- 英
- pluripotent stem cell
- 関
- 骨髄系幹細胞、リンパ系幹細胞
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マウス胚性幹細胞:緑の部分が小型の胚性幹細胞細胞の塊であり、回りの細胞はフィーダー細胞
幹細胞(かんさいぼう、stem cell)は、分裂して自分と同じ細胞を作る(Self-renewal)能力(自己複製能)と、別の種類の細胞に分化する能力を持った細胞と定義されている。発生における細胞系譜の幹 (stem) になることから名付けられた。幹細胞から生じた二つの娘細胞のうち、一方は別の種類の細胞に分化するが他方は再び同じ幹細胞でありつづけることによって分化細胞を供給することができる。この点で分化した細胞と異なっており、発生の過程や組織・器官の維持において細胞を供給する役割を担っている。
幹細胞では分化を誘導する遺伝子の発現を抑制する機構が働いており、これは外部からのシグナルやクロマチンの構造変換などによって行われる。普通の体細胞はテロメラーゼを欠いているため細胞分裂の度にテロメアが短くなるが幹細胞ではテロメラーゼが発現しているため、テロメアの長さが維持される。これは分裂を繰り返す幹細胞に必要な機能である。幹細胞の性質が維持できなくなると新たな細胞が供給されなくなり、早老症や不妊などの原因となる。
目次
- 1 幹細胞の例
- 1.1 分化能力による分類
- 1.1.1 分化全能性
- 1.1.2 多能性
- 1.1.3 多分化能
- 1.1.4 オリゴポテンシー
- 1.1.5 単分化能
- 2 脚注
- 3 関連書
- 4 関連項目
幹細胞の例[編集]
受精卵(全能性)からつくられる胚性幹細胞(ES細胞)は、胎盤などの胚体外組織を除くすべての種類の細胞に分化する事ができる多能性を有する。また生体内の各組織にも成体幹細胞(組織幹細胞、体性幹細胞)と呼ばれる種々の幹細胞があり、通常は分化することができる細胞の種類が限定されている。例えば骨髄中の造血幹細胞は血球のもととなり、神経幹細胞は神経細胞へと分化する。このほかにも肝臓をつくる肝幹細胞、皮膚組織になる皮膚幹細胞、また生殖細胞をつくり出す生殖幹細胞などさまざまな種類があり医療分野への応用を目指して再生医学で盛んに研究が行われている。再生医学への応用としては、従来から行われている造血幹細胞移植や、近年その実用化に注目が集まっている脂肪幹細胞移植などがある。表皮の幹細胞は毛包バルジbulge領域(脂腺のすぐ下)にあるが、外にもあると考えれている。
分化能力による分類[編集]
詳細は「分化能」を参照
幹細胞は分化能力の違いによって、以下のような分類がなされている。
分化全能性[編集]
分化全能性(Totipotency)とは、胎盤などの胚体外組織を含む、一個体を形成するすべての細胞種へと分化可能な能力を指す。受精卵(および数回の卵分割まで)だけが持つ、細胞系列の頂点に立つ分化能力である。刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)は、全能性を持つことが示唆されているが、まだ実証されていない[1]。
多能性[編集]
多能性[2](Pluripotency)とは、個体は形成しないが、三胚葉(内胚葉、中胚葉、外胚葉)に属する細胞系列すべてへ分化し得る能力を指す。胚盤胞期の内部細胞塊や、そこから樹立されたES細胞などが持つ分化能力である。この能力を持つ幹細胞は万能細胞と呼称されることがある。
- 胚性幹細胞(ES細胞)
- 胚性腫瘍細胞(EC細胞)
- 胚性生殖幹細胞(EG細胞)
- 核移植ES細胞、体細胞由来ES細胞(ntES細胞)
- 人工多能性幹細胞、誘導万能細胞(iPS細胞)
- 刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)
多分化能[編集]
多分化能[3](Multipotency)とは、分化可能な細胞系列が限定されているが、多様な細胞種へ分化可能な能力を指す。一般的に胚葉を超えた分化は行えないが、例外もある。体性幹細胞、組織幹細胞、成体幹細胞などが持つ分化能力。multipotencyは多能性と訳されることもあり、多能性(pluripotency)と区別するために分化複能性とする提案もある。
- 神経幹細胞
- 造血幹細胞
- 間葉系幹細胞
- 肝幹細胞
- 膵幹細胞
- 皮膚幹細胞
オリゴポテンシー[編集]
オリゴポテンシー(Oligopotentcy)とは、前駆細胞が数種の細胞種にのみ分化可能な能力を指す。
単分化能[編集]
単分化能[4]または単能性[5](Unipotency)とは分化可能な細胞種が一種類に限定されている分化能力を指す。前駆細胞と呼ばれることもある。幹細胞として分裂増殖するか、分化して別の(幹細胞以外の)細胞種に変化することができる。
