- 英
- osteoclast OC
- ラ
- osteoclastus
- 関
- 骨芽細胞
WordNet
- cell that functions in the breakdown and resorption of bone tissue
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/10 19:46:39」(JST)
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破骨細胞 |
牛の胎児の下顎の小柱骨組織上の骨芽細胞(Osteoblasts)と破骨細胞(osteoclasts)
|
英語 |
Osteoclast |
破骨細胞(はこつさいぼう、osteoclasts)とは、骨のリモデリング(再構築)において、骨を破壊(骨吸収)する役割を担っている細胞である。5~20個(あるいはそれ以上)の核をもつ多核の細胞である。
目次
- 1 特徴
- 2 機能
- 3 関連疾患
- 4 参考文献
- 5 関連項目
特徴
破骨細胞は大型で樹枝状の運動性細胞である。骨髄由来の単球系細胞が分化・融合して破骨細胞になることが知られており、数個から数十個の核を有する多核巨細胞で、細胞質は好酸性を示し酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ活性を有する。
機能
破骨細胞は骨基質を溶かして吸収する。具体的には周りにコラゲナーゼや水素イオンその他の酵素を放出し、コラーゲンの分解やカルシウム塩結晶の融解を引き起こす。また、酵素によって浸食された部位ではハウシップ窩(Howship's lacuna)というくぼみができる。活発な破骨細胞の骨基質に接する表面、つまりハウシップ窩側は不規則なひだ状である。この突起は波状縁(ruffled border)と呼ばれ、この周囲はアクチンフィラメントが多く明帯とよばれる。
破骨細胞は、副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)やカルシトニン(calcitonin:CT)によって、その働きがコントロールされている。カルシトニンは、血中のカルシウム濃度を下げる働きをし、また破骨細胞の働きを抑制する。副甲状腺ホルモンは、骨芽細胞によるカルシウムイオンの細胞外液への輸送と破骨細胞による骨吸収を促進して、反対にカルシウムイオンの量を増やす。
破骨細胞や骨芽細胞とこれらをコントロールするホルモン等のバランスにより血中カルシウムイオン濃度や骨が保持されている。
関連疾患
- 骨ページェット病(Paget's disease)では破骨細胞による骨融解が異常に亢進する。これを直そうと骨芽細胞が未熟な骨(線維骨)を作るので骨がもろくなる。
- 大理石骨病(osteopetrosis)では、破骨細胞は波状縁を欠き、骨吸収が出来ないので骨が異常に成長し硬くなる。結果的に、血液細胞の形成(造血)が減少し、貧血をおこしやすく感染症にかかりやすくなる。
- 副甲状腺機能亢進症(hyperparathyroidism)では副甲状腺ホルモンが増えすぎることで破骨細胞が増え、活動が亢進することにより骨がもろくなる。
- 骨粗鬆症では、骨芽細胞による骨形成と、破骨細胞による骨融解のバランスが崩れ、骨量の低下が出現する。破骨細胞を抑制する薬剤にはビスフォスフォネートや抗RANKL抗体などがある。
参考文献
- Luiz Carlos Junqueira. 坂井 建雄訳: ジュンケイラ組織学, 丸善 ISBN 978-4-621-07821-1
- Barbara Young et al: Wheater's Functional Histology, Elsevier ISBN 9780443068508
- 阪大とJST、破骨細胞が実際に骨を壊していく様子も撮影可能な顕微鏡を開発 2013年1月17日マイナビニュース
- 世界初 破骨細胞が骨を壊す様子のライブイメージングに成功 2013年1月17日科学技術振興機構(JST)
- 「骨粗鬆症を抑制する新しい分子機能の発見」【野田政樹 教授】 2014年2月4日 東京医科歯科大
- メダカにおける微少重力が破骨細胞に与える影響と重力感知機構の解析 Medaka Osteoclast実験 2013年1月 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
- メダカの顕微鏡観察実験を「きぼう」で実施しました 2014年2月17日 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
- キンギョのウロコからみえてくる宇宙での骨量減少のメカニズム Fish Scales実験 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
関連項目
- 細胞/骨芽細胞
- リモデリング
- 骨
- リウマチ学
- 組織学/解剖学(口腔解剖学)/形成外科学/歯科矯正学/細胞生物学
- 骨粗鬆症
骨髄系統 - 血液 (白血球 · 赤血球 · 血小板) |
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造血幹細胞
HSC |
骨髄系前駆細胞
(CFU-GEMM)
|
顆粒球・単球系前駆細胞
(CFU-GM)
|
|
骨髄芽球→前骨髄球→骨髄球→後骨髄球→桿状核球→分葉核球(好中球)
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マクロファージ
|
組織球 · クッパー細胞 · 肺胞マクロファージ · 小膠細胞 · 破骨細胞 · 類上皮細胞 · 巨細胞 (ラングハンス巨細胞、異物巨細胞、トートン型巨細胞)
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CFU-DL
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樹状細胞 · ランゲルハンス細胞
