- aberration
- 英
- chromosome aberration, chromosomal aberration, chromosome abnormality, chromosome anomaly
- 関
- 白血病、染色体検査
概念
種類
-
- 45,XO:Turner症候群 (45X/46XX (モザイク)、46XXq、46XXpもありうる)
- 45,YO:致死的らしい
- 47,XXY:Klinefelter症候群 (2個以上のXと1個以上のY:48,XXXY, 49,XXXXY, 46,XY/47,XXYモザイク、48,XXYYなどもありうる)
- 欠失、逆位、転座、挿入、重複、環状染色体、同腕染色体
流産との関係
- 全妊娠の10-15%は自然流産であり、自然流産の半数以上は染色体異常が原因である。(QB.P-334)
- 自然流産児の染色体異常頻度は50-70%、新生児における染色体異常頻度は約1%。
WordNet
- an optical phenomenon resulting from the failure of a lens or mirror to produce a good image (同)distortion, optical aberration
- a disorder in ones mental state
PrepTutorEJDIC
- 正道からはずれること,非行,異常 / (軽い)精神異常
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/28 21:48:46」(JST)
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染色体異常(せんしょくたいいじょう)とは、染色体の構造異常のこと。またはそれに伴う障害。この記事では主に医学的な観点からヒトの染色体異常について解説する。
染色体の分離や交叉の機能不全は、疾患を引き起こしうる。これらは大きく二つに分類される。
- 染色体の部分的な異常。通常、交叉の失敗によって引き起こされることが多い。部分トリソミー(重複)、部分モノソミー(欠失)、転座など。
- 異数体(数的異常)と呼ばれる、染色体の不足あるいは過剰による異常。不完全な染色体の分離によって引き起こされることが多い。通常、染色体は2本で対をなしているが、これが1本になるのが「モノソミー」、3本になるのが「トリソミー」、4本になるのが「テトラソミー」、5本になるのが「ペンタソミー」である。ちなみに2本ある正常染色体はダイソミーという。まれに3倍体や4倍体などの倍数体がある。
染色体には、短腕(p)と長腕(q)があり、例えば5番染色体の片方の短腕が欠失することを5pモノソミーといい、5p-(ごピーマイナス)と表記する。ヒトは22対の常染色体と一対の性染色体を持つ。
ここでは染色体の数・形態の異常を伴う染色体異常について述べており、染色体の数や形態の異常を伴わない遺伝子の異常による病気は遺伝子疾患に、原因の明らかでない先天奇形症候群は奇形症候群に詳述されている。
目次
- 1 常染色体トリソミー
- 2 性染色体異常
- 2.1 性染色体の過剰
- 2.2 性染色体モノソミー
- 3 常染色体部分モノソミー
- 4 その他の染色体異常
- 5 染色体部分異常の種類
- 6 血液疾患における代表的染色体異常
- 7 関連項目
- 8 外部リンク
常染色体トリソミー
ある常染色体にトリソミーが起きると、その染色体が担当する物質産生などが通常の1.5倍になって様々な影響を及ぼす。 常染色体の完全なトリソミーは13番染色体、18番染色体、21番染色体の3種類以外はごくまれにしか存在しない。この理由は、他の常染色体には、より重要な遺伝情報が多いため、トリソミーは致死的となり早期に流産するためである。染色体のサイズが大きい方から染色体番号は振られているので、染色体番号が若い程重症になる。
- 21トリソミー(いわゆるダウン症候群)(ICD-10 Q90.9)
- ダウン症候群の項目を参照。
- 18トリソミー
- 女児に多い(男児は流産する場合が多いため)。18番染色体が過剰であるために引き起こされる先天性障害。
- 口唇裂、口蓋裂、握ったままの手、耳介低位付着などの奇形があり、また先天性心疾患になる可能性もある。先天性心疾患は心室中隔欠損症、心内膜床欠損症など。発見者の名前を取りエドワーズ症候群と呼ばれることもある。
- 13トリソミー
- 女児に多い(男児は流産する場合が多いため)。13番染色体が過剰であるために引き起こされる先天性障害。発見者の名前を取りパトー(プット、ペイトー)症候群とも呼ばれる。
性染色体異常
性染色体の過剰
性染色体はトリソミーやテトラソミーになっても過剰な染色体は不活性化するため、常染色体トリソミーと比較して症状は軽く、一生発見されない場合もある。
