- 英
- sideroblastic anemia SA
- ラ
- anemia sideroblastica
- 同
- 鉄不応性貧血 sideroachrestic anemia
- 関
- 環状鉄芽球、貧血、続発性鉄芽球性貧血
概念
- ヘム合成障害による無効造血によって貧血を来す症候群
病因
検査
- (根拠無き解釈)骨髄では鉄が赤芽球に取り込まれてはアポトーシスに至り無効造血が続いており、鉄の需要はない。このため、末梢血中の鉄は使用されないため増加、また網内系の貯蔵鉄も使用されないまま蓄積するので血清フェリチンが増加する。総鉄結合能はトランスフェリンの全体量は変化せず不変。骨髄ではなんとか赤血球を作ろうと、過形成となっており、赤芽球が著明にみられる。
血液検査
- 血清鉄:増加
- 血清不飽和鉄結合能:減少 ← 要するに鉄で飽和してしまったと言うこと
- 血清フェリチン:増加
骨髄
- 環状鉄芽球:核周の1/3以上に鉄顆粒が配列。ミトコンドリアへの鉄の沈着。ミトコンドリアは核周囲に分布
WordNet
- Nazi militia created by Hitler in 1921 that helped him to power but was eclipsed by the SS after 1943 (同)Sturmabteilung, Storm Troops
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/01/06 22:07:19」(JST)
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鉄芽球性貧血(てつがきゅうせいひんけつ、sideroblastic anemia)とは、鉄が有っても使うことが出来ずに起こる貧血。
目次
- 1 概念
- 2 病態
- 3 分類
- 4 原因
- 5 症状
- 6 合併症
- 7 検査
- 8 診断
- 9 治療
- 10 予後
- 11 診療科
- 12 参考文献
- 13 関連項目
- 14 外部リンク
|
概念
骨髄異形成症候群の一種。FAB分類の「環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)」の事。
病態
赤芽球内のミトコンドリアにおいて、鉄を利用してヘモグロビンを合成をする過程に異常がある。
分類
原因
先天的なものと後天的なものがある。後天的な鉄芽球性貧血では、原発性のもの(骨髄異形成症候群など)と続発性のものがある。続発性鉄芽球性貧血の原因として、白血病、関節リウマチなどの基礎疾患によるものとクロラムフェニコール、鉛中毒、慢性アルコール中毒などの薬物性、中毒性のものがある。
症状
正常なヘモグロビンが出来ずに貧血に陥る。
合併症
鉄が利用できないため、ヘモジデローシスを引き起こす。軽度の黄疸も起こる。
検査
- 血液検査
- 血清生化学検査
- 血清鉄、貯蔵鉄(フェリチン)は利用されないため増加する。
- 総鉄結合能は変化しない。
- 不飽和鉄結合能は、利用されずに余っている血清鉄によってトランスフェリンが占領されるために、低下する。
- 鉄動態検査
- 血漿鉄消失時間は、赤血球不足に反応してホメオスタシスが全身の鉄不足だと勘違いした結果、血清鉄をどんどん骨髄に送るので、短縮する。
- 赤血球鉄利用率は、投与した鉄が利用されないために低下する。
- 末梢血塗沫染色標本検査
- 正球性と小球性の赤血球が混在している。正球性と小球性の赤血球が混在している事を二相性貧血と言う。
- 骨髄血塗沫染色標本検査
- 鉄染色を行うと、利用されないままの鉄がミトコンドリアに蓄積し、それが細胞核の周りを取り囲んでいる様子が輪に見える赤芽球が認められる。鉄の粒が核の周りを取り囲んでいる赤芽球を環状鉄芽球(ringed sideroblast)と言う。
診断
小球性低色素性貧血で血清フェリチンの増加とTIBCの減少があり、塗沫標本で環状鉄芽球が20%以上証明されれば鉄芽球性貧血と診断する。
治療
鉄を利用する過程に異常があるため、いくら鉄を摂取しても改善しない。むしろヘモジデローシスを助長させるため避けるべきである。同様の理由から輸血も最低限にとどめる。
アルコールなどの発症に関与するものの摂取を避け、ピリドキシンを投与する。ヘモジデローシスの治療にはデフェロキサミンを投与する。
予後
慢性に進行し、ピリドキシンに反応しない場合は難治性となる。長期にわたるとヘモジデローシスが進行し、それによる肝機能障害や心不全などの危険性が高まる。
診療科
血液内科
参考文献
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関連項目
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外部リンク
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- X染色体連鎖型鉄芽球性貧血モデルマウス (特集 貧血)
- 色素関係 δ-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS) (広範囲 血液・尿化学検査,免疫学的検査(第7版・1)その数値をどう読むか) -- (生化学的検査(1))
Related Links
- 鉄芽球性貧血は,一般的に骨髄異形成症候群の一部である鉄利用障害性貧血であり,高いRDW(赤血球分布幅)を伴う正球性-正色素性貧血または小球性-低色素性貧血を生じ,特に血清鉄,フェリチン,トランスフェリン飽和度の増加を ...
