- 英
- thromboangiitis obliterans TAO
- 同
- バージャー病、ビュルガー病、Buerger病、Buerger's disease, Buerger disease
- 関
- 下腿潰瘍、血管炎、血管内膜炎、難病。≠Berger disease
概念
- 特定疾患治療研究事業に指定されている難病
- 若い男性かつ喫煙者に好発する血管炎であり、細い動脈(前腕の動脈や下腿の動脈)を冒す。動脈壁、特に中膜が肥厚し、血管内腔を狭窄させる。
疫学
病因
- 喫煙、感染、栄養障害、自己免疫(HLAとの関連)、血管内皮細胞の活性化などが考えられている。
- 高血圧、高脂血症、糖尿病は関係ない(?) ← 診断基準で除外されている。
増悪因子
病態
身体所見
- 参考1
- 視診:肢端の筋萎縮、脱毛、爪の発育不良、遊走性静脈炎、表在静脈に沿う色素沈着
- 聴診:腸骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈の雑音の有無
- 触診:肢端の皮膚温低下、末梢動脈拍動の減弱有無
- 負荷テスト:アレンテスト、下肢挙上下垂テスト
検査
- 血管造影:先細り、corkscrew状側副路、多発性分節的閉塞
診断
診断基準
- 参考1
- 1. 50歳未満の発症
- 2. 喫煙歴を有する
- 3. 膝窩動脈以下の閉塞がある
- 4. 脈閉塞がある、または遊走性静脈炎の既往がある。
- 5. 高血圧症、高脂血症、糖尿病を合併しない。
- 以上の5項目を満たし、膠原病の検査所見が陰性の場合,バージャー病と診断できるが、女性例、非喫煙者では鑑別診
断を厳密に行う。
鑑別
|
ASO
|
TAO
|
好発年齢と性差
|
中高年の男性 (50歳以上)
|
若年男性 (20-40歳)
|
全身性合併症 (基礎疾患)
|
高血圧,糖尿病,脂質異常症
|
なし
|
好発部位
|
大動脈分枝部~大腿動脈 (下肢の中枢側)
|
膝窩動脈以下 (下肢の末梢側)
|
遊走性静脈炎
|
なし
|
あり
|
喫煙
|
危険因子の一つ
|
増悪
|
血管造影
|
虫食い像、動脈壁硬化
|
先細り像、Corkscrew状側副路。多発性分節的閉塞(閉塞は途絶状)
|
石灰化
|
多い
|
少ない
|
予後
|
不良
|
良好
|
参考
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_ozaki_h.pdf
国試
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/08/28 06:58:46」(JST)
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閉塞性血栓性血管炎(へいそくせいけっせんせいけっかんえん、ラテン語Thromboangiitis Obliterans: TAO)は、末梢動脈に閉塞性の内膜炎を起こし、末梢部に潰瘍や壊疽を引き起こす病気。フェリックス・フォン・ヴィニヴァルターによって報告された。
一般に、発見者であるレオ・ビュルガーにちなんだ名前であるBuerger's diseaseとして、ビュルガー病(ドイツ語読み)或いはバージャー病(英語読み)で知られている。
日本においては、14番目の特定疾患治療研究対象疾患(難病)に定められており、国からの治療費等の補助が受けられる。
目次
- 1 病態
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 治療
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
病態
末梢動脈に血栓を生じ、それが結合組織に置き換えられて動脈が閉塞し血流の途絶を招き、結果的に末梢部の壊死を引き起こす。
疫学
男性患者が9割であり、女性は少ない。20歳から50歳まで特に30代の喫煙者でストレスが過多な患者に多発。受動喫煙者を含めるとほぼ全員が喫煙に関与していると言う。日本には約1万人の罹患者がいるとされる。近年日本での患者は減少気味。
症状
- 遊走性静脈炎 : 静脈に炎症(静脈炎)が見られる。静脈炎の部分は痒みを伴う。静脈炎があちこちに移動するので遊走性静脈炎という。
- 血流不足による虚血によって、末梢部の痺れ、冷感、部位の蒼白化、潰瘍、短距離の歩行で間欠跛行、激しい安静時疼痛、指趾の難治性潰瘍や壊死が起こる。
- 寒冷曝露によるレイノー症状が認められる。
- 下肢動脈に好発する。
- 末梢動脈拍動の消失。(ドップラー血流計では確認できる場合あり)
- 確定診断には血管造影が用いられる。
治療
将来的に内膜炎が血管閉塞を引き起こし末梢を壊死させるのを防ぐ為に、血管の収縮を招くストレスに晒さない事が求められる。寒気を避け、温浴、マッサージ、運動等で血流を良くする事が求められる。また患部を清潔に保つ事も効果があるとされる。 喫煙は血管収縮を招く事から、絶対禁止が求められる。禁煙を遵守しない場合、足趾や下肢切断等に至る場合が多い。歯周病治療および口腔内ケアの徹底が望まれる。 医学的にもプロスタグランジンなど血小板凝縮抑制や血管拡張、血管バイパス形成等による血行再建手術、交感神経節切除などの対症療法が主流であるが、病変が末梢部にあるので血行再建手術は難しいとされる。現在自己造血幹細胞を用いた再生医療が試みられている。
関連項目
外部リンク
- 難病情報センター特定疾患情報
- Emedicine
- 財団法人 先端医療振興財団
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抗不整脈薬 |
Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
|
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 | PDEⅢ阻害薬
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狭心症治療薬 |
交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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高血圧治療薬 |
利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬(英語版)) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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Japanese Journal
- 閉塞性血栓性血管炎(Buerger病) (特集 血管炎--新しい概念と治療のガイドライン) -- (血管炎の診断と治療ガイドライン)
