- 英
- lysozyme
- 化
- 塩化リゾチーム リゾチーム塩酸塩 lysozyme hydrochloride
- 商
- アクディーム、エリチーム、エンリゾ、スカノーゼリン、ノイチーム、ミタチーム、ムコゾーム、リゾティア、リチーム、リフラップ、レフトーゼ
- 関
- ムラミダーゼ。
- 酵素製剤
- 14kDa/18-20kDa(LAB.491), 129 a.a.
- pIは7.4より大きい → 生理的条件で正に荷電 → 酸性色素のエオジンで赤く染まる
- 生体内では単球が有しており、単球が大量に崩壊する病態では末梢血リゾチーム濃度が上昇する;サルコイドーシス
局在
機能
- 抗細菌作用、ウイルス作用、白血球貪食脳の増強、好手様作用
解釈
血中リゾチーム上昇
尿中リゾチーム上昇
便中リゾチーム上昇
血中リゾチーム低下
参考
- http://www.srl.info/srlinfo/kensa_ref_CD/KENSA/SRL0430.htm
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/20 18:17:42」(JST)
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リゾチーム(Lysozyme,EC 3.2.1.17)とは、真正細菌の細胞壁を構成する多糖類を加水分解する酵素である。この作用があたかも細菌を溶かしているように見えることから溶菌酵素とも呼ばれる。ヒトの場合涙や鼻汁、母乳などに含まれている。工業的には卵白から抽出したリゾチームが食品や医薬品に応用されている。この酵素は1922年にアレクサンダー・フレミング(ペニシリンの発見でノーベル医学生理学賞を受賞した著明な細菌学者、Alexander Fleming)によって発見され、溶菌をあらわすlysisと、酵素をあらわすenzymeからLysozymeと命名された。
目次
- 1 性状
- 2 真正細菌に対する作用
- 3 利用
- 4 ダーゼン回収と効能の再評価指定
- 5 関連項目
性状[編集]
- 分子量:14,307
- 等電点:11.1~11.35
- 至適pH:5付近(溶菌法では7付近)
- 至適温度:50℃
- 一次構造
ニワトリ卵白リゾチームは129個(ヒトリゾチームは130個)のアミノ酸残基により構成される。酸性アミノ酸(Asp7、Glu2)に対して塩基性アミノ酸(Arg11、Lys6)の数が多いことと分子量の割にS-S結合が多いことが特徴である。
真正細菌に対する作用[編集]
グラム染色陽性の菌(以下グラム陽性菌)に作用し、グラム染色陰性の菌(以下グラム陰性菌)には作用しない。これはそれぞれの菌の構造の違いによるもの。グラム陽性菌の細胞壁はN-アセチルグルコサミンとN-アセチルムラミン酸とがβ-1,4結合した多糖類を主成分とするペプチドグリカン層により構成されていて、ここにリゾチームが作用する。一方グラム陰性菌は、この細胞壁の外側にさらにリポ多糖による外膜が形成されているため、リゾチームが作用されても細胞壁成分は完全に分解されない。しかし、硬いペプチドグリカン層が分解されるため、その形状は維持できなくなり、球状を呈する。
リゾチームによる溶菌作用を受けやすい菌としては枯草菌(Bacillus subtillis)、Micrococcus lysodeikticusなどが知られている。
利用[編集]
食品添加物としては日持ちを向上させるために用いられる。特にグリシンと併用したり有機酸によりpHを調整することで効果が高まることから、卵白リゾチーム-グリシン-有機酸を組み合わせた製剤の形で食品メーカー向けに流通している。
塩化リゾチーム(リゾチーム塩酸塩)は、グリコサミノグリカンを分解する作用があるとして日本でも医薬品として主に風邪薬、副鼻腔炎向けなどに広く用いられている。海外ではドイツ、フランスでは用いられるが、英国、米国では用いられない。特許の多くは日本が所有していた。
ダーゼン回収と効能の再評価指定[編集]
2011年2月、再評価試験でプラセボとの有意差が認められなかったため武田薬品工業は消炎酵素製剤ダーゼンの自主回収をはじめた。なお、ダーゼンの一般名はセラペプターゼ(英)で、米国ではサプリメントとして分類され一般に販売されている。 2011年12月、厚生労働省の医薬品再評価部会は経口消炎酵素製剤リゾチーム塩酸塩を再評価を受けるべき品目に指定。これを契機にリゾチーム製剤の見直しが始まり、各社の対応としては主に
- 再評価試験をあきらめ販売を中止
- 歯槽膿漏に関する効能は削除するが、その他については再評価試験を申請
とする選択が多いようである。なお、
- あすか製薬ではアクディームから一部の効能を削除と再評価試験を申請
- エーザイでもノイチームの一部の効能削除と再評価試験を申請。
- 佐藤製薬ではアセス錠剤内服タイプを販売中止。
- 東和薬品では塩化リゾチーム製剤の販売中止。
- 日本新薬ではレフトーゼから一部の効能を削除と再評価試験を申請。
としている。
関連項目[編集]
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- α-ラクトアルブミン,ラクトフェリンおよびリゾチームのハロペリドール様作用
- ナイシン、ε-ポリリジン、リゾチームの特徴と有効な使い方
- 卵白フィルムの物理化学的特性とリゾチーム活性について (特集号 メディカルポリマー)
