- 英
- lupus anticoagulant LAC LA
- 同
- ループス抗凝固因子
- 関
- 抗リン脂質抗体症候群、全身性エリテマトーデス
概念
機序
- 凝固系においては、活性化X因子(Xa)は、V因子およびプロトロンビンと結合し、複合体を形成するが、このためにはCa2+と陰性荷電リン脂質の存在が必要である。
- ループスアンチコアグラント(抗リン脂質抗体)は、このリン脂質に結合することで、Va/Xa/プロトロンビン複合体の形成を妨げ、凝固は延長する。
検査
- in vitroでは、APTTなどリン脂質依存性の凝固反応が延長する
生理的機能
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 早期診断により多臓器不全から救命し得た劇症型抗リン脂質抗体症候群の1例
- 井上 大地,戸上 勝仁,下池 典広,田村 亮,今井 幸弘,木村 隆治,下地 園子,森 美奈子,永井 雄也,田端 淑恵,松下 章子,永井 謙一,高橋 隆幸
- 日本臨床免疫学会会誌 = Japanese journal of clinical immunology 33(1), 24-30, 2010-02-28
- 症例は50歳女性.急激に進行する意識障害,腎不全,肝機能障害,溶血性貧血,血小板減少,発熱のために2008年7月,当院に救急搬送された.病歴から血栓性血小板減少性紫斑病が疑われ,血漿交換を開始したが,入院後1週間以内に,血栓による腸管穿孔,脾梗塞を併発し,さらに,フォスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体(aPS/PT)が陽性であったことから,劇症型抗リン脂質抗体症候 …
- NAID 10026352620
- 抗リン脂質抗体症候群 (特集 ここまでわかっている自己抗体と自己免疫疾患)
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- 2012年5月12日 ... ループスアンチコアグラントは特異性が高い。 (cf. 第3集) 免疫グロブリンである ループスアンチコアグラントは、必ずしも抗カルジオリピン抗体とは相関しない。 抗リン 脂質抗体症候群において、血小板数低下、APTT延長が典型的な所見だが、 ...
- ループスアンチコアグラントは,in Vitroでは顕著な凝固時間の延長とAPTTおよびPTの 延長傾向を示すにもかかわらず,臨床的にはほとんど出血傾向を認めず,血栓傾向を 示すことが知られている。一般に,ループスアンチコアグラントの存在はリン脂肪のみを 希釈 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- idiopathic thrombocytopenic purpura, ITP
- 同
- ヴェルルホフ紫斑病 Werlhof purpura、(immune thrombocytopenic purpura← これは上位の疾患概念?)
- 関
- 血小板減少
概念
- 血小板に対する自己抗体によって血小板数が減少し、出血傾向をきたす自己免疫疾患
- 他の自己免疫性疾患による血小板減少は除外(除外診断)。
- 他の自己免疫性疾患との合併も多く、自己免疫性溶血性貧血・SLE・橋本病などが合併しうる。
疫学
- 小児に多い。1-3週前にウイルス感染症に罹患した後に発症。6ヶ月以内に治癒。
- 成人(10歳以上。20-40歳)女性に多い。緩慢に発症。軽快と増悪を繰り返す。
病因
- 血小板に対する自己抗体の出現による。
- 凝集に関与する糖蛋白GpIIb\GpIIIaに対する自己抗体が出現することで、自己の血小板に対する免疫反応が惹起され、血小板の破壊亢進が起こる。さらに原因は不明ではあるが粘着に関与する糖蛋白GpIb/GpIXに対する自己抗体も出現してくる。
症候
- 出血症状:皮膚の紫斑(点状出血・斑状出血)・鼻出血・歯肉出血・性器出血(月経多過)
- 関節内出血や深部出血は稀。
身体所見
- 急性特発性血小板減少性紫斑病:軽度の発熱、脾臓の軽度腫大?(10%の子供の患者にみられるが、正常な群でも同程度みられる。また、脾摘を受けた患者では脾臓の重さは正常であった。(WCH.1537) → つまり脾腫は一般的な症状とは言えない)
検査
血液
- 血小板数 10万 /μl 以下。赤血球数・白血球数は正常
骨髄検査
- 正形成。巨核球数は正常or増加
- 血小板付着を欠く巨核球が多い。
- [show details]
巨核球が若干多いかもしれないがよく分からない
免疫血清学的検査
- 血小板結合性IgG(PAIgG):高値 ←特異度低(SLE、肝硬変などでも↑)
