ビソプロロール
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 循環器治療 この薬をつかう理由(5)メインテート β遮断薬はどれも同じか?
- 甲状腺機能亢進に対するβ_1選択的遮断薬 bisoprolol (メインテート^【○!R】)の有用性
- 佐地 勉,佐藤 真理
- 日本小児循環器学会雑誌 = Acta cardiologica paediatrica Japonica 24(6), 727-729, 2008-11-01
- NAID 10024845020
Related Links
- メインテートとは?ビソプロロールの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べ られる(おくすり110番:薬事典版)
- メインテートとは。効果、副作用、使用上の注意。 心臓の拍動を活発にしたり、血圧を 上昇させる交感神経のβ(ベータ)作用を抑えるはたらきがある薬です。 心臓に選択的に 作用するものを「 心臓選択性 」薬といい、気管支や代謝などへの影響が少なく、呼吸器 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量(1錠中)
添加物
- ステアリン酸マグネシウム、マクロゴール6000、D-マンニトール
禁忌
- 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
- 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者〔アシドーシスに基づく心収縮力の抑制を増強させるおそれがある。〕
- 心原性ショックのある患者〔心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある。〕
- 肺高血圧による右心不全のある患者〔心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある。〕
- 強心薬又は血管拡張薬を静脈内投与する必要のある心不全患者〔心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある。〕
- 非代償性の心不全患者〔心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある。〕
- 重度の末梢循環障害のある患者(壊疽等)〔末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。〕
- 未治療の褐色細胞腫の患者〔「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照〕
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- ・ 本態性高血圧症(軽症〜中等症)
- ・ 狭心症
- ・ 心室性期外収縮
- ・ *次の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者
- 虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
- <参考>
本態性高血圧症(軽症〜中等症)、狭心症、心室性期外収縮
- 通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、5mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
- 通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、1日1回0.625mg経口投与から開始する。1日1回0.625mgの用量で2週間以上経口投与し、忍容性がある場合には、1日1回1.25mgに増量する。その後忍容性がある場合には、4週間以上の間隔で忍容性をみながら段階的に増量し、忍容性がない場合は減量する。用量の増減は1回投与量を0.625、1.25、2.5、3.75又は5mgとして必ず段階的に行い、いずれの用量においても、1日1回経口投与とする。通常、維持量として1日1回1.25〜5mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により、開始用量は更に低用量に、増量幅は更に小さくしてもよい。また、患者の本剤に対する反応性により、維持量は適宜増減するが、最高投与量は1日1回5mgを超えないこと。
- 褐色細胞腫の患者では、本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがあるので、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。
- 慢性心不全を合併する本態性高血圧症、狭心症の患者又は心室性期外収縮のある患者では、慢性心不全の用法・用量に従うこと。
- 慢性心不全の場合
- 慢性心不全患者に投与する場合には、必ず1日1回0.625mg又は更に低用量から開始し、忍容性を基に患者毎に維持量を設定すること。〔「その他の注意」の項参照〕
- 本剤の投与初期及び増量時は、心不全の悪化、浮腫、体重増加、めまい、低血圧、徐脈、血糖値の変動及び腎機能の悪化が起こりやすいので、観察を十分に行い、忍容性を確認すること。
- 本剤の投与初期又は増量時における心不全や体液貯留の悪化(浮腫、体重増加等)を防ぐため、本剤の投与前に体液貯留の治療を十分に行うこと。心不全や体液貯留の悪化(浮腫、体重増加等)がみられ、利尿薬増量で改善がみられない場合には本剤を減量又は中止すること。低血圧、めまいなどの症状がみられ、アンジオテンシン変換酵素阻害薬や利尿薬の減量により改善しない場合には本剤を減量すること。高度な徐脈を来たした場合には、本剤を減量すること。また、これら症状が安定化するまで本剤を増量しないこと。
- 本剤の投与を急に中止した場合、心不全が一過性に悪化するおそれがあるので、本剤を中止する場合には、急に投与を中止せず、原則として徐々に減量し中止すること。
- 2週間以上休薬した後、投与を再開する場合には、「用法・用量」の項に従って、低用量から開始し、段階的に増量すること。
慎重投与
- 気管支喘息、気管支痙れんのおそれのある患者〔気管支を収縮させ、症状を発現させるおそれがある。〕
- 特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者〔低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすいので血糖値に注意すること。〕
- 甲状腺中毒症の患者〔頻脈等の中毒症状をマスクすることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)〕
