ベタキソロール
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ケルロング錠5mg
組成
有効成分(1錠中)
添加物
- ポリビニルアルコール(部分けん化物)、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、D‐マンニトール、トウモロコシデンプン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン、マクロゴール6000、タルク、シリコーン樹脂
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスに基づく心収縮力の抑制を増強させるおそれがある。]
- 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロックのある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 心原性ショックのある患者[心機能を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
- 肺高血圧による右心不全のある患者[心機能を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
- うっ血性心不全のある患者[心機能を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
- 本態性高血圧症(軽症〜中等症)
- 腎実質性高血圧症
- 狭心症
本態性高血圧症(軽症〜中等症)
- 通常、成人にはベタキソロール塩酸塩として5〜10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減できるが、最高用量は1日1回20mgまでとする。
腎実質性高血圧症
- 通常、成人にはベタキソロール塩酸塩として5mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減できるが、最高用量は1日1回10mgまでとする。
狭心症
- 通常、成人にはベタキソロール塩酸塩として10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減できるが、最高用量は1日1回20mgまでとする。
- 褐色細胞腫の患者では、本剤の単独投与により急激に血圧が上昇するおそれがあるので、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。
慎重投与
- 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[症状を惹起するおそれがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。]
- うっ血性心不全のおそれのある患者[心機能を抑制し、症状を悪化させるおそれがあるので、観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること。]
- 甲状腺中毒症の患者[症状(頻脈等)をマスクするおそれがある。「2.重要な基本的注意」の項参照]
- 特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすいので、血糖値に注意すること。]
- 重篤な肝機能障害のある患者[本剤の代謝又は排泄が遅延するおそれがある。]
- 重篤な腎機能障害のある患者[本剤の代謝又は排泄が遅延するおそれがある。]
- レイノー症候群、間欠性跛行症等の末梢循環障害のある患者[末梢循環障害が増悪するおそれがある。]
- 徐脈、房室ブロック(I度)のある患者[心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
- 高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
完全房室ブロック(頻度不明)、心胸比増大(0.1〜5%未満)、心不全(0.1%未満)
- このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
降圧作用
- 本態性高血圧症患者へ1日1回5〜20mg経口投与により、血圧日内リズムに影響を与えることなく、24時間にわたり安定した降圧効果を示した10)。
- 各種実験的高血圧動物(高血圧自然発症ラット、DOCA‐食塩高血圧ラット)において、有意な降圧作用を示し、3週間の連続投与によっても耐薬性を生じなかった11)。
- 腎性高血圧のラット及びイヌにおいて、有意な降圧作用を示した11,12)。
抗狭心症作用
- 労作性あるいは労作兼安静狭心症患者に1日1回10mg反復経口投与し、トレッドミル運動負荷試験を行った結果、Rate Pressure Product(RPP)を減少させ、最大運動時間、ST下降(1mm)に至るまでの運動時間に有意な延長が認められた13)。
- 麻酔イヌにおいて静脈内投与により心筋酸素消費量を減少させた14)。
β受容体遮断作用
- モルモット摘出心房、麻酔ラットを用いた実験において、イソプロテレノールの陽性変時あるいは変力作用に対し、拮抗作用を示した15)。
β1受容体選択性
- モルモットの摘出心房標本及び摘出気管標本を用いた実験において、β1受容体選択性(β1/β2比)は53〜55であり、アテノロールの20〜32に比べ高かった15)。
- ラット大脳皮質のβ受容体に対する結合実験において、β1受容体に対する親和性はβ2受容体に比し170倍強く、アテノロールの29倍、メトプロロール酒石酸塩の27倍に比べ、高い選択性が認められた16)。
血管拡張作用
- 本態性高血圧症患者に1日1回経口投与により総末梢血管抵抗の減少傾向を認めた17)。
- ラット摘出大動脈標本を用いた実験において、K+及びCa++による収縮作用を抑制した18)。
- ラット摘出血管床定流量灌流標本を用いた実験で、灌流圧を低下させた。
- ラット、イヌを用いた実験で、直接的な末梢血管拡張作用が認められ12,18)、総末梢血管抵抗を減少させた14,19)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ベタキソロール塩酸塩
Betaxolol Hydrochloride
化学名
- (2RS)‐1‐{4‐[2‐(Cyclopropylmethoxy)ethyl]phenoxy}‐3‐[(1‐methylethyl)amino]propan‐2‐ol monohydrochloride
分子式
分子量
性 状
- 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品は水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすい。
本品1.0gを水50mLに溶かした液のpHは4.5〜6.5である。
本品の水溶液(1→100)は旋光性を示さない。
融 点
分配係数
- 4.03(pH7.0、n‐オクタノール/リン酸緩衝液系)
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 降圧薬
商品
[★]
- 英
- betaxolol
- 化
- 塩酸ベタキソロール betaxolol hydrochloride
- 商
- アロング、ケフナン、ケルロング、タルロング、ベタキール、ベタキソン、ベトプティック、ベトプティックエス
- 関
- 眼科用剤