- 英
- Bowman's capsule (Z)
- 同
- ボウマン嚢、ボーマン嚢
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/30 22:08:12」(JST)
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ボーマン嚢 |
腎小体。ボーマン嚢の中に毛細血管の塊である糸球体が収納されている。
|
ラテン語 |
capsula glomeruli |
英語 |
Bowman's capsule |
器官 |
泌尿器 |
ボーマン嚢(ボーマンのう)は、ネフロンにおける尿細管の起点を構成する部分である。糸球体包とも呼ばれる。ボーマン嚢は糸球体を収納した構造をしており、糸球体の血液からボーマン嚢に濾過された体液はネフロンそれぞれの過程を経て尿となる。この過程は限外濾過として知られている。
目次
- 1 構造
- 2 機能
- 3 臨床
- 4 名称の由来
- 5 脚注
構造
ボーマン嚢外部には血管極と尿極の2つの極がある。
- 血管極:輸入細動脈と輸出細動脈のある側で、遠位尿細管の一部。
- 尿極:ボーマン嚢と近位尿細管との連結部。
ボーマン嚢の層構造は次の通りである。
壁側葉 |
扁平上皮の一重膜で濾過機能はない。 |
ボウマン腔(尿腔) |
壁側葉と臓側葉の間にあり、蛸足細胞の濾過スリット[1]で濾過が行われる。 |
臓側葉 |
厚い糸球体基底膜のすぐ下にあり、蛸足細胞で構成されている。臓側葉のすぐ下には糸球体がある。 |
機能
ボーマン嚢の血液濾過の過程は限外濾過(糸球体濾過)であり、濾過の標準速度は125ml/分である。
約30ku以下のタンパク質は組織膜を自由に透過するが、いくつかの分子は蛸足細胞の組織膜によって透過が妨げられている。水、グルコース、塩(NaCl)、アミノ酸、尿素のような小さな分子はボーマン腔へ自由に透過するが、細胞や血小板、大きなタンパク質は透過されない。結果、近位尿細管に入るときの濾過液の成分は血漿のそれとほとんど同じになる。
臨床
糸球体濾過率(GFR)の測定は、腎臓機能の診断に使われる。糸球体濾過率の低下は腎不全の兆候の1つである。
名称の由来
ボーマン嚢の名称は、イギリスの外科医・解剖学者のウィリアム・ボーマン(1816-1892)にちなむ。また、腎小体の別名のマルピーギ小体はイタリアの医師・生物学者のマルチェロ・マルピーギにちなんでいる。しかしこの名称は、脾臓のマルピーギ小体との混乱を避けるのため広くは使用されない。
脚注
- ^ Histology at BU 22401lba
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
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腎臓 |
肉眼解剖
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尿細管
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近位尿細管 - ヘンレのループ(下行脚 - 細い上行脚 - 太い上行脚) - 遠位尿細管 - 集合管 - 腎盤 ( - 尿管)
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腎循環
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腎動脈 - 傍尿細管毛細血管 - 輸入細動脈 - (糸球体) - 輸出細動脈 - 直細動脈 - 腎静脈
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ゲロタ筋膜
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顕微解剖
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ネフロン
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腎小体
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糸球体
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毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢
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傍糸球体装置
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緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞
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尿細管
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生理学
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アシドーシスとアルカローシス | 膠質浸透圧 | 糸球体濾過量 | 腎血漿流量 | クレアチニンクリアランス
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生化学
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バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系
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尿路 |
肉眼解剖
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尿管 - 膀胱 - 尿道
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顕微解剖
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移行上皮
