- 英
- amlodipine
- 化
- ベシル酸アムロジピン amlodipine besilate
- 商
- アムロジン、ノルバスク、ザクラス配合(アジルサルタン、アムロジピン)
- 関
- カルシウム拮抗薬、薬理学
- 血管拡張剤
剤形
- アムロジン:2.5mg,5mg,10mg 錠/OD錠
作用機序
- ノルバスク
- 細胞膜の膜電位依存性カルシウムチャンネルに特異的に結合し、細胞内へのカルシウムの流入を減少させることにより、冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。
- カルシウム拮抗作用の発現は緩徐であり、持続的である。
- また、心抑制作用は弱く、血管選択性が認められている。
適応
添付文書
- ノルバスク錠2.5mg/ノルバスク錠5mg/ *ノルバスク錠10mg/ノルバスクOD錠2.5mg/ノルバスクOD錠5mg/ *ノルバスクOD錠10mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2171022F1029_2_03/2171022F1029_2_03?view=body
参考
- TRAD10 Trial for Administration Method of Amlodipine 10mg
- アムロジピンの降圧効果は服用のタイミングに関わらず 24 時間持続する 石光 俊彦氏 獨協医科大学循環器内科
- http://therres.jp/1conferences/2011/JSH2011/20111107122224.php
<anyweb>Trial for Administration Method of Amlodipine 10mg.mht</anyweb>
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/10 22:10:13」(JST)
[Wiki ja表示]
1 : 1 mixture (racemate)
|
IUPAC命名法による物質名 |
(RS)-3-ethyl 5-methyl 2-[(2-aminoethoxy)methyl]-4-(2-chlorophenyl)-6-methyl-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
経口投与 (錠剤) |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
64 to 90% |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
30 ~ 50 時間 |
排泄 |
腎臓(尿中) |
識別 |
CAS番号 |
88150-42-9 |
ATCコード |
C08CA01 |
PubChem |
CID 2162 |
DrugBank |
APRD00520 |
ChemSpider |
2077 |
KEGG |
D07450 |
化学的データ |
化学式 |
C20H25ClN2O5 |
分子量 |
408.879 g/mol |
SMILES
- Clc1ccccc1C2C(=C(/N/C(=C2/C(=O)OCC)COCCN)C)\C(=O)OC
|
アムロジピンは、長時間作用型ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル拮抗薬のひとつである。
世界中で高血圧治療薬および狭心症治療薬として用いられている。 他のカルシウム拮抗薬同様に、動脈血管の平滑筋の収縮に必要なCaイオンの流入を抑制し末梢血管(動脈)を拡張させる。 末梢血管抵抗の低下により血圧を下げ、また心臓に血液を送る冠動脈を拡張させ心筋への血流を増加させることにより多くのカルシウムチャネル拮抗薬同様に狭心症発作に有効である[1]。
なお、ジルチアゼムやベラパミルなどの非ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル拮抗薬と異なり、心拍数低下作用や房室結節での伝導抑制作用はなく、心房細動やPSVT(発作性上室性頻拍)などの頻脈性不整脈には無効である。
多くの高血圧患者にアムロジピンが使用されている理由として、
① 従来のジヒドロピリジン系カルシウムチャネル拮抗薬と異なり顔面紅潮(顔が赤くみえる)や頭痛、頻脈(心拍数の上昇)などの副作用が少ないこと
② 半減期(消化管から吸収後の肝臓での代謝に要する時間)が長く、効果も確かであり1日1回投与で効果が持続すること
③ 他の薬剤に劣るとの報告もあるが、多くの大規模な臨床試験が実施されており、臨床使用時のエビデンスが豊富であることなど があげられる。
目次
- 1 適応
- 2 副作用
- 3 商品名
- 4 エビデンス
- 5 脚注
適応
- なお、冠攣縮性狭心症に有効性がないわけではないが、有効血中濃度に達するまでに1週間程度かかり、その間の狭心症は発作(胸痛)に対する効果は弱く、異型狭心症に対する効能もないことから、専門医は他のカルシウムチャネル拮抗薬であるヘルベッサー®R(持続製剤), アダラート®CR(持続製剤), コニール®などを推奨している[2]。
副作用
肝機能異常や薬疹など一般的にみられる副作用のほかに、アムロジピンなどのジヒドロピリジン系カルシウムチャネル拮抗薬特有のものとしては、血管拡張に伴う頭痛、顔面潮紅(顔面の血管拡張に伴い顔が赤みがかって見える)、下肢の浮腫や歯肉肥厚などがある[1]。 ※ 頭痛などは2週間程度で自然と治まることが多い。
商品名
- アムロジン®(大日本住友製薬)[3]
- ノルバスク®(ファイザー)[1]
