- 英
- anterior pituitary (Z), anterior lobe of pituitary gland (N), anterior lobe of hypophysis, anterior lobe (KH)
- ラ
- lobusanterior hypophyseos
- 同
- 腺性下垂体
- 関
- 下垂体
- 英
- anterior pituitary hormone
- 関
- 下垂体前葉、下垂体、下垂体ホルモン、ホルモン
分泌されるホルモン
GOO. chapter 55
HIM.2196
| Table 333-1 Anterior Pituitary Hormone Expression and Regulation | 
| Cell | corticotrope | somatotrope | lactotrope | thyrotrope | gonadotrope | 
| Tissue-specific transcription factor | T-Pit | Prop-1, Pit-1 | Prop-1, Pit-1 | Prop-1, Pit-1, TEF | SF-1, DAX-1 | 
| Fetal appearance | 6 weeks | 8 weeks | 12 weeks | 12 weeks | 12 weeks | 
| Hormone | POMC | GH | PRL | TSH | FSH LH | 
| Chromosomal locus | 2p | 17q | 6 | -6q; -1p | -11p; -19q | 
| Protein | ポリペプチド | 糖タンパク | 
| Amino acids | 266 (ACTH 1–39) | 191 | 199 | 211 | 210 204 | 
| Stimulators | CRH, AVP, gp-130 cytokines | GHRH, ghrelin, bromocriptine(1) | estrogen, TRH, VIP | TRH | GnRH, activins, estrogen | 
| Inhibitors | glucocorticoids | somatostatin, IGF-I | dopamine | T3, T4, dopamine, somatostatin, glucocorticoids | sex steroids, inhibin | 
| Target gland | adrenal | liver, other tissues | breast, other tissues | thyroid | ovary, testis | 
| Trophic effect | steroid production | IGF-I production, growth induction, insulin antagonism | milk production | T4 synthesis and secretion | sex steroid production, follicle growth, germ cell maturation | 
- (1):QB.D-253
分泌の制御
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/23 15:37:48」(JST)
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| 脳下垂体前葉 | 
| 下垂体の全体像左の色の濃い方が前葉
 | 
| ラテン語 | lobus anterior hypophyseos | 
| 英語 | Anterior pituitary | 
| グレイの解剖学 | 書籍中の説明(英語) | 
| 動脈 | 上下垂体動脈 | 
| 静脈 | 下垂体静脈 | 
| 前駆体 | 口腔粘膜 (ラトケ嚢) | 
| MeSH | Anterior+Pituitary+Gland | 
ヒトにおいて脳下垂体前葉(英:pars distalis, anterior pituitary)は脳下垂体のうち前部で、多くのホルモンの分泌を行っている内分泌器官である。視床下部でホルモンを作り軸索を通じて分泌する後葉と異なり、下垂体前葉のホルモンは前葉にある細胞で作られる。こうした細胞は、視床下部から下垂体門脈を通ってくる各種のホルモンにより刺激・抑制される。
目次
- 1 由来
- 2 分泌
- 3 疾患
- 4 関連項目
- 5 参考文献
 
