バルサルタン、ヒドロクロロチアジド
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- ノバルティスファーマの医療用高血圧症治療薬コディオ配合錠をご利用になられている患者さんと医療関係者のためのサイトです。ディオバン錠ご使用の患者さんはコディオ配合錠について、病気についてをお読み下さい。
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
コディオ配合錠MD
組成
成分・含量
- 1錠中バルサルタン(日局)80mg及びヒドロクロロチアジド(日局)6.25mgを含有する。
添加物
- ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース、無水ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、三二酸化鉄
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 無尿の患者又は透析患者〔本剤の効果が期待できない。〕
- 急性腎不全の患者〔腎機能を更に悪化させるおそれがある。〕
- 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者〔低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。〕
- アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。〕(「重要な基本的注意」5.の項参照)
効能または効果
高血圧症
- 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
- 成人には1日1回1錠(バルサルタン/ヒドロクロロチアジドとして80mg/6.25mg又は80mg/12.5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
- 原則として、バルサルタン80mgで効果不十分な場合に本剤の使用を検討すること。
慎重投与
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」2.の項参照)
- 重篤な腎機能障害のある患者(「重要な基本的注意」3.の項参照)
- 血清カリウム値異常の患者(「重要な基本的注意」7.及び8.の項参照)
- 肝障害のある患者、特に胆汁性肝硬変及び胆汁うっ滞のある患者〔バルサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、これらの患者では血中濃度が上昇するおそれがある。外国において、軽度〜中等度の肝障害患者でバルサルタンの血漿中濃度が、健康成人と比較して約2倍に上昇することが報告されている。また、ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を誘発するおそれがある。〕
- 脳血管障害のある患者〔過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。〕
- 減塩療法中の患者〔低ナトリウム血症を起こすおそれがある。〕
- 重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者〔急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。〕
- 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者及び高尿酸血症のある患者〔高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある。〕
- 下痢、嘔吐のある患者〔電解質失調があらわれるおそれがある。〕
- 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者〔血清カルシウムを上昇させるおそれがある。〕
- ジギタリス剤、副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者(「相互作用」の項参照)
- 交感神経切除後の患者〔本剤の降圧作用が増強されるおそれがある。〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
アナフィラキシー(頻度不明)
- アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血管浮腫(頻度不明)
- 顔面、口唇、咽頭、舌の腫脹等が症状としてあらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝炎(頻度不明)
- 肝炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腎不全(頻度不明)
- 腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高カリウム血症(頻度不明)
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
低ナトリウム血症(頻度不明)
- けん怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある(高齢者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)
- ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。特に厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では患者の状態を十分に観察すること。
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
- 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、溶血性貧血(いずれも頻度不明)
- 重篤な血液障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
壊死性血管炎(頻度不明)
- 壊死性血管炎があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
天疱瘡、類天疱瘡(いずれも頻度不明)
- 天疱瘡、類天疱瘡があらわれることがあるので、水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(頻度不明)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
肺水腫(頻度不明)
- 肺水腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
全身性エリテマトーデスの悪化(頻度不明)
- 全身性エリテマトーデスを悪化させることがあるため、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
低血糖(頻度不明)
- 低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性近視、閉塞隅角緑内障(いずれも頻度不明)
- 急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障があらわれることがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、速やかに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導すること。
薬効薬理
- 本剤は、バルサルタン及びヒドロクロロチアジドの配合剤である。バルサルタンは、アンジオテンシンII受容体のサブタイプであるAT1受容体に結合し、昇圧系として作用するアンジオテンシンIIに対して拮抗することによって降圧効果をあらわす。ヒドロクロロチアジドはチアジド系利尿剤で、主として遠位尿細管でのNa及び水の再吸収を抑制し、尿排泄を増加させることにより循環血漿量の減少を引き起こし降圧効果を発揮する。ヒドロクロロチアジドのナトリウム利尿作用によりレニン・アンジオテンシン系が活性化され、バルサルタンの降圧効果が増強されると考えられている。
高血圧自然発症ラットにおいてバルサルタンとヒドロクロロチアジドを併用投与したとき、それぞれの単独投与に比較して降圧効果の増強が認められた。13)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- (2S)-3-Methyl-2-(N-{[2'-(1H-tetrazol-5-yl)biphenyl-4-yl]methyl}pentanamido)butanoic acid
分子式
分子量
性状
- 白色の粉末である。メタノール、エタノール(99.5)に極めて溶けやすく、水にほとんど溶けない。
一般名
- ヒドロクロロチアジド(Hydrochlorothiazide)
化学名
- 6-Chloro-3,4-dihydro-2H-1,2,4-benzothiadiazine-7-sulfonamide 1,1-dioxide
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。アセトンに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
融点:約267℃(分解)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- angiotensin receptor blocker, ARB, angiotensin II type 1 receptor blocker
- 同
- アンジオテンシン受容体拮抗薬
- 関
- 降圧薬
概念
- PHD.408
- アンジオテンシンIIの受容体はAT1とAT2がある。アンジオテンシンIIの生理作用としては血管収縮、アルドステロンの分泌、腎臓におけるNa+再吸収促進、交感神経系の刺激などがある。これらの作用はAT1受容体を介している(AT2受容体は胎児期の発生の際には豊富にあり、成人の一部臓器にも分布しているが、生理機能は不明)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はこのAT1受容体に競合的に結合して降圧をはかる薬剤である。血液中のアンジオテンシンIは循環血液中のACE以外の酵素によってアンジオテンシンIIに転換されうるので、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の方がアンジオテンシン転換酵素阻害薬よりRAA系をより阻害するとされている。
1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
配合錠
CaB
妊婦に禁忌である理由
- コディオ配合錠MD添付文書より引用
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれた。
比較
- http://koccr.ame-zaiku.com/dousyudoukouyaku40.htmlより改変
半減期比較
[★]
- 英
- valsartan
- 商
- ディオバン(ノバルティスファーマ)。(配合錠)(アムロジピン)エックスフォージ(ノバルティスファーマ) 、(ヒドロクロロチアジド)コディオ(ノバルティスファーマ)。アテディオ配合
- 関
- 降圧薬、選択的AT1受容体ブロッカー
参考
- ディオバン錠20mg/ディオバン錠40mg/ディオバン錠80mg/ディオバン錠160mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2149041F1020_2_08/2149041F1020_2_08?view=body
[★]
バルサルタン、ヒドロクロロチアジド
- 関
- 血圧降下剤
- コディオ配合錠MD:バルサルタン 80mg、ヒドロクロロチアジド 6.25mg
- コディオ配合錠EX:バルサルタン 80mg、ヒドロクロロチアジド12.5mg