- 英
- losartan
- 化
- ロサルタンカリウム losartan potassium
- 商
- ニューロタン Nu-Lotan、プレミネント配合
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/01 10:21:20」(JST)
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ロサルタン
|
IUPAC命名法による物質名 |
[2-butyl-4-chloro-1-({4-[2-(2H-1,2,3,4-tetrazol-5-yl)phenyl]phenyl}methyl)-1H-imidazol-5-yl]methanol |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
D(AU) D(US) |
法的規制 |
℞ Prescription only |
投与方法 |
Oral |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
25–35% |
代謝 |
Hepatic (CYP2C9, CYP3A4) |
半減期 |
1.5–2 hours |
排泄 |
Renal 13–25%, biliary 50–60% |
識別 |
CAS登録番号 |
114798-26-4 |
ATCコード |
C09CA01 |
PubChem |
CID 3961 |
DrugBank |
APRD00052 |
KEGG |
D08146 |
化学的データ |
化学式 |
C22H23ClN6O |
分子量 |
422.91 |
SMILES
- CCCCc1nc(Cl)c(CO)n1Cc1ccc(cc1)c1ccccc1c1n[nH]nn1
|
ロサルタン(英: losartan)とは主に高血圧の治療に使用されるアンジオテンシンII受容体拮抗薬の一つ。ロサルタンは最初に市販されたアンジオテンシンII受容体拮抗薬である。近年ではMerck & Co., Inc.よりCozaar®という商品名で市販されている。日本での商品名はニューロタン®で、MSD (Merck Sharp & Dohme)(旧万有製薬)より市販されている。
目次
- 1 作用機序
- 2 適応症
- 3 副作用
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
|
作用機序 [編集]
ロサルタンはアンジオテンシンII受容体1型(AT1)に選択的に拮抗し、終末器官のアンジオテンシンIIに対する反応を低下させる。ロサルタンは総末梢抵抗(後負荷)と心臓の静脈環流(前負荷)を低下させる。アンジオテンシンIIの生理的作用にはアルドステロン放出の刺激が含まれており、ロサルタンはこれと拮抗する。血圧低下はレニン-アンジオテンシン系の状態とは関係なく起きる。ロサルタンの投与によりアンジオテンシンIIのフィードバックが抑制され、血漿中のレニン活性が高まる。
また尿細管での尿酸の再吸収を担うURAT1も阻害するため、尿酸が排泄され、血中の尿酸値は下がるという特性を持つ(この特性のため利尿剤との配合剤プレミネントで尿酸値上昇がみられない)。
適応症 [編集]
副作用 [編集]
関連項目 [編集]
- MSD (Merck Sharp & Dohme)
外部リンク [編集]
医療関係者向け
- ニューロタン®
- 医薬品や液晶など生活に密着 ノーベル賞受賞の技術(47news)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ロサルタンはナノ技術を応用したがん治療の効果を向上させる
- J-CLEAR通信(12)心不全患者におけるカンデサルタンとロサルタン
Related Links
- ニューロタンとは?ロサルタンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 概説 血圧を下げるお薬です。おもに、高血圧症に用います。 作用 血圧を上げる「アンジオテンシンⅡ」という体内 ...
- 主成分 ロサルタンカリウム 剤形 白色の割線入り錠剤、直径7.6mm、厚さ3.4mm シート記載 (表)ロサルタンK 50mg「DSEP」、第一三共エスファ、EP211、ロサルタンK、50mg (裏)LOSARTAN POTASSIUM 50mg「DSEP」、ロ ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
プレミネント配合錠
組成
*有効成分の名称
- 日本薬局方 ロサルタンカリウム/日本薬局方 ヒドロクロロチアジド
含量
添加物
- 結晶セルロース、乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン、カルナウバロウ
効能または効果
<efficacyrelatedprecautions>
- 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
</efficacyrelatedprecautions>
- 成人には1日1回1錠 (ロサルタンカリウムとして50mg及びヒドロクロロチアジドとして12.5mg) を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
- 本剤は、ロサルタンカリウム50mgあるいはヒドロクロロチアジド12.5mg以外の薬剤との降圧効果の比較検討は行われておらず、原則として、ロサルタンカリウム50mgで効果不十分な場合に本剤の使用を検討すること。
慎重投与
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 腎機能障害患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 血清カリウム値異常の患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 肝機能障害又はその既往のある患者〔外国において、軽・中等度のアルコール性肝硬変患者にロサルタンカリウム50mgを単回経口投与すると、健康成人と比較してロサルタンの消失速度が遅延し、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約5倍及び約2倍に上昇することが報告されている。また、ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を誘発するおそれがある。〕
