- 英
- cilnidipine
- 商
- アテレック、シスカード、シナロング、アテディオ配合
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シルニジピン
|
IUPAC命名法による物質名 |
O3-(2-methoxyethyl) O5-[(E)-3-phenylprop-2-enyl] 2,6-dimethyl-4-(3-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine- 3,5-dicarboxylate |
臨床データ |
法的規制 |
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
代謝 |
肝 |
識別 |
ATCコード |
C08CA14 |
PubChem |
CID 5282138 |
KEGG |
D01173 |
化学的データ |
化学式 |
C27H28N2O7 |
分子量 |
492.52 g/mol |
シルニジピン(英: Cilnidipine)とは カルシウム拮抗薬のひとつで高血圧症治療薬のこと。日本では「アテレック®錠」の商品名で持田製薬から発売されている[1]。インドでは、「Cilacar」の商品名で販売されている。
シルニジピンは他のカルシウム拮抗薬同様にL型カルシウム・チャネルを阻害する他に、交感神経終末にあるN型カルシウム・チャネルを阻害する。それゆえ未だその効果については未解明の点がある。尿酸低下作用、心拍数低下作用など独特な効能ももつ。
シルニジピンは富士レビオと味の素により日本で開発され、1995年に日本で上市された。富士レビオからは「シナロング®」の商品名で併売されたが、そのごユーシービージャパン、キッセイ薬品工業と販売企業は変遷し、ユーシービージャパンによる製造事故のあおりを受け、シナロング®は製造・発売中止となっている。(平成22年5月より経過措置に入った。)
適応
特徴
- シルニジピンは基礎実験(ラット)において、交感神経活性を抑制し血中カテコラミンを低下させ、レニン・アンジオテンシン系も抑制する。[2]
- 糖尿病合併高血圧患者の血圧を低下させると同時に血清尿酸値も低下させた。[3][4]
- シルニジピンによりヒト高血圧患者において、尿中アルブミン排泄が低下した。[5]
- CARTER試験においてアムロジピンに比べ、蛋白尿を軽快させた。[6]
脚注
- ^ a b 味の素製薬; 持田製薬 (2010年4月). “アテレック錠5/アテレック錠10”. 医薬品医療機器総合機構. 2010年7月23日閲覧。
- ^ Konda T, et al. Biol Bull 2006; 29: 933-937
- ^ 永濱 忍. 診療と新薬 2009; 46: 473-91
- ^ 番戸 行弘. Prog Med 2008;28: 1013-7
- ^ Katayama K, et al. Kidney Int 2006; 70: 151-156
- ^ http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsn2008/200806/506689.html
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Japanese Journal
- 34)高血圧患者におけるシルニジピン錠の治療効果の検討(第89回日本循環器学会四国地方会)
- 渡邊 浩毅,東 晴彦,大島 弘世,石橋 堅,青野 潤,池田 俊太郎,濱田 希臣
- Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society 71(Supplement_II), 881, 2007-04-20
- NAID 110006449932
- 123)本態性高血圧症患者におけるシルニジピンのインスリン抵抗性に対する影響(第87回日本循環器学会中国・四国合同地方会)
- 村上 一雄,長尾 知明,横田 英介
- Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society 70(Supplement_II), 1064, 2006-04-20
- NAID 110004871320
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アテレック錠5
組成
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、マクロゴール400、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、エチルセルロース、マクロゴール6000、マクロゴール600、酸化チタン、カルナウバロウを含有する。
禁忌
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 (「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項 1. 参照)
効能または効果
- 高血圧症
- 通常、成人にはシルニジピンとして1日1回5〜10mgを朝食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。効果不十分の場合には、1日1回20mgまで増量することができる。
ただし、重症高血圧症には1日1回10〜20mgを朝食後経口投与する。
慎重投与
- 重篤な肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇する可能性がある。]
- カルシウム拮抗剤による重篤な副作用発現の既往のある患者
- 高齢者 (「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少
(0.1%未満)
