- 英
 
- irbesartan
 
- 商
 
- アバプロ(大日本住友製薬)、イルベタン(塩野義)、アイミクス配合
 
- 関
 
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬、降圧薬
 
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/11 00:01:46」(JST)
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イルベサルタン
 | 
| IUPAC命名法による物質名 | 
| 
 2-butyl-3-({4-[2-(2H-1,2,3,4-tetrazol-5-yl)phenyl]phenyl}methyl)-1,3-diazaspiro[4.4]non-1-en-4-one 
 | 
| 臨床データ | 
| 商品名 | 
Avapro | 
| AHFS/Drugs.com | 
monograph | 
| MedlinePlus | 
a698009 | 
| ライセンス | 
EMA:リンク、US FDA:リンク | 
| 胎児危険度分類 | 
 | 
| 法的規制 | 
- S4 (Au), POM (UK), ℞-only (U.S.)
 
 
 
 | 
| 投与方法 | 
Oral | 
| 薬物動態データ | 
| 生物学的利用能 | 
60–80% | 
| 血漿タンパク結合 | 
~90% | 
| 代謝 | 
肝代謝 (CYP2C9) | 
| 半減期 | 
11–15 hours | 
| 排泄 | 
尿中 20%, 便中 65% | 
| 識別 | 
| CAS番号 | 
138402-11-6 | 
| ATCコード | 
C09CA04 | 
| PubChem | 
CID: 3749 | 
| IUPHAR/BPS | 
589 | 
| DrugBank | 
APRD00413  | 
| ChemSpider | 
3618  | 
| UNII | 
J0E2756Z7N  | 
| KEGG | 
D00523  | 
| ChEBI | 
CHEBI:5959  | 
| ChEMBL | 
CHEMBL1513  | 
| 化学的データ | 
| 化学式 | 
C25H28N6O | 
| 分子量 | 
428.53 | 
SMILES 
- 
O=C1N(\C(=N/C12CCCC2)CCCC)Cc5ccc(c3ccccc3c4nnnn4)cc5 
 
 
 
 | 
InChI 
- 
InChI=1S/C25H28N6O/c1-2-3-10-22-26-25(15-6-7-16-25)24(32)31(22)17-18-11-13-19(14-12-18)20-8-4-5-9-21(20)23-27-29-30-28-23/h4-5,8-9,11-14H,2-3,6-7,10,15-17H2,1H3,(H,27,28,29,30)  
 
- 
Key:YOSHYTLCDANDAN-UHFFFAOYSA-N  
 
 
 
 | 
イルベサルタン(irbesartan)はアンジオテンシンII受容体拮抗薬のひとつで、高血圧症治療薬。フランスの旧サノフィ社(サンテラボとの合併前、現在のサノフィ)で開発された。日本での製品名は「アバプロ」(大日本住友製薬)及び「イルベタン」(塩野義製薬)。 また、アムロジピン(ベシル酸塩)との合剤として、アイミクス(塩野義、大日本住友ほか)。
目次
- 1 薬理
 
- 2 効能
 
- 3 エビデンス
 
- 4 副作用
 
- 5 脚注
 
- 6 関連項目
 
 
薬理
イルベサルタンはアンジオテンシンII受容体へ結合し、拮抗・阻害作用を示す。
- ロサルタンと同様に尿細管のURAT-1トランスポーターを阻害するため、尿酸が再吸収されず、血清尿酸値の低下をもたらす。
 
効能
エビデンス
IDNT [1]と IRMA2 [2] という海外での大規模臨床試験では、2型糖尿病での腎症進展において他剤と比べ有意差が認められた。
心不全患者においての大規模臨床試験では、プラセボと比較して総死亡では有意差を認めなかった。[3]
副作用
脚注
- ^ Lewis EJ et al for the collaborative study group: Renoprotective effect of the angiotensin-receptor antagonist irbesartan in patients with nephropathy due to type 2 diabetes. N Engl J Med. 2001; 345: 851-60.
 