由来
下垂体は腺上皮と神経組織という全く異なる由来のものがくっついてできたものであるが、このうち前葉と中葉は腺上皮に由来している。これらは、はじめ口窩と呼ばれる原始の口腔のうち、天井の外胚葉性部分が上へ陥入してラトケ嚢という構造をつくる。そして、脳側から伸びてきた漏斗と呼ばれる部分に接触する。このラトケ嚢と漏斗が下垂体となり、ラトケ嚢のうち漏斗と接する壁面が中葉に、ラトケ嚢の主たる部分が前葉になる。こうした由来のために、下垂体前葉と中葉は腺性下垂体と呼ばれる。発達するにしたがい、ラトケ嚢の茎部は退縮し口腔側から分離されて蝶形骨に覆われるようになる。
分泌
前葉は、腺上皮なのでここにある細胞自身がホルモンを産生している。前葉の細胞には染色の違いから酸好性細胞(acidophil)と塩基好性細胞(basophil)と色素嫌性細胞(chromophobe)の3つに分けることができる。染色性の違いは細胞が蓄えているホルモンの酸性・塩基性を反映している。酸好性細胞はペプチドホルモンを作り、塩基好性細胞は主に糖タンパク質ホルモンを作っていて、色素嫌性細胞はホルモンを出してしまった後の細胞などである。下垂体前葉で分泌される主なホルモンを以下に示す。
| ホルモン | 英語名 | 略称 | 構造 | 染色性 | 作用器官 | 効果 | 
| 副腎皮質刺激ホルモン | Adrenocorticotropic hormone | ACTH | ポリペプチド | 好塩基性 | 副腎 | 糖質コルチコイドの分泌 | 
| β-エンドルフィン | Beta-endorphin |  | ポリペプチド | 好塩基性 | オピオイド受容体 | 痛覚の緩和 | 
| 甲状腺刺激ホルモン | Thyroid-stimulating hormone | TSH | 糖タンパク質 | 好塩基性 | 甲状腺 | 甲状腺ホルモンの分泌 | 
| 卵胞刺激ホルモン | Follicle-stimulating hormone | FSH | 糖タンパク質 | 好塩基性 | 性腺 | 生殖系の調節 | 
| 黄体形成ホルモン | Luteinizing hormone | LH, ICSH | 糖タンパク質 | 好塩基性 | 性腺 | 性ホルモンの分泌 | 
| 成長ホルモン | Growth hormone | GH, STH | ポリペプチド | 好酸性 | 肝臓, 脂肪組織 | 成長の促進(主に肝臓でIGF-1を作らせることによる)と脂肪・炭水化物の代謝 | 
| プロラクチン | Prolactin | PRL | ポリペプチド | 好酸性 | 卵巣, 乳腺 | エストロゲンの分泌と乳汁の合成 | 
(卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンはまとめて性腺刺激ホルモンと総称される。)
下垂体前葉には下垂体門脈系(hypophyseal portal system)という静脈性の門脈系がある。前葉でのホルモン分泌を促す放出ホルモン(性腺刺激ホルモン放出ホルモンや成長ホルモン放出ホルモンなど)や抑制する放出抑制ホルモン(ソマトスタチンなど)は視床下部の神経分泌細胞で作られた後、下垂体との境界付近の正中隆起にある一次毛細血管網に放出されるが、これらはいったん門脈に集められた後、前葉の中に再び二次毛細血管網として広がり特定の標的細胞のホルモン産生を調整する。この一方で後葉は神経分泌細胞が直接軸索を伸ばしてきている。
疾患
下垂体腺腫と呼ばれる良性の腫瘍があると、上に述べたようなホルモンの分泌異常が起こることがある。その中でも多く見られるのはプロラクチン産生腺腫と成長ホルモン産生腺腫である。前者は無月経や不妊を、後者は巨人症や先端肥大症を引き起こす。また下垂体腺腫は、拡大すると直下の視神経交叉部(視交叉)が圧迫され視覚・視野に障害が起こることがある。
関連項目
参考文献
- A.L.Kierszenbaum、組織細胞生物学 ISBN 978-4-524-23676-3
| 
| 内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |  
|  |  
| 視床下部 - 脳下垂体 | 
| 視床下部 | GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH |  
|  |  
| 脳下垂体後葉 | バソプレッシン - OXT |  
|  |  
| 脳下垂体中葉 | インテルメジン |  
|  |  
| 脳下垂体前葉 | αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - MSH - エンドルフィン - リポトロピン) |  |  
|  |  
| 副腎 | 
| 副腎髄質 | 副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン) |  
|  |  
| 副腎皮質 | 副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA) |  |  
|  |  
| 甲状腺 | 
| 甲状腺 | 甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン) |  
|  |  
| 副甲状腺 | PTH |  |  
|  |  
| 生殖腺 | 
| 精巣 | テストステロン - AMH - インヒビン |  
|  |  
| 卵巣 | エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時) |  |  
|  |  
| その他の内分泌器 | 
| 膵臓 | グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン |  
|  |  
| 松果体 | メラトニン |  |  
|  |  
| 内分泌器でない器官 | 胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質 |  
|  |  
| 誘導タンパク質 | NGF - BDNF - NT-3 |  | 
 
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Recombinant Human Growth Hormone Replacement in a Japanese Man with a Novel PROP1 Gene Mutation (R112X)
- Ogo Atsushi,Maruta Tetsushi,Ide Chiharu,Sakai Yoshiyuki,Matoba Yuka,Hiramatsu Shinsuke,Usui Takeshi,Naruse Mitsuhide,Shimatsu Akira,小河 淳,丸田 哲史,井手 千晴,酒井 義之,的場 ゆか,平松 真祐,臼井 健,成瀬 光栄,島津 章,オゴウ アツシ,マルタ テツシ,イデ チハル,サカイ ヨシユキ,マトバ ユカ,ヒラマツ シンスケ,ウスイ タケシ,ナルセ ミツヒデ,シマツ アキラ
- 福岡医学雑誌 102, 277-283, 2011-09-25
- … case underscores the importance of reassessing hypothalamic-pituitary-adrenal axis function in GHD patients, especially those with a PROP1 mutation, during rhGH therapy.先天性下垂体ホルモン複合欠損症は,下垂体前葉ホルモンが先天性にいろいろな欠損を伴う疾患である.PROP1 遺伝子異常症はしばしば先天性下垂体ホルモン複合欠損症の原因となりうるが,日本人患者の報告は非常に少ない.本症例は37 歳日本人男性のPROP1 遺伝子異常症であり,ハイドロコ …
- NAID 120003413057
 
