- 英
- follicle (Z), ovarian follicle
- ラ
- folliculus ovaricus, folliculus ovarii
- 同
- 卵巣濾胞
卵胞の発育
- 最初、原始卵胞はFSHに依存せずに生育していき、顆粒膜細胞層が3層になった頃(一次卵胞)にFSH受容体を発現し、FSH依存性に生育していく。
- 月経周期の初期には下垂体からのFSH分泌が増加して(月経周期参照)、ゴナドトロピン刺激とは無関係に発育してきた卵胞をさらに刺激してグラーフ卵胞へと発達させる。FSHによる刺激がない場合には卵胞は変性し閉鎖卵胞となる。(NGY.26)
- (ゴナドトロピンの刺激を受けた?)卵胞は1-2mm/dayの割合で大きくなり、5mmで超音波エコーにて描出される。
- 排卵前には約20mmとなる。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/06 23:09:04」(JST)
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卵胞(らんほう、ovarian follicle)または濾胞(ろほう)は卵巣にある、卵子を含んだおおよそ球状の細胞の集合であり、排卵によりそこから卵子が放出される。これは繊維・血管の外被、有核細胞(卵胞上皮細胞)の内被、及び卵子の浮遊する透明なアルブミン溶液(卵胞液)からなる。卵胞は発育段階により原始卵胞、一次卵胞、二次卵胞、三次卵胞(胞状卵胞)およびグラーフ卵胞に分けられる。排卵後の卵胞は黄体へと変化する。
卵胞内での卵細胞の形成
配偶子、即ち精子と卵子は原始生殖細胞が減数分裂する事によって形成される。卵形成のための減数分裂は胎児期の卵巣で始まる。卵子は第一減数分裂前期で一旦停止し、一層の卵胞上皮細胞(顆粒層細胞)と共に原始卵胞を形成する。出生後の卵胞の発育は各種の成長因子、卵胞刺激ホルモン(FSH)、および黄体形成ホルモン(LH)によって調節される。FSHはまたLHと共働して卵胞上皮細胞(顆粒層細胞)からエストロゲン分泌させる。第一成熟減数分裂前期で停止した一次卵母細胞は排卵のトリガーとなるLHサージにより減数分裂を再開する。極体と呼ばれる細胞と二次卵母細胞に分裂した後、再び第二減数分裂中期で停止する。LHサージにより排卵された二次卵母細胞は卵管で精子と受精することにより減数分裂を完了させ、極体を再び放出した後、受精が完了する。極体は卵子として機能せず退行する。よってグラーフ卵胞と呼ばれる成熟した卵胞の中に実際にあるのは一次卵母細胞である。
成熟卵胞の大きさ
動物種 |
成熟卵胞の直径(mm) |
ウシ |
12-19 |
ウマ |
25-70 |
ブタ |
8-12 |
ヒツジ |
5-10 |
イヌ |
6.0 |
ヒト |
10-15 |
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 保存された卵胞の化石は鳥類の生殖行動の初期進化を示す(地球科学の窓)
- 超音波画像検査による卵胞数の計測に基づく供胚牛の選定技術の開発
- 葉棚 幸輝,木村 健一,柳澤 克可 [他]
- 家畜診療 = Journal of livestock medicine 60(1), 29-34, 2013-01-00
- NAID 40019553227
- 農林水産省経営局長賞 黒毛和種牛における授精時の卵胞長径および粘液性状と受胎率 (平成23年度家畜診療等技術全国研究集会・入賞論文)
- 松浦 道夫
- 家畜診療 = Journal of livestock medicine 59(11), 679-684, 2012-11-00
- NAID 40019480374
- イラストでみる産婦人科診療(第7回)卵胞の発育・精子の造成および異常
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★リンクテーブル★
[★]
- 32歳の女性。1回経妊、1回経産。1年間の無月経を主訴に来院した。1か月前からのぼせとイライラ感とが出現している。挙児希望がある。経腟超音波検査で子宮はやや萎縮しており、卵巣には卵胞が認められない。
- 高値を示すのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D045]←[国試_105]→[105D047]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102B032]←[国試_102]→[102B034]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103G027]←[国試_103]→[103G029]
[★]
- a. 子宮体部は充実性で西洋梨状を呈する
- b. 増殖期子宮内膜は低エコーレベルの帯状層として認められる
- c. 卵胞は直径5mm以上で観察される
- d. 膣腔は膀胱直下に線状エコーとして認められる
[正答]
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- progesterone (Z), P4
- 同
