- 英
- bupropion、bupropion hydrochloride
- 商
- Wellbutrin
- 関
- 塩酸ブプロピオン
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ブプロピオン
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
(±)-2-(tert-ブチルアミノ)-1-(3-クロロフェニル)プロパン-1-オン |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
動物では5から20%、ヒトでは実験されていない。 |
代謝 |
CYP2B6と2D6 |
半減期 |
20 時間 |
排泄 |
腎臓 (87%), 糞便(10%) |
識別 |
CAS番号 |
34841-39-9 |
ATCコード |
N06AX12 |
PubChem |
CID 444 |
DrugBank |
APRD00621 |
ChemSpider |
431 |
化学的データ |
化学式 |
C13H18ClNO |
分子量 |
239.74 g/mol |
SMILES
- CC(NC(C)(C)C)C(=O)c1cccc(Cl)c1
|
ブプロピオン (bupropion) は、ノルアドレナリンおよびドパミン再取り込み阻害薬 (DNRI) として作用する抗うつ薬の一種で、ニコチン拮抗薬である[1][2]。ブプロピオンは化学的にはアミノケトン類に属し、その構造は覚醒剤のカチノンや食欲減退薬のジエチルプロピオン、そしてフェネチルアミンに類似している。
日本では認可を目指して治験が行われていたが、その後開発が中止された模様である[要出典]。日本国外では塩酸塩が Wellbutrin という商品名で上市されている(というよりBupropionをジェネリック商品としている)。当初は抗うつ薬として研究・販売されていたが、後にブプロピオンには禁煙補助剤としての効果があることが判明した。禁煙補助剤としての商品名は Zyban である。国際一般名 (INN) では amfebutamone という名称が以前から知られている[3]。
アメリカの2018万4000の小売店において4番目に多く処方された抗うつ剤である(2007年)[4]。
目次
- 1 歴史
- 2 禁忌
- 3 合成
- 4 脚注
- 5 外部リンク
歴史
ブプロピオンはBurroughs Wellcome(現在のグラクソ・スミスクライン)のNariman Mehtaによって1969年に発明され、1974年にはアメリカにより特許が承認された[5]。1985年の12月30日にアメリカ食品医薬品局(FDA)から抗うつ薬としての認可を受け、 Wellbutrin という名称で販売された[6]。しかし、当初の推奨される投薬量(400 – 600 mg)で著しい発生率で発作が現れたために1986年に使用が停止された。その後、発作の危険性は用量に依存することが分かり、ブプロピオンは1989年に最大推奨量 450 mg/day として再認可された。
1996年には、1日に2回の服用を意図した Wellbutrin SR と呼ばれるブプロピオンの徐放性製剤がFDAにより認可された[7]。2003年には 1日1回の服用を意図した Wellbutrin XL と呼ばれる別の徐放性製剤が認可された。Wellbutrin SR と XL はアメリカ国内で、カナダでは SR のみが一般形式で入手できる。1997年には、禁煙時の離脱症状である気分の落ち込みを防ぐ目的で、ブプロピオンの徐放性製剤がニコチン置換薬以外で初めての禁煙補助剤として、Zyban という名称での使用がFDAより認可され[7][8]、アメリカにおける『臨床ガイドライン:喫煙と依存症の治療』で第一選択薬の一つに挙げられている[9]。同様に2006年には、Wellbutrin XL が季節性情動障害の治療への使用が認可された[10]。
禁忌
グラクソ・スミスクラインでは、てんかん患者、発作閾値を低下させる恐れのある「アルコールやベンゾジアゼピンを含む抗不安薬の急な服用中止を行っている患者」、拒食症患者、過食症患者、脳腫瘍患者へブプロピオンを処方するべきではないとしている。FDAにより承認された添付文書[11]では、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOIs)を服用している患者への処方も避け、MAOIsからブプロピオンへ処方を変更する場合には最低2週間空けるべきであるとしている。また、自殺念慮リスクが増加するため肝障害、重篤な腎疾患、重度の高血圧をもつ患者や小児、思春期、青年期、若年成人へは十分注意して処方するべきであるとしている。 1993年に出された症例報告(retrospective case series)[12]によれば、ブプロピオンはADHDとトゥレット障害を併発している小児においてチックを悪化させることがあると報告されている。
合成
ブプロピオンは、3'-クロロプロピオフェノンをブロモ化し、続けてtert-ブチルアミンで求核置換することによって合成する[5][13]。
脚注
- ^ Slemmer J E, Martin R M, Damaj M I (2000). "Bupropion is a Nicotinic Antagonist". J Pharmacol Exp Ther 295 (1): 321–327.
