日1回 | 尿道及び前立腺部のα1受容体を遮断することにより、尿道内圧曲線の前立腺部圧を低下させ、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。 |
前立腺肥大症治療剤 | オオウメガサソウエキス、ハコヤナギエキス、セイヨウオキナグサエキス、スギナエキス、小麦胚芽油 | エピカルス配合 | 1回2錠 1日3回 | 抗炎症作用、前立腺重量増加抑制作用 | |
前立腺肥大症治療剤 | オオウメガサソウエキス、ハコヤナギエキス、セイヨウオキナグサエキス、スギナエキス、小麦胚芽油 | エビプロスタット配合 | 1回1錠 1日3回 | 前立腺の炎症は過形成や症状の進行に関与しており、また、膀胱の慢性虚血による酸化ストレスも、排尿筋過活動による蓄尿症状の原因となっている。抗炎症作用や抗酸化作用により、前立腺肥大症における排尿障害を改善する | |
前立腺肥大症治療剤 | オオウメガサソウエキス、ハコヤナギエキス、セイヨウオキナグサエキス、スギナエキス、小麦胚芽油 | エルサメット配合 | 1回2錠(配合)/1錠(S配合) 1日3回 | 抗炎症作用、前立腺重量増加抑制作用 | |
前立腺疾患治療剤 | セルニチンポーレンエキス | セルニルトン | 1回2錠 1日2-3回 | 抗炎症作用、排尿促進作用、抗前立腺肥大作用を有する | |
尿失禁・尿意切迫感・頻尿治療剤 | オキシブチニン | ネオキシテープ | ポラキス | 1回2-3mg 1日3回(錠)/37.5mgテープ1枚 1日1枚(テープ) | 膀胱平滑筋において、細胞内カルシウムの細胞外への流出促進と細胞外カルシウムの細胞内への流入阻害によりカルシウムイオンに拮抗する。また、骨盤神経より遊離されるアセチルコリンに拮抗する(抗ムスカリン作用)。これらの作用により膀胱の過緊張を抑制することで初発尿意量および最大膀胱容量を増大させる。 |
尿失禁・頻尿・過活動膀胱治療剤 | プロピベリン | バップフォー | 1回20mg 1日1-2回 | ||
頻尿治療剤 | ブラダロン | フラボキサート | 1回200mg 1日3回 | 膀胱充満時の律動収縮を抑制し、膀胱三角部における筋放電作用を減弱する | |
勃起不全治療剤 | タダラフィル | シアリス | 1回5-20mg 1日1回 | 性的刺激により一酸化窒素(NO)の局所的な遊離が生じる際に、タダラフィルは、cGMP分解酵素であるPDE5を阻害することにより海綿体のcGMP濃度を上昇させる。その結果、平滑筋が弛緩し、陰茎組織への血流が増大して勃起が達成される。 | |
勃起不全治療剤 | シルデナフィル | バイアグラ | 1回25-50mg 1日1回 | シルデナフィルは、陰茎海綿体のPDE5を選択的に阻害し、神経及び海綿体内皮細胞由来のNO刺激により産生された陰茎海綿体内のcGMP分解を抑制することにより、陰茎海綿体平滑筋を弛緩させ、血流量が増加し、陰茎を勃起、維持させる。 | |
勃起不全治療剤 | バルデナフィル | レビトラ | 1回5-20mg 1日1回 | 陰茎海綿体平滑筋及び関連小動脈を弛緩させて陰茎を勃起させるcGMPは,グアニル酸シクラーゼによる合成とPDE5による加水分解とのバランスにより調節されている.バルデナフィルはPDE5を阻害することによりcGMP量を増加させ,陰茎を勃起させる | |
切迫早産における子宮収縮抑制剤 | 硫酸マグネシウム | マグセント | |||
切迫流・早産治療剤 | リトドリン | ウテメリン | リトドール | 1回5mg 1日3回 | β-受容体に対する選択的な刺激効果に基づきc-AMP含量を増加させ,Ca++の貯蔵部位への取り込みを促進して子宮運動抑制をきたすと考えられるとともに,膜の過分極,膜抵抗減少及びスパイク電位発生抑制をきたし,子宮収縮抑制作用を発揮する |
尿路結石治療剤 | ウラジロガシエキス | ウロカルン | 1回2錠 1日3回 | 結石発育抑制作用及び溶解作用を有し、抗炎症作用、利尿作用とともに腎結石・尿管結石に対する排出促進効果を示す |
受容体 | 反応 | 例外 |
α受容体 | 興奮 | 小腸運動:抑制 |
β受容体 | 抑制 | 心臓 :興奮 |
受容体 | 作動薬 | 遮断薬 | 存在部位 | 作用 | |||||
α | α1 | A≧NA>ISP | [直接作用] ノルアドレナリン アドレナリン ドーパミン [間接作用] チラミン [直接・間接作用] エフェドリン アンフェタミン メタンフェタミン |
メトキサミン フェニレフリン |
フェノキシベンザミン フェントラミン |
プラゾシン タムスロシン |
血管平滑筋 | 収縮 | |
腸平滑筋 | 弛緩 | ||||||||
膀胱括約筋 | 収縮 | ||||||||
肝臓 | グリコーゲン分解 | ||||||||
α2 | A≧NA>ISP | クロニジン グアンファシン グアナベンズ メチルドパ |
ヨヒンビン | NA作動性神経終末 | NAの放出抑制 | ||||
血管平滑筋 | 収縮 | ||||||||
膵臓β細胞 | インスリン分泌抑制 | ||||||||
β | β1 | ISP>A=NA | イソプロテレノール | ドブタミン | [第一世代]:ISA有 ピンドロール [第二世代]:ISA無 プロプラノロール [第三世代]:β1特異的 アテノロール ビソプロロール [第四世代]:有用な特性 カルベジロール |
心臓 | 心拍数↑ 心収縮↑ 心伝導速度↑ | ||
腎臓(傍糸球体細胞) | レニン分泌促進 | ||||||||
β2 | ISP>A>NA | サルブタモール テルブタリン リトドリン |
骨格筋血管 気管支 胃腸 尿路 子宮平滑筋 |
弛緩 | |||||
肝臓、骨格筋 | グリコーゲン分解 | ||||||||
膵臓β細胞? | インスリン分泌促進? | ||||||||
β3 | ISP=NA>A | 脂肪組織 | 脂肪分解促進 |
前立腺肥大症 | 前立腺の内腺 |
前立腺癌 | 前立腺の外腺 |
病期 | 病態 | 症状 | |
第1病期 | 刺激期 | 腫大した前立腺による後部尿道(膀胱頚部、前立腺尿道)の刺激 | 軽度の排尿困難、夜間頻尿、排尿時不快感 |
第2病期 | 残尿発生期 | 残尿(50-150ml)の発生 | 排尿困難(いきみながらの排尿)。残尿。急性尿閉(飲酒、抗コリン薬、長時間の乗り物の乗車) |
第3病期 | 慢性尿閉期 | さらなる残尿(300ml以上)、膀胱の過伸展(排尿筋だけでは排尿できない) | 奇異性尿失禁、腎機能低下による尿毒症症状 |
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