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- 2011年11月4日 ... 原因が不明で、末梢動脈が全体に細くなったり、血栓ができたりして、十分な血液が保 てなくなる病気です。そのため、血液の流れが悪くなり、歩行時に足のしびれ、痛みや 冷たさを感じます。更に進行すると、安静時にも症状が現れることが ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 38歳の男性。右下腿の安静時痛を主訴に来院した。1年前から歩行時の痛みを自覚していたが、休むと軽快するため放置していた。最近、痛みを感じるまでの歩行距離が短くなり、安静時痛が出現するようになった。喫煙40本/日を18年間。
- 糖尿病や高血圧を指摘されたことはない。身長170cm、体重65kg。脈拍76/分、整。血圧124/76mmHg。右下腿から足にかけて腫脹と発赤とを認める。右大腿動脈造影写真を以下に示す。
- 対応として誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G023]←[国試_101]→[101G025]
[★]
- 英
- Raynaud phenomenon, Raynaud's phenomenon
- 関
- (国試)Raynaud現象、レイノー病、レイノー症状 Raynaud症状、レイノー症候群
概念
- 寒冷刺激などが誘因となり四肢末梢の発作的血流障害(小動脈の攣縮)をきたし、蒼白から始まり、チアノーゼ、および発赤という色調変化を示す末梢循環障害による現象をいう。
疫学
- 健常人の5%までに見られる(REU.44)
- 90%以上が女性、25歳以下(REU.44)
分類
- 出現頻度:強皮症(>95%)、筋炎(25%)、シェーグレン症候群(20-30%)、全身性エリテマトーデス(20-30%)、関節リウマチ(<5%)。
病因
- REU.44、皮膚病アトラス 西山 茂夫
誘因
症状
- 第一指をのぞく手の指にレイノー現象は好発する。多くの場合左右対称。足趾はまれにある。
治療
- 生活療法:寒冷をさけ保温する。禁煙。
- 薬物療法:血管拡張薬(カルシウム拮抗薬)、プロスタグランジン、交感神経遮断薬。
- カルシウム拮抗薬はニフェジピンを使うが、ジルチアゼムでも有効。ニコチン酸系薬や硝酸薬も有効。(REU.45)
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬、ACE阻害薬、シロスタゾールも有効な事がある。(REU.45)
- 手術療法:頚部の交感神経切断術。ただし一過性。(REU.45)
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations and diagnosis of the Raynaud phenomenon - uptodate [1]
[★]
- 英
- β-blocker, beta-blocker, beta-antagonist, β-adrenoceptor blocking agent, β-adrenergic blocking agent, beta-adrenergic blocking agent, beta-adrenergic blocker, beta-adrenergic antagonist, beta-adrenergic receptor antagonist, β adrenergic receptor blocker, β adrenergic receptor antagonists
- 同
- β遮断薬、β阻害薬、βアドレナリン遮断薬、βアドレナリン拮抗薬、アドレナリンβ受容体拮抗薬、βブロッカー、βアドレナリン受容体遮断薬
- 関
- アドレナリン受容体
β受容体遮断薬
適応
禁忌および慎重投与
YN.C-57
- 平滑筋拡張が求められる病態、酸素供給を減らせない病態では使ってはいけないということ?
注意
- 突然休薬すると離脱症候群として、狭心症や高血圧発作が生じることがある(高血圧治療ガイドライン2009)。
- β2受容体遮断作用のある薬剤では、β2受容体を介した膵臓のインスリン分泌促進作用がブロックされる(アドレナリン受容体#アドレナリン受容体)ので、糖尿病患者に投与する場合には注意が必要、らしい。
各論
慢性心不全
[★]
[★]
閉塞性血栓性血管炎 TAO
[★]
閉塞性血栓性血管炎
[★]
- 英
- angiitis
- 関
- 脈管炎 vasculitis vasculitides、血管内膜炎、血管炎症候群
分類
- CHCC2012
参考
- 血管炎症候群 - 日本内科学会雑誌第103巻第10号
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_ozaki_h.pdf
- 血管炎・血管障害診療ガイドライン 2016 年改訂版 - 日本皮膚科学会
- https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/vasculitisGL.pdf
[★]
- 英
- blood vessel, blood vessels
構造
- 内皮細胞(単層扁平上皮細胞)
- 基底板
- 内皮下結合組織(内皮下層 subendothelial layer):疎性結合組織、縦走平滑筋
- 内弾性板
分類
[★]
- 英
- thrombus, thrombi TH
- 関
- 血栓症
分類
心筋梗塞における血栓
- ST上昇型急性冠症候群の症例ではフィブリンと赤血球主体の赤色血栓が認められ、非ST上昇型急性冠症候群で心筋トロポニンが上昇した症例では血小板主体の白色血栓が存在していることが明らかとなった。
参考文献
- 岡松健太郎1 清野精彦1 水野杏一2, 血管内視鏡を用いた急性冠症候群の洞察(II),日医大医会誌2009; 5(1)
- 1日本医科大学千葉北総病院循環器内科
- 2日本医科大学大学院医学研究科器官機能病態内科学
[★]
- 英
- occlusion
- 関
- 促通
- 詰まること、詰まっていること
- (神経)2種の異なる興奮性のシナプス前性のニューロン群が1つのニューロン群へ収束と発散によりシナプス結合する回路において、2種のシナプス前線維群内の同期して興奮するニューロンの数が多い場合には、興奮するシナプス後ニューロンの数は、個々のシナプス前線維群だけの活動による場合の和よりも少なくなる。
[★]
- 英
- obstructive、occlusive、obliterative、constrictive、obliterans、occlusively
- 関
- 狭窄、筋収縮性、収縮、収縮性