過去の医療現場では染色体検査をせずに陰核のサイズ(5cm以下は女性など)で性別を決めていた為、戸籍とは違う二次性徴が発生し(又は二次性徴が発生せず)当人や家族に混乱が起こった。
- クラインフェルター症候群(Klinefelter)
- 男性のみに発生。正常男性核型がXYであるのに対し、X染色体が過剰である(XXY、XXXYなど)。
- 発生率は500〜1000人に1人、一生気づかれない場合も多い。性器は第一次性徴の時点で通常の男児と同じく男性器である。主な症状は、女性化乳房(現れない事が多い)又は第二次性徴の欠如、長い手足、体毛の発生が少ない又は無い、骨の発育不全や骨粗鬆症、心臓の疾患、運動能力の低下などが現れる場合もある。ほとんどの症例で精子の数が少ないため、自然的生殖では不妊であり、不妊治療に訪れた時点で発見される場合も多い。人工授精を使っての受精は可能である。過剰なX染色体が多いほど障害の傾向も強く、また心臓の疾患にかかりやすい。X染色体の数の異常があれば症状が高確率で出るわけではなく、この組み合わせの染色体を持ちながら症状が全くでないケースの方が多い。成人以降、突如第二次性徴的変化が始まることもある。オスの三毛猫もこの症候群である。アンドロゲン不応症と混同されるが、アンドロゲン不応症は染色体異常ではなく外見的特徴は女性的であり別の症状である。
- スーパー女性
- 女性のみに発生。正常女性核型がXXであるのに対し、X染色体が過剰である(XXX、XXXX、XXXXXなど)。XXXの場合は「XXX症候群」や「Xトリソミー」や「トリプルX」と呼ばれ、XXXXの場合は「XXXX症候群」や「Xテトラソミー」と呼ばれ、XXXXXの場合は「XXXXX症候群」や「Xペンタソミー」と呼ばれる。
- スーパー男性
- 男性のみに発生。正常男性核型がXYであるのに対し、Y染色体が過剰である(XYY、XYYYなど)。染色体数に応じてXYY症候群などとも呼ばれる。
- 一生を通じて気づかれない場合が多く、最近は個性の範疇とする見方が一般的。高身長、多動、知能の低下などが現れるという報告もあるが逆に知能が高いとする報告もある。性器異常や腎臓異常の報告もあるが、XYY症候群との関係は証明されていない。過剰なY染色体が多いほど障害の傾向は強い。
- XXYY症候群
- クラインフェルターの一種とも、スーパー男性の一種とも言われる。報告例は少ない。
- モザイク染色体
- 男女ともに発生する。さまざまな形状があり、発生率は、10〜100億人に一人と言われる。XX,XYのほかXO,XXy,Yなどが混在するケースがあり、障害をともなう場合もあるが、まったく問題のない例も多い。PAIS、CAISなどのアンドロゲン不応症の場合の一部に、モザイク染色体を持つ場合があるが、頻度は不明である[要出典]。モザイク染色体は血液検査では発見されず、体細胞検査が必要。
性染色体モノソミー
X染色体にはヒトの生命に欠かせない遺伝子が入っているので、Y染色体のモノソミーは存在せず、性染色体モノソミーはターナー症候群しか存在しない。
- ターナー症候群
- 女性のみに発生。正常女性核型がXXであるのに対し、X染色体のうち1本が完全または部分的に欠失している(X、XO)。
- 新生児期の足の浮腫、著しい低身長、首周りの襞(翼状頸)、先天性心疾患、不妊、第二次性徴の欠如などがある。知的障害は一切ない。
- 10%に大動脈縮窄症を合併する事が知られている。
- 子宮の未発達などの性未熟症に対してはカウフマン療法を行う。
- 低身長に対しては、成長ホルモン補充療法の適応となる。
常染色体部分モノソミー
- 5pモノソミー(5p-症候群)
- 5番染色体短腕の一部が欠失することによって起こる。出生時に猫のようなかん高い鳴き声があることから、猫鳴き症候群(仏:Cri Du Chat Syndrome 英:cat cry Syndrome)とも呼ばれる。特有の鳴き声は成長すると消失するが、重度の知的障害がある。生後すぐは丸顔であるが、成長すると細顔になる。便秘になるヒルシュスプルング病も併発する。ダウン症の原因を発見したルジュンによって1963年に発見された。
- 5qモノソミー(5q-症候群)
- 5番染色体長腕の一部が欠失することによって起こる骨髄異形成症候群の一種。
- 4pモノソミー ウォルフ・ヒルシュホーン(Wolf-Hirschhorn)症候群
その他の染色体異常
- 3倍体(triploidy)、4倍体
- 全ての染色体が3倍、4倍になる。ほとんどが流産。種なしスイカや魚など、植物や他の動物は3倍体でも生存できる。
染色体部分異常の種類
- 相互転座
- 遺伝子の情報量に変化はないが、染色体の位置が変わるため、一般的には本人に症状は現れないが、本人の子供に症状が現れる場合もある。習慣性流産の原因ともなる。
-
- 均衡型
- 不均衡型
