ニカルジピン
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Japanese Journal
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- ニカルジピン(ペルジピン)長期使用時の降圧効果と血清脂質や糖代謝に及ぼす影響
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ペルジピン注射液2mg
組成
有効成分(1管中)
添加物(1管中)
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 急性心不全において、高度な大動脈弁狭窄・僧帽弁狭窄、肥大型閉塞性心筋症、低血圧(収縮期血圧90mmHg未満)、心原性ショックのある患者[心拍出量及び血圧が更に低下する可能性がある。]
- 急性心不全において、発症直後で病態が安定していない重篤な急性心筋梗塞患者[広範囲、3枝病変による梗塞等の重篤な急性心筋梗塞患者では血行動態の急激な変化を生じることがあり、更に病態が悪化するおそれがある。]
効能または効果
手術時の異常高血圧の救急処置
- 本剤は、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、ニカルジピン塩酸塩として0.01〜0.02%(1mL当たり0.1〜0.2mg)溶液を点滴静注する。この場合1分間に、体重1kg当たり2〜10μgの点滴速度で投与を開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。なお、急速に血圧を下げる必要がある場合には、本剤をそのまま体重1kg当たりニカルジピン塩酸塩として10〜30μgを静脈内投与する。
- 点滴静注時の薬剤の調製法の例示
点滴静注する場合の本剤の0.01〜0.02%溶液は、下表の例示を参考に本剤と配合可能な輸液に本剤の必要量を加えて調製する。
高血圧性緊急症
- 本剤は、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、ニカルジピン塩酸塩として0.01〜0.02%(1mL当たり0.1〜0.2mg)溶液を点滴静注する。この場合1分間に、体重1kg当たり0.5〜6μgの点滴速度で投与する。なお、投与に際しては1分間に、体重1kg当たり0.5μgより開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
- 高血圧性緊急症においては、本剤投与により目的の血圧が得られた後、引き続いて降圧治療が必要で経口投与が可能な場合には、経口投与に切り替えること。
- 高血圧性緊急症において、本剤投与終了後に血圧が再上昇することがあるので、本剤の投与を終了する際には徐々に減量し、投与終了後も血圧を十分に管理すること。なお、経口投与に切り替えた後にも血圧の再上昇等に留意すること。
- 点滴静注時の薬剤の調製法の例示
点滴静注する場合の本剤の0.01〜0.02%溶液は、下表の例示を参考に本剤と配合可能な輸液に本剤の必要量を加えて調製する。
急性心不全(慢性心不全の急性増悪を含む)
- 本剤は、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、ニカルジピン塩酸塩として0.01〜0.02%(1mL当たり0.1〜0.2mg)溶液を点滴静注する。この場合1分間に、体重1kg当たり1μgの点滴速度で投与する。なお、患者の病態に応じて1分間に、体重1kg当たり0.5〜2μgの範囲で点滴速度を調節する。
- 急性心不全において、本剤の投与によっても、期待された改善がみられない場合には投与を中止し、他の治療法(利尿薬、陽性変力作用をもついわゆる強心薬、血管拡張薬等の静脈内投与又は機械的補助循環等)に切り替えるなど必要な措置を講じること。
- 点滴静注時の薬剤の調製法の例示
点滴静注する場合の本剤の0.01〜0.02%溶液は、下表の例示を参考に本剤と配合可能な輸液に本剤の必要量を加えて調製する。
慎重投与
- 脳出血急性期の患者[出血を促進させる可能性があるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。]
- 脳卒中急性期で頭蓋内圧が亢進している患者[頭蓋内圧を高めるおそれがあるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。]
- 肝・腎機能障害のある患者[本剤は肝臓で代謝される。また一般に重篤な腎機能障害のある患者では、急激な降圧に伴い腎機能低下を来す可能性がある。]
- 大動脈弁狭窄症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 急性心不全において、重篤な不整脈のある患者[一般にこのような患者では、不整脈を慎重に管理しながら治療する必要がある。]
- 急性心不全において、血圧が低い患者[更なる血圧低下を来す可能性がある。(「重要な基本的注意」の項参照)]
重大な副作用
麻痺性イレウス(頻度不明)
