リシノプリル
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
*ロンゲリール錠5mg
1錠中リシノプリル水和物5.45mg(リシノプリルとして5mg)を含有する。
添加物としてD-マンニトール,リン酸水素カルシウム,アルファー化デンプン,ヒドロキシプロピルセルロース,カルメロースカルシウム,タルク,ステアリン酸マグネシウムを含有する。
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫,遺伝性血管浮腫,後天性血管浮腫,特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]
- デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある。(「相互作用」の項参照)]
- アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシー様症状を発現することがある。(「相互作用」の項参照)]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 高血圧症
- 下記の状態で,ジギタリス製剤,利尿剤等の基礎治療剤を投与しても十分な効果が認められない場合
- 慢性心不全(軽症〜中等症)
高血圧症
- 通常,成人にはリシノプリルとして10〜20mgを1日1回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
ただし,重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では5mgから投与を開始することが望ましい。
慢性心不全(軽症〜中等症)
- 本剤はジギタリス製剤,利尿剤等の基礎治療剤と併用すること。
通常,成人にはリシノプリルとして5〜10mgを1日1回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
ただし,腎障害を伴う患者では初回用量として2.5mgから投与を開始することが望ましい。
- クレアチニンクリアランスが30mL/分以下,又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある患者では,投与量を半量にするか,もしくは投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。[排泄の遅延による過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。(「慎重投与」の項参照)]
慎重投与
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 高カリウム血症の患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 重篤な腎機能障害のある患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
- 脳血管障害のある患者[過度の血圧低下により病態を悪化させるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
血管浮腫(頻度不明)
- 呼吸困難を伴う顔面,舌,声門,喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投与を中止し,アドレナリン注射,気道確保等適切な処置を行うこと。
腹痛,嘔気,嘔吐,下痢等を伴う腸管の血管浮腫があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
急性腎不全(頻度不明)
- 急性腎不全があらわれることがある。このような異常があらわれた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
高カリウム血症(頻度不明)
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと。
膵炎(頻度不明)
- 膵炎があらわれることがある。このような異常があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),天疱瘡様症状(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),天疱瘡様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
溶血性貧血,血小板減少(頻度不明)
- 溶血性貧血,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸(頻度不明)
- AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,ごくまれに肝不全に至った症例が報告されている。
*抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
- 低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- リシノプリルはアンジオテンシン変換酵素を阻害することにより,アンジオテンシンIIの産生を抑制する。アンジオテンシンIIは強力な血管収縮作用とアルドステロン分泌促進により血圧を上昇させる生体内物質であるから,これの産生を抑制することにより血圧を低下させる。なお,アンジオテンシン変換酵素はブラジキニンの分解酵素キニナーゼIIと同一の酵素であるので,本薬はブラジキニンの分解を抑制する。従って,ブラジキニンの血管拡張作用も本薬の降圧に関与すると共に,副作用である咳嗽にも関与すると考えられている。心不全に対する効果も認められるが,これは後負荷の軽減と共に,心不全に伴う心筋のリモデリングを抑制して心肥大の発現と進展を改善することも示唆されている。7)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- リシノプリル水和物(Lisinopril Hydrate)
化学名
- (2S)-1-{(2S)-6-Amino-2-[(1S)-1-carboxy-3-phenylpropylamino]hexanoyl}pyrrolidine-2-carboxylic acid dihydrate
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末で,わずかに特異なにおいがある。
水にやや溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 降圧薬
商品
[★]
- 英
- dibasic calcium phosphate、calcium hydrogen phosphate
- 化
- アスラーン、アムロジピン、アムロジピンOD、アリーゼS配合、アリチア配合、エバスチンOD、ガスペラジン、ガスポート、ガスメット、ガスリック、クエチアピン、サニアーゼ配合、スルカイン配合、セルニルトン、ソファルコン、デプロメール、トラベルミン配合、トリプタノール、パロキセチン、ファモチジン、フェニルアラニン除去ミルク配合、フスコデ配合、フルボキサミンマレイン酸塩、プロモーション、ミルナシプラン塩酸塩、リシノプリル、リン酸水素カルシウム水和物、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合、ロンゲス、ロンゲリール、第二リン灰
- 関
- 無水リン酸水素カルシウム
[★]
- 英
- lisinopril
- 商
- アスラーン、ゼストリル、リシトリル、ロコプール、ロンゲス、ロンゲリール