チリソロール
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- 大正富山医薬品株式会社のセレカル錠10(循環器官用剤)、一般名チリソロール塩酸塩 (Tilisolol hydrochloride) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
セレカル錠10
組成
成分
含量(1錠中)
添加物
- ケイ酸マグネシウム、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、硬化油、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、酸化チタン、カルナウバロウ
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者
〔気管支の収縮により、これらの症状を誘発するおそれがある〕
- 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者
〔心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある〕
- 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者
〔過度の心機能抑制があらわれるおそれがある〕
〔心機能の抑制により、原疾患を悪化させるおそれがある〕
〔心拍出量の抑制により、これらの症状を悪化させるおそれがある〕
〔「重要な基本的注意」6.の項参照〕
〔「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照〕
効能または効果
- 本態性高血圧症(軽症〜中等症)
- 通常、成人にはチリソロール塩酸塩として1日1回10mg〜20mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減できるが、効果不十分な場合は1日1回30mgまで増量できる。
- 狭心症
- 通常、成人にはチリソロール塩酸塩として1日1回20mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日投与量は最高30mgまでとする。
慎重投与
〔心拍出量の抑制により、うっ血性心不全を誘発するおそれがあるので、観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること〕
- 特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者
〔低血糖症状を起こしやすく、かつ症状をマスクしやすいので、血糖値に注意すること〕
〔本剤の代謝が遅延する可能性がある〕
〔血中半減期が延長するなどの報告がある〕
- 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)
〔末梢血流量の減少により、症状を悪化させるおそれがある〕
〔頻脈等の中毒症状をマスクするおそれがある(「重要な基本的注意」4.の項参照)〕
〔心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある〕
〔「高齢者への投与」の項参照〕
薬効薬理
交感神経β受容体遮断作用
- モルモット摘出右心房標本及び麻酔開胸犬において非選択性β受容体遮断作用が認められた6)7)。また、無麻酔イヌにおける本薬のβ受容体遮断作用は、プロプラノロールに比し、経口投与では5倍以上強く、かつ持続的であった7)。
- 健康成人に本剤20mgを経口投与したとき、運動負荷による心拍数の増加及び収縮期血圧の上昇を24時間にわたり抑制したことから、β受容体遮断作用の持続性が確認された8)。
末梢血管拡張作用
- 健康成人において、本剤は安静時の前腕血流量及び前腕血管抵抗を変化させなかったが、プロプラノロールでは前腕血流量の減少、前腕血管抵抗の上昇がみられた9)。
また、本態性高血圧症患者において血圧を低下させ、心拍数及び心拍出量を有意に減少させたが、末梢抵抗係数に有意な変動を認めなかった10)。これらの作用は、末梢血管拡張作用によるものと考えられる。
- ラット摘出大動脈標本において血管弛緩作用を示し、脳脊髄破壊ラットへの静脈内投与において拡張期血圧を低下させた。この作用はK+チャンネル遮断薬グリベンクラミドで拮抗されたことから、本薬の末梢血管拡張作用には平滑筋細胞膜のK+チャンネルの開口作用が関与していると考えられた11)。なお、種々の大動脈標本においてα受容体遮断作用、Ca拮抗作用、抗5-HT作用、抗アンジオテンシンII作用及び抗PGF2α作用は示さなかった12)13)。
降圧作用
- 自然発症高血圧ラットへの経口投与において抗高血圧作用が認められた14)。また、血漿レニン濃度を顕著に低下させた15)。
- 軽・中等症本態性高血圧症患者において、本剤10〜30mgの1日1回連続経口投与は日内変動プロフィール、日内変動幅及び最大変動幅に有意な変化を与えず、安定した降圧作用を示した16)。
- 本薬の降圧作用は主としてβ受容体遮断作用に基づく交感神経興奮の抑制7)、心拍出量の減少17)、血漿レニン活性低下作用15)及び末梢血管拡張作用9)10)によるものと考えられる。
抗狭心症作用
- 麻酔開胸犬への静脈内投与により左冠動脈前下行枝結紮によって生じる心電図のST-segment上昇を抑制した18)。
- 麻酔開胸犬への静脈内投与において、平均血圧、心拍数、心収縮力、心仕事量、冠血流量及び心筋酸素消費量を減少させた。本薬の抗狭心症作用は、心仕事量を減少させ、心筋の酸素需要が抑えられることが主作用であると考えられる6)17)。
その他の作用
- 内因性交感神経刺激作用(ラット)及び膜安定化作用(イヌ心室筋、モルモット)は認められなかった7)19)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- チリソロール塩酸塩(Tilisolol Hydrochloride)
化学名:
- (±)-4-(3-tert-butylamino-2-hydroxypropoxy)-2- methyl-1(2H)-isoquinolinone hydrochloride
- 約208℃(分解)
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