- GPIIb・GPIIIa・GPIb・GPIXに対する自己抗体:特異度は高いが、感度が低い。民間病院レベルでは施行できない。
診断
成人の慢性ITPの診断基準
- 厚生労働省特定疾患特発性造血障害研究班(2004試案)
- 1.血小板減少(10万/ul以下)
- 2.末梢血塗沫標本は正常
- 3.以下の検査のうち3項目以上を満たすこと
- (1)貧血がない
- (2)白血球減少がない
- (3)末梢血液中の抗GPIIb/GPIIIa抗体産生B細胞の増加
- (4)血小板関連抗GPIIb/GPIIIa抗体の増加
- (5)網状血小板比率の増加
- (6)血漿トロンボポエチン軽度上昇にとどまる(<300pg/ml)
- 4.他の免疫性血小板減少を除外できる(SLE, リンパ増殖性疾患, HIV感染症, 肝硬変, 薬剤性)。
鑑別診断
治療
modality
- ステロイド
- 免疫グロブリン
- ヘリコバクター・ピロリの除菌:日本ではHP感染症との関連が統計的に明らかとなっており、ステロイドに先んじてHP除菌が試みられる。
- 脾摘:ステロイドが奏効しない場合にはやむなく脾臓摘出が検討される。小児の場合は急性例であることが多く、かつ免疫機構の一部として重要な臓器であるため、発症6ヶ月以内では脾摘は見合わせる。
- 血小板輸血は、輸血後破壊されてしまうために、緊急時以外は適応ではない。
治療の選択
- 出典不明
- 血小板数3万/ul以上:経過観察
- 血小板数1万-3万/ul以上 or 重篤な粘膜出血:経口ステロイド
- 血小板数1万以下-3万/ul以上:免疫グロブリン
参考
- 1. 妊娠により重症化した難治性特発性血小板減少性紫斑病に対して摘脾が有効であった1例
- http://www.med.osaka-cu.ac.jp/labmed/ITP.pdf
- 2. 難病情報センター | 特発性血小板減少性紫斑病(公費対象)
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/303
uptodate
- 1. [charged] 成人における免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病の臨床症状および診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] 成人における免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病の治療および診断 - uptodate [2]
- 3. [charged] 成人における慢性難治性免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病 - uptodate [3]
- 4. [charged] 小児における免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病の臨床症状および診断 - uptodate [4]
- 5. [charged] 小児における免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病の治療および予後 - uptodate [5]
国試
[★]
- 英
- deep venous thrombosis DVT, deep vein thrombosis
- 同
- 深部静脈血栓、静脈血栓症
- 関
- 末梢静脈疾患、下肢深部静脈血栓症
概念
リスクファクター
- リスク評価はWells scoreを使う。
PHD.366
-
SAN.378
- 血栓性素因
- 静脈血栓症の既往
- 肺塞栓症の既往
- 年齢(60歳以上)
- 長期臥床(4日以上)
- 肥満(肥満度BMI25以上)
- 悪性腫瘍
- 下肢静脈瘤
- 多発外傷
- 全身麻酔
- 3時間以上の手術
- 開腹術
- 人工股関節置換術、膝関節置換術
- 気腹手術、開腹下骨盤手術
- 静脈還流を阻害する体位(骨盤低位、側臥位など)
- 血栓性素因:後天性抗リン脂質抗体症候群、先天性アンチトロンビン欠損、プロテインC欠損、プロテインS欠損、第V因子異常、プラスミノゲン以上、異常フィブリノゲン血症、第XII因子欠損、組織プラスミノゲン活性化因子インヒビタ増加、トロンボモジュリン異常など
- 参考2
- 疾患別に見るとDVTでもPTEでも卵巣癌が最多で、子宮体癌がこれに次ぐ。術前発症では卵巣癌が最多である。卵巣癌の術前にDVTがおおいのは多量腹水による脱水、自宅での安静、腫瘍細胞数が非常に多い、腫瘍細胞が放出する組織因子が多いなどによる。卵巣後の術後では、根治術では手術時間が長く、侵襲度が高い、リンパ節郭清を要する、多量の輸血が必要なことが多い、また長期にわたる化学療法を要するなどによる。