- 貧血の種類 赤血球の出来方が悪い場合 一次性貧血 再生不良性貧血(aplastic anemia) 赤芽球癆(pure cell apkasia) 鉄芽球性貧血(sidepblastic anemia) 骨髄異形成症状群(myelodysplastic syndrome)の ...
- 鉄芽球性貧血 (厚生労働省) イソニアジド、ピラジナミドなどのよく知られた古典的医薬品の報告は影をひそめ、ウィルソン病(Wilson 病)に二次選択薬として用いられる塩酸トリエンチンの報告が目を引く。投与対象疾患の希少性 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 49歳の女性。貧血を指摘され来院した。若いころから立ちくらみとめまいとを感じている。6人の同胞のうち姉と弟とが以前から貧血を指摘されている。脾を左肋骨弓下に3cm触知する。血液所見:赤血球443万、Hb8.7g/dl、Ht27%、網赤血球19‰、ヘモグロビンF6.6%(基準2以下)、ヘモグロビンA2 8.9%(基準1.2~3.5)、白血球4,600(桿状核好中球4%、分葉核好中球53%、単球1%、リンパ球42%)、血小板29万、総鉄結合能(TIBC)290μg/dl(基準290~390)、血清生化学所見:フェリチン95ng/ml(基準20~120)、Fe100μg/dl、末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F035]←[国試_100]→[100F037]
[★]
- 54歳の男性。半年前からの労作時の息切れを主訴に来院した。眼瞼結膜に貧血を認める。血液所見: 赤血球 130万、Hb 5.2g/dl、Ht 17%、網赤血球 1.2%
- 考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104G048]←[国試_104]→[104G050]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[★]
- 英
- ferritin
- 同
- 血清フェリチン ← 血液検査の時に用いる用語?
