ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群
WordNet
- the 23rd letter of the Roman alphabet (同)w, double-u
PrepTutorEJDIC
- Watt / West; Western
- wolfram(=tungsten)の原子記号
- word processing
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WPW症候群 |
分類及び外部参照情報 |
本症患者の心電図。δ波が矢印で示されている。
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ICD-10 |
I45.6 |
ICD-9 |
426.7 |
OMIM |
194200 |
DiseasesDB |
14186 |
eMedicine |
emerg/644 med/2417 |
MeSH |
C14.280.067.780.977 |
|
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WPW症候群(英: Wolff-Parkinson-White syndrome)とは、上室性の頻脈性不整脈の一つ。1915年頃からその存在が知られ始め、1930年に多くの症例についての詳しい報告がなされ、世間に知られるようになった。この際の3人の研究者であるWolff、Parkinson、White各博士の頭文字をとりWPW症候群と名付けられた。
目次
- 1 機序
- 2 心電図
- 3 臨床像
- 4 治療
- 5 参考文献
- 6 関連項目
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機序
原因として多くあげられるのは、Kent束と呼ばれる副伝導路の存在によるリエントリー回路の形成である。通常は洞結節から発した電気信号は心房を経由して心室へと伝達されるが、この疾患では信号が通常のルートに加えてKent束を経由するルートにも伝わるため、発作が起きると拍動リズムを乱してしまう。発作時の脈拍は240回(bpm)以上にも達し、救急隊員が驚くことがある。多くは放置しても自然に収まるが、長時間続く場合は投薬により抑える。失神するなどの症状がある場合は危険がある。
また、Kent束は心房筋と同じ電気生理学的性質を有するため、心房細動時に心室への過度の伝導が生じ、とくに心房細動時にQRS間隔が0.2秒以内の例では心室細動に移行する危険がある。
心電図
心電図上の特徴としては、下記の3点が挙げられる。
- δ波の出現: P波の後に続くQRS波形にδ波(デルタは)が生じてくる。これは心室が早期に興奮することによる。
- PQ短縮: Kent束経由の興奮が、正常伝導路経由のそれより先に心室に伝導することによる。
- QRS延長: Kent束経由の興奮と正常伝導路経由のそれとが心室で合流し、幅広いQRS波を形成する。
また、心電図のV1の波形からA型、B型、C型と分類する方法も存在する。
臨床像
上室性頻拍、心房細動等を生じることが問題となるが、通常、何も生じなければ自覚症状はない。
従来はそれほど危険性のない病気として、高血圧、高脂血症、肥満、喫煙等の生活習慣をコントロールすることで改善されることがあるとだけされてきたが、1980年代からの研究により、心房細動から心室細動に移行するケースがあることが判明し、危険な不整脈であると位置づけられた。このため、発作が見られた場合は即座に専門医に診察してもらう必要がある。WPW症候群に合併した発作性心房細動(PAF)は、通常の心房細動とは異なり、心房の興奮がKent束を介してそのまま心室に伝わるため、高度の頻脈、また心室細動から突然死に至る場合があり、危険である。
治療
自覚症状が無ければ経過観察を行う。根治治療には血管カテーテルを用いた高周波アブレーションが極めて有効であり、90%以上で根治に至る。
発作時の治療は迷走神経刺激、無効である場合にはATPまたはカルシウム拮抗剤を静注する。また、回帰頻拍に対しては抗不整脈薬が使用され、シベンゾリン(製品名:シベノール)等を第一次選択薬とする事が多い。
一方、発作性心房細動を合併した場合、ジギタリス製剤、ATP製剤、カルシウム拮抗剤などは禁忌である。とくにジギタリスは、Kent束の不応期を短縮させる一方、正常伝導路をさらに抑制することとなり心室細動を誘発する可能性がある。
参考文献
- 杉本恒明, 矢崎義雄 『内科学 I (第9版)』 朝倉書店、2007年、471-472頁。ISBN 978-4254322316。
関連項目
心血管疾患 |
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疾患 |
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心疾患
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不整脈
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徐脈性
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洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
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頻脈性
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上室性
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洞性頻脈 | 心房細動 | 心房粗動 | ブルガダ症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群
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心室性
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心室細動 | 心室頻拍
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虚血性心疾患