- ロバートソン転座
- 2種類の染色体の短腕が脱落し、長腕同士が接合する。ロバートソン転座が起きた場合は、両方の染色体の短腕は失われるが、障害が起きる場合は少ないようである。
- 同腕染色体
- 長腕と短腕のどちらかが欠失し、もう一方が取って代わる。部分トリソミーと部分モノソミーが同時に発生することになる。
- 重複
- トリソミー、部分トリソミー
- 逆位
- 遺伝子の情報量、染色体の位置に変化はないため、本人に症状は現れず、子供にも症状は現れない。
- 欠失
- モノソミー、部分モノソミー
- 片親性ダイソミー
- 普通は父母から1本ずつもらう染色体が、片方の親から2本もらった状態になること。染色体の数は正常だが、障害が現れる。アンジェルマン症候群とプラダー・ウィリー症候群は、染色体のほぼ同じ箇所 (15q11.2) の欠失であるが、両親のどちら由来かによって症状が異なる。
- モザイク
- 正常の細胞と異常の細胞が混ざっていること。症状は軽度になる。
- 隣接遺伝子症候群
- 完全な染色体異常ではないが、微細な遺伝子の異常によって起きる疾患。遺伝子疾患の項で詳述されている。
血液疾患における代表的染色体異常
白血病をはじめとする多くの血液疾患において染色体異常を認める。これらは後天的な変化であり、遺伝はしない。あくまでがん細胞(すなわち異常血液細胞)に限局して生じた染色体異常であり、患者の生殖細胞はもちろんのこと、患者の血液に含まれる正常な血液細胞や、他の組織の体細胞にも、これらの異常はみられない。
有名な染色体異常(p:短腕、q:長腕、数字:バンド)
- t(8;21)(q22;q22) AML1/ETO融合遺伝子 M2 急性骨髄性白血病
- t(9;22)(q34;q11.2) BCR/ABL融合遺伝子 慢性骨髄性白血病 別名:フィラデルフィア染色体
- t(15;17)(q22;q12) PML/RARα融合遺伝子 M3 急性前骨髄性白血病
- t(14;18)(q32;q21) BCL2遺伝子 濾胞型リンパ腫
- t(11;14)(q21;q32) BCL1遺伝子 マントル細胞リンパ腫
関連項目
- 半陰陽・両性具有- 性別
- 突然変異
- 染色体
- クラインフェルター症候群
- ターナー症候群
- アンドロゲン不応症
- アロマターゼ過剰症
- 養護学校 - 特殊学級 - 発達支援教育
- 出産 - 高齢出産
外部リンク
- 染色体異常の解説(アニメーションがあり分かりやすい)
- ウィリアムズ ノート 9
- クラインフェルター症候群とは
- ひあたり良好+ 【ウィリアムズ症候群とともに生きる】
|
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Japanese Journal
- 小児科領域における研究と治療の進歩(14)小児循環器疾患の研究と治療の進歩
- 中西 敏雄
- 東京女子医科大学雑誌 82(1), 1-6, 2012-02-25
- … 円錐動脈幹異常顔貌症候群は1976年に東京女子医科大学から報告された染色体異常、先天性心疾患を合併する疾患である.最近の研究で、転写因子TBX1の遺伝子異常が本症候群の責任遺伝子であることがわかった.動脈管は胎児期には開存しており出生後まもなく閉じる血管である.動脈管は酸素で収縮するが、動脈管の開閉に ATP感受性Kチャンネルが関与していることがわかった.また、近年、胎児心エコー診断精度が向上し …
- NAID 110008802807
- 金子 友香,徳山 博文,脇野 修,木田 可奈子,林 松彦,林 晃一,伊藤 裕
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 44(10), 1047-1052, 2011-10-28
- … まれであり,文献的考察を加え報告する.症例は67歳,女性.慢性糸球体腎炎を原病として,慢性腎不全の進行に伴い,1988年に血液透析導入となった.1993年骨髄穿刺の結果骨髄異形成症候群と診断され(染色体異常なし),2007年から適宜赤血球輸血を施行されていた(合計40単位).2010年1月14日血液透析施行中40度の発熱があり,両下肢痛と腰部痛が出現した.インフルエンザ迅速試験陰性で解熱鎮痛薬を処方される …
- NAID 10029861821
- 自閉症患者における染色体異常を基にしたモデルマウスの作製と精神疾患へのアプローチ
