ペリンドプリル
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Japanese Journal
- COPD (特集 後期高齢者をどう診ていくか) -- (後期高齢者診療の実際とコツ)
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- 協和発酵キリン株式会社のコバシル錠4mg(循環器官用剤)、一般名ペリンドプリル エルブミン(Perindopril erbumine) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
コバシル錠2mg
組成
有効成分
添加物
- 黄色三ニ酸化鉄、ケイ酸カルシウム、日局結晶セルロース、日局ステアリン酸マグネシウム、日局低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、日局ヒドロキシプロピルセルロース、日局無水乳糖、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]
- デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[「相互作用」の項参照]
- アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[「相互作用」の項参照]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
- 高血圧症
- 通常、成人にはペリンドプリルエルブミンとして2〜4mg(錠2mg:1〜2錠、錠4mg:0.5〜1錠)を1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大量は8mg(錠2mg:4錠、錠4mg:2錠)までとする。
- 重篤な腎機能障害のある患者では、本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し、過度の血圧低下、腎機能の悪化が起こるおそれがあるので、クレアチニンクリアランスが30mL/分以下又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の場合には、投与量を減らすか、若しくは投与間隔をのばすなど、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。
慎重投与
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]
- 高カリウム血症の患者[「重要な基本的注意」の項参照]
- 重篤な腎機能障害のある患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
- 高齢者[過度の血圧低下により病態を悪化させるおそれがある(「高齢者への投与」の項参照)。]
重大な副作用
血管浮腫
頻度不明注1)
- 呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保等適切な処置を行うこと。
急性腎不全
- 0.04%
- 急性腎不全があらわれることがあるので、腎機能に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高カリウム血症
頻度不明注1)
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ペリンドプリルエルブミンはプロドラッグであり、経口吸収後ジアシド体(ペリンドプリラート)に加水分解され、このジアシド体が血中及び組織中のアンジオテンシン変換酵素(ACE)を特異的に阻害し、昇圧物質であるアンジオテンシンIIの生成を抑制し、末梢血管抵抗を減少させる。さらにACEはブラジキニンの分解酵素であるキニナーゼIIと同一酵素であるため、ペリンドプリラートはブラジキニンの分解を抑制し、降圧作用を増強する。ペリンドプリルエルブミンの降圧作用は、ACEの特異的阻害によるアンジオテンシンIIを介する昇圧系の抑制とキニン類を介した降圧系の増強によるものと考えられる。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害作用
- ペリンドプリラートは、in vitroにおいて単離ヒト血清ACEの活性を抑制した13)。また、ラットへの経口投与及び静脈内投与によって、外因性アンジオテンシンI による昇圧反応を抑制した14)15)。
- イヌへの静脈内投与で外因性ブラジキニンによる大腿動脈血流増加作用を用量依存的に増強した14)。
- 高血圧自然発症ラット(SHR)において、血清ACE活性及び心血管組織ACE活性に対し阻害作用を示した。特に、大動脈と心臓において強力なACE阻害作用を示した16)。
- 健康成人に2mgを単回経口投与した場合、血清ACE阻害作用は24時間後で50%以上を示した1)。
降圧作用
- SHRにおいて用量依存的、かつ24時間持続する降圧作用を示し、エナラプリルの約1/3〜1/10の用量で同様の効果を示した15)。
- SHRを用いた実験で心臓、腎臓等の主要組織の血流を低下させず、さらに心拍数や心拍出量に影響を及ぼすことなく総末梢血管抵抗を減少し血圧を下降させた17)。
- SHR、2腎性1クリップ型高血圧犬において、連続投与による降圧作用の減弱は認められず、また、断薬後の血圧のリバウンド現象もみられなかった。
- 2腎性1クリップ型高血圧ラットにおいて脳血流量を維持し、また、脳血流自動調節の下限域は正常血圧ラットの下限域に近づいた18)。
降圧効果の持続性(トラフ/ピーク比)
- 本態性高血圧症患者において、通常用量の1日1回経口投与により血圧の日内プロフィール及び変動幅に影響を与えることなく24時間安定した降圧効果を示した19)。また、トラフ/ピーク比は本態性高血圧症患者を対象とした単盲検比較試験においてエナラプリルの約70%に対し、本剤では約100%であった(海外データ)20)。
血管リモデリング及び心肥大に対する作用
- 2腎性1クリップ型高血圧ラットに連続経口投与した場合、高血圧性心肥大の抑制21)及び動脈コンプライアンスの改善が認められた22)。
- 本態性高血圧症患者に1日1回連続経口投与した時、高血圧性心肥大の抑制23)、大動脈コンプライアンス24)(海外データ)及び細い動脈の血管リモデリング25)(海外データ)の改善が認められた。
有効成分に関する理化学的知見
性状
溶解性
- 水、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、アセトニトリル又はジエチルエーテルに溶けにくい。
融点
分配係数
- n-オクタノール-ブリトン・ロビンソン緩衝液(pH7.0);0.15(25℃)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- angiotensin receptor blocker, ARB, angiotensin II type 1 receptor blocker
- 同
- アンジオテンシン受容体拮抗薬
