イルベサルタン
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イルベサルタン
|
IUPAC命名法による物質名 |
2-butyl-3-({4-[2-(2H-1,2,3,4-tetrazol-5-yl)phenyl]phenyl}methyl)-1,3-diazaspiro[4.4]non-1-en-4-one |
臨床データ |
商品名 |
Avapro |
AHFS/Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a698009 |
ライセンス |
EMA:リンク、US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- S4 (Au), POM (UK), ℞-only (U.S.)
|
投与方法 |
Oral |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
60–80% |
血漿タンパク結合 |
~90% |
代謝 |
肝代謝 (CYP2C9) |
半減期 |
11–15 hours |
排泄 |
尿中 20%, 便中 65% |
識別 |
CAS番号 |
138402-11-6 |
ATCコード |
C09CA04 |
PubChem |
CID 3749 |
IUPHAR ligand |
589 |
DrugBank |
APRD00413 |
ChemSpider |
3618 |
UNII |
J0E2756Z7N |
KEGG |
D00523 |
ChEBI |
CHEBI:5959 |
ChEMBL |
CHEMBL1513 |
化学的データ |
化学式 |
C25H28N6O |
分子量 |
428.53 |
SMILES
- O=C1N(\C(=N/C12CCCC2)CCCC)Cc5ccc(c3ccccc3c4nnnn4)cc5
|
InChI
-
InChI=1S/C25H28N6O/c1-2-3-10-22-26-25(15-6-7-16-25)24(32)31(22)17-18-11-13-19(14-12-18)20-8-4-5-9-21(20)23-27-29-30-28-23/h4-5,8-9,11-14H,2-3,6-7,10,15-17H2,1H3,(H,27,28,29,30)
Key:YOSHYTLCDANDAN-UHFFFAOYSA-N
|
イルベサルタン(irbesartan)はアンジオテンシンII受容体拮抗薬のひとつ。高血圧症治療薬。フランスの旧サノフィ社(サンテラボとの合併前、現在のサノフィ)で開発された。日本での製品名は「アバプロ」(大日本住友製薬)及び「イルベタン」(塩野義製薬)。
目次
- 1 薬理
- 2 効能
- 3 エビデンス
- 4 副作用
- 5 脚注
- 6 関連項目
薬理
イルベサルタンはアンジオテンシンII受容体へ結合し、拮抗・阻害作用を示す。
- ロサルタンと同様に尿細管のURAT-1トランスポーターを阻害するため、尿酸が再吸収されず、血清尿酸値の低下をもたらす。
効能
エビデンス
IDNT [1]と IRMA2 [2] という海外での大規模臨床試験では、2型糖尿病での腎症進展において他剤と比べ有意差が認められた。
心不全患者においての大規模臨床試験では、プラセボと比較して総死亡では有意差を認めなかった。[3]
副作用
脚注
- ^ Lewis EJ et al for the collaborative study group: Renoprotective effect of the angiotensin-receptor antagonist irbesartan in patients with nephropathy due to type 2 diabetes. N Engl J Med. 2001; 345: 851-60.
- ^ Parving HH et al for the irbesartan in patients with type 2 diabetes and microalbuminuria study group: The effect of irbesartan on the development of diabetic nephropathy in patients with type 2 diabetes. N Engl J Med. 2001; 345: 870-8.
- ^ Massie BM, Carson PE, McMurray JJ, Komajda M, McKelvie R, Zile MR, Anderson S, Donovan M, Iverson E, Staiger C, Ptaszynska A (December 2008). "Irbesartan in patients with heart failure and preserved ejection fraction". N. Engl. J. Med. 359 (23): 2456–67. doi:10.1056/NEJMoa0805450. PMID 19001508.