Related Links
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- ノイチームとは?リゾチームの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
塩化リゾチーム錠「イワキ」10mg
組成
成分・含量(1錠中)
- 日本薬局方 リゾチーム塩酸塩(塩化リゾチーム)10mg(力価)
添加物
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 卵白アレルギーのある患者[本剤の成分は卵白由来の蛋白質で、卵白アレルギーを有する患者においてアナフィラキシー・ショックを含む過敏症状の報告がある。]
効能または効果
- 痰の切れが悪く、喀出回数の多い下記疾患の喀痰喀出困難
- 通常、成人は1日リゾチーム塩酸塩(塩化リゾチーム)として、60mg〜270mg(力価)を3回に分けて経口投与する。
- 本剤の体内での作用機序はなお解明されない点も多く、また、用量・効果の関係も必ずしも明らかにされていない。したがって漫然と投与すべきではない。
慎重投与
- アトピー性皮膚炎、気管支喘息、薬剤アレルギー、食物アレルギー等のアレルギー性素因のある患者[アレルギー性素因のある患者は薬剤を含む各種アレルゲンに対して感作を受けやすく、アナフィラキシー様反応を起こすおそれがある。]
- 両親兄弟等がアレルギー症状の既往歴のある患者[アレルギー性素因が遺伝し、アレルギー症状を起こすおそれがある。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、顔面蒼白、四肢冷感、血圧低下、チアノーゼ、意識喪失、潮紅、蕁麻疹、顔面浮腫、喉頭浮腫、呼吸困難等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
溶菌作用
- リゾチームは、細菌細胞壁のムコ多糖類であるN-アセチルグルコサミンとN-アセチルムラミン酸間のβ-1,4結合を加水分解して溶菌作用を現す。1)
膿粘液・喀痰分解作用
- ムコ多糖類分解作用により、鼻漏・喀痰などの膿性粘液性浸出液を分解・溶解し、その排泄を容易にする。2)3)
炎症時の組織修復作用
- 病巣部の壊死組織を清浄化し、肉芽性炎症時の自律的再生を促す。4)
抗生物質の抗菌作用の増強
- アンピシリン等抗生物質との併用により、抗生物質の効果を増強する。4)5)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- リゾチーム塩酸塩(塩化リゾチーム)
(Lysozyme Hydrochloride)
性状
- 本品は白色の結晶又は結晶性、若しくは無晶性の粉末である。
本品は水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。本品は吸湿性である。水溶液(3→200)のpHは3.0〜5.0である。
★リンクテーブル★
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [098H039]←[国試_098]→[098H041]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112F009]←[国試_112]→[112F011]
[★]
- 英
- fungus, (pl.)fungi
- 同
- かび、菌類 Mycota
- 関
- 微生物学、真菌症、抗真菌薬
細菌、真菌、藻類、原虫
- いずれも単細胞生物
- 細菌は核を持たないが、それ以外は核を持つ
- 細胞壁の多糖:細菌はペプチドグリカンなど。真菌はβグルカン、キチン。藻類はセルロース。原虫は細胞壁を持たない
- 栄養獲得様式:藻類は光合成独立栄養生性。
大きさ
細胞膜
細胞壁
線維状多糖
- 細胞壁の骨格となる
- キチンとβ-グルカンからなる。
- 特殊な多糖にキトサンがある
- グルコースのホモ重合体
- β(1→3)結合、β(1→6)結合
- 酵母では細胞壁成分にβ-1,3-グルカンが多い
糖タンパク質
形態による分類
- Coccidioides immitis
- Histoplasma capsulatum
- Sporothrix schenckii
- Candida albicans
培養と感染組織における形態
菌糸の構造
- 接合菌などの下等真菌にのみ見られる
菌糸の機能
-
生殖方式による分類
有性生殖と無性生殖
-
有性胞子形成
無性胞子形成
培養
種類
真菌の染色法(SMB.358)
- 細胞壁の多糖を染色:コットンブルー(cotton blue)、グラム染色(全ての真菌はグラム陽性)
- 真菌細胞壁多糖を特異的に染色:PAS染色、Grocottメテナミン銀染色、ファンギフローラY
参考
病原体としての真菌
[★]
- 英
- sarcoidosis
- 同
- サルコイド症、ベック病 Boeck disease、ベック類肉腫 Boeck sarcoid Boeck's sarcoid、ベニエー・ベック・シャウマン病 morbus Besnier-Boeck-Schaumann、血管類狼瘡 angio-lupoide
- 関
- 難病
概念
- 特定疾患治療研究事業の対象となっている難病である。
- 原因不明の全身性疾患
病因
- P. acnes?が抗原としてTh細胞に提示されるため?