 
- 抗PIT-1抗体による下垂体前葉ホルモン複合分泌不全症
 
- リンパ球性下垂体炎の今--疾患概念の再構築と診断法の開発へ
 
Related Links
- 1.下垂体(前葉)機能低下症とは 下垂体機能低下症は 下垂体前葉から分泌される6つの刺激ホルモン(下記参照)の一部またはすべてが減少した状態 のことで、それにより、抑うつ、定型うつ病に似た体調不良を生じる病気です。
- Summary 下垂体前葉ホルモンは、内分泌器官に作用する刺激ホルモンである。 下垂体前葉ホルモンは、すべてペプチドホルモンである。 成長ホルモンおよびプロラクチンは効果器ホルモンである。
- どんな病気か 脳下垂体は、前葉と後葉とに分けられます。このうち、前葉でつくられる種々のホルモンの分泌が障害されて起こる病気です。下垂体前葉ホルモンには、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチン、甲状腺刺激 ...
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★リンクテーブル★
  [★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
  [★]
- 英
- thyroid hormone, thyroid hormones
- 関
- 甲状腺、サイログロブリン、カルシトニン、甲状腺ホルモン製剤
- 胎児の発育・新生児の生理と適応
種類
分類
性状
産生組織
標的組織
受容体
- 核内甲状腺受容体(甲状腺ホルモン受容体ファミリー)
- ステロイドレセプタースーパーファミリーに属する → 核内受容体スーパーファミリー
作用
代謝系別
- 脳、脾臓、睾丸をのぞくすべての組織で酸素消費を高める ← 甲状腺クリーゼによる発熱の原因
 
- カテコラミンの作用を増強する
- 心筋細胞のカテコールアミン受容体を増加←証明されていない?
 
- 
- 
- →甲状腺ホルモンの投与によりコルチゾールが減少し副腎クリーゼを誘発
 
 
- エリスロポエチン産生促進 → 赤血球増加
- ヘモグロビンからの酸素解離を促進 → 末梢組織での酸素利用↑
 
- 骨代謝回転を高め、骨形成・骨吸収を促進 (閉経後女性で甲状腺ホルモン多 → 骨塩量減少 → 骨粗鬆症
- グレーブス病では筋肉蛋白の代謝亢進、筋肉量の減少、筋力低下、筋脱力、四肢麻痺
 
- 
 
- 肝臓におけるコレステロール産生を促進
- 肝臓のトリグリセリドリパーゼ活性を亢進し、コレステロールの代謝を促進
 - コレステロールが減少 ← 総じて分解系の法が作用が強い
 
薬理学的作用 (SPC.321)
- 全ての生体の活動に関わる-(不足)→成長停止、身体的・精神的発育停止
- 組織の酸素消費を高め、基礎代謝を亢進させる。Na+,K+-ATApaseの活性刺激や、核内クロマチンに作用してDNA転写を促進する作用による
- 上記の通り
- ネガティブフィードバック
分泌の調節
- 視床下部--(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)-→下垂体前葉--(甲状腺刺激ホルモン)-→甲状腺濾胞細胞-→T3, T4-→T3, T4は下垂体前葉・視床下部に作用し甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制
 
分子機構
臨床関連
過多
欠乏
- 
- 低栄養、外傷、感染症、手術、腎不全、肝不全、心不全、悪性腫瘍
- エネルギー消費を減らすための適応かもしれない
 
- 以上2007後期生理学授業プリント内分泌(3)
 
生合成 (SP.916)
  [★]
- 英
- growth hormone (Z), GH
- 同?
- ソマトトロピン somatotropin、ソマトトロピックホルモン somatotropic hormone STH
- 関
- 成長ホルモン
- 関
- ホルモン、下垂体成長ホルモン、組換え型成長ホルモン
基準値
- 血清:M:0.4±0.1 ng/ml, F:3.2±0.4 ng/ml  → 性差(エストロゲンが分泌促進作用を持つため?生物学的意義は?)
分類
性状
産生組織
標的組織
作用
- SP.883
- 
 
