- 英
- enterohemorrhagic Escherichia coli, EHEC
- 関
- 三類感染症、感染症法、大腸菌、食中毒
特徴
- 食中毒(感染型-生体内毒素型)の原因となる。
- 生体内で志賀毒素に類似したベロ毒素(VT1, VT2)を産生し、これにより腸炎、血性下痢を来す。
- 溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome, HUS)などの重症な合併症を発症しうる。
病原体
- O157H7が多い。O1,026,O111,0128,O145等の血清型の中の一部がベロ毒素を産生する
疫学
潜伏期間
感染経路
- 1. 加熱不十分な肉類やミルクの摂取(約50%)
- 3. 糞口感染、水・野菜などの非加熱食品(約50%)
病態
症状
- 腹痛、下痢、発熱 → 血便
- 感染初期は水様下痢、1-2日で血性下痢
- 小児、基礎疾患を持つ高齢者で重症化。成人では軽い下痢。
合併症
経過
- 初期 :水様下痢
- 2-6病日後:鮮血便を排出する出血性大腸炎
- 7病日後 :溶血性貧血、血小板減少、腎機能低下
予防
- 加熱は有効:75℃1分
- 冷凍は不適(低温でも生存可能)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/19 04:59:12」(JST)
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腸管出血性大腸菌(ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん、enterohemorrhagic Escherichia coli:EHEC)とは、ベロ毒素 (Verotoxin=VT) 、または志賀毒素 (Shigatoxin=Stx) と呼ばれている毒素を産生する大腸菌である。[1]「病原性大腸菌」の一種である。
このため、VTEC (Verotoxin producing E.coli) やSTEC (Shiga toxin-producing E.coli) とも呼ばれる。この菌の代表的な血清型別には、O157が存在する。
この菌による感染症は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律により3類感染症として指定され、確認した医師は直ちに所轄する保健所などに届け出る必要がある。
目次
- 1 歴史
- 2 感染経路
- 3 血清型別
- 4 病原性
- 5 治療法
- 6 脚注
- 7 関連項目
- 8 外部リンク
歴史
- 1982年 アメリカのオレゴン州やミシガン州などでハンバーガーが原因食と推定される食中毒からEscherichia coli O157:H7(O157)が初めて検出される。[2]
- 1993年には、アメリカのシアトル周辺で大規模なハンバーガー食中毒事件も発生。[3]
- その後北米、欧州、オーストラリアなどでも集団発生が相次いで発生している。
- 日本では、1990年に埼玉県浦和市(現さいたま市)の幼稚園にて井戸水が原因とされる食中毒が発生した(園児2名が死亡)。
- 1996年 日本において、爆発的な発生が見られる。特に大阪府堺市においては小学校の学校給食で提供された食品がEscherichia coli O157:H7に汚染されていた事により、10,000人を超える集団発生(堺市で小学生3名、岡山県で小学生2名が死亡)。
- 1997年以降、毎年千数百人の患者が発生している。[1]
感染経路
腸管出血性大腸菌による感染は、べロ毒素産生性の腸管出血性大腸菌で汚染された食物などを経口摂取することによっておこる腸管感染が主体である。また、ヒトを発症させる菌数はわずか50個程度と少なく強毒性を有するため、二次感染が起きやすく注意が必要である。また、この菌は強い酸抵抗性を示し、胃酸の中でも生残し腸に達する。[1]
血清型別
大腸菌は、耐熱性菌体抗原であるO抗原160種類以上と、易熱性の鞭毛抗原であるH抗原60種類以上によって分類される。[2]
- ベロ毒素を産生することのあるO抗原としては、O1、O2、O5、O18、O25、O26、O55、O74、O91、O103、O104、O105、O111、O113、O114、O115、O117、O118、O119、O121、O128、O143、O145、O153、O157、O161、O165、O172などがある。そのうち、O157によるものが全体の約80%をしめる。
- 上記で示したO抗原であっても、H抗原が異なる場合等はベロ毒素を産生しないものがある。
したがって、腸管出血性大腸菌などの血清型別を表記する場合には、Escherichia coli O157:H7などと表記する。
ベロ毒素を産生する血清型別(抜粋)[4]
O1:H20 |
O103:H2 |
O128:H2 |
O2:H6 |
O111:H- |
O128:H8 |