リスク評価
DVTの検査前確率
- 活動性の癌
- 麻痺、足が動かない
- ベット上臥床(>3日)、または大手術(<4週)
- 静脈に沿い限局した疼痛
- 大腿/腓腹筋の腫脹
- 無症状側と比較して>3cmの腓腹筋腫脹
- DVTの家族歴(第一度近親者で≧2人)
- 60日以内の症状ある足への外傷
- 有症状の下肢における圧痕性浮腫
- 有症状の下肢のみの表在静脈拡張
- 最近6ヶ月以内の入院
- 紅斑
高確率85%
- 大項目≧3+他の診断なし
- 大項目≧2+小項目≧2+他の診断なし
中等度の確率33%
低確率5%
- 大項目1+小項目≧2+他の診断あり
- 大項目1+小項目≧1+他の診断なし
- 大項目0+小項目≧3+他の診断あり
- 大項目0+小項目≧2+他の診断なし
身体所見
- evidence-based physical diagnosis 3rd edition p.473
予防
産婦人科
- 参考2
- 早期離床、ベッド上での下肢挙上・膝の屈伸・足の背屈運動、弾性ストッキング着用、間欠的空気圧迫法、脱水予防
- 未分画ヘパリン5,000単位を術後6~12時間以内に(止血を確認できたら術直後からでも可)1日2回皮下注/静注、3-5日投与
ガイドライン
- 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
参考
産婦人科
- 1. 学際領域の診療 Interdisciplinary Practice 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症 - 日産婦誌
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5610-382.pdf
- 2. E.婦人科疾患の診断・治療・管理 10.10)深部静脈血栓症・肺塞栓症 - 日産婦誌61巻11号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6111-591.pdf
[★]
- 英
- antiphospholipid syndrome, antiphospholipid antibody syndrome, anti-phospholipid syndrome, anti-phospholipid antibody syndrome, APS
- 同
- 抗リン脂質症候群
- 関
- [[]]
概念
分類
- 全身性エリテマトーデスに合併(SLEの20-40%に合併)
- 劇症型(catastrophic APS):血小板減少症・重症、3部位以上の多臓器不全
病因
疫学
症状
- 胎盤内の血栓形成→胎盤機能不全。妊娠5-6か月に多い。明らかな基礎疾患のない習慣流産患者のうちの20%を占める。3回続けて流産した場合は疑われる。
- 1. 静脈血栓症:深部静脈血栓症(Budd-Chiari症候群、下肢、腎、網膜など)、肺塞栓症、腸間膜静脈血栓症
- 2. 動脈血栓症:脳血管障害(一過性脳虚血発作、脳梗塞)、末梢動脈閉塞、腸間膜動脈血栓症、心筋梗塞、網膜動脈血栓症
- 3. 習慣性流産:子宮内胎児死亡
- 4. 血小板減少症(出血傾向は来さないことが多い)
- 5. その他:網状皮斑(livedo),皮膚潰瘍、溶血性貧血、偏頭痛、舞踏病、てんかん、肺高血圧症など
REU.188
- SLE様症状(蝶形紅斑、DLE、光線過敏症など)もありうる
診断
診断基準 REU.190
- 臨床症状1椎上、検査基準1つ以上を満たしたとき、抗リン脂質抗体症候群と診断
- 1. 血栓症:動脈、静脈、小血管
- 2. 妊娠合併症
- a. 妊娠10週以降の胎児死亡
- b. 重症子癇前症、子癇、あるいは重症胎盤機能不全による34週以前の早産
- c. 3回以上続けての妊娠10週以前の自然流産
検査
- → 梅毒血清反応(STS):偽陽性
- 抗β2-GFI/カルジオリピン複合体抗体
- → リン脂質依存性の血液凝固反応の阻害(内因系) → APTT:延長。PT:正常
治療
- 動脈血栓症の再発予防・・・アスピリン少量内服が第一選択
- 静脈血栓症の再発予防・・・ワルファリン
予後
予防
[★]
- 同
- 希釈ラッセル蛇毒時間 diluted Russell's viper venom time dDVVT DRVVT
- 関
- ループスアンチコアグラント
[★]
- 英
- lupus anticoagulant、lupus coagulation inhibitor
- 関
- ループスアンチコアグラント
[★]
- 英
- core
- 関
- 核心、芯、母核、ヌクレオカプシド