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狭心症 | 急性冠症候群 | 心筋梗塞 | 冠動脈血栓症
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弁膜性心疾患
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僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症 | 三尖弁閉鎖不全症 | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症
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先天性心疾患
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心房中隔欠損 | 心室中隔欠損 | 心内膜床欠損症 | 動脈管開存症 | ファロー四徴症(極型ファロー四徴症) | 大血管転位(左旋性 · 右旋性) | 総肺静脈還流異常症 | 大動脈縮窄 | 左心低形成症候群 | 両大血管右室起始症 | 三尖弁閉鎖
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心内膜・心筋
・心膜疾患
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心内膜疾患
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感染性心内膜炎
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心膜疾患
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心膜炎(急性心膜炎 · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ
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心筋疾患
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心筋症(特発性拡張型心筋症 · 肥大型心筋症 · 拘束型心筋症 · 特発性心筋症) | 心筋炎
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心臓腫瘍 | 心臓神経症 | 心臓性喘息 | 肺性心
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血管疾患
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動脈
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動脈硬化 | 大動脈瘤 | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群 | 動静脈瘻 | 閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | レイノー病
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静脈
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静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全
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血圧異常
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高血圧
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本態性高血圧症 | 二次性高血圧 | 悪性高血圧症
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低血圧
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心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー
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内科的治療
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心臓作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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血管作動薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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循環器系の正常構造・生理 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- WPW症候群に開口障害を伴った障害者の全身麻酔経験
- 川合 宏仁,冨田 修,中池 祥浩,田中 克典,佐藤 潤,渡辺 正博,小川 幸恵,伊藤 寛,佐々木 重夫,齋藤 高弘,山崎 信也
- 障害者歯科 31(3), 581, 2010-09-30
- NAID 10026706540
- 術前12誘導心電図で間欠性WPW症候群を発見しえた高齢者の1例
Related Links
- 1. WPW症候群とは 心臓自身には何らの異常がない人が、特有の心電図所見を示し、しばしば発作性心頻拍症を起こし、また これらの心電図異常が突然 正常化する興味深い例があることが1915年頃から知られていました(Wilson)。
- 心電図の基本 刺激伝導系 心筋細胞の放電と充電 自動能 電気的活動 心房収縮と心室収縮 収縮と血圧の関係 正常洞調律 12誘導心電図の捉え方 誘導波形の捉え方のポイント モニター誘導 標準モニター誘導 モニター誘導法の種類
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★リンクテーブル★
[★]
