- ラ
- macula densa (HIS,Z)
- 関
- 傍糸球体装置、糸球体、腎臓
- ヘンレのループの太い上行脚(遠位直尿細管)と遠位曲尿細管との間に存在する。
- 尿量↑→GFR↓
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/28 03:04:05」(JST)
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緻密斑(ちみつはん、macula densa)とは遠位尿細管の上皮細胞において丈が高く、核が密集して配列する領域。腎小体の血管極に接して位置する。緻密斑は糸球体外メサンギウム細胞、糸球体傍細胞とともに糸球体傍複合体を構成する要素の一つである。
緻密斑細胞は遠位尿細管を流れる原尿のCl-イオン濃度を感知して、糸球体傍複合体からのレニン分泌を促進する。
組織学
緻密斑細胞は遠位尿細管の他の上皮細胞と比較して、細胞同士は近接しており背は高く、核は密集している。光学顕微鏡で見ると、この部位が濃く暗く染色されていることから、macula densa(macula=斑点、densa=密集)と名付けられた。
機能
血圧が低下すると、緻密斑(遠位尿細管)を流れるNa+、Cl-濃度が低下する。その機序は次の通りである。
血圧が低下すると腎動脈血漿量が低下し、その結果、糸球体の毛細血管血漿量も低下する。毛細血管血漿量の低下は、腎糸球体濾過量の低下を招き、濾過される原尿量は低下する。原尿量の低下は、Na+、Cl-濃度低下を招く。
というのは、ヘンレのループ(太い上行脚)でNa+・Cl-イオンを能動的に再吸収しており、原尿量が低下するとNa+・Cl-再吸収量効率が高まり、その結果遠位尿細管に届く原尿中のこれらのイオン濃度が低下するためである。
緻密斑細胞はこの原尿Cl-濃度低下を感知し、プロスタグランジンを分泌する。これを引き金に、糸球体傍細胞が輸入細動脈にレニンを分泌する。こうしてレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が亢進し、結果として血圧は上昇する。(負のフィードバック)
関連項目
参考文献
- 日本獣医解剖学会編 『獣医組織学改訂第二版』 学窓社 2003年
- 高橋迪雄監訳 『獣医生理学第2版』 文永堂出版 2000年
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
Japanese Journal
- 塚原 宏一
- 日本小児腎臓病学会雑誌 = Japanese journal of pediatric nephrology 19(2), 96-103, 2006-11-15
- … 神経型酵素(neural nitric oxide synthase,以下,nNOS;1型NOSとも呼称される)は緻密斑などに分布し,tubuloglomerular feedback機構に関与するとされる。 …
- NAID 10025700744
- 緻密斑に特異的に局在するクロライドチャネルの分子生物学的特性
- 坂本 尚登,松尾 孝俊,内藤 一郎 [他]
- 財団法人ソルト・サイエンス研究財団助成研究報告集 2002年度, 131-138, 2002
- NAID 40006184919
Related Links
- 栄養・生化学辞典 - 緻密斑の用語解説 - 腎臓の一部の組織の名称で,輸入細動脈が糸球体の血管極に入る直前の遠位尿細管の部分にあたる.尿細管中のナトリウムイオン濃度を感知して,糸球体傍細胞にレニン分泌を促し,それ ...
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- 腎臓 緻密斑macula densa † 遠位尿細管がメサンギウム細胞と接する部。尿細管内のNaCl濃度に反応し,傍糸球体細胞のレニンreninの放出を調節。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- kidney
- ラ
- ren
- 関
- 腎機能
- 図:N.265(水平断,上部) N.320(背面) N.332(水平断)
- 図:Z.92、M.173(体表解剖)、N.321,322
解剖
大きさ
重量
- 115-170g(PT.461), 160g(♂)/140g(♀)(KL.395)
血管尿管との関係
- 腎臓を内側から見るとき、腹側から静脈、動脈、尿管の順に並んでいる
位置
- 腹腔の後壁で、脊椎の両側にある(PT.461)
- 右腎:T11-L2椎体、左腎:T12-L3椎体 (M.173)。T12-L3椎体。右腎は左腎より約1.5cm低位 (KL.395)
- 両方の腎も幽門平面を貫くが、右腎は腎の上方で貫いている (M.173)
- 尋問は中面より5cm離れた場所にある (M.173)
- 腸骨稜の高いところを通る矢状面を貫く。この面は第12肋骨の先端をかすめる (M.173)
- 腎臓の背側側は上方では横隔膜を挟む。さらにその下層では第11胸神経、肋下神経、腸骨下腹神経、腸骨鼡径神経が下外側に走行している (M.173)
血管
-
- 上区動脈
- 上前区動脈
- 下前区動脈
- 前区動脈
- 下区動脈
- それぞれから以下の通りに分岐する
部位名
生理
機能 (SP.776 2007年度後期生理学授業プリント)
-
-
- 尿中酸総排泄量 = 滴定酸(リン酸, 硫酸など) + NH4+ - HCO3-(重炭酸イオンの再吸収)