- 成長を促進:各組織における細胞分裂による増殖(細胞分裂、DNA,RNA,蛋白合成)と細胞の分化
 
- 
- GH存在下でアミノ酸が組織に取り込まれ蛋白合成のために用いられる。内臓臓器、骨格筋、皮膚、および結合組織などほとんど全ての組織がGHに反応して肥大。
 
 - (抗インスリン作用->血糖上昇)筋肉、脂肪へのグルコース取り込みを減少させ、肝臓からのグルコース放出を増加させる。膵臓に作用しインスリン分泌を促進する。 ← GHは何がしたいの?
 
 - (中性脂肪分解作用->血中遊離脂肪酸増加)中性脂肪を分解し、末梢血でFFAを増加させ、グルコースの代わりにエネルギー源として利用される。(おそらくFFA増加により)ケトン体が増加する。
 
 - (骨形成に向かう反応。リン酸濃度上昇、カルシウム濃度上昇)近位尿細管でのリン酸の再吸収促進、腸からのカルシウム促進。Na,K,Cl濃度増加、細胞外液増加
 
 
分泌の調整
分子機構
臨床関連
- 成長の遅れ:成長ホルモン分泌が低下している場合、3歳頃から身長の伸びが遅れる。
国試
  [★]
- 英
- anterior pituitary hormone
- 関
- 下垂体前葉、下垂体、下垂体ホルモン、ホルモン
分泌されるホルモン
GOO. chapter 55
HIM.2196
| Table 333-1 Anterior Pituitary Hormone Expression and Regulation | 
| Cell | corticotrope | somatotrope | lactotrope | thyrotrope | gonadotrope | 
| Tissue-specific transcription factor | T-Pit | Prop-1, Pit-1 | Prop-1, Pit-1 | Prop-1, Pit-1, TEF | SF-1, DAX-1 | 
| Fetal appearance | 6 weeks | 8 weeks | 12 weeks | 12 weeks | 12 weeks | 
| Hormone | POMC | GH | PRL | TSH | FSH LH | 
| Chromosomal locus | 2p | 17q | 6 | -6q; -1p | -11p; -19q | 
| Protein | ポリペプチド | 糖タンパク | 
| Amino acids | 266 (ACTH 1–39) | 191 | 199 | 211 | 210 204 | 
| Stimulators | CRH, AVP, gp-130 cytokines | GHRH, ghrelin, bromocriptine(1) | estrogen, TRH, VIP | TRH | GnRH, activins, estrogen | 
| Inhibitors | glucocorticoids | somatostatin, IGF-I | dopamine | T3, T4, dopamine, somatostatin, glucocorticoids | sex steroids, inhibin | 
| Target gland | adrenal | liver, other tissues | breast, other tissues | thyroid | ovary, testis | 
| Trophic effect | steroid production | IGF-I production, growth induction, insulin antagonism | milk production | T4 synthesis and secretion | sex steroid production, follicle growth, germ cell maturation | 
- (1):QB.D-253
分泌の制御
  [★]
- 英
- prolactin (Z), PRL, lactotrophic hormone (Z)
- 関
- ホルモン、下垂体前葉ホルモン
分類
性状
- ペプチド
- 199 aa., 198aa 21.5kDa(HIM.2204)
- 成長ホルモン、hPL(human placental lactogen)に構造が似る → common GH-PRL-hPL precursor gene on chromosome 6
産生組織
- 下垂体前葉:lactrope(20%を占める)で産生される。lactropeはsomatotropeと同じ前駆細胞に由来するので、GHとPRLを産生する線種もある。lactropeのpopulationはエストロゲンの影響下にあって、また妊娠のlast two trimestersおよび授乳期の最初の2,3ヶ月に過形成が起こる。(HIM.2204)
- わずかに下記組織で産生される (SP.888)
標的組織
生理作用
- プロラクチンの生理作用はエストロゲンにより阻害される(SP.888) ← 分娩後に初めて乳汁産生が起こる