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共通
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骨髄性単球
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CFU-Baso
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骨髄芽球→好塩基性前骨髄球→好塩基性骨髄球→好塩基性後骨髄球→(好塩基球)
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|
CFU-Eos
|
骨髄芽球→好酸性前骨髄球→好酸性骨髄球→好酸性後骨髄球→好酸性桿状核球→好酸性分葉核球 (好酸球)
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|
MEP
|
CFU-Meg
|
巨核芽球 · 巨核球 · 血小板
|
|
CFU-E
|
赤芽球 · 網赤血球
|
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|
CFU-Mast
|
肥満細胞前駆体
|
|
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非細胞 |
血漿
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 穿刺吸引細胞診で推定しえた破骨細胞様巨細胞を伴う乳癌の1例
- 橘 充弘,大石 直樹,橋本 裕美,曽根 玉恵,植野 辰雄
- 日本臨床細胞学会雑誌 50(4), 240-241, 2011-07-22
- NAID 10029121736
- ビスフォスフォネート製剤のゾレドロン酸は破骨細胞分化における破骨細胞前駆細胞のRANK発現と遊走能を抑制する(平成22年度福岡歯科大学大学院歯学研究科博士論文内容の要旨及び審査結果の要旨)
- 抗ClC7抗体はマウス破骨細胞の酸活性化Cl^-電流と骨吸収活性を抑制する(平成22年度福岡歯科大学大学院歯学研究科博士論文内容の要旨及び審査結果の要旨)
Related Links
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- 80. 埼玉医科大学雑誌 第 33 巻 第 3, 4 号 平成 18 年 12 月. 特別講演. (1)はじめに. 破骨細胞は細胞同士が融合した巨大な多核細胞. であり,骨の再構築や歯牙萌出の際 の骨吸収を担っ. ている1).通常,破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞. による骨形成は ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- parathyroid hormone, PTH
- 同
- 上皮小体ホルモン, パラソルモン parathormone
- 関
- 上皮小体、カルシトニン
- 副甲状腺、甲状腺
- カルシウム
- 「血中カルシウムイオンの低下」により分泌され、「血中カルシウムイオン濃度を上げる」ホルモン
分類
性状
産生組織
標的組織
作用
2007年度後期生理学授業プリント
-
- リン酸の再吸収↓ ← ビタミンDはリン酸の再吸収↑
- HCO3-排出↑ → 原発性副甲状腺機能亢進症では代謝性アシドーシスを起こす
- 活性ビタミンD3産生↑ (副甲状腺に対してネガティブフィードバックをかける)
-
- カルシウム再吸収↑
- 活性ビタミンD3存在下で、腸管からのカルシウム取り込み↑
YN.D46
- 1. 遠位尿細管でのCa2+再吸収↑→血中Ca↑
- 2. 近位尿細管でのP再吸収↓→血中P↓
- 3. 近位尿細管でのHCO3-再吸収↓→排泄↑→高Cl性代謝性アシドーシス
- 4. 近位尿細管で1α水酸化酵素活性化→1,25-(OH)2-D産生↑→腸管でのCaとPの吸収↑
- 5. 骨芽細胞に作用は破骨細胞の形成・機能↑→Ca2+遊離→血中Ca2+, P, H+↑
骨の形成と吸収 YN.D46
分泌の調節 (2007年度後期生理学授業プリント)
- 血中カルシウムイオン濃度↓→PTH分泌↑
- 血中カルシウムイオン濃度↑→PTH分泌↓
分泌調節のポイント:カルシトニン ←Ca2+ + protein binding Ca 。 副甲状腺ホルモン ←Ca2+
分子機構
臨床関連
臨床関連
[★]
- 英
- hypercalcemia
- 同
- 高Ca血症
- 関
- カルシウム、低カルシウム血症
- 研修医当直御法度 症例帳 p.32
- 組織へのカルシウム蓄積を引き起こしうる (BPT.27)
病因
- 肉芽の構成成分であるマクロファージがビタミンD3を産生?
-
- チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
- チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → ループ利尿薬と違ってチアジド系利尿薬ははCaを排泄しない!! see.利尿薬
- 5. 家族性低Ca尿性高Ca血症
- 6. その他(リチウム???? (ICU.558))
- ECGP.223
USMLEより
- Caused by calcium ingestion (milk-alkali syndrome), hyperparathyroid, hyperthyroid, iatrogenic (thiazides), multiple myeloma, Paget's disease, Addison's disease, Neoplasms, Zollinger-Ellison syndrome, Excess vitamin D, Excess vitamin A, sarcoidosis.