- ^ Parving HH et al for the irbesartan in patients with type 2 diabetes and microalbuminuria study group: The effect of irbesartan on the development of diabetic nephropathy in patients with type 2 diabetes. N Engl J Med. 2001; 345: 870-8.
 
- ^ Massie BM, Carson PE, McMurray JJ, Komajda M, McKelvie R, Zile MR, Anderson S, Donovan M, Iverson E, Staiger C, Ptaszynska A (December 2008). "Irbesartan in patients with heart failure and preserved ejection fraction". N. Engl. J. Med. 359 (23): 2456–67. doi:10.1056/NEJMoa0805450. PMID 19001508.  
 
 
関連項目
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Japanese Journal
- 高野 和彦
 
- Dokkyo journal of medical sciences 39(1), T21-T24, 2012-03-25
 
- … ンジオテンシン受容体拮抗薬 (angiotensin receptor blocker:ARB) であるイルベサルタンは,ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体の活性化作用を併せ持つことが知られており,メタボリックシンドロームの改善効果が期待できる.本研究では降圧薬であるイルベサルタンの糖・脂質代謝に対する影響を検討した.イルベサルタン,テルミサルタン以外のARB 内服中の高リスク高血圧患者132 …
 
- NAID 110009040239
 
- 臨床報告 日本人の2型糖尿病合併高血圧患者における,イルベサルタンの降圧および代謝マーカーに対する効果の検討
 
Related Links
- イルベタン,アバプロとは?イルベサルタンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
 
- 2008年4月16日、高血圧治療薬のイルベサルタン(商品名:イルベタン錠、アバプロ錠… ... おすすめ情報 学会速報 米国肝臓学会 米国・ボストンで11月に開催された【AASLD2014】の速報はこちらで 学会速報 日本消化器 ...
 
- イルベタン、アバプロ(イルベサルタン)の作用機序:高血圧治療薬 高血圧では脳血管や冠動脈(心筋に栄養を送る血管)にストレスを与え、脳血管障害(脳卒中など)や心血管障害(狭心症、心筋梗塞など)を発症させます。
 
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アイミクス配合錠LD
組成
有効成分
- 1錠中イルベサルタン100mg及びアムロジピンとして5mg(アムロジピンベシル酸塩6.93mg)
 
添加物
- D-マンニトール、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、プロピレングリコール、酸化チタン、カルナウバロウ
 
禁忌
- 本剤の成分又はジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
 
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
 
- アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。「重要な基本的注意」の項参照〕
 
効能または効果
- 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
 
- 通常、成人には1日1回1錠(イルベサルタン/アムロジピンとして100mg/5mg又は100mg/10mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
 
- 以下のイルベサルタンとアムロジピンの用法・用量を踏まえ、患者毎に用量を決めること。
 
イルベサルタン
- 通常、成人にはイルベサルタンとして50〜100mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は200mgまでとする。
 
アムロジピン
・高血圧症
- 通常、成人にはアムロジピンとして2.5〜5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。
 
- 原則として、イルベサルタン100mg及びアムロジピンとして5mgを併用している場合、あるいはいずれか一方を使用し血圧コントロールが不十分な場合に、100mg/5mgへの切り替えを検討すること。
 
- 原則として、イルベサルタン100mg及びアムロジピンとして5mgを併用若しくは100mg/5mgで血圧コントロールが不十分な場合に、100mg/10mgへの切り替えを検討すること。
 
慎重投与
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
 
- 高カリウム血症の患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
 
- 重篤な腎機能障害のある患者〔過度の降圧により腎機能を悪化させるおそれがある。〕
 
- 肝機能障害のある患者、特に胆汁性肝硬変及び胆汁うっ滞のある患者〔イルベサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、これらの患者では血中濃度が上昇するおそれがある。アムロジピンは主として肝臓で代謝されるため、肝機能障害のある患者では、血中濃度半減期の延長及び血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。アムロジピン高用量(10mg)において副作用の発現頻度が高くなる可能性があるので、増量時には慎重に投与すること。「副作用」、「薬物動態」の項参照〕
 