- 脳血管障害のある患者〔過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させるおそれがある。〕
- 体液量が減少している患者 (利尿降圧剤投与中、厳重な減塩療法中、水分摂取の不十分な患者、過度の発汗をしている患者)〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 減塩療法中の患者〔低ナトリウム血症を起こすおそれがある。〕
- 重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者〔急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。〕
- 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者、及び高尿酸血症のある患者〔高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある。〕
- 下痢、嘔吐のある患者〔電解質失調があらわれるおそれがある。〕
- 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者〔血清カルシウムを上昇させるおそれがある。〕
- ジギタリス剤、副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者〔「相互作用」の項参照〕
- 交感神経切除後の患者〔本剤の降圧作用が増強されるおそれがある。〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
- 乳児〔「小児等への投与」の項参照〕
重大な副作用
アナフィラキシー様症状
(頻度不明)
- 不快感、口内異常感、発汗、蕁麻疹、呼吸困難、全身潮紅、浮腫等が症状としてあらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
血管浮腫
(頻度不明)
- 顔面、口唇、咽頭、舌等の腫脹が症状としてあらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
急性肝炎又は劇症肝炎
(いずれも頻度不明)
(頻度不明)
- 急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
ショック、失神、意識消失
(いずれも頻度不明)
- ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では、患者の状態を十分に観察すること。
横紋筋融解症
(頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK (CPK) 上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
*低カリウム血症、高カリウム血症
(いずれも頻度不明)
- 重篤な低カリウム血症、高カリウム血症があらわれることがあり、血清カリウム値の異常変動に伴い、倦怠感、脱力感、不整脈等が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
不整脈
(頻度不明)
- 心室性期外収縮、心房細動等の不整脈があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
汎血球減少、白血球減少、血小板減少
(いずれも頻度不明)
- 汎血球減少、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、溶血性貧血
(いずれも頻度不明)
- 重篤な血液障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
壊死性血管炎
(頻度不明)
(いずれも頻度不明)
(頻度不明)
(頻度不明)
- 低血糖があらわれることがある (糖尿病治療中の患者であらわれやすい) ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
低ナトリウム血症
(頻度不明)
- 倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある (高齢者であらわれやすい) ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 本剤の配合成分であるロサルタンカリウム (ロサルタン) は、経口投与後速やかに吸収され、その一部が主代謝物であるカルボン酸体に変換される。ロサルタン及びカルボン酸体は、いずれも生理的昇圧物質であるアンジオテンシンII (AII) が作用する受容体〔AT1受容体〕に極めて高い親和性を示し、AIIの作用を選択的に拮抗することにより降圧効果を発揮する。ロサルタンは、レニン・アンジオテンシン系 (RAS) が活性化されている高レニン性高血圧モデルにおいて著明な降圧効果を示し1)、2)、逆にRASの関与が少ない低レニン性高血圧モデルにおける降圧効果は弱いことが知られている2)。
一方の配合成分であるヒドロクロロチアジドは、チアジド系の降圧利尿薬である。ヒドロクロロチアジドの降圧機序に関しては、尿細管におけるナトリウム再吸収抑制作用による循環血液量減少作用が考えられている3)。また、ヒドロクロロチアジドはその利尿作用によりRASの活性化を起こす4)。
したがって、本剤はRAS活性化状態で著明な降圧効果を示すロサルタンとRASを活性化させるヒドロクロロチアジドとの配合剤であるため、両成分の併用投与は各単剤投与に比較しより顕著な降圧効果を示すと考える。
降圧作用
- 自然発症高血圧ラットにおいて、単独投与で中等度の降圧効果 (約15mmHg低下) を示した用量のロサルタンと単独投与では降圧効果が認められなかった用量のヒドロクロロチアジドを併用投与することにより、著明な降圧効果 (約30mmHg低下) が認められた。併用投与群における降圧効果は各単独投与群の効果と比較し有意であった5)。
有効成分に関する理化学的知見
==
一般名:
- ロサルタンカリウム (Losartan Potassium)
*化学名:
- Monopotassium 5-{[4'-(2-butyl-4-chloro-5-hydroxymethyl-1H -imidazol-1-yl) methyl] biphenyl-2-yl}-1H -tetrazol-1-ide
分子式:
*分子量:
*性状:
水に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすい。
*構造式:
一般名:
- ヒドロクロロチアジド (Hydrochlorothiazide)
化学名:
- 6-Chloro-3, 4-dihydro-2H - 1, 2, 4-benzothiadiazine-7-sulfonamide 1, 1-dioxide
分子式:
分子量:
融点:
性状:
- 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。
アセトンに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
構造式:
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- angiotensin receptor blocker, ARB, angiotensin II type 1 receptor blocker
- 同
- アンジオテンシン受容体拮抗薬
- 関
- 降圧薬
概念
- PHD.408
- アンジオテンシンIIの受容体はAT1とAT2がある。アンジオテンシンIIの生理作用としては血管収縮、アルドステロンの分泌、腎臓におけるNa+再吸収促進、交感神経系の刺激などがある。これらの作用はAT1受容体を介している(AT2受容体は胎児期の発生の際には豊富にあり、成人の一部臓器にも分布しているが、生理機能は不明)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はこのAT1受容体に競合的に結合して降圧をはかる薬剤である。血液中のアンジオテンシンIは循環血液中のACE以外の酵素によってアンジオテンシンIIに転換されうるので、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の方がアンジオテンシン転換酵素阻害薬よりRAA系をより阻害するとされている。
1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
配合錠
CaB
妊婦に禁忌である理由
- コディオ配合錠MD添付文書より引用
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれた。
比較
- http://koccr.ame-zaiku.com/dousyudoukouyaku40.htmlより改変
半減期比較
[★]
- 英
- chronic heart failure CHF, chronic cardiac failure
- 関
- 心不全
薬物療法
- 以下、左室収縮能不全に対する治療のみ採り上げる
- 左室収縮能不全の原因は非虚血性の拡張型心筋症と虚血性心筋症に大別できる。これらの疾患においては交感神経系とRAA系が賦活化され、進行性の左室拡大と収縮性の低下、すなわちリモデリングが生じ病態の悪化に繋がっていると考えられている。治療の焦点は神経内分泌系の抑制、心不全に伴う症状の緩和である。
- (PHD.244)慢性心不全の治療のゴールは5つある:(1)病因の同定、(2)増悪因子の除去、(3)心不全症状の管理(前方障害、後方障害の軽減)、(4)神経ホルモン系の調節、(5)長期予後の改善
治療に用いられる薬物
- 参考(1))
- 配糖強心薬(ジギタリス)
- 利尿薬:静脈還流量の減少 → 前負荷の軽減 → 左室拡張終期圧低下 → 肺うっ血の改善 → 低血圧誘発がありうる
- 血管拡張薬(vasodilator)
- venous dilator(ex.硝酸薬):静脈のcapacitanceを増加させる。利尿薬と同じ薬理作用。
- arteriolar dilator(ex.ヒドララジン):後負荷を低下させSVを上昇させる。血圧は下がりそうだが、SVが上昇する結果、血圧は軽度低下あるいは保たれる(PHD.246)
- "balanced vasodilator:「アンジオテンシン転換酵素阻害薬」心不全で起こる血管収縮、体液貯留(volume retension)、心室モデリングを防ぎ、回復(reverse)させうる?CHF患者の生命予後改善効果がある(PHD.245,246)。ACE阻害薬は循環血液中のブラジキニンを増加させる。ブラジキニンは心不全の患者において血管拡張という重要な働きをしている(PHD.247)。「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」はACE阻害薬とほぼ同等であり、ACE阻害薬による副作用が問題となる場合に用いる。(PHD.247)。これらの薬剤は腎不全と高カリウム血症が存在する場合には適さない。「nesiritide」human recombinant B-type natriuretic peptide。静注薬。速効で強力な血管拡張、心拍出量増加、RAA系の抑制、利尿作用(PHD.247)
カルシウム拮抗薬:長期に用いると心不全を悪化させる危険があり推奨されない。
- β遮断薬
- 抗アルドステロン薬
- アミオダロン
- 末梢血管拡張薬
- 経口強心薬
- ナトリウム利尿ペプチド:ANP製剤(カルペリチド) → 静注薬しかないので急性心不全の時に用いる。
治療に用いられる薬物名
参考
- 1. 慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_h.pdf
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0049/1/0049_G0000132_0127.html
国試
[★]
- 英
- telmisartan
- 商
- ミカルディス。(配合薬)ミカムロ、ミコンビ
- テルミサルタンはロサルタンなどを始めとするARBと構造的に異なる。tetrazole構造がなく、脂溶性が高い。ARBでは心血管保護作用がないが、テルミサルタンはCD36、PPARγ、PPARαの発現を増やすことなどの機序により血管保護作用を有する。
- ミカルディス
- 用量:40mg1日1回, 1日最大用量は80mgまで。
- 剤形:40mg錠
[★]
ロサルタン。ニューロタン
[★]
- 英
- eprosartan、eprosartan mesylate
- 関
- メシル酸エプロサルタン
[★]
- 英
- eprosartan mesylate
- 関
- エプロサルタン
[★]
- 英
- monkey、simian
- 関
- 類人猿、真猿亜目、直鼻猿亜目