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- 先天異常と染色体異常、この二つはイコールではありません。 ... 染色体異常はその 原因のひとつにすぎないんです。 .... 流産児や死産児の染色体検査ではほとんどすべて の染色体において異常が発見されますが、新生児となるとトリソミーは13、18、21番 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 38歳の男性。6か月前から徐々に進行する動悸と息切れとを主訴に来院した。体格栄養中等度。脈拍88/分、整。血圧128/76mmHg。四肢に数個の紫斑を認める。頸部リンパ節は触知しない。眼瞼結膜は貧血様であるが、眼球結膜に黄染はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 血液所見:赤血球198万、Hb6.8g/dl、Ht22%、白血球2,300、血小板4.5万。血清生化学所見:総蛋白6.5g/dl、総ビリルビン1.0mg/dl、AST45IU/l、ALT30IU/l、LDH770IU/l(基準176~353)。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。
- この病態について誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A031]←[国試_101]→[101A033]
[★]
- 33歳の女性。未経妊。無月経を主訴に来院した。初経13歳。月経周期は不規則であり、29歳以降無月経となっていたがそのままにしていた。身長 161cm、体重 58kg。脈拍76/分、整。血圧 114/74mmHg。胸腹部と四肢とに異常を認めない。恥毛は正常女性型。血液生化学所見:血糖 86mg/dL、TSH 1.3μU/mL(基準 0.4~4.0)、LH 2.0mIU/mL(基準 1.8~7.6)、FSH 6.4mIU/mL(基準 5.2~14.4)、プロラクチン 79ng/mL(基準 15以下)、FT4 0.8ng/dL(基準 0.8~1.8)、コルチゾール 10ng/dL(基準 5.2~12.6)、エストラジオール 15pg/mL(基準 25~75)、IGF-I 155ng/mL(基準 93~236)。頭部造影MRIのT1強調冠状断像(別冊No. 30)を別に示す。
- この患者にみられる可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109A055]←[国試_109]→[109A057]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 41歳の1回経産婦。無月経を主訴に来院した。
- 現病歴 : 最終月経は2か月前であった。数日前に市販の妊娠反応試薬で陽性を確認した。
- 既往歴 : 前回の分娩は5年前。正常分娩で、母子ともに異常はなかった。他に特記すべきことはない。
- 現症 : 身長158cm、体重52kg。体温36.7℃,脈拍84/分、整。血圧128/70mmHg。内診所見で子宮は鷲卵大に増大して軟、圧痛はない。両側付属器も触知しない。経膣超音波検査で子宮内に胎嚢を認める。
[正答]
※国試ナビ4※ [096F030]←[国試_096]→[096F032]
[★]
- 妊娠30週の胎児診断の組合せで適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101B089]←[国試_101]→[101B091]
[★]
- 汎血球減少症を呈する患者の骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.1)を別に示す。
- この患者にみられる染色体異常はどれか。
- a t(8;14)
- b t(8;21)
- c t(9;22)
- d t(15;17)
- e inv(16)
[正答]
※国試ナビ4※ [107I012]←[国試_107]→[107I014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097H035]←[国試_097]→[097H037]
[★]
- a. 児の予後は良好である。
- b. 児の腎機能低下で起こる。
- c. 出生前診断は困難である。
- d. ウイルス感染が原因となる。
- e. 染色体異常とは無関係である。
[正答]
※国試ナビ4※ [101F004]←[国試_101]→[101F006]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095A064]←[国試_095]→[095A066]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B030]←[国試_103]→[103B032]
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[正答]
※国試ナビ4※ [105B036]←[国試_105]→[105B038]