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Japanese Journal
- The journal of veterinary medical science 68(11), 1185-1189, 2006-11-25
- NAID 110005664038
- The journal of veterinary medical science 68(5), 439-445, 2006-05-25
- NAID 110004775646
- DBA/2Crマウス腎臓の雌雄差-成長期における雌雄差の発現(解剖学)
- The journal of veterinary medical science 67(9), 877-882, 2005-09-25
- NAID 110003983156
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- kidney
- ラ
- ren
- 関
- 腎機能
- 図:N.265(水平断,上部) N.320(背面) N.332(水平断)
- 図:Z.92、M.173(体表解剖)、N.321,322
解剖
大きさ
重量
- 115-170g(PT.461), 160g(♂)/140g(♀)(KL.395)
血管尿管との関係
- 腎臓を内側から見るとき、腹側から静脈、動脈、尿管の順に並んでいる
位置
- 腹腔の後壁で、脊椎の両側にある(PT.461)
- 右腎:T11-L2椎体、左腎:T12-L3椎体 (M.173)。T12-L3椎体。右腎は左腎より約1.5cm低位 (KL.395)
- 両方の腎も幽門平面を貫くが、右腎は腎の上方で貫いている (M.173)
- 尋問は中面より5cm離れた場所にある (M.173)
- 腸骨稜の高いところを通る矢状面を貫く。この面は第12肋骨の先端をかすめる (M.173)
- 腎臓の背側側は上方では横隔膜を挟む。さらにその下層では第11胸神経、肋下神経、腸骨下腹神経、腸骨鼡径神経が下外側に走行している (M.173)
血管
-
- 上区動脈
- 上前区動脈
- 下前区動脈
- 前区動脈
- 下区動脈
- それぞれから以下の通りに分岐する
部位名
生理
機能 (SP.776 2007年度後期生理学授業プリント)
-
-
- 尿中酸総排泄量 = 滴定酸(リン酸, 硫酸など) + NH4+ - HCO3-(重炭酸イオンの再吸収)
- 1-2. 尿素・尿酸・クレアチニンの排泄
- 1-3. 異物の排泄
- 肝臓でP450やグルクロン酸抱合された解毒物の排泄
-
- 活性型ビタミンDの産生(腎小体で濾過したビタミンDを近位尿細管で再吸収し、活性型に転換して血中に戻す)
- pO2↓→近位尿細管近傍の線維芽細胞が分泌~
- 赤血球を作る増殖因子
- 輸入細動脈顆粒細胞から分泌される
- レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の最初に位置する
- 副腎皮質を刺激して鉱質コルチコイド(アルドステロン)を放出させる & 血管の平滑筋を刺激して血圧を上昇させる。
- 糖新生
ホルモンによる調節
- バソプレシン[視床下部後葉]により、遠位尿細管で水の再吸収が促進される
- 鉱質コルチコイド(アルドステロン)[副腎皮質]により、遠位尿細管でのNa( H2O)の再吸収が促進される
- 重炭酸イオン(HCO3-)の再吸収[近位尿細管、CO2が細胞内に拡散]
- ナトリウムイオン(Na+)の再吸収[近位尿細管、遠位尿細管]
- アンモニア(NH3)の排出[細胞外に拡散]
- 水素イオンH+の排出[近位尿細管、遠位尿細管のNa+-H+交換輸送体]
神経による調節 (SP.784)
- 交感神経により腎血流が調節されている
- 弱い刺激:輸出細動脈が収縮→RPF↓、濾過圧↑→GFRほぼ不変
- 強い刺激:輸入細動脈も収縮→RPF↓、GFR↓
尿の生成 (生理学実習1 実習テキストp.3)
- 腎を流れる血流量 1L/min = 1440L/day
- 原尿生成 0.1L/min = 160L/day
- 尿生成 0.7-1.0ml/min = 1-1.5L/day
-kidney
[★]
- 英
- Bowman's capsule (Z), Bowman capsule
- ラ
- capsula glomeruli
- 同
- ボウマン嚢、糸球体嚢 糸球体包 glomerular capsule
- 関
- 糸球体、腎臓、腎小体、ネフロン
[show details]
[★]
ボーマン嚢、糸球体包
[★]
- 英
- glomerulus (Z)
- 関
- ボウマン嚢、腎小体、腎臓、輸出細動脈#調節
概念
- 1個の腎臓に100万個存在。
- 房状の毛細血管からなる
- 糸球体の毛細血管は有窓型毛細血管である
糸球体の微細構造 (SP.785)
詳細には
血流の調節 (HIM.1742)
- 輸入細動脈:autonomous vasoreactive reflex in afferent arteriole, tubuloglomerular feedback
- 緻密斑でのCl-の低下 = 原尿流速が早い → 腎灌流量の低下と解釈
- 腎灌流圧↑→輸入細動脈の平滑筋収縮
- 腎灌流圧↓→輸入細動脈の平滑筋弛緩
- 緻密斑はNaClの再吸収にとともにATP、(アデノシン)を細胞外に放出。細胞外のecto-5'-nucleotidaseがATPからアデノシンを産生。アデノシンが輸入細動脈のvasoconstrictorとして作用
- loop diureticsは緻密斑でのNaClの再吸収を妨げるので、尿細管糸球体フィードバックを阻害→糸球体濾過量は高レベルに保たれる
- アンジオテンシンIIと活性酸素種は尿細管糸球体フィードバックを増強 → 輸入細動脈収縮 → 糸球体濾過量低下
- NOは尿細管糸球体フィードバックを減弱 → 輸入細動脈弛緩 → 糸球体濾過量上昇
- 輸出細動脈:angiotensin II-mediated casoconstriction of the efferent arteiole
-
臨床関連
[★]
- 関
- 滑液包、嚢、嚢状、ブルサ
[★]
- 英
- spheroidal
- 関
- 楕円体
[★]
- 英
- glomus
- 関
- グロムス