- 英
- hydroxyurea, HU
- 同
- (化学名)ヒドロキシ尿素、(一般名)ヒドロキシカルバミド hydroxycarbamide、ハイドロキシウレア
- 商
- ハイドレア Hydrea, Mylocel
- ヒドロキシ尿素により胎児ヘモグロビンの増加するらしい。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/10 15:57:47」(JST)
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ヒドロキシカルバミド
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
Hydroxyurea |
臨床データ |
商品名 |
ハイドレア |
AHFS/Drugs.com |
International Drug Names |
MedlinePlus |
a682004 |
ライセンス |
EMA:リンク、US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- AU: Prescription Only (S4)
- CA: ℞-only
- UK: POM
- US: ℞-only
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
代謝 |
肝臓で代謝され二酸化炭素と尿素となる |
半減期 |
2-4 hours |
排泄 |
腎臓および肺より排泄 |
識別 |
CAS番号 |
127-07-1 |
ATCコード |
L01XX05 |
PubChem |
CID 3657 |
DrugBank |
DB01005 |
ChemSpider |
3530 |
UNII |
X6Q56QN5QC |
KEGG |
D00341 |
ChEBI |
CHEBI:44423 |
ChEMBL |
CHEMBL467 |
NIAID ChemDB |
006310 |
化学的データ |
化学式 |
CH4N2O2 |
分子量 |
76.0547 g/mol |
|
InChI
-
InChI=1S/CH4N2O2/c2-1(4)3-5/h5H,(H3,2,3,4)
Key:VSNHCAURESNICA-UHFFFAOYSA-N
|
ヒドロキシカルバミド(Hydroxycarbamide あるいは Hydroxyurea ;ヒドロキシウレア、ヒドロキシ尿素とも言う)とは、1869年にドイツのDreslerらによって合成された尿素誘導体であり、代謝拮抗剤に分類される抗がん剤である。商品名は、ハイドレア(ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社販売)。
目次
- 1 効能・効果
- 2 おもな副作用
- 3 作用機序
- 3.1 DNA合成阻害作用
- 3.2 DNA修復阻害作用
- 3.3 細胞周期に対する作用
- 4 パッケージ、用法
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
- 7 参考資料
- 8 脚注
効能・効果
- 慢性骨髄性白血病
- 本態性血小板血症 (平成25年3月25日、公知申請により薬事承認)[1]
- 真性多血症 (平成25年3月25日、公知申請により薬事承認)
- 日本では適応外であるが乾癬への効果も報告されている。[2] [3]また米国では鎌状赤血球症にも適応を持つ[4]。
おもな副作用
骨髄抑制、間質性肺炎、皮膚潰瘍など。
作用機序
ヒドロキシカルバミドは、in vitro試験の結果から以下の3点で抗腫瘍効果を示すと考えられている。
DNA合成阻害作用
リボヌクレオチドレダクターゼ阻害により細胞内dNTP含量、特にプリン体(dATP、dGTP)含量を急激に低下させDNA合成を阻害し細胞増殖を抑制する。
DNA修復阻害作用
細胞内dNTPを枯渇化し、種々の要因により惹起されるDNA一本鎖切断の修復不全を生じさせ、最終的に細胞を致死させる。
細胞周期に対する作用
ヒドロキシカルバミドは、S期初期へ腫瘍細胞を蓄積させることが認められている。また同様の実験で、ヒドロキシカルバミドは、主にS期初期の細胞に対し殺細胞作用を示し、さらに死を免れたS期の細胞及び他の周期の細胞が同時に分裂期に入るような、周期同調作用を示すことが認められている。
パッケージ、用法
ハイドレア500mgカプセル 1シート10カプセル 判別しやすいよう派手な色のカプセルが特徴
製品化されているものは500mgカプセルで経口剤(飲み薬)であり、一日500~2000mgを1~3回に分服する。(医師の判断で増減する)
関連項目
外部リンク
- ブリストル・マイヤーズ株式会社
- ヒドロキシカルバミド研究データ
参考資料
- 『ハイドレア カプセル500mg』医薬品インタビューフォーム・新様式第2版(ブリストル・マイヤーズ)
脚注
- ^ http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/topics/110202-01.html
- ^ Sharma VK, Dutta B, Ramam M (2004). "Hydroxyurea as an alternative therapy for psoriasis". Indian J Dermatol Venereol Leprol 70 (1): 13–7. PMID 17642550.
