- 英
- angiotensin II, AT II
- 関
- renin-angiotensin-aldosterone system、輸出細動脈#調節
標的組織
受容体 (PPC.348,SP.612)
- AT1受容体:血管、副腎皮質、脳室周囲器官 (SP.612)
- 血管収縮、アルドステロン分泌(副腎皮質)、交感神経刺激作用、心肥大・血管肥厚
- AT2受容体:脳その他の臓器に存在し、NOの産生を介して血管を弛緩させるなどAT1受容体の機能に拮抗 (SP.612)
- NO遊離(血管拡張)、アポトーシス
作用
WordNet
- the 9th letter of the Roman alphabet (同)i
PrepTutorEJDIC
- 『私は』私が
- iodineの化学記号
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/15 01:03:41」(JST)
[Wiki ja表示]
アンジオテンシン(angiotensin)とは、ポリペプチドの1種で、昇圧作用を持つ生理活性物質である。なお、アンギオテンシンと呼ばれることもあるが、近年ではあまり用いられない(厚生労働省のウェブサイトでは両者の混用[1][2]がみられる)。
目次
- 1 概説
- 2 作用機序
- 3 降圧剤の標的として
- 4 関連項目
- 5 脚注
概説
アンジオテンシンにはI~IVの4種が存在し、これらのうち、アンジオテンシンII〜IVは心臓の収縮力を高め、細動脈を収縮させることで血圧を上昇させる。なお、アンジオテンシンIには血圧を上昇させる効果は無い。
アンジオテンシンの原料となるアンジオテンシノーゲンは肝臓で産生される他、肥大化した脂肪細胞からも産生・分泌される[3]。 このアンジオテンシノーゲンは、腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるタンパク質分解酵素であるレニンの作用によって、アミノ酸10残基から成るアンジオテンシンI が作り出される。その後、これがアンジオテンシン変換酵素(ACE)、キマーゼ、カテプシンGの働きによってC末端の2残基が切り離され、アンジオテンシンII に変換される。アンジオテンシンIIはACE2により、血管拡張作用と抗増殖作用を有するヘプタペプチドであるアンジオテンシン-(1-7)へと変換される。
- アンジオテンシンI: Asp - Arg - Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - His - Leu - OH
- アンジオテンシンII: Asp- Arg - Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - OH
- アンジオテンシンIII: Arg - Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - OH
- アンジオテンシンIV: Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - OH
アンジオテンシンI は昇圧作用を有さず、アンジオテンシンII が最も強い活性を持つ。(アンジオテンシンIII は II の4割程度の活性で、IV は更に低い)。また、アンジオテンシンII は副腎に作用して、鉱質コルチコイドで血液におけるナトリウムとカリウムのバランスを制御するアルドステロンを分泌させる。また、脳下垂体に作用し利尿を抑えるホルモンである抗利尿ホルモンであるバソプレッシン(ADH)の分泌させる。
作用機序
アンジオテンシンII は副腎皮質にある受容体に結合すると、副腎皮質からのアルドステロンの合成・分泌が促進される。このアルドステロンの働きによって、腎集合管でのナトリウムの再吸収を促進し、これによって体液量が増加する事により、昇圧作用をもたらす[4]。また、脳下垂体に作用し利尿を抑えるホルモンである抗利尿ホルモンであるバソプレッシン(ADH)の分泌を促進し、水分の再吸収を促進することにより、昇圧作用をもたらす[5]。
降圧剤の標的として