O4:H10 |
O114:H4 |
O128:H25 |
O5:H- |
O118:H2 |
O157:H7 |
O26:H11 |
O118:H12 |
O157:H- |
O26:H- |
O128:H- |
O163:H19 |
病原性
- 腸管出血性大腸菌は、無症状や軽度の下痢から、激しい腹痛・頻回の水様便・著しい血便(下血)などとともに重篤な合併症を起こし死に至るものまで、様々である。
- 感染患者に、性別・年齢等有意な差はない。
- 感染の機会のあった者の約半数は感染から3-5 日の潜伏期の後に激しい腹痛をともなう頻回の水様便となる。多くは発症の翌日ぐらいには血便となる(出血性大腸炎)。ほかの経口感染症(サルモネラ、腸炎ビブリオなど)と比べると吐き気や嘔吐はみられないことが多く、あっても程度は軽い。発熱は一過性で軽度(37 ℃台)である事が多い。血便になった当初には血液の混入は少量であるが次第に増加し、典型例では便成分の少ない血液がそのまま出ているような状態になる。有症者の6-7%は下痢などの初発症状発現の数日-2週間(多くは5-7日後)以内に、溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome, HUS)、や脳症などの重篤な合併症が発症する。溶血性尿毒症症候群を発症した患者の致死率は1-5%とされている。[1][5]
- 重症合併症の危険因子としては、乳幼児と高齢者及び血便や腹痛の激しい症例が挙げられている[5]が、それ以外でも重症合併症が起こる可能性がある。
治療法
一次、二次医療機関のためのO-157感染症治療のマニュアル厚生労働省食中毒関連情報
脚注
- ^ a b c d 国立感染症研究所 (2002), IDWR感染症発生動向調査週報 2002年第6号感染症の話, http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_06/k02_06.html 2010年2月9日閲覧。
- ^ a b 岡田淳ほか (1994), 微生物学・臨床微生物学, 臨床検査技師講座, 22 (3rd ed.), 医歯薬出版, ISBN 4-263-22622-4
- ^ 厚生労働省検疫所 (n.d.), 3類感染症・腸管出血性大腸菌, http://www.forth.go.jp/mhlw/animal/page_i/i03.html 2010年2月9日閲覧。
- ^ 大阪大学 (n.d.), ヴェロ毒素産生性大腸菌(VTEC), http://www.med.osaka-u.ac.jp/doc/o157/contents/vtec.html 2010年2月9日閲覧。 を基に一部追加
- ^ a b ">厚生労働省 (1997), 一次、二次医療機関のための腸管出血性大腸菌(O157等)感染症治療の手引き(改訂版), http://www1.mhlw.go.jp/houdou/0908/h0821-1.html 2010年2月9日閲覧。
関連項目
- O104
- O111
- O157
- 感染症
- 食中毒
- ソルビトールマッコンキー寒天培地
- フーズ・フォーラス
- ユッケ
- 溶血性尿毒症症候群(HUS)
外部リンク
- 腸管出血性大腸菌による食中毒 - 厚生労働省
- 一次、二次医療機関のための腸管出血性大腸菌(O157等)感染症治療の手引き(改訂版) - 厚生労働省
- 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント - 厚生労働省
- 最新の細菌検出状況・グラフ 1(地研・保健所からの報告)2006~2010年 - 国立感染症研究所
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日本の感染症法における感染症 |
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一類感染症 |
エボラ出血熱 - クリミア・コンゴ出血熱 - 痘そう - 南米出血熱 - ペスト - マールブルグ病 - ラッサ熱
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二類感染症 |
急性灰白髄炎 - 結核 - ジフテリア - 重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る) - 中東呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る) - 鳥インフルエンザ (H5N1) - 鳥インフルエンザ (H7N9)
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三類感染症 |
コレラ - 細菌性赤痢 - 腸管出血性大腸菌感染症 - 腸チフス - パラチフス
