- 英
- renal vein (Z), renal veins
- ラ
- venae renales
- 関
- 下大静脈、腎動脈、腎臓
- 腎門部:腹側から腎静脈、腎動脈、尿管の順に位置する。 → VAU
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/16 22:54:18」(JST)
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静脈: 腎静脈 |
腎臓を前面から見たところ。腎臓につながっている管が腎静脈で、左腎静脈(むかって右側)のすぐ上には上腸間膜動脈の起始がある。
|
1. 腎錐体
2. 葉間動脈
3. 腎動脈
4. 腎静脈
5. 腎門
6. 腎盂
7. 尿管
8. 小腎杯
9. 腎被膜 |
10. 下端
11. 上端
12. 葉間静脈
13. ネフロン
14. 腎洞
15. 大腎杯
16. 腎乳頭
17. 腎柱 |
|
英語 |
renal vein |
ラテン語 |
venae renales |
グレイの解剖学 |
書籍中の説明(英語) |
血液の排出元 |
腎臓 |
起始
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葉間静脈
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合流
|
下大静脈
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動脈
|
腎動脈
|
MeSH |
Renal+Veins |
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腎静脈(英:renal vein)は腎臓から還流する静脈で腎臓と下大静脈をつないでいる。
重複腎静脈と呼ばれる稀な場合を除いて、腎静脈は両側に1本ずつだけある[1]。左右の静脈の位置関係は以下の通り。
- 左腎静脈は脾静脈と膵臓の膵体部の後側にあり、腹部大動脈と上腸間膜動脈に挟まれている。
- 右腎静脈は十二指腸第2部の後ろに位置している。
腎静脈は腎臓近くで2本に分かれており、
- 前半分からの血液を受ける腎静脈前枝
- 後半分から血液を受ける腎静脈後枝
の2つがある。これらはさらに枝分かれしている。また、尿管からの静脈も一部受けていることがよくある。
目次
- 1 非対称性
- 2 関連疾患
- 3 変異
- 4 参考文献
- 5 画像
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
非対称性
下大静脈が体の中心より右に走っている関係で左腎静脈の方が右腎静脈より長い。逆に、右腎静脈は左の3分の1ほどの長さしかないので下大静脈と右腎がかなり接近している。そのため右腎の手術は左腎よりも複雑とされる。また、左右対称でないために左腎静脈は以下の静脈をも受けている[2] 、
- 左副腎静脈
- 左精巣静脈(男性)・左卵巣静脈(女性)
- 左第2腰静脈
右半身ではこうした静脈は直接下大静脈に流れ込んでいるのが普通である。ただし、通常右側にあるはずの下大静脈が左側にあるような変異(左下大静脈)などでは、右精巣静脈(右卵巣静脈)が右腎静脈に合流していることもある[3]。
関連疾患
腎静脈と関連する疾患としては、腎静脈血栓症(renal vein thrombosis :RVT)やナットクラッカー症候群(左腎静脈陥穿症候群)などがある。
腎静脈血栓症は、大量のタンパク質が尿中に流出するネフローゼ症候群などに伴い、腎静脈に血栓ができるものである。
ナットクラッカー症候群は、左腎静脈が腹部大動脈と上腸間膜動脈によって押しつぶされて静脈圧が上昇することにより発症する。これは、腎静脈が腹部大動脈と上腸間膜動脈に挟まれるような位置で走っていることによる。この位置関係がくるみ割りの道具(ナットクラッカー)に似ていることから、「ナットクラッカー症候群」と呼ばれるようになったという[4]。
変異
腎静脈の変異は少ないほうで、重複腎静脈で一番多いのは右に2本左に1本あるものである[5]。この他、左側に複数ある場合は大動脈を囲んでいることがある。
参考文献
- 伊藤隆 : 解剖学講義 第2版, 南山堂 ISBN 4-525-10052-4
- Susan Standring: GRAY'S Anatomy 39e, Elsevier ISBN 0-443-06676-0
- 佐藤達夫、秋田恵一 : 日本人のからだ 解剖学的変異の考察 , 東京大学出版会 ISBN 4-13-066404-2
- ^ article at GE's Medcyclopaedia
- ^ Dissector Answers - Kidney & Retroperitoneum
- ^ 構造系実習中に見いだされた左下大静脈の1例 : 埼玉医科大学雑誌 第36 巻 第1号 PDFファイル
- ^ ナットクラッカー現象について―初歩から始める超音波検査室
- ^ 『日本人のからだ』、285-286頁
画像
-
-
-
左下横隔静脈や左精巣静脈が左腎静脈に流れ込んでいるのがわかる。
関連項目
外部リンク
- Anatomy figure: 40:06-05 at Human Anatomy Online, SUNY Downstate Medical Center - "Retroperitoneal structures on the posterior abdominal wall."
腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
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肉眼解剖
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ゲロタ筋膜
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尿細管
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尿路 |
肉眼解剖
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尿管 - 膀胱 - 尿道
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顕微解剖
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- 原発性アルドステロン症診断治療の最近の進歩 (特集 厚生労働省難治性疾患研究から得られた日本の難病の現状 : 内分泌系4領域の研究成果) -- (副腎ホルモン産生異常)
- 原発性アルドステロン症 (特集 内分泌疾患 : 疑うヒントと専門医へ紹介するポイント) -- (副腎疾患)
- 原発性アルドステロン症の診断ガイドライン (第5土曜特集 高血圧のすべて2012 : 研究と診療の最前線) -- (ガイドライン改訂にみる高血圧診療のコントロバーシ)
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- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096G031]←[国試_096]→[096G033]
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[正答]
※国試ナビ4※ [100G044]←[国試_100]→[100G046]
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[正答]
※国試ナビ4※ [110B007]←[国試_110]→[110B009]
[★]
- 英
- kidney
- ラ
- ren
- 関
- 腎機能
- 図:N.265(水平断,上部) N.320(背面) N.332(水平断)
- 図:Z.92、M.173(体表解剖)、N.321,322
解剖
大きさ
重量
- 115-170g(PT.461), 160g(♂)/140g(♀)(KL.395)
血管尿管との関係
- 腎臓を内側から見るとき、腹側から静脈、動脈、尿管の順に並んでいる
位置
- 腹腔の後壁で、脊椎の両側にある(PT.461)
- 右腎:T11-L2椎体、左腎:T12-L3椎体 (M.173)。T12-L3椎体。右腎は左腎より約1.5cm低位 (KL.395)
- 両方の腎も幽門平面を貫くが、右腎は腎の上方で貫いている (M.173)
- 尋問は中面より5cm離れた場所にある (M.173)
- 腸骨稜の高いところを通る矢状面を貫く。この面は第12肋骨の先端をかすめる (M.173)
- 腎臓の背側側は上方では横隔膜を挟む。さらにその下層では第11胸神経、肋下神経、腸骨下腹神経、腸骨鼡径神経が下外側に走行している (M.173)
血管
-
- 上区動脈
- 上前区動脈
- 下前区動脈
- 前区動脈
- 下区動脈
- それぞれから以下の通りに分岐する
部位名
生理
機能 (SP.776 2007年度後期生理学授業プリント)
-
-
- 尿中酸総排泄量 = 滴定酸(リン酸, 硫酸など) + NH4+ - HCO3-(重炭酸イオンの再吸収)
- 1-2. 尿素・尿酸・クレアチニンの排泄
- 1-3. 異物の排泄
- 肝臓でP450やグルクロン酸抱合された解毒物の排泄
-
- 活性型ビタミンDの産生(腎小体で濾過したビタミンDを近位尿細管で再吸収し、活性型に転換して血中に戻す)
- pO2↓→近位尿細管近傍の線維芽細胞が分泌~
- 赤血球を作る増殖因子
- 輸入細動脈顆粒細胞から分泌される
- レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の最初に位置する
- 副腎皮質を刺激して鉱質コルチコイド(アルドステロン)を放出させる & 血管の平滑筋を刺激して血圧を上昇させる。
- 糖新生
ホルモンによる調節
- バソプレシン[視床下部後葉]により、遠位尿細管で水の再吸収が促進される
- 鉱質コルチコイド(アルドステロン)[副腎皮質]により、遠位尿細管でのNa( H2O)の再吸収が促進される
- 重炭酸イオン(HCO3-)の再吸収[近位尿細管、CO2が細胞内に拡散]
- ナトリウムイオン(Na+)の再吸収[近位尿細管、遠位尿細管]
- アンモニア(NH3)の排出[細胞外に拡散]
- 水素イオンH+の排出[近位尿細管、遠位尿細管のNa+-H+交換輸送体]
神経による調節 (SP.784)
- 交感神経により腎血流が調節されている
- 弱い刺激:輸出細動脈が収縮→RPF↓、濾過圧↑→GFRほぼ不変
- 強い刺激:輸入細動脈も収縮→RPF↓、GFR↓
尿の生成 (生理学実習1 実習テキストp.3)
- 腎を流れる血流量 1L/min = 1440L/day
- 原尿生成 0.1L/min = 160L/day
- 尿生成 0.7-1.0ml/min = 1-1.5L/day
-kidney
[★]
- 英
- renal artery (Z)
- ラ
- arteria renalis
- 関
- 腎臓、腎静脈
臨床関連
[★]
- 英
- left renal vein
- 関
- 腎静脈、右腎静脈、腎臓
[★]
- 英
- gastro-renal shunt
- 同
- 胃腎静脈短絡?
- 関
- 胃静脈瘤
[show details]
胃腎静脈短絡 : 33 件
胃腎静脈シャント : 7 件
胃腎静脈短絡症 : 8 件
[★]
- 英
- renal vein catheterization, catheterization of the renal vein
[★]
- 英
- right inferior adrenal vein
- 同
- 右下腎上体静脈
[★]
遠位脾腎静脈吻合術
[★]
- 英
- vein (Z)
- ラ
- vena
- 毛細血管から発生した静脈血を心臓に送るために使われる血管。