- Calcium ingestion
- Hyperparathyroid/Hyperthyroid
- Iatrogenic
- Multiplemyeloma
- Paget's disease
- Addison's disease
- Neoplasms
- Zollinger-Ellison syndrome: ZES単独ではなく、MEN Iによるparathyroid tumorに続発した病態
- Excessive vitamin D
- Excessive vitamin A
- Sarcoidosis
定義
- 疑い:常に≧10.3 mg/dl
- 確実:≧10.5 mg/dl
↑
基準値
- 血清総Ca 8.6-10.1 mg/dl(臨床検査法提要第32版)
- 血清Caイオン 1.15-1.30 mmmol/l(臨床検査法提要第32版), 4.6-5.1 mg/dl
症候
- 軽度(11-11.5 mg/dL):通常は無症状。(HIM.285)
- 重度(>12-13 mg/dL):傾眠、昏迷、昏睡、消化器症状が出現。(HIM.285)
- 精神・神経症状:錯乱、昏迷、昏睡。イライラ感、うつ傾向(QB.D-339)
- 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐、便秘。膵炎、消化性潰瘍。腹部膨満(腸管運動抑制による(QB.D-339))
- 消化性潰瘍:高カルシウム血症は胃酸分泌を促進する
- 急性膵炎:高カルシウム血症は膵液の分泌を亢進する。(YN.B-78) ← 過剰に出ちゃうと炎症が起こってしまうらしい
- 泌尿器:多尿、腎結石(血清Ca 12mg/dLでできやすくなるらしい) ← 多尿は浸透圧利尿による(ICU.558)
-
- 腎不全は一般的に低カルシウム血症となるが、高カルシウム血症に起因する腎不全は例外。
- →高カルシウム血症性腎症 hypercalcemic nephropathy
- 腎の石灰化→髄質に蓄積→尿細管圧迫→尿濃縮力障害 ← 続発性尿崩症の原因???
- 高カルシウム血症は腎の濃縮力を低下させる(HIM.286) ← 腎集合管におけるADHの作用を阻害(QB.D-339)
- 心血管:血管収縮による高血圧(出典不明!!)。徐脈、房室ブロック、QT短縮(HIM.284)。 ← YN.D-147には血圧上昇、ICU.558には低血圧とある。
- 筋 :筋力低下、筋痛
- 全身:易疲労感
- 異所性石灰化 red eye 強膜にカルシウムが沈着
- 多尿による脱水、高血圧、徐脈
心電図
- EAB.114 SP.94,524
- QT短縮、ST短縮 ← 活動電位持続時間が短縮したことを示す。QRS幅については延長する場合もある(EAB.114)
- ↑細胞外カルシウム濃度→↑内向きカルシウム電流(↑流入速度)→さらに脱分極するように思えるが↑外向きカリウム電流により打ち消される→正味、カルシウムの移動が無くなるまでの時間が早まる→↓活動電位持続時間
- 高カルシウム血症→QT短縮: ←高カリウム血症
- 低カルシウム血症→QT延長: ←低カリウム血症 低マグネシウム血症
治療
- 症状が出たときか、症状無く血清Ca 14mg/dL以上の場合(ICU.558)
- 1. 細胞外液の補充
- 2. ナトリウム利尿によるカルシウム排泄の促進
血液透析
高カルシウム血症の鑑別
尿中のCa排泄 PTH PTHrP 1,25(OH)2D3
原発性甲状腺機能亢進症 ↑ ↑ ↓ → or ↑
腫瘍のPTH関連蛋白分泌 ↑ ↓ ↑ ↓
腫瘍の骨破壊 ↑ ↓ ↓ ↓
肉芽腫症 ↓ ↓ ↓ → or ↑
参考
国試
[★]
- 英
- osteoblast OB
- ラ
- osteoblastus
- 同
- 造骨細胞 bone forming cell
- 関
- 破骨細胞
[★]
- 英
- Howship's lacuna, Howship lacuna, Howship's lacunae
- 同
- 吸収窩
- 関
- 破骨細胞
[★]
- 英
- osteoprotegerin ligand
- 関
- 破骨細胞分化因子、ランクリガンド
[★]
- 英
- osteoclast precursor, preosteoclast POC
- 関
- 破骨細胞前駆細胞
[★]
- 英
- osteoclastic bone resorption
[★]
- 英
- osteocyte, bone cell
- ラ
- osteocytus
- 関
- 骨吸収
[★]
- 英
- cell
- ラ
- cellula
- 関