- HLA-DRB1*1101 are assosiated with an increased risk for developing sarcoidosis (HIM.2136)
疫学
- 若年と中年に好発。
- 北に多く南に少ない。黒人に多い。HLAやサイトカイン遺伝子が関与か?
病型
病理
- 真皮および皮下組織に、結合組織に被包された類上皮細胞の特徴的な島嶼状結節性の肉芽腫がある。
- 皮膚では複数の類上皮細胞肉芽腫が主に真皮の上中層に生じる。ときに真皮深層、皮下組織、筋層に生じうる。
症候
- 無症状での検診発見例が大多数。微熱などの症状を出して来院することはまれ。
- 肺病変 :両側肺門リンパ節腫脹(bilateral hilar lymphadenopathy, BHL):胸部X線所見の割には無症状。
- 眼病変 :両眼性霧視(ぶどう膜炎、硝子体炎)
- 心病変 :心サルコイドーシス。心ブロック、不整脈、Adams-Stokes症候群
- 皮膚病変:2型ある。結節型、びまん浸潤型が多く、古い瘢痕(肘、膝)にサルコイド肉芽腫ができることがある。この肉芽腫を病理診断に使うと浸襲が少ない。
- 内分泌異常:高ACE活性、高カルシウム血症
- その他・・無痛性表在リンパ節腫大や心病変(まれだが本症の急死の原因)脳神経(致死的)
病変部位の頻度
- 肺(縦隔・肺門リンパ節,肺)95%以上
- 眼(ぶどう膜,網膜,硝子体)30-40%
- 皮膚5-10%
- 表在リンパ節腫脹のみられることがあり,時に心臓病変がみられる。
- YN I-112
- 初発症状:眼(眼前霧視)50%、呼吸器症状15%、皮膚症状5-10%、両側耳下腺腫脹、リンパ節腫脹
検査
- 生検:病理的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を証明する。経気管支的肺生検や前斜角筋生検が行われる。
- 画像検査
- 胸部単純X線写真:両側肺門部リンパ節腫脹(BHL)、びまん性陰影、結節影、空洞病変、網状影、浸潤影、小粒状影
- 分類(I~III型):(I型)BHL、(II型)BHL+肺野病変、(III型)肺野病変。I型が最多。
- 胸部CT:縦隔リンパ腺腫脹、血管・気管支周囲の肥厚・不整像、胸膜不整像
- ガリウムシンチグラム(67Ga):病変部に集積。
- テクネシウムシンチグラム(99mTc):病変部に欠損像
- タリウムシンチグラム(201Tl):灌流欠損像
- PET:高集積
- 気管支鏡検査:気管分岐部周囲や両主気管支に毛細血管の増生・拡張や腫大したリンパ節による圧排像を認めうる。気管支内にサルコイド結節(肉芽腫)を認めうる。
- 気管支肺胞洗浄
- 細胞数増加
- リンパ球増加
- CD4/CD8比:高値 (喫煙者でも上昇しうる) → 液性免疫優位。血清γグロブリン上昇はこのためか?