- 重篤な肝、腎機能障害のある患者〔薬物の代謝・排泄が遅延し、作用が増強するおそれがある。〕
- 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)〔末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。〕
- 徐脈、房室ブロック(I度)のある患者〔心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。〕
- 過度に血圧の低い患者〔血圧を更に低下させるおそれがある。〕
- 異型狭心症の患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
- 乾癬の患者又は乾癬の既往のある患者〔症状を悪化又は誘発させるおそれがある。〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
重大な副作用
- 心不全(高血圧症等の場合:0.1%未満、慢性心不全の場合:7.0%)、完全房室ブロック、高度徐脈、洞不全症候群(高血圧症等の場合:0.1%未満、慢性心不全の場合:頻度不明)があらわれることがあるので、心機能検査を定期的に行い、このような副作用が発現した場合には減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 選択性が高いβ1アンタゴニストでISA(内因性交感神経刺激作用)はなく、降圧作用、抗狭心症作用、抗不整脈(心室性期外収縮)作用を示す。
β1受容体選択性
- β受容体に対する親和性の比較において、ビソプロロールのβ1受容体(イヌ心室筋)に対する親和性はβ2受容体(イヌ肺)に比し23倍強く、アテノロールは4.4倍、メトプロロールは5.1倍であり、ビソプロロールが最もβ1選択性が高かった。4)
- 慢性閉塞性肺疾患に5mg単回経口投与したとき、血圧、心拍数は有意に低下したが努力肺活量、1秒量、1秒率など呼吸機能は変化しなかった。5)
降圧作用
- 本態性高血圧症に1日1回5mg連続経口投与したところ、投与2日目より収縮期血圧、拡張期血圧ともに有意な低下を示した。6)
- 本態性高血圧症に1日1回5mg、7日間連続経口投与し、血圧日内変動に及ぼす影響をみたところ、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数は24時間にわたり有意な低下が認められたが、血圧日内変動リズムには差が認められなかった。6)
抗狭心症作用
- 労作性あるいは労作兼安静狭心症患者に1日1回5mg、2週間連続経口投与したところ、心拍数・血圧(心筋酸素消費)が有意に低下するとともに、狭心症発作回数と即効性硝酸剤使用量の有意な減少が認められた。7)
- 安定労作性狭心症患者に1日1回5mg、2週間連続経口投与し、運動負荷試験をしたところ、投与後ST下降(1mm)及び運動中止までの時間の有意な延長が認められた。8)
抗不整脈作用
- 心室性期外収縮患者に1日1回5mg、3週間以上連続経口投与したところ、心拍数の減少、PQ時間の延長とともに、期外収縮数の減少が認められた。9)
有効成分に関する理化学的知見
○*分子式
○分子量
○性状
- ・ 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
- ・ 水又はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすい。
水溶液(1→10)は旋光性を示さない。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 抗不整脈薬
商品
[★]
- 英
- β-blocker, beta-blocker, beta-antagonist, β-adrenoceptor blocking agent, β-adrenergic blocking agent, beta-adrenergic blocking agent, beta-adrenergic blocker, beta-adrenergic antagonist, beta-adrenergic receptor antagonist, β adrenergic receptor blocker, β adrenergic receptor antagonists
- 同
- β遮断薬、β阻害薬、βアドレナリン遮断薬、βアドレナリン拮抗薬、アドレナリンβ受容体拮抗薬、βブロッカー、βアドレナリン受容体遮断薬
- 関
- アドレナリン受容体
β受容体遮断薬
適応
禁忌および慎重投与
YN.C-57
- 平滑筋拡張が求められる病態、酸素供給を減らせない病態では使ってはいけないということ?
注意
- 突然休薬すると離脱症候群として、狭心症や高血圧発作が生じることがある(高血圧治療ガイドライン2009)。
- β2受容体遮断作用のある薬剤では、β2受容体を介した膵臓のインスリン分泌促進作用がブロックされる(アドレナリン受容体#アドレナリン受容体)ので、糖尿病患者に投与する場合には注意が必要、らしい。
各論
慢性心不全
[★]
- 英
- bisoprolol
- 化
- フマル酸ビソプロロール bisoprolol fumarate
- 商
- ウェルビー、ビソテート、メインテート、メイントーワ、メインハーツ、メインロール、ルーク
- 関
- アドレナリン受容体。不整脈用剤
- β1選択性β遮断薬
- 適応疾患は本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、心室性期外収縮、虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全(ACE-I/ARB,diuretics,digitalis投与済み)、頻脈性心房細動
- 用量のラインナップ:0.625mg錠, 2.5mg錠, 5mg錠 (メインテートの場合)
|
0.625mg
|
2.5mg
|
5mg
|
本態性高血圧症(軽症~中等症)
|
×
|
○
|
○
|
狭心症
|
×
|
○
|
○
|
心室性期外収縮
|
×
|
○
|
○
|
虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
|
○
|
○
|
○
|
頻脈性心房細動
|
×
|
○
|
○
|
[★]
- 英
- atenolol
- 商
- アテネミール、アテノリズム、アルセノール、アルマイラー、カテノミン、クシセミン、セーブテンス、セーラジール、テネミール、テノーミン Tenormin、テノミロール、トーワミン、ミロベクト、メゾルミン、メチニン、リスモリース
- 関
- アドレナリン受容体、ビソプロロール メインテート。不整脈用剤
作用機序
適応
- 本態性高血圧症、狭心症、頻脈性不整脈(洞性頻脈、期外収縮)