- 19歳の女性。以前から心疾患のため外来に通院していた。日常の動作はできるが階段や坂を上ると息苦しくなった。2年前に少量の喀痰があった。1か月前に受診したときの現症は、身長157cm、体重42kg。軽度のチアノーゼとばち指とを認めた。II音の亢進を認めたが、心雑音は聴取しなかった。呼吸音に異常を認めなかった。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しなかった。浮腫を認めなかった。この時の心電図と胸部エックス線写真とを以下に示す。今朝、起床して洗顔をしている途中に倒れ 心肺停止状態で搬入された。蘇生術が行われたが死亡が確認された。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G049]←[国試_102]→[102G051]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096B040]←[国試_096]→[096B042]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B021]←[国試_103]→[103B023]
[★]
- 完全房室ブロックを合併しやすいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [112F039]←[国試_112]→[112F041]
[★]
- 英
- electrocardiogram ECG, electrocardiography
- 同
- elektrokardiogramm EKG
- 図:PT.268,279(心臓の構造と興奮伝導系)
- 心電図の読み方:PHD.108
概念
- 心臓全体の電気的活動を体表面から経時的に記録したもの。
- 特殊心筋の活動電位は記録されない。固有心筋の活動電位のみ
医学大事典より
- 心臓は拍動のたびに電気を発生し、これを心起電力(cardiac electromotive force)と呼ぶ。
- 心起電力により体表面に電流が流れると四肢や胸壁など、体表面の異なった部位間に電位差が生じる。
- この電位差を導出するための装置を心電計と呼び、心電計により時間軸に沿って記録された電位の変化を心電図という。
意義
- 心電図は心臓の電気的興奮の伝達を記録したものである。P波は心房の脱分極を、QRS波は心室の心筋細胞の脱分極を表す。T波は心室の再分極を表す。つまり心筋の異常がある場合何かしらの変化が心電図上に表れるということである。心電図は身体に侵襲的な影響を及ぼさない検査である。このことはこの検査を心臓の疾患を疑ったら即行ってよいということである。
- 心電図は、不整脈、心筋梗塞、心筋虚血、心膜炎、心房負荷、心室肥大・心室拡大、電解質異常などの判断に有用である。
施行する目的
- 心臓疾患疑い(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
- スクリーニング(学校検診、職場検診など)
心電図の種類
電極の部位による分類
表現形式による分類
- ベクトル心電図:心起電力をベクトル環として三次元的に描く
- スカラー心電図:時間軸に沿った電位の記録
心電図の記録サイズ
- 縦軸:10mm = 1mV
- 横軸: 5mm = 0.2s
標準12誘導心電図
- 標準肢誘導(I,II,III) + 単極肢誘導(aVR, aVF, aVL) + 胸部誘導(V1, V2, V3, V4, V5, V6) = 12誘導
電極の取り付け位置・電極の色
単極肢誘導
- EAB.5改変
V1
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右第4肋間
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赤
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V2
|
左第4肋間
|
黄
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V3
|
V2とV4の中点
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緑
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V4
|
左第5肋間かつ鎖骨中線
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茶
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V5
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V4と同じ高さで前腋窩線との交点
|
黒
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V6
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V4と同じ高さで中腋窩線との交点
|
紫
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心電図の波
- 6つの棘波よりなる
- P波:心房の電気的興奮。:0.12-0.20s (3-5mm)
- QRS複合:心室の電気的興奮:0.06-0.15s :正常; 0.06-0.08s (1.5-2mm), 不完全脚ブロック; 0.08-0.12s (2-3mm), 完全脚ブロック ≧0.12s (≧3mm)
- T波:心室の再分極(心室筋興奮の回復過程):
- U波
心電図の波の間隔
- PQ時間:房室間伝導遅延:0.12-0.20s
- QT時間:電気的心室収縮時間:心拍数と相関関係がある
- QTc=QT/sqrt(RR)
- 心拍数によらずほぼ一定の値を示す
正常心電図における波
心電図による得られる情報 (SP.536)
- 1. 心臓内の興奮伝導の障害
- ex. 房室ブロック
- 2. 不整脈:脈拍のリズムと心拍数の異常
- ex. 心房粗動、心室細動
- 3. 冠循環の異常
- ex. 心筋梗塞
- 4. 心室肥大
- 5. 血漿中の電解質濃度の異常
各誘導で取りやすい所見
特徴的な所見
新生児・幼小児の心電図
- SPE.428-
- 電気軸:右軸偏位 → 左軸偏位 胎児循環では右心系が主に体循環に関わっていたが、成人で見られる循環では左心系が関わる。生後一ヶ月らいまでは+120~130°程度の右軸偏位