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四類感染症 |
E型肝炎 - ウエストナイル熱 - A型肝炎 - エキノコックス症 - 黄熱 - オウム病 - オムスク出血熱 - 回帰熱 - キャサヌル森林病 - Q熱 - 狂犬病 - コクシジオイデス症 - サル痘 - 腎症候性出血熱 - 西部ウマ脳炎 - ダニ媒介脳炎 - 炭疽 - チクングニア熱 - つつが虫病 - デング熱 - 東部ウマ脳炎 - 鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1及びH7N9)を除く) - ニパウイルス感染症 - 日本紅斑熱 - 日本脳炎 - ハンタウイルス - Bウイルス病 - 鼻疽 - ブルセラ症 - ベネズエラウマ脳炎 - ヘンドラウイルス感染症 - 発しんチフス - ボツリヌス症 - マラリア - 野兎病 - ライム病 - リッサウイルス感染症 - リフトバレー熱 - 類鼻疽 - レジオネラ症 - レプトスピラ症 - ロッキー山紅斑熱 - 重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る)
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五類感染症 |
アメーバ赤痢 - ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く) - 急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く) - クリプトスポリジウム症 - クロイツフェルト・ヤコブ病 - 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 - 後天性免疫不全症候群 - ジアルジア症 - 先天性風しん症候群 - 梅毒 - 破傷風 - バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 - バンコマイシン耐性腸球菌感染症 - 風しん - 麻しん - 侵襲性インフルエンザ菌感染症 - 侵襲性髄膜炎菌感染症 - 侵襲性肺炎球菌感染症 - RSウイルス感染症 - 咽頭結膜熱 - A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 - 感染性胃腸炎 - 水痘 - 手足口病 - 伝染性紅斑 - 突発性発しん - 百日咳 - ヘルパンギーナ - 流行性耳下腺炎 - インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く) - 急性出血性結膜炎 - 流行性角結膜炎 - 性器クラミジア感染症 - 性器ヘルペスウイルス感染症 - 尖圭コンジローマ - 淋菌感染症 - クラミジア肺炎(オウム病を除く) - 細菌性髄膜炎 - マイコプラズマ肺炎 - 無菌性髄膜炎 - ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 - メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 - 薬剤耐性アシネトバクター感染症 - 薬剤耐性緑膿菌感染症
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 生食肉による腸管出血性大腸菌食中毒と安全性確保に向けて (新春特集 平成25年における 食の安全)
- 浅漬による腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒事例(中間報告)
- 片岡 郁夫,江湖 正育,寺島 寛樹 [他]
- 食品衛生研究 = Food sanitation research 63(1), 27-35, 2013-01-00
- NAID 40019548373
- 消化管感染症の課題と展望 (第115回日本小児科学会学術集会 教育講演)
- 田尻 仁
- 日本小児科学会雑誌 = The journal of the Japan Pediatric Society 116(12), 1857-1864, 2012-12-00
- NAID 40019533231
Related Links
- 大腸菌には病原性のないものから、腸管出血性大腸菌のように強い病原性を有する ものまで様々な種類のものがあります。腸管出血性大腸菌は菌の構成成分の性質から みた分類ですが、大腸菌は病気の起こし方によって、主として以下の5つに分類されます 。