- 日本での後発品名はすべて「アムロジピン」+「発売会社名」である[4]。
エビデンス
WHOが高血圧のエッセンシャルドラッグに選定されているが、これは臨床試験等によるエビデンス(ALLHAT試験など)があるためである。
- ALLHAT研究は、アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)という公的機関による大規模な無作為臨床試験であり、これによりアムロジピンと利尿薬クロルタリドン、ACE阻害薬リシノプリル、α遮断薬が比較された。α遮断薬ドキサゾジンは、心不全や冠動脈血行再建術、狭心症の増加により実験早期から他薬に劣っており、倫理的問題があるということで、試験から脱落した。[5]
- アムロジピンは、クロルタリドン(利尿薬)、リシノプリル(ACE阻害薬)間には、主要評価項目(冠動脈疾患や心筋梗塞の発生予防)で差がみられなかった。[6]
脚注
- ^ a b c d e 『医薬品インタビューフォーム:ノルバスク錠2.5mg,5mg,OD錠2.5mg,OD錠5mg』 ファイザー、2009年10月、改訂第10版。2009年12月30日閲覧。
- ^ 『冠攣縮性狭心症の診断と治療』。
- ^ 『医薬品インタビューフォーム:アムロジン錠2.5mg,5mg,OD錠2.5mg,OD錠5mg』(PDF) 大日本住友製薬、2009年12月、改訂第10版。2009年12月30日閲覧。
- ^ 『医薬品医療機器総合機構』。
- ^ 『大日本住友製薬 学術情報』。
- ^ 『ノバルティスファーマ エビデンス』。
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 症例報告 オルメサルタン,アムロジピン過量投与の1例
- レニン・アンジオテンシンの新展開(第6回)日本人高血圧患者を対象としたバルサルタンとアムロジピンのランダム化比較試験-VART
Related Links
- ノルバスク,アムロジンとは?アムロジピンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も 調べられる(おくすり110番:薬事典版)
- アムロジピンは、長時間作用型カルシウムチャネル拮抗薬のひとつである。 ( ジヒドロピリジン系)高血圧治療薬および狭心症治療薬として用いられる。他の カルシウム拮抗薬同様に、動脈の平滑筋を弛緩させる。末梢血管抵抗の低下により血圧を 下げ、冠動脈を ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アムロジピンOD錠2.5mg「TCK」
組成
有効成分の名称
含量
- 1錠中アムロジピンベシル酸塩3.47mg(アムロジピンとして2.5mg)
添加物
- D-マンニトール、結晶セルロース、クロスポビドン、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、l-メントール、ステアリン酸Mg、黄色5号
禁忌
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- ジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 本剤は効果発現が緩徐であるため、緊急な治療を要する不安定狭心症には効果が期待できない。
○高血圧症
- 通常、成人にはアムロジピンとして2.5〜5mgを1日1回経口投与する。
なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。
○狭心症
- 通常、成人にはアムロジピンとして5mgを1日1回経口投与する。
なお、症状に応じ適宜増減する。
- 本剤は口腔内で崩壊するが、口腔粘膜から吸収されることはないため、唾液又は水で飲み込むこと。(「適用上の注意」の項参照)
慎重投与
- 過度に血圧の低い患者[さらに血圧が低下するおそれがある。]
- 肝機能障害のある患者[本剤は主として肝臓で代謝されるため、血中濃度半減期の延長及び血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。高用量(10mg)において副作用の発現率が高まる可能性があるので、増量時には慎重に投与すること。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 重篤な腎機能障害のある患者[一般的に腎機能障害のある患者では、降圧に伴い腎機能が低下することがある。]
重大な副作用
肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少、白血球減少(いずれも頻度不明)
- 血小板減少又は白血球減少があらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
房室ブロック(頻度不明)
- 房室ブロック(初期症状:徐脈、めまい等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬としての作用を示すが、作用の発現が緩徐で持続的であるという特徴を有する。ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬は膜電位依存性L型カルシウムチャネルに特異的に結合し、細胞内へのカルシウムの流入を減少させることにより、冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(ベラパミルやジルチアゼム)と比較すると、血管選択性が高く、心収縮力や心拍数に対する抑制作用は弱い。2)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- アムロジピンベシル酸塩(Amlodipine Besilate)