- ^ Rustin, MH (November 2012). "Long-term safety of biologics in the treatment of moderate-to-severe plaque psoriasis: review of current data". Br J Dermatol 167 (Suppl 3): 3–11. doi:10.1111/j.1365-2133.2012.11208.x. PMID 23082810.
- ^ Food and Drug Adminidstation. Med watch. http://www.fda.gov/medwatch/safety/2006/safety06.htm#Hydrea.
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Japanese Journal
- 真性多血症 (今月の主題 骨髄増殖性疾患) -- (治療--治療方針・治療成績・予後)
- 松村 洋高,佐々木 達海,蜂谷 貴,小野口 勝久,高倉 宏充,橋本 和弘
- 日本心臓血管外科学会雑誌 33(2), 129-132, 2004-03-15
- NAID 10012708248
Related Links
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★リンクテーブル★
[★]
- poly(多) + cyt(細胞) + mia(血症) vera(真性?)
- ラ
- polycythemia vera PCV PV
- 同
- 真性赤血球増加症、真性赤血球増多症
- オスラー病 Osler disease,オスラー・ワーケ病 オスラー-ヴァケー病 Osler-Vaquez disease,ヴァケー病 Vaquez disease
- 関
- 骨髄増殖性疾患(MPD)
概念
- 慢性骨髄増殖性疾患の一つ。
- 多能性血液幹細胞の腫瘍性増殖により、赤血球数の絶対的増加と循環赤血球量の増加を呈する。
- 赤血球の他に、白血球、血小板も増加するが、リンパ球は増加しない。
病因
- 多能性幹細胞の異常により、血球が腫瘍性に増殖することが原因とされる。
疫学
- 新患発生数:100万人対2人/年
- 50-60歳に多い。
症状
- 循環赤血球量の増加 → 循環血液量の増加+血液粘稠度の亢進:循環障害による頭痛、めまい、耳鳴り、倦怠感、知覚異常、呼吸困難など → 高血圧、狭心症・心筋梗塞、間欠性跛行
- 血球の増加:脾腫(70%の症例)、赤ら顔(口唇、頬部、鼻尖、耳) →肝臓や脾臓の腫大は髄外造血による
- 骨髄
- ヒスタミンの放出:皮膚の掻痒感、消化性潰瘍
- 尿酸の放出増加:高尿酸血症 → 痛風
検査
- 赤血球:増加
- 白血球:増加
- 血小板:増加
- リンパ球:正常
血液生化学
遺伝子検査
特殊検査
- 循環赤血球量:増加(男性36 mL/kg以上、女性32 mL/kg以上) ← RIを使うはず
骨髄穿刺
鉄代謝
診断
- インスリン様成長因子Iに対する感受性の亢進、Bcl-2ファミリーに属するBcl-XLの発現亢進、エリスロポエチン受容体の発現パターンの異常、トロンボポエチン受容体の発現低下、チロシンホスファターゼの発現異常、エリスロポエチン受容体遺伝子の異常
診断基準
2008年WHOによる真性多血症診断基準
|
大基準
|
1. Hb>18.5g/dl(男性)、>16.5/dl(女性) もしくは 年齢、性別、住居している緯度から換算したHbかHtが9.9%以上増加している もしくは Hb>17g/dl(男性)、>15g/dl(女性)で鉄欠乏性貧血などの改善以外にHbが本人の基準値よりも2g/dl以上持続上昇している もしくは 赤血球数が予想値の25%を超えて上昇している
|
2. Jak2V617Fかもしくは同様の変異が存在する
|
小基準
|
1. 骨髄の3系統が増生を示す
|
2. 血清エリスロポイエチンがおおよそ正常値を示す
|
3. 内因性の赤芽球コロニー形成を認める
|
鑑別診断
治療
- 治療目標:生命予後は良好であり、10年生存率は50%異常が期待できる。合併症となる血栓症の予防が主眼となる。
- 瀉血:Ht 42-47% ← 血管閉塞症の頻度が低下する
- 血圧や脈拍の経過を見ながら月1-2回、1回200-400ml程度で行う。
- 高齢者や心血管障害を有する例では1回100-200ml頻回の瀉血が望ましい
- 抗血栓療法:血栓症の既往、もしくはリスクが高いときには抗血小板薬を処方。
- 抗癌薬投与:ヒドロキシウレアが第一選択で、不応例や不耐例の場合はルキソリチニブ。以前は40歳以上ではブスルファンとされていた。
- 放射性同位体:32P
- 高尿酸血症を有する場合にはフェブリクやアロプリノールを処方。
血栓症リスク
- Barbui T, et al.(J Clin Oncol. 2011 ; 29 : 761)