- 腸管出血性大腸菌(ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん、enterohemorrhagic Escherichia coli:EHEC)とは、ベロ毒素 (Verotoxin=VT) 、または志賀毒素 ( Shigatoxin=Stx) と呼ばれている毒素を産生する大腸菌である。 このため、VTEC ( Verotoxin ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 58歳の男性と55歳の女性の夫婦。本日午後11時に、下痢、嘔吐および腹痛を主訴に夫婦とも救急車で搬入された。夫は長期出張から午後8時に帰ったばかりであり、午後9時に夫婦揃って夕食をとった。妻によると献立は鍋物で、具材は冷凍にしておいた牡蠣、スーパーで本日午後に買った豆腐と野菜(春菊、ねぎ、もやし)であった。その他に米飯と市販の漬物と昨日妻が採った山菜の天ぷらで夫婦で同じ物を食べたという。午後10時ころより夫婦とも腹痛が出現し、症状が増悪したため救急車を要請した。
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[正答]
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[正答]
※国試ナビ4※ [106I051]←[国試_106]→[106I053]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105D004]←[国試_105]→[105D006]
[★]
- 関
- 食中毒
細菌性食中毒
|
|
科
|
属
|
種
|
法律
|
特徴
|
季節性
|
感染
|
毒素
|
症状
|
原因食品
|
潜伏期間
|
経過
|
治療
|
予防
|
感染型
|
グラム陰性桿菌
|
腸内細菌科
|
サルモネラ属
|
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再興感染症
|
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新生児・乳児での接触感染
|
菌体内毒素
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下痢(粘液、水様で緑色)、嘔吐、腹痛、急激な発熱(38-40℃)
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レバー刺身、生肉、焼き鳥、生卵、ハム、ソーセージ、魚肉練り製品、乳製品、あん
|
6-48時間(平均12時間)
|
1-3日
|
対症療法
|
加熱、二次感染の予防(ネズミ、ゴキブリの駆除)
|
グラム陰性らせん菌
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|
カンピロバクター属
|
Campylobacter jejuni
|
|
|
初夏(5-6月)
|
まな板、包丁などによる2次感染
|
菌体内毒素
|
下痢(水樣、腐敗臭)、腹痛、嘔吐、発熱、まれに敗血症
|
肉類、生乳、水(家畜の屎尿による汚染)
|
2-5日(まれに10日)
|
1-2週間
|
対症療法、エリスロマイシン
|
加熱、ペットからの感染予防
|
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Campylobacter coli
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グラム陰性桿菌
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腸内細菌科
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サルモネラ属
|
チフス菌
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グラム陰性桿菌
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腸内細菌科
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サルモネラ属
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パラチフス菌
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グラム陰性桿菌
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腸内細菌科
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シゲラ属
|
赤痢菌
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生体内毒素型
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グラム陰性桿菌
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ビブリオ科
