- 英
- troponin T
- 関
- トロポニン、心筋トロポニンT
WordNet
- the 20th letter of the Roman alphabet (同)t
- a tough youth of 1950s and 1960s wearing Edwardian style clothes (同)Teddy boy
PrepTutorEJDIC
- tritiumの化学記号
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/03 00:14:16」(JST)
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トロポニン(troponin)は横紋筋である骨格筋と心筋のカルシウムイオンによる収縮制御において中心的な役割を担うタンパク質複合体である。平滑筋でも微量のトロポニンサブユニットが発現しており何らかの役割を果たしているものと考えられている[1]。本タンパク質は江橋節郎によって発見、命名されたものである[2]。
役割
筋肉はミオシンとアクチンの相互作用によってATPに蓄えられた化学エネルギーを力に変換することで収縮する。実際の筋肉では、細胞内のカルシウム濃度が上昇する際に収縮し、下降するとき弛緩する。トロポニンは、このカルシウムによる筋収縮制御を可能にする調節タンパク質である。トロポニンはサルコメア(sarcomere)のZ線(Z line)から伸びているアクチンフィラメントに巻き付いたトロポミオシンの特定部位に結合しており, 細いフィラメント(thin filament)の全長にわたって約38ナノメートルの間隔で周期的に局在している。サルコメアには多数のミオシン分子が対称に会合して形成された太いフィラメント(thick filament)があり、筋収縮はこの太いフィラメントの束であるA帯(A band)の中に細いフィラメントが滑り込むことによって行われる(滑り説)。細胞内のカルシウム濃度が細胞外の1万分の1に抑えられ弛緩した筋肉では、トロポミオシンがアクチン分子上のミオシン頭部結合部位を立体的にブロックすることによって相互作用を抑制している(立体障害説)。筋肉細胞が活動電位によって刺激され収縮するとき、細胞内のカルシウム貯蔵部位である筋小胞体の膜に存在するカルシウムチャネル(リアノジン受容体)が開口し、濃度勾配に従って細胞質中にごく微量(細胞外カルシウム濃度の千分の1以下)のカルシウムが放出される。放出されたカルシウムの一部はトロポニンに結合し構造変化を引き起こすことによって、分子モーターであるミオシン頭部とアクチンの結合を障害しない位置にトロポミオシンを移動させて筋収縮を可能にする。つまり、筋収縮は、ミオシンとアクチン間の相互作用に対するトロポニンの抑制作用がカルシウムによって解除(脱抑制)されることで引き起こされる[3]。
トロポニンは、トロポニンC, トロポニンI, トロポニンTと名付けられた構造的にも機能的にも異なる3つのサブユニットからなるタンパク質複合体である。トロポニンCはカルモジュリンを祖先に持つカルシウム結合蛋白質であり、EFハンド構造と呼ばれる特徴的なカルシウム結合部位を持つ。トロポニンIは分子内の抑制領域でアクチンと結合することによって筋収縮を抑制するが、トロポニンCにカルシウムが結合することによってその結合が抑制される。トロポニンTは他のトロポニンサブユニットと結合するとともにトロポミオシンに結合することによって、トロポニン複合体を細いフィラメントの特定の位置に繋ぎとめている。骨格筋はさらに速筋と遅筋に分けられるが、速筋、遅筋、心筋においてそれぞれ異なる遺伝子にコードされた特異的なトロポニンのアイソフォームが発現しており、筋肉の種類に応じて最適なカルシウムによる収縮制御を行っている。例えば、速筋トロポニンCは筋収縮を制御する機能的役割を担うN末端側のカルシウム結合部位を2つ持つが、遅筋・心筋トロポニンCは1つしか持たない。すなわち、遅筋と心筋は1分子のトロポニンに1個のカルシウムイオンが結合解離することで制御されているのに対して、速筋は2個のカルシウムイオンが協同的に結合解離することで制御されている。これによって、速筋は非常に狭い範囲の細胞内カルシウム濃度の変化によって”全か無か”様の素早い応答が可能になっている。また、心筋トロポニンIのN末端には骨格筋トロポニンIよりも30個ほど長いアミノ酸が付加しており、自律神経による心機能の調節において重要な働きをしている。
遺伝病
心筋と骨格筋のトロポニン遺伝子の突然変異は、ミオフィラメント(細いフィラメント)のカルシウム感受性を増加あるいは低下させることによって心筋症と遠位関節拘縮症[4]をそれぞれ引き起こす。
診断用途
トロポニンサブユニットの組織特異的アイソフォーム(心筋トロポニンIと心筋トロポニンT)は非常に感受性が高く、心筋梗塞などにおける心筋(myocardium)の損傷を免疫測定法によって確認するための非常に優れたバイオマーカーである。
資料
- Antman EM, Tanasijevic MJ, Thompson B, Schactman M, McCabe CH, Cannon CP, Fischer GA, Fung AY, Thompson C, Wybenga D, Braunwald E. Cardiac-specific troponin I levels to predict the risk of mortality in patients with acute coronary syndromes. NEJM.1996;335:1342-9. PMID 8857017.