脚注[編集]
- ^ “体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見”. 理化学研究所 (2014年1月29日). 2014年2月27日閲覧。(日本語)
- ^ 岩波の生物学辞典第五版では、「(発生の)多能性」の訳語が「Pluripotency」であるとされている。
- ^ “ライフサイエンス辞書オンラインサービス”. 2014年2月28日閲覧。
- ^ “学術用語の日本語と英語の対応”. 2014年2月28日閲覧。
- ^ “学術用語の日本語と英語の対応”. 2014年2月28日閲覧。
関連書[編集]
- アン・B. パーソン 渡会圭子、谷口英樹 訳 『幹細胞の謎を解く』 みすず書房 ISBN 4622071789
- 日本再生医療学会 山中伸弥、中内啓光編集 『幹細胞』 2012 朝倉書店 ISBN 978-4-254-36071-4
関連項目[編集]
- 胚性幹細胞(ES細胞)
- 人工多能性幹細胞(iPS細胞)
- 刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)
- 造血幹細胞
- 間葉系幹細胞
- 神経幹細胞
- がん幹細胞
- 脂肪幹細胞移植
細胞分化:幹細胞/前駆細胞(英語版) |
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種類 |
成体幹細胞 · がん幹細胞 · 胚性幹細胞(ES細胞) · 体細胞由来ES細胞(ntES細胞) · 人工多能性幹細胞(iPS細胞) · 刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)
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分化能 |
全能性 totipotent(受精卵、胞子、桑実胚) · 多能性 pluripotent(胚性幹細胞、カルス) · 多能性 multipotent(前駆細胞(英語版):内皮幹細胞(英語版)、造血幹細胞、間葉系幹細胞、神経幹細胞) · 単能性 unipotent(前駆細胞 (単能)(英語版) (precursor cell))
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関連記事 |
en:Stem cell treatments · en:Stem cell controversy · en:Stem cell line · en:Stem cell laws · en:Stem cell laws and policy in the United States
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UpToDate Contents
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- 1. 造血および幹細胞の機能の概要 overview of hematopoiesis and stem cell function
- 2. 幹細胞の概要 overview of stem cells
- 3. 造血幹細胞の分布 sources of hematopoietic stem cells
- 4. 再生不良性貧血:病因、臨床症状および診断 aplastic anemia pathogenesis clinical manifestations and diagnosis
- 5. 造血細胞移植のための臍帯血移植の選択 selection of an umbilical cord blood graft for hematopoietic cell transplantation
Japanese Journal
- ヒト多能性幹細胞を使った再生医療・細胞治療における造腫瘍性試験の現状 (第5土曜特集 次世代iPS医療) -- (安全性と品質管理)
- iPS細胞を用いた脊髄損傷治療 (第5土曜特集 次世代iPS医療) -- (iPS細胞を用いた再生医療)
Related Links
- ヒト多能性幹細胞の再生医療への応用に向けて安全情報を発信する ... 先端医療センター病院(神戸市中央区)と理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(同)などの研究グループによって、ヒト人工多能性幹細胞(iPS ...
- 知恵蔵2013 人工多能性幹細胞の用語解説 - 分化を終えいったん成熟した細胞へ、人工的にいくつかの遺伝子を導入するなどして、別の様々な細胞に分化・増殖する能力をもたせた細胞のこと。特定の細胞や臓器を分化させること ...