- 関
- アポフェリチン、血清フェリチン
概念
- フェリチンは、H鎖とL鎖からなるサブユニットからなるヘテロダイマーであり、これが組み合わさってアポフェリチンとなる。アポフェリチンは細胞内で鉄イオンと結合してフェリチンとなる。フェリチンは鉄を生体内に貯蔵し、鉄による組織障害を防ぐのに貢献している。細胞内のフェリチンはわずかに血中に漏れだしており、漏れ出た血清中のフェリチンは(血清フェリチン)は貯蔵鉄の量と相関するので臨床検査に用いられる。
体内分布
- 網内系:肝細胞、脾臓、骨髄 ← 多い
- その他:肺、心臓、骨、腸管など広く存在
解釈
- LAB.488
-
- 臨床検査データブック
減少
増加
臨床
- フェリチン低値(≦12ng/ml)のみで診断可能(感度59%,特異度99%)なので、フェリチン単体で提出されることがある(内科外来マニュアル.394)。
- フェリチンは女性で<10ng/ml, 男性で<20ng/mlであれば、鉄貯蔵欠乏と診断する特異度が高い(ワシントンマニュアル33.742)。
- フェリチンが100ng/ml以上では鉄欠乏の可能性は低いとされる(内科外来マニュアル.394)。
- 血清フェリチンが>200ng/ml以上では鉄欠乏性貧血は除外できる(ワシントンマニュアル33.742)。
- 腎透析や機能的鉄欠乏状態では500ng/mlまでの高値を示すことがある。
- 健常な成人では15ng/ml未満、小児では12ng/ml未満が絶対的な鉄欠乏を示唆。(臨床透析 vol.24 no.1 2008 p.38)
[★]
- 英
- reticulocyte
- 同
- 網赤血球
- 関
- 赤血球、血球、血液
正染性赤血球 -> 網状赤血球 -> 赤血球
概念
- 未成熟の赤血球であり、RNAを保有する (SP.488)
- 網状赤血球数
- 末梢血中を循環している赤血球のうち、その日に新しく末梢血に放出された幼弱赤血球
- 絶対数(/mm3)と比率(パーミル(‰))がある。
- 造血能がある場合、血中ヘマトクリットと網状赤芽球の寿命が反比例する (異常値の出るメカニズム第5版 p.85)
Hct値 平均寿命
45% 1日
35% 1.5日
25% 2日
15% 2.5日
基準値
- 血中に0.5-1.5%存在する (SP.488)
- 成人0.5-1%, 生後5日以内の新生児2.5-6.5% (異常値の出るメカニズム第5版 p.85)
- 6-20‰(パーミル) (QB)
- 正常値:赤血球の1-2%、約5万/ul
- 絶対数の基準値は1-10万/ul
臨床関連
-
-
-
- 全身的な疾患(肝疾患、腎疾患、感染症、膠原病など)
- (うまく分類できないけど)鉄欠乏貧血の治療初期 ← 鉄剤投与により数日後に網状赤血球が著増
- 絶対的増加
- 相対的増加:網状赤血球の比率のみ増加。エリスロポエチンによる骨髄への刺激が増加しても骨髄組織が十分に増加しなければ期待する網赤血球増加がみられない(OLM.86)。骨髄組織の要因として、骨髄組織が一部、異常病巣(悪性腫瘍、線維化など)に置換され、残った骨髄組織で代償している場合や、全身的要因として、薬剤、栄養障害、全身疾患により部分的に骨髄機能が抑制されている場合がある(OLM.86)。
-
- EPOの刺激に対して反応して赤血球の産生は亢進し、網状赤血球が相対的に増加するが、絶対数としては少ない。
[★]
- 英
- ineffective erythropoiesis
- 関
- [[]]
まとめ
- 骨髄内で造血が亢進しているものの、末梢に出現する前に細胞死が生じている病態であり、サラセミア、巨赤芽球性貧血、鉄芽球性貧血、骨髄異形成症候群などでみられる。検査上、細胞死に至った細胞からの鉄の漏出による血清鉄の上昇、これにともない不飽和鉄結合能の低下がみられる。
定義
- 血球前駆細胞が成熟血球に分化する過程で細胞死が生じている病態を指す。
- 骨髄所見と末梢血所見に乖離がみられ、骨髄中の細胞は十分に存在するが、末梢血では血球減少を示す
検査
無効造血を呈する疾患
- サラセミア:赤芽球系の細胞の内に異常ヘモグロビンが沈殿することによる?
- 巨赤芽球性貧血:全ての血球において、核酸合成が十分に行われず細胞質分裂が起こりにくくなっているため核が巨大化?
- 鉄芽球性貧血:ヘムの合成異常。原因は多様
[★]
- 英
- microcytic hypochromic anemia
- 同
- 低色素性小球性貧血???