アンジオテンシンII には血圧上昇作用があるため、これを作らせないか、またはその作用をブロックする化合物ができれば血圧降下剤として用いることができる。前者、つまりアンジオテンシン変換酵素 (ACE) の働きを止めるタイプの薬剤を ACE阻害薬と呼ぶ。またアンジオテンシンII の受容体に結合し、その作用をブロックするタイプの薬剤をアンジオテンシンII受容体拮抗薬 (angiotensin receptor blocker, ARB) と言う。いずれも臨床上重要な降圧剤として広く用いられている。また近年、これらの前の段階である、レニンを阻害するタイプの降圧剤も登場している。
関連項目
脚注
- ^ 医薬品・医療用具等安全性情報168号
- ^ 医薬品等安全性情報No.157
- ^ 脂肪細胞とインスリン抵抗性、星薬科大学オープンリサーチセンター 鎌田勝雄
- ^ 塩分の摂りすぎによる血圧上昇のしくみを解明 東大病院研究トピックス 藤田敏郎
- ^ 利尿を抑えるホルモン"バソプレシン"の脳の中の新たな作用を発見、自然科学研究機構 生理学研究所 岡田泰伸ほか
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 青森県特産食材に含有されるアンジオテンシン変換酵素阻害物質の探索
- 板垣 史郎,内山 道子,金澤 佐知子,細井 一広,照井 一史,下山 律子,𡈽田 成紀,上野 伸哉,早狩 誠
- 弘前医学 64(1), 50-57, 2013-05-31
- … 本研究では,食事が多様な食品機能成分の摂取経路という一面を有し,疾病予防法を構築する上で有用な切り口であることを鑑み,アンジオテンシンIから強力な血圧上昇を有するアンジオテンシンIIへの変換を司るアンジオテンシン変換酵素(ACE)を標的として,青森県特産の農産物及び水産物に含まれるACE阻害物質の探索を行った.青森県特産食材より蒸留水で抽出した抽出液について,ACE阻害活性の評価を行った …
- NAID 120005303554
- イルベサルタン/アムロジピン配合錠(アイミクス®配合錠)の薬理作用および臨床効果
- 森 雅哉,高橋 紫乃
- 日本薬理学雑誌 142(1), 39-46, 2013
- … アイミクス®配合錠は,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)であるイルベサルタン(以下,IRB)100 mgとカルシウム拮抗薬(CCB)であるアムロジピン(以下,AML)5 mgまたは10 mgを含有する高血圧症治療用配合錠である.CCBは主としてL型カルシウムチャネル阻害作用による血管平滑筋の収縮抑制に基づく降圧効果を示す一方,圧受容器反射を介して交感神経系を活性化させる.その結果,レニン-アンジオテンシン系(R …
- NAID 130003362586
- P1-456 当院採用医薬品から合剤(アンジオテンシンII受容体拮抗薬と利尿剤)が削除された理由について(使用状況調査・意識調査,ポスター,一般演題,岐路に立つ医療〜千年紀の目覚め〜よみがえれ!ニッポン!薬の改革は我らが手で!)
- 光山 勝慶
- 日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica 140(3), 121-126, 2012-09-01
- … レベルでも確立しており,その病態生理ならびに阻害薬の薬理学的機序に注目が集まっている.RA系による脳・心・腎の臓器障害の機序として,アンジオテンシンIIによる血管内皮障害や血管リモデリングが重要な役割を演じている.アンジオテンシンIIはNADPHオキシダーゼ,キサンチンオキシドリダクターゼおよびeNOSアンカップリングによる酸化ストレス増加作用,接着因子,ケモカインおよびサ …
- NAID 10031072115
Related Links
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬はAT1受容体にアンジオテンシン変換酵素(ACE)により作られたアンジオテンシンIIが結合するのを妨げ、血管収縮作用、血管壁肥厚作用、動脈硬化作用、心筋には心筋収縮力増強作用、心筋肥大作用 ...