リスク分類
|
予後因子
|
低リスク
|
年齢<60歳、かつ血栓症の既往なし
|
高リスク
|
年齢≧60歳、または血栓症の既往がある
|
予後
- 生存は平均6-10年。5年生存率約75%, 10年生存率約55%
- 主な死因は、消化管出血や脳血管障害
長期生存
- 25%の症例で骨髄線維症へ移行
- まれに急性白血病を発症。32Pによる治療を受けた患者に多い
USMLE
- Q book p.245 32
- first aid step1 2006 p.278
国試
参考
- 総論 - 造血器腫瘍診療ガイドライン - 造血器腫瘍診療ガイドライン
http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_4.html#soron
- PV瀉血療法後のHt目標値を45%にすることは勧められるか
http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_4.html#cq7
- 真性多血症の治療ガイド - ノバルティスファーマ株式会社
http://product.novartis.co.jp/jak/tool/JAK00193GG0002.pdf
[★]
- 英
- chronic myeloid leukemia chronic myelogenous leukemia chronic myelocytic leukemia CML
- 関
- 白血病、染色体異常
- 血液・造血器 081030I
- first aid step1 2006 p.294,303,304,309,310,
概念
- 造血幹細胞に遺伝子的な変異が生じ、正常な分化能を保持したまま腫瘍性に増殖し、特に顆粒球系の血球の増殖をきたす。
- 白血球は著増、血小板は増加するが、赤血球は正常もしくは減少する。
- 慢性に経過するが、急性転化(blastic crisis)により急性白血病と同様の病態をとりうる。
検査
- 赤血球:→or↓
- 白血球:↑↑↑
- 血小板:↑ → 急性転化例では↓
- 好中球アルカリホスファターゼ:低値
- NAPスコア:低下 → 急性転化例では↑
- 血清ビタミンB12、LDH、尿酸、リゾチーム:高値 → 白血球の破壊による
- 白血病裂孔:なし → 分化能は保たれているため
- 染色体:Ph染色体の出現
- → 急性転化例では複数のPh染色体、環状Ph1、形態異常をきたしたPh染色体の出現がみられる(QB.G247)。頻度:複数のPh染色体の出現>トリソミー>17番同腕染色体>19トリソミー?(+19) (WCH.2243)。染色体の変化は血液学的な変化に数ヶ月先だって起こるが、必ずしもblast crisisに繋がるわけではない(WCH.2243)。急性転化例の2/3では骨髄性、1/3でリンパ性にtransformationする。後者の場合、MPO染色陰性、PAS染色陽性、B細胞表面抗原の発現(多くの場合CD10,CD19を発現し,sIgは欠く)、TdT発現(抗体の遺伝子再構成における多様性付与に関与)。(WCH.2243)
治療
- イマチニブが第一選択となる。適応があれば同種幹細胞移植。
治療に用いる薬物・治療法
- イマチニブ
- 自己幹細胞移植:?
- 同種幹細胞移植
- 白血球除去(leukapheresis)・脾摘
- インターフェロンα:イマチニブが登場する前は、同種幹細胞移植ができない症例において治療の選択肢の一つであった。
- ヒドロキシウレア:。インターフェロンと併用して使われる。代謝拮抗薬。DNA合成を阻害する。骨髄抑制、二次発癌は稀。
- シタラビン:Ara-CTPとなり、DNA合成過程のシチジン二リン酸(CDP)還元酵素やDNAポリメラーゼを阻害
慢性期
- 参考2
移行期
- 参考2
急性期
- 参考2
- 1. myeloid crisisに対してはAML、lymphoid crisisに対してはALLに対する寛解導入療法に準じた化学療法を行う。
- 2. 同種幹細胞移植
国試
参考
- http://www.gan-pro.com/professional/cancer/child-leukemia/chronic-myelogenous-leukemia.html
[★]
- 英
- leg ulcer
- 関
- 下腿潰瘍
分類
- 動脈性潰瘍:虚血性が原因なので治療は末梢血行の改善がfirst
- 静脈性潰瘍:中年女性、立ち仕事が多い者に後発。下腿内側>下腿外側。
- 糖尿病性潰瘍
- 中枢神経系の疾患に基づく麻痺(脳卒中、脊髄損傷、二分脊椎症)
- ハンセン氏病
[★]
[★]
- 英
- hydroxycarbamide
- 商
- ハイドレア
→ヒドロキシウレア
[★]
- 英
- hydroxy
- 関
- 水酸化、ハイドロキシ
[★]
- 英
- hydro
- 関
- ハイドロ