- 脳血管障害のある患者〔過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。〕
 
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
 
重大な副作用
血管浮腫(頻度不明)
- 顔面、口唇、咽頭、舌等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
高カリウム血症(頻度不明)
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
 
ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)
- ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
特に、血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では患者の状態を十分に観察すること。 
腎不全(頻度不明)
- 腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTP の上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
低血糖(頻度不明)
- 低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
横紋筋融解症(頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
血小板減少、白血球減少(いずれも頻度不明)
- 血小板減少又は白血球減少があらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
房室ブロック(頻度不明)
- 房室ブロック(初期症状:徐脈、めまい等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
薬効薬理
作用機序
イルベサルタンとして、以下の報告がある。
- in vitro試験においてウサギ摘出大動脈のアンジオテンシンII (AII)誘発収縮を特異的に抑制し、in vivo試験(ラット、イヌ、サル)においてもAII誘発昇圧反応に対して抑制作用を示した。in vitro結合試験から、その抑制作用はAII 受容体に対する競合的拮抗に基づくものであり、更にAIIタイプ1受容体(AT1受容体)選択的であることが示唆された。その他の受容体には親和性を示さず、アンジオテンシン変換酵素も阻害しなかった19-24) 。
 
アムロジピンとして、以下の報告がある。
- 細胞膜の電位依存性カルシウムチャネルに選択的に結合し、細胞内へのCa2+の流入を減少させて冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる25)。そのカルシウム拮抗作用は緩徐に発現するとともに持続性を示し25)、また心抑制作用が弱く血管選択性を示すことが認められている。
 
降圧作用
- 高血圧自然発症ラットにイルベサルタンとアムロジピンを併用して投与すると、それぞれの単独投与と比較して降圧作用の増強が認められた26)。
 
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-Butyl-3-{4-[2-(1H-tetrazol-5-yl)phenyl]benzyl}-1,3-diazaspiro[4.4]non-1-en-4-one
 
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
 
融点
分配係数
- 約10.1(pH7.4、1-オクタノール/緩衝液)
 
一般名
- アムロジピンベシル酸塩(Amlodipine Besilate)
 
化学名
- 3-Ethyl 5-methyl (4RS)-2-[(2-aminoethoxy)methyl]-4-(2-chlorophenyl)-6-methyl-
 
1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate monobenzenesulfonate
分子式
分子量
性状
- 白色〜帯黄白色の結晶性の粉末。メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水に溶けにくい。メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
 
融点
★リンクテーブル★
  [★]
- 英
 
- angiotensin receptor blocker, ARB, angiotensin II type 1 receptor blocker
 
- 同
 
- アンジオテンシン受容体拮抗薬
 
- 関
 
- 降圧薬
 
概念
- PHD.408
 
- アンジオテンシンIIの受容体はAT1とAT2がある。アンジオテンシンIIの生理作用としては血管収縮、アルドステロンの分泌、腎臓におけるNa+再吸収促進、交感神経系の刺激などがある。これらの作用はAT1受容体を介している(AT2受容体は胎児期の発生の際には豊富にあり、成人の一部臓器にも分布しているが、生理機能は不明)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はこのAT1受容体に競合的に結合して降圧をはかる薬剤である。血液中のアンジオテンシンIは循環血液中のACE以外の酵素によってアンジオテンシンIIに転換されうるので、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の方がアンジオテンシン転換酵素阻害薬よりRAA系をより阻害するとされている。
 
1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
配合錠
CaB
妊婦に禁忌である理由
- コディオ配合錠MD添付文書より引用
 
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれた。
 
比較
- http://koccr.ame-zaiku.com/dousyudoukouyaku40.htmlより改変
 
半減期比較
  [★]
会社名
成分
薬効分類
  [★]
イルベサルタン、アムロジピン
  [★]
- 英
 
- monkey、simian
 
- 関
 
- 類人猿、真猿亜目、直鼻猿亜目