|
ビブリオ属
|
コレラ菌
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グラム陰性桿菌
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腸内細菌科
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エシェリキア属
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腸管出血性大腸菌
|
3種感染症
|
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経口感染
|
ベロ毒素
|
激しい腹痛を伴う頻回の水樣便、溶血性尿毒症候群や脳症の合併により重症化
|
加熱不足の牛肉の摂食(牛乳、フルーツ、汚染野菜)
|
3-4日
|
|
|
75℃1分の加熱で菌は死滅する
|
グラム陰性桿菌
|
ビブリオ科
|
ビブリオ属
|
腸炎ビブリオ
|
|
耐熱性毒素、好塩菌、真水、酸に弱い
|
夏季
|
生板・包丁などによる二次感染。成年男子に多い
|
|
激しい下痢(水様、粘血便)、上腹部激痛、発熱(-38℃)
|
刺身、漬け物
|
10-20時間(平均13時間)
|
2-3日
|
対症療法
|
加熱(60℃, 10分)、冷蔵(10℃以下)、水洗い。まな板、包丁の洗浄
|
グラム陽性桿菌
|
|
クロストリジウム属
|
ウェルシュ菌
|
|
土壌、水、ヒトおよび動物の腸管に常在、嫌気性菌、芽胞形成
|
|
|
エンテロトキシン
|
下痢、腹痛、吐き気
|
畜肉および魚肉とその加工品、動物性蛋白質を用いて調理後、長期保存されていた食品(カレー、シチューなど)
|
8-22時間
|
|
|
肉類、魚介類の脹内容物からの汚染防止。長時間保存する場合、加熱調理後冷蔵庫内にて保存。再加熱を十分に行う。
|
毒素型
|
グラム陽性桿菌
|
|
バシラス属
|
セレウス菌
|
|
芽胞形成、芽胞形態で自然に広く存在。食品腐敗変敗細菌
|
|
|
エンテロトキシン
|
嘔吐型: 吐き気、嘔吐
|
米飯、チャーハン、スパゲティ
|
1-5時間
|
|
|
低温保存、長期保存を避ける
|
|
|
|
|
下痢型: 下痢
|
食肉製品、スープ、プリン、野菜
|
8-12時間
|
|
|
グラム陽性桿菌
|
|
クロストリジウム属
|
ボツリヌス菌
|
|
嫌気性細菌、致命率が高い。芽胞形成。
|
|
|
ボツリヌス毒素(80℃, 数分で無毒化)
|
悪心、吐き気、めまい、頭痛、腹痛、下痢。眼症状(眼瞼下垂、複視、視力低下、瞳孔散大)、神経・筋症状(言語障害、嚥下障害、呼吸困難)
|
缶詰、瓶詰(魚、獣肉、野菜、果実)、いずし、ハム、ソーセージ、からしレンコン)
|
12-36時間
|
|
抗毒素血清治療
|
野菜などの水洗い、魚の内臓による汚染を防ぐ
|
グラム陽性球菌
|
|
スタフィロコッカス属
|
黄色ブドウ球菌
|
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ヒト常在菌(皮膚、口腔、粘膜、鼻咽頭粘膜)。化膿傷、咽頭炎、ニキビ、風邪の症状時には病巣となる
|
|
|
耐熱性エンテロトキシン
|
激しい吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
|
おにぎり、柏餅、シュークリーム、生クリーム
|
0.5-6時間
|
1-3日
|
|
化膿巣のある人を調理に従事させない。低温保持(5℃以下)
|
食中毒菌
|
起炎菌
|
潜伏期間
|
原因食
|
発熱
|
腹痛
|
嘔気・嘔吐
|
下痢
|
その他
|
感染性食中毒
|
腸炎ビブリオ
|
5-24hr 平均10hr
|
魚介類(加工品) 6-9月に多い
|
++
|
+++
|
++
|
+++
|
ショック 心筋障害
|
サルモネラ
|
7-72hr 平均12-24hr
|
肉、卵、サラダ
|
+++
|
++
|
+
|
++
|
ショック 敗血症
|
カンピロバクター
|
2-5日
|
鶏肉、牛肉、牛乳 5-7月に多い
|
++
|
+
|
++
|
++
|
|
病原性大腸菌
|
1-3日 平均24hr
|
牛肉が多い
|
++
|
+
|
++
|
+
|
|
毒素性食中毒
|
ブドウ球菌
|
0.5-6hr 平均3hr
|
乳製品、かまぼこ、氷小豆、 夏季に多い
|
±
|
+
|
+++
|
+
|
エンテロトキシンによるショック
|
ボツリヌス菌
|
2hr-8日
|
いずし、キャビア
|
-
|
+
|
+
|
±
|
神経症状 眼症状
|
[★]
- 英
- enteropathogenic Escherichia coli EPEC
- ラ
- pathogenic Escherichia coli
- 同
- 下痢原性大腸菌?