- 関
- 降圧薬
概念
- PHD.408
- アンジオテンシンIIの受容体はAT1とAT2がある。アンジオテンシンIIの生理作用としては血管収縮、アルドステロンの分泌、腎臓におけるNa+再吸収促進、交感神経系の刺激などがある。これらの作用はAT1受容体を介している(AT2受容体は胎児期の発生の際には豊富にあり、成人の一部臓器にも分布しているが、生理機能は不明)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はこのAT1受容体に競合的に結合して降圧をはかる薬剤である。血液中のアンジオテンシンIは循環血液中のACE以外の酵素によってアンジオテンシンIIに転換されうるので、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の方がアンジオテンシン転換酵素阻害薬よりRAA系をより阻害するとされている。
1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
配合錠
CaB
妊婦に禁忌である理由
- コディオ配合錠MD添付文書より引用
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれた。
比較
- http://koccr.ame-zaiku.com/dousyudoukouyaku40.htmlより改変
半減期比較
[★]
- 英
- angiotensin-converting enzyme inhibitor angiotensin converting enzyme inhibitor , ACE inhibitor, ACEI
- 同
- アンジオテンシン変換酵素阻害剤 アンギオテンシン変換酵素阻害薬 アンギオテンシン変換酵素阻害剤 アンジオテンシン転換酵素阻害薬、ACE阻害薬 ACE阻害剤 ACE inhibitor、アンギオテンシン変換酵素拮抗薬, アンギオテンシン変換酵素拮抗薬, angiotensin-converting enzyme antagonist
- 関
- アンジオテンシン, アンジオテンシン転換酵素 ACE, 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬 アンジオテンシンII受容体拮抗薬 ARB
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
=粉砕可能性
一般名
|
製品名
|
規格
|
剤形
|
用法
|
粉砕
|
アラセプリル
|
セタプリル
|
12.5,25,50
|
錠
|
1日
|
25-75mg
|
1日
|
1-2回分服
|
|
イミダプリル
|
タナトリル
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5-10mg
|
1日
|
1回
|
○
|
エナラプリル
|
レニベース
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5-10mg
|
1日
|
1回
|
|
カプトプリル
|
カプトリル
|
12.5,25
|
錠,細粒
|
1日
|
37.5~75mg
|
1日
|
3回
|
|
キナプリル
|
コナン
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
5~20mg
|
1日
|
1回
|
|
シラザプリル
|
インヒベース
|
0.25,0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.25~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
テモカプリル
|
エースコール
|
1,2,4
|
錠
|
1日
|
1~4mg
|
1日
|
1回
|
|
デラプリル
|
アデカット
|
7.5,15,30
|
錠
|
1日
|
15~120mg
|
1日
|
1-2回分服
|
|
トランドラプリル
|
オドリック
|
0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.5~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
トランドラプリル
|
プレラン
|
0.5,1
|
錠
|
1日
|
0.5~2mg
|
1日
|
1回
|
○
|
ベナゼプリル
|
チバセン
|
2.5,5,10
|
錠
|
1日
|
2.5~10mg
|
1日
|
1回
|
|
ペリンドプリル
|
コバシル
|
2,4
|
錠
|
1日
|
2~8mg
|
1日
|
1回
|
○
|
リシノプリル
|
ロンゲス
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
2.5~20mg
|
1日
|
1回
|
○
|
リシノプリル
|
ゼストリル
|
5,10,20
|
錠
|
1日
|
2.5~20mg
|
1日
|
1回
|
○
|
副作用
- 咳嗽:ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、血漿滲出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 高カリウム血症:間接的に血漿中のレニン濃度が低下するためにナトリウム取り込みとカリウム排泄が低下して高カリウム血症を来す
- 低血圧
- 腎不全
空咳の頻度
禁忌
- 腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれ。アンジオテンシンIIによる輸出細動脈の収縮作用がblockされ、両腎共に腎血流が減少しているためにGFRの低下を代償できず腎機能の悪化をきたす。
参考
- http://www.naoru.com/ace.htm
- http://kanri.nkdesk.com/drags/arb.php
[★]
- 関
- 降圧薬
商品
[★]
- 英
- perindopril
- 化
- ペリンドプリルエルブミン perindopril erbumine
- 商
- コバシル Coversyl、コバスロー、ペリンシール、ペリンドプリル
- 関
- 降圧薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬 ACE阻害薬
- アンギオテンシン変換酵素阻害薬。
- プロドラッグ
- 用量:2-4mg, 極量は8mg 1日1回内服¥
代謝
- エステル型プロドラッグである本剤の主要代謝経路は、エチルエステル基が加水分解されて活性代謝物であるペリンドプリラートを生成する経路であった。第2の代謝経路は分子内脱水反応による環状ラクタム体を生成する経路であり、第3の経路はグルクロン酸抱合体であった。
排泄
- 健康成人にペリンドプリルエルブミン2mg、4mg、8mg、12mgを単回経口投与した場合、投与後24時間までに投与量の21~26%が未変化体、3~10%がペリンドプリラート、12~14%がペリンドプリラートのグルクロン酸抱合体として尿中に排泄された。