- 関
- 貧血、小球性貧血
[show details]
検査値
貧血
- 原発性(先天性、獲得性)
- 二次性
- ピリドキシン反応性
鉄剤が無効な代表的な小球性低色素性貧血
[★]
- 英
- ringed sideroblast
- 関
- 鉄芽球性貧血
環状鉄芽球を呈する疾患
[★]
- 英
- acquired idiopathic sideroblastic anemia, AISA
- 関
- 鉄芽球性貧血
[★]
- 英
- hereditary sideroblastic anemia
[★]
- 英
- acquired sideroblastic anemia
[★]
- 英
- anemia
- 同
- 貧血症
- 関
- 慢性疾患による貧血 anemia of chronic disease ACD
定義(2007前期生理学プリント、WHOの貧血判定基準)
|
Hb(g/dl)
|
Ht(%)
|
男性
|
13
|
39
|
女性
|
12
|
36
|
高齢者・乳幼児・妊婦
|
11
|
33
|
ヘモグロビンと貧血症状
- 8 g/dl :急性貧血で症状が出る
- 7 g/dl :慢性貧血で症状が出る
- 5 g/dl :心雑音
- 3 g/dl :生命の危険
病因
臨床検査
- 一つの赤血球の平均の大きさが分かる
臨床検査に基づく分類
- 正球性貧血
- 小球性貧血
- 大球性貧血
- 低色素性貧血
- 正色素性貧血
貧血の鑑別 (文献不明)
スクリーニングによる貧血の鑑別 (OLM.80)
- Fe↓、UIBC↑、フェリチン↓:鉄欠乏性貧血、慢性出血、慢性体内溶血。体内での鉄の絶対量が不足
- Fe↓、UIBC↓、フェリチン↑:慢性感染症、慢性炎症。細網系では鉄が増加しているが(フェリチン↑)、末梢に鉄を放出できず(Fe↓)、トランスフェリンも減少している(UIBC↓)
身体所見
USMLE
貧血と低酸素血症
- 貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態であり、一方、低酸素血症は単位体積あたりの酸素分圧が低下してる状態である。PaO2低下すなわちSpO2の低下に相当すると考えてみよう。貧血ではヘモグロビン濃度は少なくても、その少ないヘモグロビンの各々は十分に酸素化されるため、SpO2は低下しない。ただし、ヘモグロビンの絶対量が少ないために、末梢組織に届ける酸素の量が少なくなるだけなのである。(cf. 101B071)
臨床
- MCVで検査項目を絞っていくが、病態が複雑な場合はMCVによる絞り込みが意味をなさないことがある。commonな貧血から除外していく。
- 1. 血算、網状赤血球、フェリチン、鉄、UIBC、葉酸、ビタミンB12
- 2. 銅、亜鉛
- 3. 赤沈、血液像
- 4. 抗核抗体、抗dsDNA抗体、ハプトグロビン、免疫電気泳動(血液)、蛋白分画、IgG,IgA,IgM、C3c、C4、CH50、エリスロポエチン
- 5. 抗SS-A抗体、抗Sm抗体、ループスアンチコアグラント、抗カルジオ抗体、抗CLGPI抗体、抗RNA抗体、PR3-ANCA、MPO-ANCA、直接クームス検査
- 6. リンパ球サブセット、PNH(CD55,CD59)
[★]
- 英
- sideroblast, sideroblasts
- 同
- 担鉄赤芽球、シデロブラスト
- 関
- 赤芽球
[show details]
担鉄赤芽球 : 23 件
担鉄芽球 : 3 件
鉄赤芽球 : 33 件
鉄芽球 : 約 9,180 件
- HIM. Figure e11-39
- Ringed sideroblast. An orthochromatic normoblast with a collar of blue granules (mitochondria encrusted with iron) surrounding the nucleus.
[★]
- 英
- blast cell, blast
- 関
- イモチ病、芽細胞、芽球細胞
骨髄芽球性白血病
[★]
- 英
- blood, (漢方)blood and body fluid energy
- 関
- 血液、血中
[★]
- 英
- sideroblastic
- 関
- 鉄芽球