化学名
- 3-Ethyl 5-methyl (4RS )-2-[(2-aminoethoxy) methyl]-4-(2-chlorophenyl)-6-methyl-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate monobenzenesulfonate
分子式
分子量
融点
性状
- 白色〜帯黄白色の結晶性の粉末である。
メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水に溶けにくい。
メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- angiotensin receptor blocker, ARB, angiotensin II type 1 receptor blocker
- 同
- アンジオテンシン受容体拮抗薬
- 関
- 降圧薬
概念
- PHD.408
- アンジオテンシンIIの受容体はAT1とAT2がある。アンジオテンシンIIの生理作用としては血管収縮、アルドステロンの分泌、腎臓におけるNa+再吸収促進、交感神経系の刺激などがある。これらの作用はAT1受容体を介している(AT2受容体は胎児期の発生の際には豊富にあり、成人の一部臓器にも分布しているが、生理機能は不明)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はこのAT1受容体に競合的に結合して降圧をはかる薬剤である。血液中のアンジオテンシンIは循環血液中のACE以外の酵素によってアンジオテンシンIIに転換されうるので、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の方がアンジオテンシン転換酵素阻害薬よりRAA系をより阻害するとされている。
1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
配合錠
CaB
妊婦に禁忌である理由
- コディオ配合錠MD添付文書より引用
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれた。
比較
- http://koccr.ame-zaiku.com/dousyudoukouyaku40.htmlより改変
半減期比較
[★]
- 英
- vasodilator、vasodilatator
- 関
- 血管拡張薬
商品
[★]
- 英
- calcium antagonist
- 同
- カルシウムチャネル遮断薬 calcium channel blocker CCB calcium channel blockers CCBs, Ca2+ channel blocker、カルシウムチャネル拮抗薬、カルシウムチャネル阻害薬、カルシウムチャネルブロッカー
- カルシウムブロッカー, calcium blocker, Ca blocker、カルシウム拮抗薬、カルシウム阻害薬、Ca拮抗薬
- 関
- 薬理学、カルシウムチャネル
概念
- 細胞膜の膜電位依存性Caチャネルに特異的に結合し、細胞内へのカルシウムの流入を減少させる作用を有する薬物の総称。
適応
分類
- ベラパミル verapamil 心臓
- ジルチアゼム diltiazem 心臓 血管
- ニフェジピン nifedipine 血管
- 徐放化的製剤 ・・・剤形が変わる
- 組織特異性・長時間作用
-
- アムロジピン amlodipine
副作用
- YN.C-64他
- 1. 末梢血管拡張作用による頭痛、顔面紅潮、めまい
- 2. 不整脈
- ジルチアゼム、ベラパミル → 洞性徐脈、房室伝導障害
- ニフェジピン → 反射性頻脈
- 3. 下腿浮腫 ← 細静脈拡張せずに細動脈が拡張するため
- 4. 歯肉肥厚
禁忌
- 動物実験にて催奇形性がある→妊婦への使用は禁忌→胎児の形成が終わればO.K.
[★]
- 英
- dibasic calcium phosphate、calcium hydrogen phosphate
- 化
- アスラーン、アムロジピン、アムロジピンOD、アリーゼS配合、アリチア配合、エバスチンOD、ガスペラジン、ガスポート、ガスメット、ガスリック、クエチアピン、サニアーゼ配合、スルカイン配合、セルニルトン、ソファルコン、デプロメール、トラベルミン配合、トリプタノール、パロキセチン、ファモチジン、フェニルアラニン除去ミルク配合、フスコデ配合、フルボキサミンマレイン酸塩、プロモーション、ミルナシプラン塩酸塩、リシノプリル、リン酸水素カルシウム水和物、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合、ロンゲス、ロンゲリール、第二リン灰
- 関
- 無水リン酸水素カルシウム
[★]
- 英
- valsartan
- 商
- ディオバン(ノバルティスファーマ)。(配合錠)(アムロジピン)エックスフォージ(ノバルティスファーマ) 、(ヒドロクロロチアジド)コディオ(ノバルティスファーマ)。アテディオ配合
- 関
- 降圧薬、選択的AT1受容体ブロッカー
参考
- ディオバン錠20mg/ディオバン錠40mg/ディオバン錠80mg/ディオバン錠160mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2149041F1020_2_08/2149041F1020_2_08?view=body