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[正答]
※国試ナビ4※ [108D015]←[国試_108]→[108D017]
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[正答]
※国試ナビ4※ [110I019]←[国試_110]→[110I021]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G056]←[国試_098]→[098G058]
[★]
- 英
- chronic myeloid leukemia chronic myelogenous leukemia chronic myelocytic leukemia CML
- 関
- 白血病、染色体異常
- 血液・造血器 081030I
- first aid step1 2006 p.294,303,304,309,310,
概念
- 造血幹細胞に遺伝子的な変異が生じ、正常な分化能を保持したまま腫瘍性に増殖し、特に顆粒球系の血球の増殖をきたす。
- 白血球は著増、血小板は増加するが、赤血球は正常もしくは減少する。
- 慢性に経過するが、急性転化(blastic crisis)により急性白血病と同様の病態をとりうる。
検査
- 赤血球:→or↓
- 白血球:↑↑↑
- 血小板:↑ → 急性転化例では↓
- 好中球アルカリホスファターゼ:低値
- NAPスコア:低下 → 急性転化例では↑
- 血清ビタミンB12、LDH、尿酸、リゾチーム:高値 → 白血球の破壊による
- 白血病裂孔:なし → 分化能は保たれているため
- 染色体:Ph染色体の出現
- → 急性転化例では複数のPh染色体、環状Ph1、形態異常をきたしたPh染色体の出現がみられる(QB.G247)。頻度:複数のPh染色体の出現>トリソミー>17番同腕染色体>19トリソミー?(+19) (WCH.2243)。染色体の変化は血液学的な変化に数ヶ月先だって起こるが、必ずしもblast crisisに繋がるわけではない(WCH.2243)。急性転化例の2/3では骨髄性、1/3でリンパ性にtransformationする。後者の場合、MPO染色陰性、PAS染色陽性、B細胞表面抗原の発現(多くの場合CD10,CD19を発現し,sIgは欠く)、TdT発現(抗体の遺伝子再構成における多様性付与に関与)。(WCH.2243)
治療
- イマチニブが第一選択となる。適応があれば同種幹細胞移植。
治療に用いる薬物・治療法
- イマチニブ
- 自己幹細胞移植:?
- 同種幹細胞移植
- 白血球除去(leukapheresis)・脾摘
- インターフェロンα:イマチニブが登場する前は、同種幹細胞移植ができない症例において治療の選択肢の一つであった。
- ヒドロキシウレア:。インターフェロンと併用して使われる。代謝拮抗薬。DNA合成を阻害する。骨髄抑制、二次発癌は稀。
- シタラビン:Ara-CTPとなり、DNA合成過程のシチジン二リン酸(CDP)還元酵素やDNAポリメラーゼを阻害
慢性期
- 参考2
移行期
- 参考2
急性期
- 参考2
- 1. myeloid crisisに対してはAML、lymphoid crisisに対してはALLに対する寛解導入療法に準じた化学療法を行う。
- 2. 同種幹細胞移植
国試
参考
- http://www.gan-pro.com/professional/cancer/child-leukemia/chronic-myelogenous-leukemia.html
[★]
- 英
- radiation damage, radiation injury, radiation hazard
- 同
- 放射能症、電離放射線障害 radiolesion ionizing radiation injury、放射線の危険性 radiation risk
- 関
- 放射線、放射能、放射性核種
全身被爆の症状と予後 RNT.322
全身被爆線量
|
前駆症状(%)
|
潜伏時間
|
死因
|
症状
|
死亡率(%)
|
~2
|
0~50
|
>3 hr
|
|
無症状~軽度の血球現象
|
0~10
|
2~10
|
100
|
0.5-3 hr
|
骨髄死
|
血球現象→感染、出血
|
0~90
|
10~20
|
100
|
0.5 hr
|
消化管死
|
嘔吐・下痢・吐血・下血・脱水
|
90~100
|
50
|
100
|
several min.
|
中枢神経死
|
脳浮腫→けいれん、意識障害
|
100
|
*前駆症状:悪心、嘔吐、めまい、全身倦怠感、発熱
|
- 末梢の血球への影響はリンパ球>その他の白血球>血小板>赤血球
SUB 449
メモ
- 111018
- 放射線による慢性的な障害は、ふくしまの件では微々たるものなのでは?