- 呼吸性不整脈:小児では顕著。吸気時に心拍数増加、呼気時に心拍数減少
- 右室肥大:新生児~乳児では肺血管抵抗がまだ高いために右室肥大が持続。
心電図と心疾患
- 心臓を栄養している血管が急激に閉塞するため、全く血液が供給されない状態。
- 急性期と慢性期では異なった心電図をとる。
- 異常Q、ST上昇、冠性T
- 心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長(QT時間が0.46秒以上)を認める病態。
疾患と心電図
- 心膜炎 心外膜炎:90%の患者に異常が見られる。aVR, V1を除いたST上昇。いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression)
- 肺性心(肺気腫):肺性P、不完全右脚ブロック、右軸偏位、V1-V3のT波陰転・平坦化、II,III,aVFでST低下。肺高血圧、最初の3つは右室負荷を反映
- 肥大型心筋症:ST-T変化(ストレイン型の陰性T波は、上に凸のST低下を伴い、非対称性陰性T波)。Sv1, Rv5の増大。QRS時間の延長。
- 心房中隔欠損症:PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位。右心系の容量負荷による遠心性心肥大。
- 心室中隔欠損症:
- ブルガダ症候群:右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型) 。完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)。
- 脚ブロック
- WPW症候群:Δ波。PQ短縮、QRS延長。V1に特徴的変化「A型: 高いR波。左室自由壁」「B型: rS型。右側」「C型: Qr/QS。中隔」
- 肺血栓塞栓症:右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転
- 肺気腫:V1,V2でrS/QSパターン
注意点
- 胸をさらすことになるので、女性の患者では特に配慮する。誘導の電極が正しい位置に貼られていないと記録される結果が異なってくるので、正確な位置に貼る。また、心電図は筋肉の活動も拾ってしまうので、筋緊張を和らげるため患者にはリラックスしてもらい、リラックスできる状況を作ることを心がける。
参考
- http://www.cardiac.jp/
[★]
- 英
- atrial fibrillation, AF, AFIB
- 関
- 心房粗動、心室細動
定義
- 心房細動は心房が高頻度に、しかも同期せずに興奮する状態である。その結果、心房は心室に血液を送るための律動的な収縮を行えなくなり、また心室の興奮も不規則となる。 (参考2)
分類
- 参考2
- 基礎心疾患を認めず,高血圧もない症例に出現した心房細動
完全房室ブロックを伴う心房細動(EAB 135)
原因
心房細動を合併しやすい病態
- 医学大事典
- 虚血性心疾患、高血圧症、リウマチ性心疾患、心筋症、呼吸器疾患、甲状腺機能亢進症、高齢者心房中隔欠損症、WPW症候群など
- 心房負荷で僧帽弁狭窄症を来しやすい
甲状腺機能亢進症
危険因子 QB.C-410
- 高齢者(65歳以上)
- 脳卒中の既往
- 高血圧
- 心不全
- 心房・心室拡大
症状
- 頻拍に因る:動悸、胸部圧迫感
- 拍出量低下による:(器質的心疾患のある場合)心不全
- 心房収縮低下による:心房内血栓形成 → 血栓塞栓症
- 血栓塞栓症は心房細動の時と心房細動から洞調律に復帰させるときに起こりやすい。
心電図
- 着目する誘導:P波 = II誘導、f波 = V1誘導
- 1. f波の出現(400-700/分(EAB.160), 350-600/分(PHD.295))←多数興奮旋回 multiple reentry
- 2. P波の欠如
- 3. RR間隔が不整 ← f波が時々心室に伝わるため
- 絶対性不整脈
[show details]
治療
QB.C-410
- 血行動態が不安定:電気的除細動
- 血行動態が安定 :2-3週間抗凝固療法を行ってから薬物的な除細動Class Ia(APD↑), Class Ic(APD±)
- 48-72時間以内に新規発症した心房細動では抗凝固療法不要
- 経食道心エコーにより左房内血栓を認めなければ、除細動施行。
- 慢性経過(6ヶ月程度)した慢性心房細動では除細動を行っても再発する率が高いので、除細動の適応にはならない????
概要
- 薬物療法と抗凝固療法を施行する
- electrical direct-current cardioversionによる洞調律の回復は、頻脈の時にすべき(心房の興奮が心室に伝導しているとき)
- カテーテルアブレーションは症状があって、かつ他の内科的治療法が奏効しない特に行う
- 外科治療はMaze手術がある
薬物治療
- 心室への興奮の伝達を抑制:Class II, class IV, or digitalis
- 除細動 :Class Ia(APD↑), Class Ic(APD±), Class III
薬物治療 (不整脈薬物治療に関するガイドライン Guidelines for Drug Treatment of Arrhythmias (JCS 2004))
抗凝固療法
- ワーファリンはINR 1.6-2.5に調節。欧米では2.0-3.0。 (QB.C347)日本人ではPT-INRを1.5-2.0に設定。 治療域が狭く個人差が大きいのでPT-INRをモニターする。
- C cardiac failure
- H hypertension
- A age >75yr
- D disbites mellitus
- S2 prior stroke or TIA
- 0 LOW: aspirin 81-325 mg PO dialy
- 1 MODERATE: aspirin or warfarin
- 2 MODERATE: previous CVA/TIA/embolism? YES: warfarin/NO: aspirin or warfarin
- 3-6 HIGH: warfarin
外科的療法 (NSU.440)
- 再発性の発作性心房細動で患者の社会生活に障害が生じているもの
- 塞栓症の既往のある心房細動
- 冠状動脈疾患、僧帽弁膜症、心房中隔欠損症などのため手術を受ける症例で、発作性あるいは慢性心房細動を有する症例
- 右心房、心房中隔、左心房に切り込みを入れ一方向性の伝導しか起こらなくする。