- 血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
降圧作用
- シルニジピンは、高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット・イヌ、DOCA食塩高血圧ラット及び脳卒中易発症高血圧自然発症ラットの各種高血圧病態モデルにおける単回経口投与で、1mg/kgより用量依存的に緩徐で持続的な降圧作用を示した。一方、正常血圧ラットに対する降圧作用は弱かった。また、用量増加による作用時間の延長はみられなかった。シルニジピンは、腎性高血圧イヌにおいて、β遮断薬あるいはアンジオテンシン変換酵素阻害薬との併用で相加的な作用を示した23)〜25)。
- シルニジピンは、脳卒中易発症高血圧自然発症ラット及び腎性高血圧イヌにおいて、反復経口投与で安定した降圧効果を示し、投与反復による作用の減弱及び休薬に伴う血圧のリバウンド現象を示さなかった26), 27)。
- シルニジピンは、無麻酔・無拘束の高血圧自然発症ラットにおける単回投与試験において、降圧時に心拍数の増加を示さなかった。また、降圧時に血漿中ノルアドレナリンの増加はみられず、交感神経遮断薬 (グアネチジン硫酸塩) が示した血漿中ノルアドレナリンの減少も示さなかった。なお、ウサギにおいて自律神経節遮断薬 (ペントリニウム)にみられたチルティング (傾斜位)による血圧の低下は示さなかった28)。
- 本態性高血圧症患者に1日1回経口投与することにより、24時間降圧効果が持続し、早朝にも確かな降圧が認められている。また、24時間にわたる心拍周波数 (R-R間隔)変動を解析したところ、降圧に伴う交感神経活動亢進をきたさず、心拍数の増加も示さなかった14), 29)。
ストレス性昇圧抑制作用
- シルニジピンは、無麻酔・無拘束の高血圧自然発症ラットにおいて、寒冷ストレス負荷時の昇圧及び血漿中ノルアドレナリンの増加を抑制し、また、エア・ジェットストレス (精神ストレス)負荷時の昇圧を抑制した30), 31)。
- 寒冷ストレス負荷により、昇圧度が20%以上を示す健康成人男子において、寒冷ストレス負荷時の昇圧を抑制した32)。
交感神経電気刺激による昇圧の抑制作用
- シルニジピンは、脊髄破壊した高血圧自然発症ラットの交感神経刺激による昇圧を抑制した33)。
- 高血圧自然発症ラットより摘出した腸間膜動脈血管灌流標本において、交感神経刺激時のノルアドレナリン放出を抑制した33)。
脳循環に対する影響
- シルニジピンは、高血圧自然発症ラットにおいて、30〜40%の降圧を示す用量でも脳血流量を減少させず、降圧時にも脳血流自動調節機能をよく保持した34)。
- 脳血管障害を合併している高血圧症患者において、降圧時にも脳血流を維持した35)。
心機能に対する影響
- シルニジピンは、イヌにおいて、拍動数の減少と心筋収縮力の低下を起こしたが、その用量は動脈血流量の増大を起こすよりも高用量であった23)。
- シルニジピンは、麻酔開胸イヌにおいて、降圧用量で心筋酸素消費量を低下させた。この際、心拍数の増加あるいは心収縮力の抑制は示さなかった36)。
- 本態性高血圧症患者においても降圧時に脈拍数に影響を与えず、また、心胸郭比(CTR)異常例ではCTRを改善した16)。
腎臓に対する影響
- シルニジピンは、麻酔下の高血圧自然発症ラットにおいて、降圧用量で尿量、腎血流量及び糸球体濾過率を上昇させた。また、エンドセリンによる腎機能低下時においても、尿量、腎血流量及び糸球体濾過率を上昇させた37)。
- 本態性高血圧症患者において、降圧時に腎機能に影響を及ぼさなかった38)。
高血圧に伴う心血管障害に対する影響
- シルニジピンは、脳卒中易発症高血圧自然発症ラットにおいて、1日1回経口投与することにより、脳卒中発症の遅延、生存率の改善に加え、心肥大 (心臓重量の増大)、左心室壁の肥厚、心筋の線維化並びに腎臓における病変を軽減した。さらに、冠動脈中膜の肥厚を抑制し、大動脈のカルシウム含量を低下させた26), 39)。
- 本態性高血圧症患者において、動脈硬化指数及び血清過酸化脂質を低下させた40)。
作用機序
- シルニジピンは、血管平滑筋細胞膜に存在するL型電位依存性Caチャネルのジヒドロピリジン結合部位に結合し、L型電位依存性CaチャネルからのCa2+流入を抑制した(ウサギ、in vitro )41)。
それにより、血管平滑筋を弛緩、拡張させ、降圧作用を発現すると考えられる42)。
- シルニジピンは、交感神経の細胞膜に存在するN型電位依存性CaチャネルからのCa2+流入を抑制した。また、N型電位依存性Caチャネル及びL型電位依存性CaチャネルからのCa2+流入をほぼ同濃度域で抑制した(ラット、in vitro )43)。
その結果、交感神経終末からのノルアドレナリンの放出を抑制することにより、交感神経活動の亢進による降圧時の心拍数増加やストレス負荷時の昇圧等を抑制すると考えられる28)〜32)。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
性状
- 淡黄色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。本品はアセトニトリル、アセトン、クロロホルム又は1, 4-ジオキサンに溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はトルエンにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水、0.1mol/L塩酸試液、希水酸化ナトリウム試液又はヘキサンにほとんど溶けない。
融点
分配係数 log P
1-オクタノール/Britton-Robinson Buffer (20±2℃)
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 降圧薬
商品
[★]
会社名
味の素、持田
成分
薬効分類
降圧剤
薬効
高血圧症