- 大気汚染、喫煙、飲酒による健康への障害の方が遙かに大きい。
- 問題は、放射線への知識が貧弱すぎること(いわゆる文系馬鹿のマスコミが煽る)と、放射線を積極的に回避しづらいことである。
- 例えば、大気汚染は外出を控えることで避けられるし、喫煙は吸わないこと、副流煙を吸わないことで回避できる。飲酒は飲まなければよい。
- しかし、放射線からは距離を置く、放射性同位体を含む物を摂取しないことしか回避できない。
- しかも、どれだけ体内被曝することで、どれだけ生命予後に影響を及ぼすかは不明である。
- 政府が基準値を定めているが、その値は次々と変更され、疑心暗鬼を生じる原因となってしまった。
[★]
- 英
- Klinefelter's syndrome, KS, Klinefelter syndrome
- 同
- Klinefelter症候群, XXY症候群 XXY syndrome
概念
- X染色体過剰に由来する性染色体異常症候群
- 男性性腺機能不全のうち最も多い疾患である。 男性不妊を主訴とした染色体異常の中で最も多く600-1000人中1人に見つかるとされる。
病因
- 核型:47,XXY(約80%), 48,XXXY, 49,XXXXY, 46,XY/47,XXYモザイク、48,XXYYなど
- 受精卵の卵割時のX染色体の不分離。
- 性腺は精巣へ分化し、内性器・外性器は正常に分化するが、精巣機能が正常に作用しない
疫学
- 発生頻度:男子の1/1,000(男児600出生に1人とも)
症状
- 無精子症、小睾丸、女性化乳房、高身長、細長い体型、薄い髭・体毛
- 知能は通常正常。
- 女性化乳房を呈する症例で男性乳ガンの発生率が高いらしい?
検査
- テストステロン産生不全、ゴナドトロピン高値(LH・FSH高値。精巣の機能が異常ということか?) → 二次性徴の欠如、不妊
診断
国試
[★]
- 英
- trisomy 18
- 同
- 18トリソミー症候群 trisomy 18 syndrome、エドワーズ症候群 Edwards症候群 Edwards syndrome Edwards' syndrome、Eトリソミー症候群 trisomy E syndrome
- 関
- トリソミー、染色体異常、常染色体異常
疫学
- 新生児5000-8000人に一例の割合で見られる。
- 男女比=1:3 (女児に多い)
- 周産期死亡児50人に一人の割合で認められる。
病因
- 過剰18番染色体の存在:染色体の不分離(+18)が大半(過剰染色体はほとんどが母親由来)。モザイクや転座は稀にある。
症候
- 全身:低出生体重
- 頭部:後頭突出、高鼻根、耳介低位、小眼裂、小口唇、小下顎
- 上肢:指の重なり、関節屈曲拘縮
- 下肢:揺り椅子の底状の足
- 心血管:心奇形
- 消化器:腸回転異常症
- 泌尿器:腎奇形
- 精神発達:遅滞
予後
- http://emedicine.medscape.com/article/943463-media
[★]
- 関
- abnormal karyotype、chromosomal aberration、chromosomal abnormality、chromosomal anomaly、chromosomal disorder、chromosome abnormality、cytogenetic aberration、cytogenetic abnormality
[★]
- 英
- sex chromosome abnormality, sex chromosome disorder, sex chromosome aberration, sex chromosome anomaly
- 同
- 性染色体異常疾患、性染色体異常症
Klinefelter’s syndrome
|
[male]
|
(XXY)
|
1:850
|
testicular atrophy, eunuchoid body shape, tall, long extremities, gynecomastia, female hair distribution. Presence of inactivated X chromosome (Barr body).
|
Turner’s syndrome
|
[female]
|
(XO)
|
1:3000
|
short stature, ovarian dysgenesis (streak ovary), webbing of neck, coarctation of the aorta, most common cause of 1° amenorrhea. No Barr body.
|
double Y males
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[male]
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(XYY)
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1:1000
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phenotypically normal, very tall, severe acne, antisocial behavior (seen in 1.2% of XYY males).
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[★]
- 英
- AML with recurrent genetic abnormalities
- 関
- 急性骨髄性白血病
[★]
性染色体異常
- 同
- 濾胞XXY濾胞疾患
[★]
- 英
- chromosome
- 関
- 染色体異常
染色体分析の表記
- ISCN(1995)(An International System for Human Cytogenetic Nomenclature (1995))
ヒトの染色体
臨床関連
[★]
- aberrance, aberration, abnormity, anomalia, anomalo, anomaly, bad condition, defect, glitch, malfunction, trouble, uniqueness, vitium
[★]
- 英
- staining
- 関
- 染色法