- 関
- 大腸菌
- 同
- EPEC
分類
-
- 症状:サルモネラ性腸炎に類似 乳幼児の胃腸炎の原因
- 3)腸管毒素性大腸菌(enterotoxigenic E.coli, ETEC)
- 症状:コレラ様の下痢 易熱性エンテロトキシンと耐熱性エンテロトキシン
- ベロ毒素(VT1, VT2)を産生する。ベロ毒素=志賀毒素
- O157H7が多い。O1,026,O111,0128,O145等の血清型の中の一部がベロ毒素を産生する
- 溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome, HUS)などの重症な合併症を発症する。
- 5)腸管付着性(enteroaggregative E.coli, EAEC)
[★]
- 英
- hemolytic uremic syndrome, HUS
- 同
- ガッセル症候群 Gasser syndrome
- 関
- 血栓性血小板減少性紫斑病, thrombotic thrombocytopenic purpura, TTP
HUSの3徴候
- let's memorize: Th
e Fr.(=The franch) ← TTPの5徴から精神症状と発熱を除いたもの
[★]
- 英
- Vero toxin verotoxin VT
- 同
- Vero毒素、志賀類似毒素 志賀毒素様毒素、志賀毒素様群毒素 Shiga-like toxin SLT
- 関
- 腸管出血性大腸菌、ベロ毒素産生性大腸菌
[★]
- 英
- verotoxin-producing Escherichia coli, verotoxin-producing E. coli VT-producing Escherichia coli VTEC
- 関
- ベロ毒素、腸管出血性大腸菌
[★]
- 関
- 大腸菌、志賀毒素 shigatoxin ST、感染症法、溶血性尿毒症性症候群、Shigatoxin-producing Escherichia coli STEC、O157、3類感染症、下痢原性大腸菌
- Shigatoxin-producing Escherichia coli(STEC)は腸管内で粘膜上皮に付着し、志賀毒素を産生し、腸管粘膜を障害して腸管出血性大腸炎を惹起する。このSTECによる感染症を刺している。3類感染症とされており、診断した場合には全例、直ちに保健所に届ける必要がある。
[★]
- 英
- large intestine (Z)
- ラ
- intestinum crassum
小腸と比べたときの大腸の特徴 (M.149)
- 結腸ヒモという縦走筋繊維からなる3本の太い帯を有する
- 結腸膨起という結腸ヒモの間の膨らみを有する
- 腹膜垂という脂肪の塊を含む
- 内径は小腸よりも大きい
大腸を構成する部位
- 盲腸
- 結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)
- 直腸
- (虫垂)
生理
1)膨起性往復運動 haustralshuttling movement
2)(単一)膨起性移送運動 segmentalhaustralpropulsion
3)多膨起性移送運動 multihaustralpropulsion
1) 2)により内容物のゆっくりした移動(5cm/hr)
→ 48hrで上行結腸よりS状結腸へ
4)総蠕動mass movement(mass peristalsis,maSS PrePulsion)
1-3回/日、強い蠕動→結腸内容物が直腸へ移動(→排便誘発)
5)収縮回数:直腸 > S状結腸 のため内容物はS状結腸へ移動
(通常は、直腸に内容物(-))
6)胃大腸反射 gastro-colonic reflex
小腸大腸反射 ileo-colonic reflex:胃、小腸に内容物-→結腸に総蠕動(+)
*排便
1)解剖
①内肛門括約筋internalanal
②外肛門括約筋externalanal
sphincter---平滑筋
sphincter山-一横紋筋
2)排便のメカニズム
i)総蠕動一糞便直腸へ
ii)直腸内圧〉20Ⅷ舶g ⇒ 直腸壁伸展⇒ 仙髄排便中枢(S2-4)
⇒ ①高位中枢(便奇形成)
②排便反射defecation reflex
内肛門筋弛緩
外肛門筋収縮(一過性)
直腸蠕動運動(⇒内圧をさらに高める)
iii) 内圧45-55mmHg以上
内容物200ml以上
便意による排便動作 外肛門筋弛緩
腹筋、横隔膜収縮
[★]
- 英
- coli bacillus
- ラ
- Escherichia coli, E. coli
- 関
- 下痢原性大腸菌
分類
-
- 症状:サルモネラ性腸炎に類似 乳幼児の胃腸炎の原因
- 症状:コレラ様の下痢 易熱性エンテロトキシンと耐熱性エンテロトキシン
- ベロ毒素(VT1, VT2)を産生する。ベロ毒素=志賀毒素]]
- O157H7が多い。O1,026,O111,0128,O145等の血清型の中の一部がベロ毒素を産生する
- 溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome, HUS)などの重症な合併症を発症する。
参考
- http://cgsc.biology.yale.edu/index.php
[★]
- 英
- intestinal tract、enteric canal、intestinal、enteric
- 関
- 消化器系、腸、腸管内、腸内
[★]
- 英
- hemorrhagic、haemorrhagic、hemophilic、haemophilic
- 関
- 易出血性、血友病
[★]
- 英
- fungus、fungi、microbial
- 関
- 菌類、真菌、真菌類、微生物