- Login Create an account Forgot password Connect with Facebook Username: Password: - or - Login with Facebook Language English (100%) Deutsch Bahasa Indonesia Español Türkçe Lessons Practice Note Reading Rank
- ようこそ!! ナオルコム へ シッカリ食べて ・・・ バリバリ働き ・・・ グッスリ休んで ... ARB アンジオテンシンⅡは血管にある受容体と結びついて血管を収縮させ、血圧を上げる働きをするタンパク質。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- vasopressin VP
- 同
- バゾプレッシン, arginine vasopressin AVP、抗利尿ホルモン antidiuretic hormon ADH
- 商
- ピトレシン Pitressin
- 関
- デスモプレシン、尿細管
[show details]
分類
性状
産生組織
- PED. 1328
標的組織
- 腎臓の集合管
- 腎臓の細い上行脚、太い上行脚、接合尿細管にも作用する (SP.816)
生理作用
- 血管平滑筋の収縮(V1受容体)
- V1受容体は抗利尿作用を示すより大用量で動作(SAN.189) ← 生理的な量では血管収縮による血圧上昇はない。
- 髄質内層集合管で尿素の再吸収を高める(SP.817)
作用機序
抗利尿作用
|
集合管上皮細胞
|
V2R
|
血管平滑筋収縮(昇圧作用)
|
血管内皮
|
V1R
|
分泌調節
- 血漿浸透圧↑、循環血漿量↓→分泌↑ ( 出血 )
- 血漿浸透圧↓、循環血漿量↑→分泌↓ ( 水の大量摂取 )
ADH分泌促進/作用増強する薬物
- QB.D-331
ADHの作用を修飾する物質
- 糖質コルチコイド:水代謝作用(水利尿):GFR↑させたりADHに拮抗することで細胞内への水移動を抑制する
癌患者とADH
- 日腎会誌 2012:54(7):1016-1022
- Ellison DH, Berl T. Clinical practice. The syndrome of inappropriate antidiuresis. NEJM. 2007;356:2064-2072. PMID 17507705
- 異所性ADH産生腫瘍、抗悪性腫瘍薬の副作用、手術侵襲、嘔気・嘔吐、疼痛
分子機構
ここまで、2007後期生理学授業プリント&想像 でまとめた
- 集合管の上皮の基底側に発現していると思われるV(75%){2};Rを介して、アクアポリン2(AQP2)が発現して尿細管腔側に局在、アクアポリン2から水を細胞内に取り込み、アクアポリン3を介して細胞基底側(血管腔)に水が移動する (2007後期生理学授業プリント, SP.817 図12-63)
- 以下の記述と矛盾する気がする・・・
- 水輸送体apuaporin1(AQP1)に作用して集合管における水透過性を高める(SP.817)。
効能又は効果
- ピトレシン注射液20
薬効薬理
- ピトレシン注射液20
- 遠位尿細管における水の再吸収を促進することにより、抗利尿作用を発揮する1)。
- 腹部内臓の細動脈を収縮させ、門脈血流を減少させるので、一時的に門脈圧が下降するため、門脈圧亢進による食道出血時に止血作用を発揮する。
副作用
- ピトレシン注射液20
- 血管収縮による血圧上昇、狭心症、腹痛がありうる。(QB.D-357)
- 重大な副作用:ショック、横紋筋融解症、心不全・心拍動停止、精神錯乱・昏睡、水中毒、中枢神経障害(中心性橋脱髄症)、無償、心室頻拍
禁忌
- ピトレシン注射液20
- 1. 本剤の成分に対しアナフィラキシー又は過敏症の既往歴のある患者
- 2. 冠動脈硬化症 (心筋梗塞症、狭心症等) の患者[心筋虚血を延長させることがある。]
- 3. 急速な細胞外水分の増加が危険となるような病態 (心不全、喘息、妊娠中毒症、片頭痛、てんかん等) のある患者[水中毒を起こすことにより、それらの病態を悪化させるおそれがある。]
- 4. 血中窒素貯留のある慢性腎炎の患者[水分貯留を起こすことにより、血中窒素の排泄が抑制されるおそれがある。]
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2414402A1035_1_02/2414402A1035_1_02?view=body
臨床検査
基準値
- 0.3-4.2pg/ml (RIA2抗体法) (検査の本)
- 0.3-4.0pg/ml (RIA2抗体法) (LAB.695)
[★]
- 英
- neurotransmitter (SP)
- 同
- ニューロトランスミッター、化学的伝達物質 化学伝達物質 chemical transmitter、伝達物質 transmitter
概念
作用の方向で分類
- アセチルコリン
- グルタミン酸
- GABA
- グリシン
部位で分類