- 黄体ホルモン corpus luteum hormone、プロジェステロン
- 商
- プロゲホルモン ルテウム プロゲストン, Crinone, Prochieve, Progestasert
- 関
- エストロゲン、月経周期、ホルモン
分類
性状
産生組織
- G10M.37
標的組織
生理作用
- 子宮内膜:プロスタグランジンの合成を制御(増殖期には低値、月経期には高値) → 月経前症候群・月経困難症との関連
- 妊娠中には下垂体前葉に作用してLHの分泌を抑制し、排卵を抑制する。(G10M.37)
- 乳腺組織のPRL受容体を減少させ、乳汁分泌を抑制する。(G10M.37)
作用機序
分泌調節
性周期・月経・妊娠との関連
非妊時
- 卵胞期:低値
- 排卵期~黄体期:高値
- 黄体期後期:漸減
妊娠時
- 妊娠時には0-10週にかけてなだらかに上昇してから下降するが、以降漸増する。(NGY.47)
- 妊娠時には10週までなだらかに増加し、以降増加。(G10M.37)
LAB.724
|
エストロゲン
|
プロゲステロン
|
エストロン
|
エストラジオール
|
エストリオール
|
|
(pg/ml)
|
(pg/ml)
|
(pg/ml)
|
(ng/ml)
|
女性
|
卵胞期
|
10~60
|
10~150
|
0~20
|
0.5~1.5
|
排卵期
|
25~100
|
50~380
|
5~40
|
1.5~6.8
|
黄体期
|
25~80
|
30~300
|
5~40
|
5.0~28.0
|
更年期
|
20~80
|
10~50
|
0~20
|
0.3~0.4
|
男性
|
30~60
|
10~60
|
0~15
|
0.2~0.4
|
[★]
- 英
- follicle stimulating hormone, FSH
- 同
- 濾胞刺激ホルモン、フォリトロピン follitropin
- 関
- 卵胞
分類
性状
産生組織
標的組織
生理作用 (QB.Q-212)
作用機序
分泌調節
- ネガティブフィードバック:卵巣から分泌されるインヒビンにより下垂体からのFSHの分泌が抑制される。
促進
- ゴナドトロピン放出ホルモン GnRH:視床下部由来の
- レプチン:脂肪細胞から分泌される。やせている場合にはFSHが低下。肥満している状態では視床下部に作用して基礎代謝をあげると共に食欲を抑制する
抑制
月経・性周期との関連
- 卵胞期に高く、黄体期に低い。
- 排卵期にピークを示す。
基準値
HIM.A-5
女性
- 卵胞期 :2.0-20.0 mIU/ml
- 排卵期 :9.0-26.0 mIU/ml
- 黄体期 :1.0-12.0 mIU/ml
男性
検査の本
女性
- 卵胞期初期 :2.7-10.2 mIU/ml
- 排卵期ピーク:2-23 mIU/ml
- 黄体期 :1.0-8.4 mIU/ml
- 妊娠時 :≦1 mIU/ml
- 閉経後 :9.2-124.7 mIU/ml
男性
- 思春期前:≦4 mIU/ml
- 成年期 :1.2-15 mIU/ml
- 老年期 :≧15 mIU/ml
ホルモン>:ホルモン
[★]
- 英
- granulosa cell, granulosa cells
- 同
- 顆粒層細胞
- 関
- 卵胞、
[show details]
- 卵胞由来の細胞で、卵胞の外層に位置する。
- 原始卵胞から一次卵胞への発達はFSH非依存的に進行する。卵母細胞をおおう卵胞上皮(卵胞上皮細胞)は単層かつ扁平な状態から立方状に変化し、さらに多層化する。この状態の卵胞上皮細胞が顆粒層細胞と呼ばれる(HIS.395)。
- 卵母細胞から分泌されるアクチビンによって顆粒層細胞の増殖が促進される(HIS.395)
分子細胞学的な特徴=
機能
- 1. アンドロゲンからエストロゲンへの変換
- 2. (LHの作用により)排卵後に黄体に変化する
ホルモン
調節
- 多層一次卵胞の時にFSHを受容すると二次卵胞になる ← FSHは卵胞発育促進作用があり、顆粒膜細胞に作用して三方の発育・分化・エストロゲン産生を促進する(QB.Q-212)
分泌
[★]
- 英
- ovulatory phase
- 関
- 月経周期
[★]
- 英
- Graafian follicle, graafian follicle
- 同
- Graaf卵胞、成熟卵胞、三次卵胞 folliculus ovaricus tertiarius
- 関
- 卵胞、濾胞細胞
- 月経周期1-14日の間に卵胞発育が起こり(成長速度は1-2mm/day(QB.Q-15))、約2mmの卵胞は排卵時には20mm以上に増大する。(NGY.27)
- 5mm以上でエコーで描出される(QB.Q-15)
[★]
- 英
- vesicular ovarian follicle (Z), antral follicle
- 同
- 二次卵胞(HIS) secondary follecule(HIS)
- 関
- 卵胞
[★]
- 英
- estrogen preparation
- 関
- 女性ホルモン製剤、エストロゲン製剤
[★]
- 英
- follicular cavity, antrum
- 関
- [[]]
[★]
- 英
- follicular cell
- 関
- [[]]