- 16歳の男子。眼瞼の浮腫と全身倦怠感とを主訴に来院した。
- これまで健康診断で異常を指摘されたことはない。2週前に上気道炎に罹患し、4日前から急に眼瞼の浮腫と全身倦怠感とが出現した。血圧148/92mmHg。眼瞼と下腿とに浮腫を認めるほかに身体所見に異常はない。尿所見:蛋白3+、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1視野、赤血球円柱20~30/1視野を認める。
- 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、クレアチニン1.5mg/dl。免疫学所見:ASO 640単位(基準250以下)、抗核抗体陰性、C3 12mg/dl(基準55~112)、C4 5mg/dl(基準16~51)。腎生検組織のH-E染色標本と蛍光抗体法抗C3染色標本とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [096D035]←[国試_096]→[096D037]
★リンクテーブル★
[★]
- 32歳の女性。皮膚の出血斑を主訴に来院した。5か月前から誘因なく肩や膝に径2~3cmの皮下出血斑が出現するのに気付いた。2週前から歯磨きで血がにじんだり、入浴時に強くこすった部位に点状出血斑がでるようになった。常用薬はない。貧血、黄疸、リンパ節腫大および肝脾腫を認めない。血液所見:赤沈15mm/1時間、Hb10.5g/dl、白血球4,500、血小板2万、網赤血球15‰。プロトロンビン時間(PT)95%(基準80~120)、APTT33秒(基準対照32.2)、フィブリノゲン243mg/dl(基準200~400)、FDP10μg/ml以下(基準10以下)。血清生化学所見に異常はない。免疫学所見:CRP陰性、抗核抗体陰性、直接Coombs試験陰性。骨髄穿刺所見:有核細胞数は正常。巨核球は増加しているが異型細胞を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [096D034]←[国試_096]→[096D036]
[★]
- 28歳の女性。高熱と筋肉痛とを主訴に来院した。25歳時に流産の既往がある。3日前に海水浴に行き、翌日から38.6℃の発熱、下腿浮腫および両頬部を中心とする紅斑が出現した。近医で過度の日焼けと診断され外用療法を受けたが軽快せず、筋肉痛と両側腋窩リンパ節腫脹とが出現した。
- 予想される検査所見はどれか。
- (1) 尿蛋白陽性
- (2) 赤沈亢進
- (3) 好中球増加
- (4) ASO陽性
- (5) 補体価低下
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096D036]←[国試_096]→[096D038]
[★]
- 英
- acute glomerulonephritis、AGN
- 同
- 急性腎炎 acute nephritis
- 関
- 管内増殖性糸球体腎炎、急性腎炎症候群 acute nephritic syndrome
概念
- 急性腎炎症候群を示す代表的疾患
- 先行感染後、いくらかの潜伏期を経たあとに発症し、急性腎炎症候群の症状を呈する(血尿、蛋白尿、GFR低下、浮腫、高血圧など)
- A群β溶血性連鎖球菌が先行感染の場合、潜伏期は10日(1-2)
- 免疫複合体を形成するタイムラグである。
疫学
- 3-10歳に好発。男児に多い(男女=2:1)。高齢者でもありうる
病因
- A群β溶連菌(12型)が一番多い。
病理
- びまん性増殖性腎炎:C3, IgGの沈着、Hump形成
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症状
検査
- 溶連菌の場合、ASO, ASKの上昇。
- 補体価:一過性低下 → 持続するときは膜性増殖性糸球体腎炎 or ループス腎炎
症例
096D036