- 麻痺性イレウスがあらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
低酸素血症(0.1〜5%未満)
- 低酸素血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肺水腫、呼吸困難(各0.1%未満)
- 肺水腫、呼吸困難があらわれることがあるので、これらの症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
狭心痛(頻度不明)
- 外国において本注射剤で治療した冠動脈疾患患者の1%未満に狭心痛の発現あるいは悪化が認められたとの報告がある。このような症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少(0.1%未満)
- 血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害(0.1〜5%未満)、黄疸(頻度不明)
- AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
血圧降下作用
血圧降下作用
- 麻酔イヌにおいて、用量依存的な血圧降下作用を示し、その用量作用曲線の傾きは穏やかであった。このことより、血圧管理において過度の血圧低下を起こしにくく、調節性に優れることが示唆される31)。
無麻酔イヌにおいても、刺激伝導系を抑制することなく用量依存的な血圧降下作用を示した32)。
異常高血圧抑制作用
- 麻酔イヌにおいて、麻酔時の偶発的な異常高血圧の発症の原因として考えられている内因性昇圧物質(ノルアドレナリン、アンジオテンシンII)による血圧上昇を用量依存的に抑制した31)。
昇圧物質(アンジオテンシンII)の持続投与により誘発した高血圧状態の無麻酔イヌにおいて、刺激伝導系に影響を及ぼすことなく、用量依存的に血圧を下降させた32)。
心血管系に対する作用
心血行動態
- 麻酔イヌにおいて、強力な冠拡張作用を有し、冠血流量を増加させるとともに末梢血管抵抗を低下させ、後負荷を軽減することにより心筋酸素消費量を低下させる33)。
各種麻酔状態での心血管系に対する作用34)35)
- ペントバルビタール、GOF及びNLAのいずれかで麻酔したイヌ、サルにおいてもほぼ同等の降圧作用を示した。血圧を約30%低下させる用量では、ペントバルビタール麻酔、NLA麻酔下で、反射性の心拍数及び心収縮性の軽度の増加を起こしたが、GOF麻酔ではこれらに対し無影響であった。一方、血圧を50%以上低下させる高用量では、いずれの麻酔法においても、心収縮性の低下及び房室伝導の延長を起こした。
抗心不全作用
抗心不全作用
- 冠動脈結紮により誘発した麻酔イヌ虚血性急性心不全モデル及び冠動脈結紮に加えアンジオテンシンIIの投与により誘発した麻酔イヌ急性心不全モデルにおいて、心収縮力を低下させることなく心拍出量及び一回拍出量を用量依存的に増加させ、後負荷軽減作用を発現することにより急性心不全状態を改善した36)。
急性心不全患者において、心拍数に影響を及ぼすことなく、心係数の増加、全末梢血管抵抗の減少、肺動脈楔入圧の下降が認められた28)。
心筋代謝に対する作用
- 冠動脈結紮により誘発した麻酔イヌ虚血性急性心不全モデルにおいて抗心不全作用を発現するとともに冠動静脈間の酸素較差、二酸化炭素較差、pH較差及び心筋酸素消費量を減少させた。このとき、心筋乳酸摂取率に影響を与えなかった37)。
臓器循環及び血液ガス
- 麻酔ネコにおいて血圧を下降させると同時に、心拍出量を増加させ、脳、心臓をはじめとする各種臓器の血流量を増加させた38)。
麻酔下のヒト及びイヌ39)において、血液ガス(Po2、Pco2、pH)にはほとんど変化を及ぼさなかった。
利尿作用
- 覚醒時並びに麻酔時のヒトにおいて、腎血流量及び糸球体濾過値を増加させ、尿量の増加を認めた40)。
作用機序
- ニカルジピン塩酸塩は、血管平滑筋細胞中へのCa2+の取り込みを抑制することにより、血管拡張作用を発揮する41)。ニカルジピン塩酸塩は、血管平滑筋において心筋の30,000倍強いカルシウム拮抗作用を示し、血管選択性は他のカルシウム拮抗薬(ニフェジピン、べラパミル、ジルチアゼム)より高かった42)。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
融点
性状
- ニカルジピン塩酸塩はわずかに緑みを帯びた黄色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水、アセトニトリル又は無水酢酸に溶けにくい。本品のメタノール溶液(1→20)は旋光性を示さない。光によって徐々に変化する。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 降圧薬
商品
[★]
- 英
- nicardipine
- 化
- ニカルジピン塩酸塩 塩酸ニカルジピン nicardipine hydrochloride
- 商
- アポジピン、イセジピール、コポネント、サリペックス、ツルセピン、ニカジルスL、ニカルジレート、ニカルピン、ニコデール、ニスタジール、ペルジピン、ラジストミン
- 関
- カルシウム拮抗薬
- 血圧降下剤
分類