- Ammann P, Pfisterer M, Fehr T, Rickli H. Raised cardiac troponins. BMJ 2004;328:1028-9. PMID 15117768.
- Collinson PO, Boa FG, Gaze DC. Measurement of cardiac troponin. Ann Clin Biochem 2001;38:423-449. PMID 11587122.
- Gaze DC, Collinson PO. Cardiac troponins as biomarkers of drug- and toxin-induced cardiac toxicity and cardioprotection. Expert Opin Drug Metab Toxicol 2005;1:715-725. PMID 16863435.
- Gaze DC. The role of existing and novel cardiac biomarkers for cardioprotection. Curr. Opin. Invest. Drugs 2007;8:711-7. PMID 17729182.
脚注
- ^ Kajioka et al., Endogenous cardiac troponin T modulates Ca2+-mediated smooth muscle contraction. Scientific Reports 2, Article number: 979. PMID 23248744
- ^ Ohtsuk I., Morimoto S. Troponin: regulatory function and disorders. Biochem. Biophys. Res. Commun. 369:62–73, 2008. PMID 18154728
- ^ Iwao Ohtsuki, Troponin: Structure, Function and Dysfunction. In Regulatory Mechanisms of Striated Muscle Contraction. Advances in Experimental Medicine and Biology Volume 592, 2007, pp 21-36. PMID 17278353
- ^ Nigel F. Clarke, Skeletal Muscle Disease Due to Mutations in Tropomyosin, Troponin and Cofilin. In The Sarcomere and Skeletal Muscle Disease. Advances in Experimental Medicine and Biology Volume 642, 2008, pp 40-54. PMID 19181092
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例報告 トロポニンT上昇を認めた頻脈発作の2症例
- 本態性高血圧におけるNT-proBNPおよび高感度トロポニンTの評価
Related Links
- トロポニンTは,横紋筋の薄いフィラメント上でトロポニンI,Cとともにトロポニン複合体を 形成し,筋収縮の調節に関与している分子量39,000の蛋白である。 平滑筋には存在せ ず,しかも構造が心筋と骨格筋とで異なるため,両者を明確に識別することが可能となり, 現在 ...