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★リンクテーブル★
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[★]
- 英
- paroxysmal nocturnal hemoglobinuria PNH
- 同
- 発作性夜間ヘモグロビン尿症 *難病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/116_2_i.htm
- マルキアファーヴァ-ミケリ症候群 Marchiafava-Micheli syndrome
- 関
- 難病
- first aid step1 2006 p.187
- red urine in the morning
概念
疫学
原因
- 補体活性化異常、活性化経路制御分子の欠損 → 造血幹細胞レベルの異常
- 発作性夜間血色素尿症 PNH:paroxysmal nocternal hemglobulinemia
- CD55 DAF decay accelerating factor C3b,C5bの酵素阻害
- CD59 HRF homologous restriction factor MAC形成阻害
- =Protectin, Mac inhibitor
- PIG-A GPIアンカー型蛋白質の欠損
病態
- 静脈血栓症:原因は不明。血小板膜上の補体が小胞化による補体複合体の除去を活性化する。循環中に流れ出たこのmicroparticleはホスファチジルセリンに富んでおり、血栓原性が高い。(参考1)
症状
- 貧血、黄疸、夜間の溶血発作(血中CO2濃度の上昇が原因)
合併症
検査
血算
- → 正球性正色素性貧血、慢性経過で鉄が不足し小球性低色素性貧血
- 好中球アルカリフォスファターゼスコア:低値(NAPスコア:低下)
血液生化学
- LDH:上昇
- ハプトグロビン:減少
- 間接ビリルビン:上昇
- 慢性の血管内溶血により鉄が欠乏 → 血清鉄↓、血清フェリチン↓
尿検査
- 血管内溶血によりヘム鉄は糸球体濾過されて、ヘモグロビンは尿細管で再吸収され、鉄はヘモジデリンとして尿中に排泄される。 (ポルフィリンどこいった?)
- 発作時に認められる
治療
- ほとんどの患者で生涯にわたる支持療法(suppertive care)を受ける人が多い。(HIM.661)
- 若い患者で重症のPNHであれば同種骨髄移植を提案すべき(should be offered) (HIM.661)
支持療法
- フィルターで白血球を除去した赤血球製剤を使用。伝統的に溶血を引き起こすwhite cell reaction(白血球に対する抗HLA抗体による抗原抗体反応、のこと?)を防止するために洗浄赤血球が用いられてきたが、これは無駄である。(HIM.661)(also see. 参考2)
- 葉酸
- 鉄剤
- 補体成分C5に対するヒト化モノクローナル抗体 エクリズマブ eclizumab
- ×
糖質コルチコイド:長期にわたる使用におけるエビデンスなし
根治療法
USMLE
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria - uptodate [1]
- 2. [charged] Diagnosis and treatment of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria - uptodate [2]
[★]
- 英
- promyelocyte, promyeloblast
- 関
- 血球。好中球
- 骨髄の中に存在する
- 顆粒球系未熟細胞の中で最も大きく、径は12~20/15-25μmと大型で細胞質は広くなる(骨髄芽球より核細胞質比が低下)。
- 細胞質は好塩基性に青染するが、骨髄球の時期に近づくと淡橙色が混在してくる。
- 細胞質にはびまん性に紫赤色の粗大なアズール顆粒(一次顆粒)が増加するが、好中性顆粒(二次顆粒)は形成されない(骨髄球では好中性顆粒が産生される)。
- ミエロペルオキシダーゼ活性は分泌小器官(粗面小胞体、ゴルジ装置)と一次顆粒で強陽性を示す。
- 核は骨髄芽球と同様であるが、円形・類円形をなし、細胞質の片側に偏在して位置する傾向がみられ、かつ核小体が残存する(骨髄芽球では核小体が消失)。
臨床関連
[★]
- 英
- myeloblast, Mbl、Mybl
- 同
- 骨髄芽細胞
- 関
- [[]]
- 好酸球系、好塩基球系、好中球系のいずれかは光学顕微鏡下では区別できない
-myeloblast
[★]
- 英
- metamyelocyte
- 関
[★]
- 英
- induced pluripotent stem cell、iPS cell
- 関
- iPS細胞
[★]
- 英
- stem cell, stem cells
- 関
- 造血幹細胞
特徴
- 参考.1
- 1. 多分化能:複数系統の細胞に分化できる。
- 2. 自己複製能:細胞分裂を経ても多分化能を維持できる。
- 3. 分化を抑制する遺伝子の発現
- 4. テロメラーゼの発現
- 不死細胞ではない。哺乳類の造血幹細胞では、一生の間に行う分裂は80-200回とされている?
細胞分裂の特徴
- 分裂により2つの異なる細胞ができる:別の種類の細胞に分化したもの。同じ分化能を維持したもの。
参考
[★]
- 英
- pluripotency、pluripotent、pluripotential
- 関
- 多分化能
[★]
- 英
- cell
- ラ
- cellula
- 関