- 皮膚生検、皮下結節生検、表在リンパ節生検、前斜角筋リンパ節生検、肝生検、縦隔・肺門部リンパ節生検:非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の証明
診断
診断基準
- 参考1
- 組織診断群(確実) :1-(2)のいずれかの臨床・検査所見があり,1-(3)が陽性。
- 臨床診断群(ほぼ確実):1-(2)①,②のいずれかの臨床所見があり,1-(2)③の(a)(ツベリクリン反応)又は(c)(血清ACE)を含む3 項目以上陽性。
- (1) 臨床症状:呼吸器症状(咳・息切れ),眼症状(霧視),皮膚症状(丘疹)など。
- (2) 臨床所見・検査所見
-
- (a) 胸部X 線・CT 所見(両側肺門リンパ節腫脹,びまん性陰影,血管・胸膜の変化など)
- (b) 肺機能所見(%VC・DLco・PaO2 の低下)
- (c) 気管支鏡所見(粘膜下血管のnetwork formation,結節など)
- (d) 気管支肺胞洗浄液所見※1(総細胞数・リンパ球の増加,CD4/8 上昇)
- (e) 胸腔鏡所見(結節,肥厚,胸水など)
- (a) 眼病変(前部ぶどう膜炎,隅角結節,網膜血管周囲炎など) → 眼サルコイドーシス
- (b) 皮膚病変(結節,局面,びまん性浸潤,皮下結節,瘢痕浸潤)
- (c) 表在リンパ節病変(無痛性腫脹)
- (d) 心病変(伝導障害,期外収縮,心筋障害など) → 心サルコイドーシス
- (e) 唾液腺病変(耳下腺腫脹,角結膜乾燥,涙腺病変など)
- (f) 神経系病変(脳神経,中枢神経障害など)
- (g) 肝病変(黄疸,肝機能上昇,結節など)
- (h) 骨病変(手足短骨の骨梁脱落など)
- (i) 脾病変(腫脹など)
- (j) 筋病変(腫瘤,筋力低下,萎縮など)
- (k) 腎病変(持続性蛋白尿,高カルシウム血症,結石など)
- (l) 胃病変(胃壁肥厚,ポリープなど)
- (a) ツベルクリン反応陰性
- (b) γグロブリン上昇
- (c) 血清ACE 上昇
- (d) 血清リゾチーム上昇
- (e) 67Ga 集積像陽性(リンパ節,肺など)
- (f) 気管支肺胞洗浄液の総細胞数・リンパ球増加,CD4/8 上昇
- 類上皮細胞からなる乾酪性壊死を伴わない肉芽腫病変生検部位(リンパ節,経気管支肺生検,気管支壁,皮膚,肝,筋肉,心筋,結膜など)。クベイム反応も参考になる
治療
- stage0やⅠ(BHL)では経過観察
- stageⅡ(BHL+肺陰影)、Ⅲ(肺陰影のみ)、Ⅳ(肺繊維化)では
- 1ステロイド(8割) 2免疫抑制剤メソトレキセート・アザチオプリン(難治性2割に)
予後
- 70%は2年以内に自然寛解。5-10%は難治性に進行。
- 死因の60%は心サルコイドーシスであり、心病変(刺激伝導障害)をきたす。
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/266
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/043_s.pdf
- http://www.jssog.com/www/top/shindan/shindankijyun.html
[★]
- 英
- urine protein, urinary protein, protein in urine
- 同
- 尿中タンパク質、尿タンパク
- 関
- 蛋白尿、尿蛋白/クレアチニン比
尿蛋白の生化学
- 1/3は血清アルブミン
- 1/3はアルブミン以外の小分子蛋白質
- 1/3は尿細管上皮細胞中のタム-ホースフォール蛋白質(ムコ蛋白質)
基準値
24時間蓄尿
- 運動、体位、精神的ストレスによって変動しうる
- 20-120 mg/day (臨床検査法提要第32版 p.1806)
- <150 mg/day (HIM.A-11)
生理的な尿蛋白
- 起立性蛋白尿:体位による。糸球体濾過圧が高まる?
- 機能性蛋白尿:運動、発熱、ストレス
診断
- 24時間蓄尿:150 mg/日以上で異常。1 g/day以上で糸球体疾患疑い。 ネフローゼ症候群の診断基準は3.5g/day以上
- 随時尿:30 mg/dl以上で異常
尿蛋白量と診断の目安
- 内科診断リファレンス.350
尿蛋白
|
|
150mg/日未満
|
健常者の基準(15mg/dL 10dL)
|
300mg/日
|
糖尿病性腎症の顕性タンパク尿の定義
|
1000mg/日
|
起立性タンパク尿や熱性タンパク尿などの良性タンパク尿の上限 (血尿があるときは500mg/日のタンパク尿で腎疾患を考慮)
|
1500-3000mg/日
|
尿細管障害によるタンパク尿の限界で、これ以上は糸球体疾患と考える。
|
腎前性
腎性(腎実質性)
腎後性
- 下部尿路系の尿路結石
- 腎盂腫瘍
- 尿管腫瘍
- 膀胱腫瘍
尿蛋白による尿細管の障害
- 尿蛋白→尿細管での過剰吸収・蓄積→尿細管間質へのマクロファージ・T細胞の浸潤→(in vitroでは尿細管細胞をアルブミンと共存させるとMCP-1・炎症性サイトカイン(TNF, IL-1, LPS, 変性IgG)を分泌→間質炎症反応→間質線維化→腎瘢痕
臨床関連
異常値の出るメカニズム第5版 p.177改
検査
試験紙法
- 随時尿で施行可能。感度が低い。
- 強アルカリ性で偽陽性 ← アルカリ性で青変する試薬を使用
- X線造影剤で偽陽性はでない。
- Bence Jones蛋白に対しては偽陰性
24時間蓄尿
検査法の比較(QB E-134)
|
煮沸法
|
スルフォサリチル酸法
|
試験紙法
|
原理
|
蛋白質の熱変性による混濁 (特異性が高い)
|
蛋白と酢酸の不溶性塩による混濁
|
指示薬の蛋白誤差を利用
|
感度
|
5mg/dl
|
1.5-2mg/dl (鋭敏)
|
5-20 mg/dl
|
偽陽性
|
ヨード造影剤 トルブタミド ペニシリン系抗菌薬 セフェム系抗菌薬
|
リン酸塩を含むアルカリ性尿 第4級アンモニウム化合物 (防腐剤、洗浄剤)EDTAのことか?