- 血液検査で心筋トロポニンTを調べよう。心筋トロポニンTは急性心筋梗塞、狭心症、 心筋炎、心臓手術など心筋障害を疑われたときに検査します。
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★リンクテーブル★
[★]
- 45歳の男性。スポーツジムで運動中に突然の胸やけと吐き気が出現したため救急車で搬入された。意識は清明。身長 170cm、体重 70kg。体温 36.2℃。心拍数 88/分。血圧 136/96mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 99%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:白血球 7,700。血液生化学所見:AST 75U/L、ALT 50U/L、LD 361U/L(基準 176~353)、尿素窒素 17mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、尿酸 6.4mg/dL、血糖 115mg/dL、Na 135mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 102mEq/L、トロポニンT陰性。心電図(別冊 No. 24A)と胸部エックス線写真(別冊No. 24B)とを別に示す。モニター装着や静脈路確保などの処置を行った。
- この患者を専門医に引き継ぐまでの間に、特に注意すべき合併症はどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A057]←[国試_111]→[111A059]
[★]
- 58歳の女性。入院中に突然の呼吸困難と左前胸部痛とを訴えた。3日前に自宅火災で下半身にⅡ度 20%の熱傷を負い、ベッド上で治療を継続していた。今朝、突然、呼吸困難と左前胸部痛が出現した。意識は清明。身長 152cm、体重 68kg。体温 36.1℃。脈拍 112/分、整。血圧 110/76mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 88%(room air)。胸部の聴診でⅡ音の亢進を認め心雑音は聴取しない。呼吸音に異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。心電図は、心拍数120/分の洞性頻脈以外には明らかな異常を認めない。SpO2は直前まで98%であった。
- 確定診断のために最も有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I059]←[国試_110]→[110I061]
[★]
- 英
- acute myocardial infarction, AMI
- 関
- 心筋梗塞
症状
- 胸痛:デルマトームC7-T1への放散痛(PHD.179)。デルマトームT1-T4への放散痛(IMD.418)→胸骨裏側、左上肢の尺側側、頚部、下顎部
- 痛みは虚血により生じた代謝産物(アデノシン、乳酸)が局所の神経終末を刺激することで生じる
PDH.179
特徴的な疼痛
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持続性で、ひどい痛み、典型的には胸骨下痛
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交感神経による作用
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発汗
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皮膚が湿って冷たく感じられる
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副交感神経による作用
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悪心・嘔吐
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倦怠感
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炎症反応
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中程度の発熱
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心臓の所見
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IV音ギャロップ(うっ血性心不全があればIII音も)
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その他
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運動異常を伴う膨隆(前壁梗塞なら)
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心膜摩擦音(心膜炎があれば)
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収縮期雑音(僧帽弁閉鎖不全症や心室中隔欠損があれば)
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肺のラ音(うっ血性心不全があれば)
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頚動脈の拡大(右室梗塞)
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身体所見(ST-segment elecation MI HIM.1533)
- 不安、不穏、ベットの上で場所を変えたり身体を曲げたりして痛みを和らげようとしている。
- 蒼白
- 四肢の冷感
- 30分以上持続する後胸骨痛 + 発汗 → ST上昇心筋梗塞を示唆
- 多くの患者は最初の1時間は脈拍、血圧、正常
- 前壁梗塞の患者の1/4は交感神経が興奮 → 頻脈、高血圧
- about one-fourth of patients with anterior infarction have manifestations of sympathetic nervous system hyperactivity (tachycardia and/or hypertension)
- 下壁梗塞の1/2は副交感神経興奮 → 徐脈±低血圧
- up to one-half with inferior infarction show evidence of parasympathetic hyperactivity (bradycardia and/or hypotension)