- 1-2. 尿素・尿酸・クレアチニンの排泄
- 1-3. 異物の排泄
- 肝臓でP450やグルクロン酸抱合された解毒物の排泄
-
- 活性型ビタミンDの産生(腎小体で濾過したビタミンDを近位尿細管で再吸収し、活性型に転換して血中に戻す)
- pO2↓→近位尿細管近傍の線維芽細胞が分泌~
- 赤血球を作る増殖因子
- 輸入細動脈顆粒細胞から分泌される
- レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の最初に位置する
- 副腎皮質を刺激して鉱質コルチコイド(アルドステロン)を放出させる & 血管の平滑筋を刺激して血圧を上昇させる。
- 糖新生
ホルモンによる調節
- バソプレシン[視床下部後葉]により、遠位尿細管で水の再吸収が促進される
- 鉱質コルチコイド(アルドステロン)[副腎皮質]により、遠位尿細管でのNa( H2O)の再吸収が促進される
- 重炭酸イオン(HCO3-)の再吸収[近位尿細管、CO2が細胞内に拡散]
- ナトリウムイオン(Na+)の再吸収[近位尿細管、遠位尿細管]
- アンモニア(NH3)の排出[細胞外に拡散]
- 水素イオンH+の排出[近位尿細管、遠位尿細管のNa+-H+交換輸送体]
神経による調節 (SP.784)
- 交感神経により腎血流が調節されている
- 弱い刺激:輸出細動脈が収縮→RPF↓、濾過圧↑→GFRほぼ不変
- 強い刺激:輸入細動脈も収縮→RPF↓、GFR↓
尿の生成 (生理学実習1 実習テキストp.3)
- 腎を流れる血流量 1L/min = 1440L/day
- 原尿生成 0.1L/min = 160L/day
- 尿生成 0.7-1.0ml/min = 1-1.5L/day
-kidney
[★]
- 英
- thiazide diuretic, benzothiazide diuretic
- 同
- サイアザイド系利尿薬
- 関
- 利尿薬、利尿薬の作用部位、sodium-chloride symporter inhibitor。ギテルマン症候群
特徴
- 安価である
- 有効率が高い
- 遠位尿細管前半部に作用するらしい
- Na+とCl-の共輸送体(NCCT)を阻害→Na+,Cl- の再吸収を阻害する
排泄される電解質の変化
- Na↑、K↑、H↑、Ca↓、Mg↑、Cl↑、HCO3↑、H2PO4↑
-
- チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
- チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → つまり管腔側から受動的に引き込まれるということ。
- ループ利尿薬と同様の機序による (GOO.755)
チアジド系利尿薬
効能・効果
禁忌
- 無尿(効果なし)
- 急性腎不全(腎機能悪化):緻密斑より下流にチアジド系利尿薬の作用部位があるため、GFRを増加させたい場合にフィードバックがかかりにくいため?(緻密斑は適正量のNaが排泄されていると検出し、GFRを低下させても、下流では想定より多くのNaを喪失し、hypovolemicになる?)
- 電解質異常
副作用
- 長期間の使用における副作用:低カリウム血症、高尿酸血症、高脂血症、耐糖能低下、光線過敏症、脂質代謝障害。高カルシウム血症(YN.C-62) → (利尿薬参照。ループ利尿薬との違いはカルシウムを排泄するかどうか)
低カリウム血症
- GOO.756
- カリウムは抗高血圧作用があるので、チアジド系利尿薬の利尿作用を打ち消してしまう。
耐糖能の低下
- GOO.756
- 低カリウム血症の関与が示唆されている。K+をチアジド系利尿薬と共に投与すると高血糖が改善されるから。
歴史
- 第二次世界大戦中、衛生状態の悪い兵士の間でシラミを介したバルトネラ属の感染症(塹壕熱、病原体はBartonella quintana)が流行していたが、この治療にサルファ剤が用いられていた。このサルファ剤が有する利尿作用に中臆して開発されたのがチアジド系利尿薬である。1957年にクロロチアジド、1959年に10倍の利尿作用を有するヒドロクロロチアジドが開発された。いずれも光線過敏症が副作用として知られている。日本では光線過敏症がより少ないと言われているトリクロルメチアジド(フルイトラン)がもっぱら用いられている。チアジド系利尿薬は日本では光線性白斑黒皮症と知られており、色素沈着と白斑を伴う。
- 参考:チアジド系利尿剤の副作用の歴史 日本医史学雑誌第58巻第2号(2012)p156
[★]
- 英
- juxtaglomerular apparatus (SP,Z), JGA
- 同
- 糸球体傍装置、糸球体近接装置
- 傍糸球体細胞 juxtaglomerular cells、傍糸球体細胞装置
- 関
- 糸球体、輸入細動脈、輸出細動脈
- 糸球体の血管極付近の次の構造を傍糸球体装置と呼ぶ (出典不明)
- 輸入細動脈:平滑筋細胞、顆粒細胞
- 遠位尿細管:緻密斑の細胞
- 輸出細動脈:平滑筋細胞
- 糸球体外メサンギウム細胞:両細動脈と緻密斑に囲まれる
- 糸球体内メサンギウム細胞
臨床関連
[★]
- 英
- macula densa
- 関
- マクラ・デンサ
- 関
- 緻密斑
[★]
- 英
- compact、compactly
- 関
- コンパクト、小型
[★]
- 英
- macula
- 関
- 発疹