- Coxが創案し、手術法はMazeIII法と呼ばれる。
心房細動の存在により面倒くさくなること
参考
- 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
- [display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
- 2. 不整脈薬物治療に関するガイドライン Guidelines for Drug Treatment of Arrhythmias (JCS 2004)
国試
[★]
- 英
- digitalis
- 関
- 強心薬、強心配糖体, cardiac glycosides、ジギタリス効果。メチルジゴキシン、ジゴキシン、ジギトキシン
|
effect expression
|
max ffect
|
sustain
|
half-time
|
absorbance
|
excertion
|
治療域血中濃度
|
ジゴキシン
|
-1hr
|
3-6hr
|
2-6day
|
36hr
|
60-85%
|
kidney
|
1-2 ng/ml
|
ジギトキシン
|
1-4hr
|
5-10hr
|
2-3week
|
4-5day
|
90-100%
|
liver
|
10-25 ng/ml
|
特徴
構造
薬理作用
- 1. 心筋収縮の増強 (mechanical effect)
- 2. 房室結節で不応期を延長 (electrical effect)
- 洞房結節での伝導速度が低下し、不応期が延長する → だから上室性頻拍のおいて心拍数を下げることができるし、リエントリー性の上室性頻拍を洞調律に戻すことができる。
作用機序
房室結節で不応期を延長 (mechanical effect)
- →心筋収縮を増強する
房室結節で不応期を延長 (electrical effect)
- →房室結節をブロックする。
- 1. 心臓組織に直接作用
- 2. 自律神経に作用し、副交感神経の緊張亢進、交感神経の活動性抑制
動態
- ジゴキシンは腎代謝で半減期が短い。治療濃度 1-2ng/ml
- ジギトキシンは肝代謝で半減期が長い。
適応
- 心不全患者の心不全入院を減らす。予後は改善しない。
- AFを伴うHFでは、心室レートをコントロールし十分な心室充満圧を得るためにジギタリスが用いられる。(ジゴキシンは1-2ng/mlで用いる)
注意
- 低カルシウム血症、腎機能低下例、薬物相互作用に注意
禁忌
YN.C-59
副作用
- also see GOO.922
[★]
- 英
- Wolff-Parkinson-White syndrome, WPW syndrome
- 同
- ウォルフ-パーキンソン-ホワイト症候群、Wolff-Parkinson-White症候群、WPW症候群
- 関
- ケント束、心電図、偽性心室頻拍 pseudoventricular tachycardia, pseudo VT
- ヒス束に加え、ケント束により心房と心室が連絡されるもの → WPW症候群
分類
- V1誘導で分類する。Kent束の局在を反映
- 1. A型: 高いR波。左室自由壁
- 2. B型: rS型。右側
- 3. C型: Qr/QS。中隔
検査
心電図
- PQ短縮:PQ時間の正常値は 0.12-0.2sであるが、これより短くなる
- QRSの延長:QRSは正常では0.06-0.15s。0.1s以下は正常、0.1s以上は異常と考えるらしい。
./t_image/105/105I011.jpg
合併症
- orthodromic atrioventricular reentrant tachycardia
- antidromic atrioventricular reentrant tachycardia
- 高頻度に興奮がケント束を介して心臓に達する。このため、心室細動のリスクが高まる。
治療法
対症療法
WPW症候群+心房細動による偽性心室頻拍
- 参考1
根治療法
- カテーテルアブレーション:ケント束の焼灼による副伝導路の遮断。
参考
- 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
- [display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
- http://www.cardiac.jp/view.php?target=wpw_synd.xml
- http://www.hamt.or.jp/kenkyuhan/link/seiri/ECG/402.html
- 4. 心電図の読み方:WPW症候群の波形を覚えるエクササイズだ! | 心カテブートキャンプ
- http://med-infom.com/?p=690
国試
[★]
- 英
- ST segment depression
- 同
- ST下降、ST部分下降
- 関
- ST、ST上昇
病態
-
-
形態による分類
(心電図の読み方パーフェクトマニュアル p.219,239)
- 下降型傾斜型(down-sloping type)
- 水平型(horizontal type)
- 緩徐上行型(slowly upsloping type)
図:LAB.1520
- 1. junctional depression
- 2. slow-rising depression
- 3. horizontal depression
- Master2段階試験のdouble test判定基準では、以下のST低下で陽性としている。
- 0.5mm異常のischemic depression(1., 2.)
- 3.でQX/QT 50% (つまり低下部分の方が長い) または QT比が1.08以上
- トレッドミル検査では1mm以上の虚血性ST変化の出現(1.または2.)でendpointとしている。
注意
- ST低下は心筋の虚血を表す場合があるが、この場合虚血が起こっている場所を同定できない。
[★]
- 英
- intermittent WPW syndrome
- 関
- WPW症候群
[★]
- 関
- WPW症候群
[★]
- 英
- concealed WPW syndrome
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
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[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候