カンデサルタン、ヒドロクロロチアジド
- 関
- 血圧降下剤
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Japanese Journal
- カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド配合剤(エカード^【○!R】配合錠)の薬理作用および臨床効果
- 楠本 啓司,森 光宏,田之頭 淳一 [他],戸塚 伸夫
- 日本薬理学雑誌 134(4), 217-224, 2009-10-01
- エカード®配合錠はアンジオテンシンII(AII)タイプ1受容体拮抗薬(ARB)であるカンデサルタン シレキセチル(ブロプレス®錠,以下C.C.)4 mgまたは8 mgとチアジド系利尿薬であるヒドロクロロチアジド(HCTZ)6.25 mgとの配合剤である.両剤とも臨床において広く使用されている薬剤であるが,HCTZはレニンアンジオテンシン(RA)系の賦活化による血漿レニン活性上昇 …
- NAID 10025741780
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 持続性アンジオテンシンII受容体拮抗薬/利尿薬配合剤
販売名
エカード配合錠LD
組成
1錠中の有効成分
- カンデサルタン シレキセチル 4mg及びヒドロクロロチアジド 6.25mg
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール6000、ステアリン酸マグネシウム、黄色三二酸化鉄
禁忌
- 本剤の成分あるいは他のチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
- 無尿の患者又は血液透析中の患者
[ヒドロクロロチアジドの効果が期待できない。]
- 急性腎不全の患者
[ヒドロクロロチアジドは腎機能を更に悪化させるおそれがある。]
- 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者
[ヒドロクロロチアジドは低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
- 成人には1日1回1錠(カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして4mg/6.25mg又は8mg/6.25mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
- 原則として、カンデサルタン シレキセチル4mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgの投与を、カンデサルタン シレキセチル8mg、又はカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド8mg/6.25mgの投与を検討すること。
慎重投与
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
(「重要な基本的注意」の項参照)
- 腎障害のある患者
[ヒドロクロロチアジド又はカンデサルタン シレキセチルによる腎血流量の低下あるいは過度の降圧により腎機能が悪化するおそれがある。]
- 高カリウム血症の患者
[カンデサルタン シレキセチルは高カリウム血症を増悪させるおそれがある。](「重要な基本的注意」の項参照)
- 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者
[ヒドロクロロチアジドにより高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある。]
- 肝障害のある患者
[(1)カンデサルタン シレキセチルは肝機能を悪化させるおそれがある。また、活性代謝物カンデサルタンのクリアランスが低下することが推定されているため、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。(【薬物動態】の項参照) (2)ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を起こすおそれがある。]
- 重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
[ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]
- 下痢、嘔吐のある患者
[ヒドロクロロチアジドにより電解質失調を起こすおそれがある。]
- 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者
[ヒドロクロロチアジドは血清カルシウムを上昇させるおそれがある。]
- 減塩療法中の患者
[ヒドロクロロチアジドにより低ナトリウム血症を起こすおそれがある。]
- ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者(「相互作用」の項参照)
- 交感神経切除後の患者
[ヒドロクロロチアジドの降圧作用が増強される。]
- 薬剤過敏症の既往歴のある患者
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
- (いずれも頻度不明)
- 血管浮腫:顔面、口唇、舌、咽・喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- ショック、失神、意識消失:ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に厳重な減塩療法中、利尿剤投与中あるいは心不全を合併する患者では、本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行うこと。
- 急性腎不全:急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 高カリウム血症:重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
- 低ナトリウム血症:倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある(高齢者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。(「慎重投与」、「高齢者への投与」の項参照)
- 肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 無顆粒球症:無顆粒球症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 低血糖:低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 再生不良性貧血、溶血性貧血:重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
- 壊死性血管炎
- 肺水腫
- 全身性エリテマトーデスの悪化
- アナフィラキシー様反応
- 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
- 間質性腎炎
薬効薬理
カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジドとの併用による降圧作用
- 高血圧自然発症ラットにおいて、カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジドとの併用により、カンデサルタン シレキセチルの降圧作用の増強が認められている。また、カンデサルタン シレキセチルによるヒドロクロロチアジドの利尿作用への影響は認められていない。
降圧作用機序
- カンデサルタン シレキセチルの降圧作用は、生体内で吸収過程において速やかに加水分解され活性代謝物カンデサルタンとなり、主に血管平滑筋のアンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体においてアンジオテンシンIIと拮抗し、その強力な血管収縮作用を抑制することによって生ずる末梢血管抵抗の低下による。さらに、AT1受容体を介した副腎でのアルドステロン遊離に対する抑制作用も降圧作用に一部関与していると考えられる。1〜3)
ヒドロクロロチアジドの降圧作用機序は明らかではない。投与初期には細胞外液量及び心拍出量を減少させる。しかし、長期投与時の持続的な降圧効果は血管抵抗の低下によるものであり、細胞外液量は幾分か減少したままではあるが、心拍出量は治療開始前値に戻る。わずかではあるが細胞外液量の減少を伴う体内Na+量減少、血管平滑筋細胞内Na+濃度減少により二次的に細胞内Ca2+濃度が低下し、血管収縮ホルモンに対する血管平滑筋細胞の反応性が減弱し、末梢血管抵抗が減少することによる機序が考えられる。4)
レニン・アンジオテンシン系に及ぼす影響5〜9)
- 高血圧症患者74例(本態性高血圧症56例、腎障害を伴う高血圧症患者18例)を対象に、カンデサルタン シレキセチル1日1回1〜12mgの反復投与試験の結果、血漿レニン活性、血漿アンジオテンシンI濃度及び血漿アンジオテンシンII濃度の上昇がみられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ヒドロクロロチアジド(Hydrochlorothiazide)〔JAN〕
化学名
- 6-Chloro-3,4-dihydro-2H-1,2,4-benzothiadiazine-7-sulfonamide 1,1-dioxide
分子式
分子量
性状
- ヒドロクロロチアジドは白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。アセトンに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 降圧薬
商品
[★]
- 英
- hydrochlorothiazide HCT
- ラ
- hydrochlorothiazidum
- 商
- エカード配合、コディオ配合、ニュートライド、プレミネント配合、ベハイドRA配合、ベハイド、ミコンビ配合、ダイクロトライド
- 関
- チアジド系利尿薬、利尿薬
[★]
- 英
- candesartan
- 化
- カンデサルタンシレキセチル candesartan cilexetil
- 商
- ブロプレス、エカード配合、ユニシア配合、Atacand
- 関
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬
[★]
- 英
- compound、combination、mixture、compound
- 関
- 化合物、組み合わせ、混合、混合物、コンパウンド、複方、併用、化合、合併、コンビネーション、組合せ