物質群別
アミノ酸 (SPC.76-78)
ペプチド (SPC.79)
[★]
- 英
- glomerulus (Z)
- 関
- ボウマン嚢、腎小体、腎臓、輸出細動脈#調節
概念
- 1個の腎臓に100万個存在。
- 房状の毛細血管からなる
- 糸球体の毛細血管は有窓型毛細血管である
糸球体の微細構造 (SP.785)
詳細には
血流の調節 (HIM.1742)
- 輸入細動脈:autonomous vasoreactive reflex in afferent arteriole, tubuloglomerular feedback
- 緻密斑でのCl-の低下 = 原尿流速が早い → 腎灌流量の低下と解釈
- 腎灌流圧↑→輸入細動脈の平滑筋収縮
- 腎灌流圧↓→輸入細動脈の平滑筋弛緩
- 緻密斑はNaClの再吸収にとともにATP、(アデノシン)を細胞外に放出。細胞外のecto-5'-nucleotidaseがATPからアデノシンを産生。アデノシンが輸入細動脈のvasoconstrictorとして作用
- loop diureticsは緻密斑でのNaClの再吸収を妨げるので、尿細管糸球体フィードバックを阻害→糸球体濾過量は高レベルに保たれる
- アンジオテンシンIIと活性酸素種は尿細管糸球体フィードバックを増強 → 輸入細動脈収縮 → 糸球体濾過量低下
- NOは尿細管糸球体フィードバックを減弱 → 輸入細動脈弛緩 → 糸球体濾過量上昇
- 輸出細動脈:angiotensin II-mediated casoconstriction of the efferent arteiole
-
臨床関連
[★]
- 英
- cuptopril
- 商
- アポプリール、カトナプロン、カトプロン、カプシール、カプトリル、カプトルナ、コバプリル、ダウプリル、Capoten
- 関
- 降圧薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、血圧降下剤
分類
作用機序
- アンジオテンシンIIの生成を抑制
- 末梢血管抵抗↓、アルドステロン分泌↓
- 2. kallikrein-kinin系の亢進?
- 3. prostaglandin系への作用?
- 4. 血管壁でのrenin-angiotensin系の抑制?
- 5. 末梢交感神経系の抑制?
適応
動態 (SPC.254)
- 胃腸管から吸収され、約1時間で最高血中濃度
- 半減期は0.66時間
- 腎排泄
禁忌
臨床関連
[★]
- 英
- angiotensin receptor blocker, ARB, angiotensin II type 1 receptor blocker
- 同
- アンジオテンシン受容体拮抗薬
- 関
- 降圧薬
概念
- PHD.408
- アンジオテンシンIIの受容体はAT1とAT2がある。アンジオテンシンIIの生理作用としては血管収縮、アルドステロンの分泌、腎臓におけるNa+再吸収促進、交感神経系の刺激などがある。これらの作用はAT1受容体を介している(AT2受容体は胎児期の発生の際には豊富にあり、成人の一部臓器にも分布しているが、生理機能は不明)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はこのAT1受容体に競合的に結合して降圧をはかる薬剤である。血液中のアンジオテンシンIは循環血液中のACE以外の酵素によってアンジオテンシンIIに転換されうるので、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の方がアンジオテンシン転換酵素阻害薬よりRAA系をより阻害するとされている。
1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
配合錠
CaB
妊婦に禁忌である理由
- コディオ配合錠MD添付文書より引用
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれた。
比較
- http://koccr.ame-zaiku.com/dousyudoukouyaku40.htmlより改変
半減期比較
[★]
- 英
- angiotensin II receptor
- 関
- アンジオテンシン受容体、アンジオテンシンIIレセプター、アンギオテンシンIIレセプター、アンギオテンシンII受容体
[★]
- 英
- angiotensin II receptor
- 関
- アンジオテンシンII受容体、アンギオテンシンIIレセプター、アンギオテンシンII受容体
[★]
- 英
- 1-sarcosine-8-isoleucine angiotensin II
[★]
- 英
- angiotensin, ANG
- 同
- アンギオテンシン
- 関
- レニン、アルドステロン
- アンジオテンシン転換酵素、アンジオテンシン変換酵素阻害薬
- 関
- Ang
分類
産生組織
標的組織
作用
分泌の調整
分子機構
種類と酵素による切断
- ↓ ← レニン
- ↓ ← アンジオテンシン転換酵素 ACE
[★]
[★]