|
偽陰性
|
リン酸塩を含むアルカリ性尿
|
低分子タンパク尿(BJP等)
|
試験紙法による蛋白尿の評価
- 参考1
- 尿蛋白:± = 15 mg/dL。1+ = 30 mg/dL。2+ = 100 mg/dL。3+ = 300mg/dL ← 赤字はメーカー間で差が少ないらしい。
- 1+では蛋白尿が存在すると考えて良い水準。
参考
- http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/CKDguide2009.pdf
[★]
- 英
- erythema nodosum EN
- 関
概念ツリー
疫学
病理
- 皮下脂肪隔壁への炎症細胞浸潤(septal panniculitis)がみられ、小葉は保たれる(小葉が冒されるのは硬結性紅斑)。通常は血管炎を伴わない。
- http://dermatology.cdlib.org/144/drugs/erythemanodosum/3.jpg
症状
- 下腿伸側を中心、左右対称性、境界不明瞭な淡紅色の紅斑
- 大きさは1-10cm
- わずかから盛り上がる硬結、熱覚、圧痛・自発痛、潰瘍は形成しない。
原因
NDE.307
- NDE.305
参考
- 1. [charged] 結節性紅斑 - uptodate [1]
- 2. 皮膚写真
- http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/bb/ENlegs.JPG/230px-ENlegs.JPG
- http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e0/A_single_EN.JPG/220px-A_single_EN.JPG
- http://medicalpicturesinfo.com/erythema-nodosum/
国試
[★]
- 英
- neutrophil (Z),neutrophile ,neutrophils
- 関
- 血液、血球、白血球
特徴
- マクロファージより貪食能が高い
- 非特異的感染防御に関与
- 寿命:1週間。(他の資料:1週間以内。血中で6-7時間,活性化時1-2日。)
- 好中球比率(対白血球):50-60%。文献によっては50-70%
- ケモカインによって走化能を示し、異物を貪食する
- 貪食→食胞形成→proteolysis (lysosome: 約30種類)
分化・成熟
骨髄芽球:顆粒なし
↓
前骨髄球:アズール顆粒出現
↓
骨髄球:好中球に特異な顆粒(ALP、リゾチーム)が出現
↓
後骨髄球:核が分葉。細胞分裂(-)
↓
桿状核球:末梢血中に現れる� ↓
↓
分葉核球:成熟細胞
顆粒
成長とリンパ球・好中球数
- PED.703
- リンパ球数は生後1ヶ月以降に増加して6ヶ月~1年でピークとなり、以降減少して成人と同程度となる。
- これに対して好中球は生下時にピークとなり、以降減少して成人と同程度となる。
- 生後一ヶ月までは好中球優位であり、1ヶ月~2-6歳まではリンパ球優位となり、以降好中球優位となる。
臨床関連
- 末梢血好中球数1500/μl以下 、特に500/μl以下 (定義:[2])
- 末梢血好中球数7500/μ以上
- 慢性肉芽腫症:NADPH酸化酵素の異常による好中球の活性酸素産生障害をきたす疾患。常染色体劣性遺伝。
- チェディアック・東症候群:細胞内輸送蛋白(CHS1)の調節の異常により巨大顆粒の形成、殺菌性蛋白・溶菌性酵素の食胞内放出が障害され、また好中球の遊走能が低下する疾患。常染色体劣性遺伝。
[★]
- 英
- lysozyme chloride
- 商
- アクディーム、ノイチーム、レフトーゼ、ムコゾーム、リフラップ
- 関
- リゾチーム