関連項目
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- イルベタン,アバプロとは?イルベサルタンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アバプロ錠50mg
組成
有効成分
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒプロメロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、クエン酸トリエチル、酸化チタン、タルク
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
効能または効果
- 高血圧症
- 通常、成人にはイルベサルタンとして50〜100mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は200mgまでとする。
慎重投与
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 高カリウム血症の患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 重篤な腎機能障害のある患者〔過度の降圧により腎機能を悪化させるおそれがある。〕
- 肝障害のある患者、特に胆汁性肝硬変及び胆汁うっ滞のある患者〔本剤は主に胆汁中に排泄されるため、これらの患者では血中濃度が上昇するおそれがある。「薬物動態」の項参照〕
- 脳血管障害のある患者〔過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
重大な副作用
血管浮腫(頻度不明)
- 顔面、口唇、咽頭、舌等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高カリウム血症(頻度不明)
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
ショック、失神、意識消失(頻度不明)
- ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
腎不全(頻度不明)
- 腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸(0.1〜1%未満)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
低血糖(頻度不明)
- 低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
- 高レニン正常血圧サル、2腎性1クリップ型高血圧ラット、脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHRSP)において経口投与により用量依存的かつ持続的な降圧作用を示した。イルベサルタンは心拍数に影響を及ぼさなかった。また、高血圧進展過程の高血圧自然発症ラット(SHR)への反復経口投与により高血圧の進展を抑制した。その作用はイルベサルタン投与中止後も持続しリバウンド現象は認められなかった。
また、SHRに反復経口投与することにより高血圧の進展に伴う心肥大、並びに左心室及び大動脈の肥厚は抑制された。また、食塩負荷により高血圧性臓器障害と高い死亡率を呈するSHRSPでは、反復経口投与により、脳卒中発症、高血圧性臓器障害及び死亡の著明な抑制が認められた。脳卒中発症後のSHRSPでは、反復経口投与により死亡が抑制され、脳卒中症状も投与直後より著明に改善された。高食塩負荷5/6腎摘出SHRにおいては、反復経口投与により腎障害が軽減された16-20)。
作用機序
- in vitro試験においてウサギ摘出大動脈のアンジオテンシンII(AII)誘発収縮を特異的に抑制し、in vivo試験(ラット、イヌ、サル)においてもAII誘発昇圧反応に対して抑制作用を示した。In vitro結合試験から、その抑制作用はAII受容体に対する競合的拮抗に基づくものであり、更にAIIタイプ1受容体(AT1受容体)選択的であることが示唆された。その他の受容体には親和性を示さず、アンジオテンシン変換酵素も阻害しなかった21-26)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-Butyl-3-{4-[2-(1H-tetrazol-5-yl)phenyl]benzyl}-1,3-diazaspiro[4.4]non-1-en-4-one
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
融点
分配係数
- 約10.1(pH7.4、1-オクタノール/緩衝液)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- angiotensin receptor blocker, ARB, angiotensin II type 1 receptor blocker
- 同
- アンジオテンシン受容体拮抗薬
- 関
- 降圧薬
概念
- PHD.408
- アンジオテンシンIIの受容体はAT1とAT2がある。アンジオテンシンIIの生理作用としては血管収縮、アルドステロンの分泌、腎臓におけるNa+再吸収促進、交感神経系の刺激などがある。これらの作用はAT1受容体を介している(AT2受容体は胎児期の発生の際には豊富にあり、成人の一部臓器にも分布しているが、生理機能は不明)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はこのAT1受容体に競合的に結合して降圧をはかる薬剤である。血液中のアンジオテンシンIは循環血液中のACE以外の酵素によってアンジオテンシンIIに転換されうるので、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の方がアンジオテンシン転換酵素阻害薬よりRAA系をより阻害するとされている。
1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
配合錠
CaB
妊婦に禁忌である理由
- コディオ配合錠MD添付文書より引用
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれた。
比較
- http://koccr.ame-zaiku.com/dousyudoukouyaku40.htmlより改変
半減期比較
[★]
- 関
- 降圧薬
商品
[★]
- 英
- irbesartan
- 商
- アバプロ(大日本住友製薬)、イルベタン(塩野義)、アイミクス配合
- 関
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬、降圧薬
[★]
- 英
- pro