検査
血液生化学検査: マーカー
時系列
→→→→→→→→→→→→→→→→→→
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myo
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W
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TnT
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myo
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AST
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LDH
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CRP
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H
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CK
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2-3時間 ~~~~~~半日~ 1日
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心電図
- PECG.168
- (超急性期:発症直後~数時間)T波先鋭化、非特異的ST上昇
- (急性期 :数時間~12時間)特異的ST上昇(上に凸)、R波減高、異常Q波出現
- (亜急性期:24時間~1週間)ST上昇は減高、T波が陰転化(冠性T波:左右対称な陰性T波)。しばしばQT延長を伴う。
- 全層虚血でのST上昇は対側誘導でST低下が見られる。
- 異常Q波 + ST上昇 が数週間持続 → 高度の壁運動の異常 → 心室瘤の形成を示唆
診断
- 心筋梗塞を疑ったら診察は、病歴、心電図変化、心筋マーカーの上昇で行う。心エコーで心筋壁の障害が認められ、CAGで冠動脈の閉塞または狭窄所見が見られたら確実(YN.C81)
治療
初期治療
- PHD.187 ガイドライン1
- アスピリン:治療開始から退院後も継続的に服用。
- 未分画ヘパリン:冠動脈の開存性を保つ。
- βブロッカー:酸素需要減少。拡張期の延長による障害心筋への灌流を改善。静脈投与→経口投与。
- 禁忌:喘息、低血圧、著しい徐脈。
- 硝酸薬:前負荷・後負荷軽減による心筋酸素需要量低減、冠攣縮の解除・予防、側副路の血流増加。
- 使用不可:収縮期血圧<90mmHg or 通常血圧より30mmHg以上血圧低下、高度徐脈(<50bpm)、頻脈(>100bpm)、下壁梗塞・右室梗塞合併疑い例
- 禁忌:勃起不全治療薬服用後24時間以内。
- 未分画ヘパリン:PCIが施行される場合にはヘパリンをactivated clotting timeが250を越えるように使用。tPAを使用した血栓溶解を行った後にはヘパリン48時間投与し、APTTを50-70秒に保つ。
- 鎮痛薬:塩酸モルヒネ:硝酸薬使用後も疼痛が持続する場合。
再灌流療法
- 適応:発症後12時間以内 (救急医療パーフェクトマニュアル p.43)
二次予防
- 患者教育
- 禁煙指導
- 食事療法:血圧管理、脂質管理、体重管理、糖尿病管理
- 運動療法
- 抗血小板薬
- 脂質異常症治療薬
- RAA系阻害薬
- βブロッカー
- カルシウム拮抗薬:血圧管理や狭心症が他の薬剤でコントロールできない場合に限る(心筋梗塞発症早期での短時間作用型カルシウム拮抗薬投与による総死亡低下に対する有効性が確認されなかったため)。,STEMI患者への短時間作用型ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬投与は通常禁忌。(ガイドライン1)
- ニコランジル
- ワルファリン
合併症
機械的合併症
- NSU.424 SSUR.397
- 心筋梗塞の破裂は全心筋梗塞例の2-4%でみられ、3/4の例で左室自由壁破裂、1/4の例で心室中隔穿孔、僧帽弁乳頭筋断裂はごく稀(SSUR.397)。
-
- 心室中隔を栄養する血流の途絶により中隔の壊死を来たす。左右シャントを生じ、原疾患である心筋梗塞による心不全を増悪させ、前方不全、すなわち低心拍出量症候群をきたす。増悪すれば、心原性ショックに陥る。右室は容量負荷をうけ右心不全をきたすことがある。症状は苦悶、血液低下、尿量減少を来たし、半数例においては心原性ショックが見られる。治療は循環が悪化している場合にはドパミン、ドブタミン、ニトログリセリンが用いられるが一時的であり、大動脈内バルーンパンピングによって循環動態を安定させる。その後、速やかに手術を施行する。循環動態が安定している例では2-3週間後に手術を行う(NSU.424)。手術は心停止下に左室梗塞部を切開して中隔穿孔部をダクロンパッチで閉鎖する。
- 2. 虚血性僧帽弁不全症(急性:乳頭筋断裂、慢性:乳頭筋機能不全)
- 乳頭筋断裂の75%は下壁梗塞に合併して後乳頭筋に発生し、残りは前乳頭筋に生ずる。僧帽弁尖の逸脱が起こり急性僧帽弁閉鎖不全症の病態を呈する。原疾患の心筋梗塞による心不全に加え、急性僧帽弁閉鎖不全症により心原性ショックに陥る。治療はIABPを挿入して循環動態を安定化後、僧帽弁置換術を行う。
-
- 自由壁破裂は左室に多く、健常部と梗塞部位の境界に多い。病型は急激に大出血するblow-out型とじわじわ出血するoozing型がある。いずれの場合でも出血による心タンポナーデを来たし、低心拍出量の低下、さらに心原性ショックに陥る。症状は血圧低下、意識消失、呼吸停止、徐脈、心停止に至る。治療は直ちにPCPSにより循環の維持を図り(oozing型の場合は心嚢穿刺によるタンポナーデの解除を行う)、開胸手術により出血部のフェルトを用いた縫合閉鎖を行う。
ガイドライン
- 1. 急性心筋梗塞(ST上昇型)の診療に関するガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_takano_h.pdf
国試
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- 関
- trinitrotoluene、troponin T
- 同
- troponin T
[★]
トロポニンT
- 同
- TnT
[★]
- 英
- cardiac troponin T、cTnT
[★]
- 英
- troponin
- 関
サブユニット
心筋障害マーカー
偽陽性
- 心筋炎、肺塞栓、大動脈解離、心不全、高度腎不全、骨格筋障害、蘇生後の外傷など
[★]