HIM.2204
- プロラクチンは乳汁分泌を維持し、生殖機能を低下させ、性的衝動を減退させる。
- これらの機能は、母体の乳汁分泌を持続し妊娠によって中断しないことを確実にすることにかなう。
- プロラクチンは視床下部のGnRHや下垂体でのGnHの分泌を抑制し、男女ともに視床下部のステロイド合成を減少させる。
- 卵巣では、卵胞形成を阻止し、顆粒層細胞のアロマターゼ活性を抑制し、低エストロゲン症と無排卵をきたす。
- プロラクチンは黄体退縮作用を持ち、月経周期の黄体周を短縮させ、あるいは不十分にする。
- これらのホルモンの変化により性欲が減退し、生殖力が低下する。
作用機序
分泌調節
- プロラクチンの分泌制御はユニークであり、ドパミンによるD2受容体を介した抑制を受ける。
- プロラクチンは視床下部に対して抑制的に作用し、間接的に下垂体前葉からのプロラクチン放出が抑制される (短環フィードバック)
- 視床下部からドーパミンが放出され、下垂体前葉に対し抑制的に作用する。
SP.889改変
HIM.2204
- パルス状に分泌
- REM睡眠時に分泌↑  ← 成長ホルモンと似ている?
- 血中濃度のピークは朝方(4-6時)で、30ng/ml
- 半減期は50分
妊娠・出産との関連
- 授乳する場合、出産後3-4ヶ月かかって緩やかに下降。 → 同時期の月経再開と関連
基準値
検査の本?
- 小児(10歳まで) 1.2-12ng/ml
- 成人女性 1.5-15ng/ml
- 成人男性 1.5-10ng/ml
- 高齢者(70歳以上) 1.2-15ng/ml
- 以上、WHO 1st IRP-PRL(75/504)を標準品とした値。なお、妊婦、産褥期には高値となりこの基準値はあてはまらない
HIM.2204
- 10-25 ng/ml (女性)
- 10-20 ng/ml (男性)
検査
臨床関連
  [★]
- 英
- lymphocytic adenohypophysitis
- 関
- リンパ球性下垂体炎
検査
- 画像検査:下垂体腫大。造影剤による強い造影増強効果あり。  ⇔  下垂体腫瘍では正常下垂体よりも造影効果が弱い。
診断
- 参考1より引用
I. 主症候
- 1. 頭痛、視野障害、乳汁分泌などの下垂体腫瘍に類似の症候
- 2. 疲労感、無月経などの下垂体機能低下症に類似の症候
II. 検査・病理所見
- 1. 血中下垂体前葉ホルモンの1ないし複数の基礎値または分泌刺激試験における反応性が低い。
- 2. 画像検査で下垂体の腫大を認める。造影剤により強い造影増強効果を認める。
- 3. 下垂体の生検で、前葉に下垂体細胞の破壊像、線維化およびリンパ球を中心とした細胞浸潤を認める(注1)。
III. 参考所見
- 1. 女性でしかも妊娠末期、産褥期の発症が多い。
- 2. プロラクチンの上昇が1/3の症例に認められる。
- 3. 他の自己免疫疾患(慢性甲状腺炎など)の合併例が比較的多い。
- 4. 抗下垂体抗体を認める例がある。
- 5. 長期経過例ではトルコ鞍空洞症(empty sella)を示すことがある。
診断基準
- 確実例 IとIIを満たすもの。
- 疑い例 IとIIの1、2を満たすもの(注2)。
参考
- 1. 自己免疫性視床下部下垂体炎の診断と治療の手引き (平成21年度改訂)
- http://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance/jiko_meneki.pdf
  [★]
- 英
- hypopituitarism
- 同
- 下垂体機能低下症、下垂体ホルモン欠損症 pituitary hormone deficiency、下垂体不全 pituitary failure pituitary insufficiency
  [★]
- 英
- anterior pituitary gland、anterior pituitary
- 関
- 下垂体前葉
  [★]
- 関
- 視床下部, 下垂体前葉, 甲状腺
  [★]
- 関
- 下垂体機能亢進症
  [★]
- 英
- pituitary gland (Z), hypophysis (Z)
- ラ
- glandula pituitaria
- 同
- 脳下垂体
- 図譜では矢状断のものしか載っていないが、前頭断で見ると意外に横に長い、みたい。
発生学(L.413)
- 胎生第4週に下垂体前葉と下垂体後葉が接する。Rathke嚢の細胞は、活発に分裂して前葉を形成し、内腔は殆ど閉鎖する。成人ではコロイドを満たした小嚢胞として前葉と後葉の間に認められる。
画像
- MRI T1:(高信号)下垂体後葉 > 下垂体前葉   ←  脂肪濃度を反映しているのですかね?軸索が多いでしょ?
  [★]
- 英
- (植物)leaf、leaves、plant leaf、plant leaves、blade、(動物)lobe、lobus、foliage、foliar
- 関
- 葉状、刃、ローブ
  [★]
- 英
- anterior lobe
- ラ
- lobus anterior