- ^ Fryer J D, Lukas R J (1999). "Noncompetitive functional inhibition at diverse, human nicotinic acetylcholine receptor subtypes by bupropion, phencyclidine, and ibogaine". J Pharmacol Exp Ther 288 (6): 88–92. PMID 9862757.
- ^ The INN originally assigned in 1974 by the World Health Organization was "amfebutamone". In 2000, the INN was reassigned as bupropion. See World Health Organization (2000). "International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances (INN). Proposed INN: List 83" (PDF). WHO Drug Information 14 (2).
- ^ 上位三位は、セルトラリン、エスシタロプラムおよびフルオキセチンである。ブプロピオンの処方量は、 Wellbutrin XL, Budeprion XL, Budeprion SR, Bupropion SR および Bupropion ER の合計から算出している。see: “Top 200 Generic Drugs by Units in 2007 (PDF)”. Drug Topics (2008年2月18日). 2008年3月30日閲覧。 and Verispan (2008年2月18日). “Top 200 Brand Drugs by Units in 2007 (PDF)”. Drug Topics. 2008年3月30日閲覧。
- ^ a b Mehta NB (1974年6月25日). “United States Patent 3,819,706: Meta-chloro substituted α-butylamino-propiophenones”. USPTO. 2008年6月2日閲覧。
- ^ WELLBUTRIN Label and Approval History. U.S. Food and Drug Administration Center for Drug Evaluation and Research. Retrieved on 2007-08-18. Data available for download on FDA website.
- ^ a b "Bupropion Helps People With Schizophrenia Quit Smoking." National Institute on Drug Abuse. Research Findings, Vol. 20, No. 5 (April 2006). Retrieved on August 19, 2007.
- ^ 世界保健機関「第3章:たばこ依存症の治療と禁煙方法」『禁煙とたばこ依存症治療のための政策提言』、2003年、厚生労働省公式webページ、2009年3月13日閲覧
- ^ Fiore,M.C.,et al., Treating Tobacco Use and Dependence. Clinical Practice Guideline.,2000,US Department of Health and Human Services. Public Health Service.、2009年3月13日閲覧
- ^ Staff Writer. "Seasonal affective disorder drug Wellbutrin XL wins approval." CNN. June 14, 2006. Retrieved on August 19, 2007.
- ^ “Wellbutrin XL Prescribing Information (PDF)”. GlaxoSmithKline (2008年12月). 2010年1月16日閲覧。
- ^ Spencer T, Biederman J, Steingard R, Wilens T (1993). "Bupropion exacerbates tics in children with attention-deficit hyperactivity disorder and Tourette's syndrome". J Am Acad Child Adolesc Psychiatry 32 (1): 211–4. doi:10.1097/00004583-199301000-00030. PMID 8428875.
- ^ Daniel M. Perrine, Jason T. Ross, Stephen J. Nervi, and Richard H. Zimmerman (2000). "A Short, One-Pot Synthesis of Bupropion". J. Chem. Ed. 77 (11): 1479.
外部リンク
- Wellbutrin official website
- List of international brand names for bupropion
- Bupropion - Open Directory Project
- Wellbutrin Pharmacology, Pharmacokinetics, Studies, Metabolism - Bupropion - RxList Monographs
- NAMI Wellbutrin
- Bupropion article from mentalhealth.com
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再取り込み阻害薬 |
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フルオキセチン フルボキサミン パロキセチン セルトラリン エスシタロプラム
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セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRIs)
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デュロキセチン ミルナシプラン ヴェンラファキシン
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ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (NRIs)
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アトモキセチン
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ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬 (NDRIs)
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ブプロピオン
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受容体拮抗薬 / 再取り込み阻害薬 |
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セロトニン2受容体拮抗・再取り込み阻害薬 (SARIs)
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トラゾドン
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ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
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三環系抗うつ薬 と 四環系抗うつ薬 (TCAs/TeCAs) |
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三環系: アミトリプチリン クロミプラミン イミプラミン ノルトリプチリン アモキサピン 四環系: マプロチリン ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
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- CYP2B6とブプロピオン禁煙治療 : ヒドロキシブプロピオンの役割とは(F 医療薬科学)
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- 英
- antidepressant, antidepressants
- 関
- 薬理学、そううつ病、精神疾患
作用機序
三環系抗うつ薬 tricyclic antidepressant
- 1. (急性作用)シナプス前膜におけるノルアドレナリン、セロトニンの再取り込み↓→シナプス間隙における薬剤濃度↑
- 2. (慢性作用)(2週間後)シナプス後膜における受容体の数↓
- 慢性作用はシナプス間隙のノルアドレナリン、セロトニン濃度が上昇した結果、シナプス後膜の受容体が減少したために出現すると考えられる。
抗うつ薬
- ミルナシプラン milnacipran
副作用
- Adams and s Principles of Neurology, Ninth Edition Allan Ropper p.1474
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